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個別記事の管理2011-05-16 (Mon)

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YASHA (1) (小学館文庫)YASHA (1) (小学館文庫)
(2005/12)
吉田 秋生

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どうしても読みたかった作品! やっと読了!! もう面白すぎでしょ!!! 以下文庫裏表紙よりあらすじ。

沖縄・奥神島。
この小さな離島に暮らす少年・有末静の平穏な日常はある夜突然破られた。
目前で母を射殺され、静は謎の男たちに拉致されてしまう──!
6年後、静は米国の巨大製薬会社、ネオ・ジェネシスの研究所にいた。奥神島での事件は、彼の驚異的な頭脳と遺伝子を手に入れるために同社が起こしたものだったのだ。
ウイルス学の若き天才として帰国した静を待ち受ける陰謀、そして彼の出生に秘められた謎とは……?


 やっぱりねー、面白いんですよ! コレしか言葉ないですう~!! キャラクター達も申し分なく皆魅力的だし。老若男女、すべてのキャラを描き分ける作者サンの手腕にはもう脱帽でしょ!! 
 ヒーローは若き天才的科学者・有末静と双子の弟・雨宮凛。遺伝子操作によって生まれたこの二人の愛憎と葛藤が後々までストーリーの軸となって一気に読ませる。
 ストーリーのテーマをバイオテクノロジーに求め、さらに聖書・カインとアベル(兄弟の愛憎劇)のエピソードにつなげているトコロが出色だなと。

 父であるMADサイエンティスト・雨宮協一郎によって神経細胞成長因子(ニューロン・グローイング・ファクター)を投与されて生まれた静と凛。
 静は代理母・有末比佐子の胎から生まれ、沖縄の大自然の下、母の愛情を存分に享受し、とかけがえの無い友人達との触れ合いの中で充分幸せに過ごしてきた。
 それに引き換え弟・凛は、父・恭一郎の保護の下、祖父による虐待を受けついに殺人を犯し、愛情をまったく知らない人間として成長。
 この二人の真逆な生い立ちと性格。そして生き様。対極の2人が繰り広げる世界を賭けた恐るべき戦い。
 
 もう、自分、書けません。終盤でだいたいの結末はなんとなく分かってしまうんです。作品としてはラストが予定調和的なカンジがして自分的にはちょっと残念だったんですけどね。
 あのBANANA FISHにも登場していたシン・スウ・リンも登場しますが……こうなるとどうしてもアッシュを思い出してしまうし!! この作品も単独ではとっても素晴らしいです。けれど、やっぱりあの偉大な作品の影を感じてしまうのですよね……ガジェットも麻薬がウイルスに、キャラクターもアッシュの光と影の象徴が静と凛に……と変換しただけで。特に静はアッシュに被る!! 仕方無いことなんですが。

 しかし、極上のストーリー展開とリアリティありすぎるテーマには唸りっぱなし。
 その裏にある狂った科学者・雨宮恭一郎の、有末比佐子への歪んだ愛情がすべてを引き起こしたあまりにも人間臭い愛憎劇との二重構造的な構成も素晴らしいなと。
 父親の野望の犠牲となった静と凛──特にその父親に反抗できなかった凛が、ようやく静を受け入れ共に父親に反し命を落とす──というラストがありきたりといえばそうなんだけど、そこに至るまでの心理描写が巧い!
 一人の男の歪んだ愛情が引き起こした悲劇、という解釈しました。自分的に。

 いやー、それにしても吉田秋生の描く男子キャラはいい!! 全編通してさらっとしたエロさと、濃厚なギャグ! もうねー、フェロモンまき散らしすぎです!! 恐れ入りました!!


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Theme : コミック * Genre : 本・雑誌 * Category : 吉田秋生
* Comment : (4) * Trackback : (0) |

こんばんは * by 道楽猫
YASHA読まれましたかー。
私は実は、連載中に途中まで読んでて、ラストは知らないんですよ。
これもなかなかにすごい作品ですが、やっぱりアッシュがいないのが寂しい~~。

Re: 道楽猫様☆ * by 惺
こんばんは☆
> YASHA読まれましたかー。
> 私は実は、連載中に途中まで読んでて、ラストは知らないんですよ。
読んでしまいましたよ~!
リアルタイムで読んでいたんですね、さすが!!
ぜひともラストまで突っ走ってください。今からでも是非!

> これもなかなかにすごい作品ですが、やっぱりアッシュがいないのが寂しい~~。
どうしてもねー、被っちゃう~。だって似てるんだもん。
ましてや、リンクしている人物まで登場しちゃうとなると、余計アッシュを思い出すし。
それほどBANANA FISHはインパクト強い名作ということですね~☆

* by まいまい
この話,心理描写がうますぎて,だんだん読むのが辛くなっちゃった思い出があります。
途中で放棄したかと思ったけど最後まで読んでたみたいです。ただ続きの「イブの眠り」は挫折しちゃってます。う~ん,こうなると読みたいような気もしますね。

Re: まいまい様☆ * by 惺
おはようございます~!
> この話,心理描写がうますぎて,だんだん読むのが辛くなっちゃった思い出があります。
オトナになった今読んでいるから理解できるし、楽しめるけど、
お子様の時に読んでいたら自分もやっぱり途中放棄だったかも。
「BANANA FISH」よりもテーマが深いし、人間関係も複雑。特に親子関係が。
発表されたのってかなり昔なのにテーマといい、キャラクターといい、まったく古さを感じさせない。
この作者サンの時代先取るセンスと知識って極上だなと。
我々がそれについていけてないんだよね…つくづくそう思います。

> 途中で放棄したかと思ったけど最後まで読んでたみたいです。ただ続きの「イブの眠り」は挫折しちゃってます。う~ん,こうなると読みたいような気もしますね。
「イブの眠り」も興味あるなあ。
「YASHA」読破してみてくださーい!
「BANANA FISH」という名作なければ、絶対にこの作品が
吉田秋生の代表作トップになっていたハズ…というのは、自分の勝手な思い込み~♪

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