09≪ 2017/10 ≫11
12345678910111213141516171819202122232425262728293031
個別記事の管理-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
* Category : スポンサー広告
|
個別記事の管理2011-12-09 (Fri)

ご訪問ありがとうございます☆

黒薔薇黒薔薇
(2006/02/17)
吉屋 信子

商品詳細を見る

 何度目かの再読。「黒薔薇」と書いて「くろしょうび」と読むそうです。以下BOOKデータベースより内容。

22歳の春、瀧川章子は地方の町立高等女学校へ教師として赴任する。校長が生徒のMensesの調査を命じたのに一人反抗し、早くも職員室の注意人物になってしまう。そんなとき、授業で出会った美しい樋口和子という生徒にひかれてゆく。
同性を愛慕することの恐ろしさと反自然的な感じに脅かされつつ、苦悶する章子…。交流を重ねるなか、二人を襲う悲劇!!
大正~昭和の大流行作家・吉屋信子が生涯に一度だけ主宰した個人雑誌『黒薔薇』。この中から表題作、珠玉の作品をセレクト。可憐でせつない“エスの世界”、乙女たちの憧れと夢、苦悩と孤独。全編、全集未収録作品。


 挿画は松本かつぢ氏。素敵なので大きくしてみました。
 きちんとした書籍で出版されたのではなく、吉屋信子の個人誌として、今で言う自費出版なのでしょうかね。特異な形で世に出た作品とのことです。
 大正14年出版とのことで、当時の風俗なども知れてなかなか貴重な作品だな、というのは個人的感想。作中、ヒロイン章子が友人と喫茶店でソーダ水を「麦のくだ」で飲むなんて描写があって……。麦のくだ…いわゆるストローの名の由来はこれなんだなあ、と雑学気分で楽しめます。

 ストーリーとしては、 「屋根裏の二処女」 の続編といったカンジなのでしょうか? ヒロインも同名の「章子」だし。その章子の想い人との破局を経験して、彼女はとある県立女学校の教師となるべく赴任する。そしてそこの生徒である美少女・和子との間に師弟関係以上の感情を抱くようになる──。
 年上の教師・章子と美少女生徒・和子との淡く清い絆を描いた作品なのですが、いろいろな書評にも書かれているように、作品としては完成度イマイチなのかなと。
 全編を通して章子の県立女学校とその校長への不満(これは裏を返すと当時の男性上位社会への不満でもあるのだけれど)と、和子への思慕を詳細にとりとめない描写で綴られているな、との印象が強かった。
 小説としても途中まで三人称視点で書かれていたのに、突如として章子視点で書かれるなどの変更もあったりしてなかなか混沌&散漫な感じが否めない。

 けれど、和子に出会ってからの章子の心情の変遷が丁寧に描かれているので、その部分を読むだけでもやっぱり惹きこまれてしまいますね。それに章子を通して、おそらく作者の恋愛観を語らせているあたりがとても興味深かった。
 ストーリーはちょっと破綻気味? 唐突に終わるラストにもええ? とちょっと驚きだったし、章子の思い悩む姿もちょっとくどい感じがしたし。

 ただ、やはり少女の微妙な関係を描かせたら天下一品の吉屋信子。繊細な感情のあやが見事に表現されているなと。
 以前読んだ吉屋信子の自伝的作品で、この自費出版自体が、彼女の生涯のパートナーであった女性に仕事を持たせるためのものだったと同時に、当時の商業主義的な出版業界に幻滅し、彼女なりの抵抗手段だったとのことです。
 吉屋信子の作品を読むたびに思うことは、彼女の作品がそのまま、彼女の生きざまのようなものなのだなということ。
 相当に魅力を感じる作者であり、作品群なんですよね、自分にとって。


blogram投票ボタンにほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ人気ブログランキングへ
☆いつも応援ありがとうございます☆
スポンサーサイト
Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 吉屋信子
* Comment : (0) * Trackback : (0) |
個別記事の管理2011-08-23 (Tue)

ご訪問ありがとうございます☆

吉屋信子集 生霊―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)吉屋信子集 生霊―文豪怪談傑作選 (ちくま文庫)
(2006/09)
吉屋 信子

商品詳細を見る

 吉屋信子、好きです。人それぞれ好みがあるとは思いますが、一度読むとあの格調高く精緻な筆致の文章に病みつきになります。以下BOOKデータベースより内容。

小女小説から家庭小説、歴史小説まで不朽の名作を数多く遺した吉屋信子は、戦後の一時期、憑かれたように怪談風短篇の筆を執った。
分身の恐怖と恍惚、霊となって故郷をめざす兵士、老いてなお艶やかな媼の幻影、内なる魔に駆られ数奇な運命をたどる麗人たち…作者みずから「世にも不思議な物語」と呼ぶ異色短篇の数々は、読者をして物語の豊饒に酔わしめるであろう。文庫初収録作品、多数。


 面白かったです! 初期の少女小説とはがらりと変わった作風とテーマで楽しめました。「怪談傑作集」と銘打たれてしいますが、どちらかというと幻想文学集といった印象でした。中でも印象に残った作品をいくつか。

生霊
 第二次大戦後、シベリアから復員してきた菊治の身に起こった怪異譚。
 高原の今は誰も利用していない別荘に住みついた彼がその別荘の所有者の亡き夫と間違われる。単なる酷似ゆえの錯覚か、それとも菊治は所有者の亡くなった夫の分身だったのか?
生死
 これも復員兵をテーマに。。
 フィリピンで戦闘中のとある日本兵。過酷な任務で自決をしようとした彼の幻想譚。
 霊魂だけが復員してきたと思いきや、実は死にきれずに命からがら日本へ、わが家へと帰還。と同時に知る、同じ復員兵である従兄弟の悪事。ちょっとしたサスペンス仕立てとなっていたラストが秀逸。
誰かが私に似ている
 人生の折節に自分ではない「誰か」に間違われるヒロイン。その見ず知らずの「誰か」に感化されて己の人生も変化してゆく──という、これもスリリングな一編。
宴会
 主人公が出席したとある宴席。独り早々と座敷で待つ間に現れた一人の老女将。その彼女が語る、誰も知らない主人公の父親の秘密。
そして誰もが知らないと言う、その老女将の正体は?
海潮音
 発作のように人生のある一時に盗癖を発症する美貌の青年。
 冷酷で感情に乏しい彼が激しく欲した聖女にも等しい女性との末路。タイトルと作品の内容がものすごくマッチした一作。

 どの作品も格調高い。以前読了した一連の少女小説とは一線を画した、こちらもそれぞれ趣のある短篇ぞろい。
 やはり非凡の才能を持った作家なのだな、ということを改めて思い知らされた稀有で貴重な作品でした。


blogram投票ボタンにほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ人気ブログランキングへ
☆いつも応援ありがとうございます☆
Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 吉屋信子
* Comment : (2) * Trackback : (0) |

お信ちゃん、憑かれる * by nao
吉屋信子と怪談(!?)・・ちょっと新鮮。
こういう本が出ていたのでありますか・・気になります。
(もともと、お信ちゃんの作品に詳しくないのでありますが・・・。
 中原淳一のあのぱっちり目の無垢少女は不在かぁ<意味不明>)。
読む時期(時季)として、やはり今が最適でありましょう・・
が、図書館にはない模様・・困った。

Re: nao 様☆ * by 惺
こんばんは☆
> 吉屋信子と怪談(!?)・・ちょっと新鮮。
でしょ? 猛烈に惹かれて買ってしまいました。

>  中原淳一のあのぱっちり目の無垢少女は不在かぁ<意味不明>)。
そうなんです…今回は不在。ショック(>_<)

> 読む時期(時季)として、やはり今が最適でありましょう・・
> が、図書館にはない模様・・困った。
あまりの暑さにねー、もうコレしかないっと。
吉屋信子の他にも有名な文豪サンのシリーズだったような気がします。
文豪の皆さん、結構怪談好きなのね、としみじみ。

個別記事の管理2011-02-05 (Sat)

ご訪問ありがとうございます☆

返らぬ日―吉屋信子少女小説選〈2〉 (吉屋信子少女小説選 (2))返らぬ日―吉屋信子少女小説選〈2〉 (吉屋信子少女小説選 (2))
(2003/05)
吉屋 信子

商品詳細を見る

 中原淳一のジャケ画だったのでちょっと大きくしてみました。今ではほとんど絶滅しかかっている清純な乙女像でしょうか? 
 久しぶりの吉屋信子。たいていの初期作品は読んだのに、これだけは未読でした。図書館に在庫があったのですかさず借りてしまいました。以下BOOKデータベースよりあらすじ。

「美しいこのひとは私のこいびとよ!」―日本橋の乾物問屋の妾腹の娘・彌生と、上海生まれの早熟な少女・かつみ。やさしい桃色のためいきのような二人の友愛は「あぶのうまる」?
少女の日の哀愁とユーモアに満ちた幻の傑作「返らぬ日」など、女学生をめぐる小説とエッセイ全7篇を収録。女学生の哀歓を描き切った、『花物語』の姉妹編ともいうべき初期作品集。

返らぬ日
七彩物語
裏切り者
日曜病(サンデーシック)
五月と桐の花
讃涙頌
同性を愛する幸い …の珠玉の7篇収録。

 白眉は表題作となっている「返らぬ日」ですね~。ちょっと過激なあらすじのとおり、従来の吉屋作品より踏み込んだ内容。
 上海育ちのエキゾチックな少女・かつみと、和服が似合う妾腹の美少女・彌生との悲恋物語。
 お互いに一目ボレしたかつみと彌生の出逢いはカソリックの学校。とある夕べの寄宿舎の露台(バルコニーのことね)で2人は互いの想いを打ち明け合う……という、定番のシチュエーションです。なんとなく花物語の「日陰の花」を思わせます。

 想いが通じ合い、幸せ絶頂のかつみと彌生。
 そしてストーリーは進み、またも定番の夏休み。かつみは軽井沢へ、彌生は鎌倉へと避暑のためそれぞれの別荘で過ごすため離ればなれになってしまう。しかし一時も離れ難い彌生はとうとうかつみのいる軽井沢へとやってくる。
 そして初めて過ごす2人きりの夜……この部分の描写がかなりぼかされていますけど、かなり踏み込んで少女同士の交流を描いてますね~。他にもポルトガル人のマダム・オルガに施してもらったおそろいのほくろの刺青(しかも口もと!)とか、阿片吸飲の願望とか……妖しくなまめかしい(!)エピソードも用意されていて、吉屋信子の創りあげた雰囲気抜群の耽美な世界に酔わされます!

 が、後半は展開が急転直下。彌生に縁談がもちあがり、彼女はもちろん応ずるはずがない。意を決してかつみに上海への逃亡か心中を願うけれど、かつみには亡き実母から託された大切な願いがあった……。
 彌生と共に行くか、母の願いを全うするか。ジレンマに苦しむかつみの心情が流麗な文体で綴られる。彌生に向かって訥々と語る母の物語が読んでいて切ない。そして最後の決断を下したかつみの前に現れた彌生もまた、かつみ以上に苦しみ悩んで、彼女のために哀しい結末を選び取る。
 純粋な少女2人の互いを思い遣る、静謐でありながら激しい愛情に深く感動。吉屋信子の美文調がなんとも良い味です。

 その他は短篇揃い。七彩物語を始め、どれも気楽に、楽しく読める。最後の1篇「同性を愛する幸い」は吉屋信子の恋愛観が淡々と述べられていて貴重かも。
 二度と返らぬ青春の日……このような意味合いで付けられたタイトルも非常に巧いな~と思ってしまいました! そしてところどころに色を添える中原淳一の素敵なイラストもナイスで贅沢です。


にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへblogram投票ボタン人気ブログランキングへ
Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 吉屋信子
* Comment : (2) * Trackback : (0) |

こんばんは * by まいまい
この本,表紙だけでなく,中にも中原淳一のイラストが入ってるんですか。
すごいなあそれ。手元に置きたいかも。

吉屋信子の本は淘汰されないのがほんとにすごい。
イナカの図書館にもちゃんと置いてあります。
(復刻版だろうけど,復刻されることがすごい。)

惺さんのレビューがまた素晴らしくて,
未読の本なのに,互いを思う故に苦悩する美少女達が目に浮かぶようです。

Re: まいまい様☆ * by 惺
おはようございます!
> この本,表紙だけでなく,中にも中原淳一のイラストが入ってるんですか。
> すごいなあそれ。手元に置きたいかも。
そうなんですよ~!! けっこう貴重かもです。
アマゾンで探してみようかな、と自分も虎視眈々。

> 吉屋信子の本は淘汰されないのがほんとにすごい。
> イナカの図書館にもちゃんと置いてあります。
> (復刻版だろうけど,復刻されることがすごい。)
ホントですね。
やっぱり面白いからかなあ?
あまり古臭さを感じない(さすがに文体はキビしいけど)。
亜流はたくさんあるけれど、やっぱ吉屋信子に勝るものなし!
と、つくづく思ってしまいました~☆
コメントありがとうございますi-176

個別記事の管理2010-07-13 (Tue)

ご訪問ありがとうございます☆

小さき花々 (河出文庫)小さき花々 (河出文庫)
(2010/07/02)
吉屋 信子

商品詳細を見る

 久々の吉屋信子。河出書房の今月の新刊ということで即買いしました。あの有名な「花物語」の続編として書かれたそうですが、納得の内容でした。以下文庫背表紙よりあらすじ。

幼い頃、教会の日曜学校で仲良くなったみつると栄ちゃん。女学校に進学したみつると対照的に、父の病気のせいで芸者になった栄ちゃんを襲う悲しい運命……(「天国と舞妓」)。
貧富の差など社会の流れの中で引き裂かれてゆく少女たちを描く、「少女の友」黄金期に『花物語』の続編として連載された少女小説の傑作集。


 忘れぬ眉目・天国と舞妓・姉の幻影・素直な心のひと・田舎の親類・小さい父さん・考える子・たまの話・人形の家・女の子 の全10編収録。

 「花物語」の続編と銘打っているわりには、すべての話に花がモチーフとなっているわけではないです。が、少女達の揺れる心の機微の捉え方などは、さながら熟練職人芸といった風情があります。
 従来の吉屋信子の作品の特徴としては、常に弱者の視点から作品を描いていたと思うのだけど、今作は逆の立場、つまり社会的に強い立場の少女を主人公に据えた話が殆どと言ってもいいくらい。その少し傲慢でもある少女が自分とは対照的な立場の少女と触れ合うことによって、今まで自分が狭い価値観の中で生きていたことに気付き、さらなる成長を遂げようとする、または遂げようと思い至る展開がとても印象的。
 「素直な心のひと」・「田舎の親類」・「考える子」などがそのテーマの話であり、個人的には秀逸だなと。

 今でいうハーフの令嬢とその忠実なお守役との短編「たまの話」は、主従の関係を超えた女子2人の固い絆の物語として胸に迫るし。10編中で1番のお気に入りです。
 それぞれの少女達が他者との関わりによって自己を確認し、今までの生き方を振り返り、さらなる成長を遂げてゆく。短編ながらも訴えかけるモノはとても確かでココロに迫るモノがありました。素直に面白かったです!


にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

blogram投票ボタン
Theme : 読んだ本。 * Genre : 本・雑誌 * Category : 吉屋信子
* Comment : (0) * Trackback : (0) |
個別記事の管理2010-05-24 (Mon)

ご訪問ありがとうございます☆

 共通点は典型的な少女小説。女学生の(清い)三角関係。
 少女小説の大御所吉屋信子と、ノーベル文学賞受賞の川端康成。偉大な作家が描いた少女小説。どちらも読みごたえ充分です。

わすれなぐさ (河出文庫)わすれなぐさ (河出文庫)
(2010/03/05)
吉屋 信子

商品詳細を見る

 登場人物はナンパな令嬢陽子と硬派な純情少女一枝、そしてちょっと個性派少女ヒロイン牧子。
 作者のこの3人のキャラ造形がとにかく巧い。
 まずはヒロイン牧子。この牧子、令嬢陽子からも真面目な一枝からも好意を持たれ、いいトコどりの少女。けれど、父親の男尊女卑思想に密やかな反発心を抱いて、常に「我は何をなすべきか?」とトルストイの著書の一文を噛みしめている自我の強い少女。薄っぺらくないのだ。
 そして一枝。生真面目で純情。牧子と真の友情を結ぼうとする、出番の少ないキャラだけれど、要所要所で大事な役目を担っている。
 秀逸なのが我儘で小悪魔系・ツンデレ令嬢陽子。彼女がいなければこのハナシは成り立たない。牧子にぞっこんで、なんとかして自分に振り向かせようとする場面がなんともコミカルで笑いを誘う。
 母親を亡くして落ち込んでいる牧子を、陽子独特のやり方で慰めようとするエピソードが白眉! 自宅所有のクライスラーで横浜豪遊したりとか。
 そして都合が悪くなると、母親であろうが警察であろうが、高らかに笑って煙に巻く。この陽子をヒロインにしてもいいくらいの、笑いありシリアスありの八面六臂の大活躍!
 個性豊かな3人の少女の友情物語。最後にはホロッときます。

完本 乙女の港 (少女の友コレクション)完本 乙女の港 (少女の友コレクション)
(2009/12/11)
川端 康成

商品詳細を見る

 遥か昔に読んだ作品。再読できなかったので、おぼろげな記憶を頼りに。
 復刻版が出たらしく、装丁も素晴らしい。何よりあの川端康成が少女小説書いてたとは恐れ入りました! しかし、正確には原案は弟子の女性らしい。
 ミッションスクールを舞台にした下級生三千子をめぐる、淑やかな上級生洋子(またようこちゃん!)と、勝気な克子の恋の? さやあて。
 こちらは「エス」色を全面に押し出してます。克子が何とかして三千子を妹にしたくて、あの手この手で策略してた気がする。少女小説お決まりの、夏休みに別荘に呼んでひと夏一緒に過ごす……とか。
 対する洋子は家の没落(確か)のために卒業後(か中退して)働くことに。その洋子を尊敬し、憧れ、けれど克子の奔放な魅力に抗えない三千子のココロの揺らめきがなんとも可愛い。
 ミッションスクールに教会などなど、雰囲気はバツグン。けれどキャラ造形に吉屋信子ほどの深みが無いな~と思ってしまいました。皆典型的すぎて小さくまとまっちゃった感強し。

 どちらも甲乙つけがたい不朽の名作。自分の好みとしては断然「わすれなぐさ」なんだけど。
 ほぼ同じ素材を扱っていて、それがどのように料理されているのか読み比べてみるのも、かな~り面白いデス。


にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

blogram投票ボタン
Theme : ブックレビュー * Genre : 小説・文学 * Category : 吉屋信子
* Comment : (2) * Trackback : (0) |

吉屋信子! * by まいまい
おお!マニア心をくすぐりますね。(っていうほどワタクシはマニアではありませんが)
弥生美術館でやった「少女の友」展見てきました。ステキでした。

この2作品を読んでいるか微妙なんですけど、吉屋信子がちゃんとこの21世紀の世の中に残っているっていうのがすごいことですよね。ベルばらの池田理代子さんの初期の作品には、こういう作品群に影響されたとしか思えない作品がたくさんあって、おもしろいです。

う~長々スミマセン。

Re: 吉屋信子! * by 惺
>まいまい様e-398

> 弥生美術館でやった「少女の友」展見てきました。ステキでした。
  → え? そんな素晴らしいモノ開催されてたんですか? い、行きたい! 調べよッ!

> 吉屋信子がちゃんとこの21世紀の世の中に残っているっていうのがすごいことですよね。
  → ホントです。時代を先取りしすぎてたんでしょうね~。やっと時代が追いついた感じがします。

> ベルばらの池田理代子さんの初期の作品には、こういう作品群に影響されたとしか思えない作品がたくさんあって、おもしろいです。
  → そうなんですか? 「ベルばら」と「オルフェウス~」しか知らなかったので、是非読んでみたい! 影響力ありますね~☆

長文大歓迎です。コメントありがとうございました!

個別記事の管理2010-04-21 (Wed)

ご訪問ありがとうございます☆
 この拙いブログを覗いてくださる方々、リンクしてくださっている管理人様、ブログラムのりぃや様、ぽちして下さる方等々、皆さま本当にありがとうこざいます!

屋根裏の二処女 (吉屋信子乙女小説コレクション)屋根裏の二処女 (吉屋信子乙女小説コレクション)
(2003/03)
吉屋 信子 嶽本 野ばら

商品詳細を見る

 タイトルがかな~りインパクトありすぎますね。でもアヤシイ本ではありません。以下BOOKデータベースよりものすごく簡単なあらすじ。

吉屋信子の“乙女小説”を厳選するコレクション、第二巻。寄宿舎を舞台に、二人の“処女”の愛と尊厳を描き上げた信子の原点というべき重厚なる半伝記小説。その内容故に、現代まで「禁断の書」として秘かに語り継がれた物語の真の全貌を、今、時空を超えて明らかにする。大好評、嶽本野ばらによる解説・註釈も更に充実。

 キリスト教系の寄宿舎の屋根裏を舞台にした、少女2人の愛と絆の物語。正直に言ってしまうと退屈です。作風も暗くラストまでが非常に緩慢。ヒロインである章子の半ばいじけた心情が半端なく事細かに綴られていて、あんまりにも卑屈すぎて自分はどうしてもこの章子に感情移入ができなかった。読んでいてとってもイタイ。
 けれどヒロイン章子を除いた多くの女性キャラクターが非常に魅力的で、確固たる意志を持った人間として描かれていることにかろうじて救われた感が。
 自分の信念を持つボーイッシュな工藤さんに、不本意な結婚を強いられ自由を手にするために自らの命を散らそうとする伴夫人。そして章子の想い人秋津さんも周囲と慣れ合いになることない孤高の美少女。唯一章子だけがヘタレなのだけれど、物語終盤、伴夫人と秋津さんの仲を疑ってあらぬ嫉妬からとうとう自分の感情を爆発させたところで、やっと好印象。章子の心情の吐露によって2人の気持ちは固く結ばれる……というこのラスト部分だけが勢いよく読めました。

 何かと女性が抑圧されることの多かったこの時代(大正末期)。強い絆で結びつき、行き場を無くしたうら若き女性が2人だけで生きていこう! というテーマはかなり斬新だったらしい。
 が、自分的にはやはりイマイチ訴えかけるモノが弱いな~という印象を受けた。第一ヒロインが魅力的でないのがちと悲しいし致命的。ですがやはり巨匠吉屋信子、描写は巧いです。古臭さまったく感じないし、当時の風俗もかなり興味深い。加えて、時におネエ言葉になる嶽本野ばらの解説と注釈が爆笑モノで最高です。これに装幀と挿画の中原淳一も加わって、とってもゴージャスな1冊。内容の方は多分好き嫌い分かれますけどね。「花物語」と比較して読んでみるのもまた面白いかと。


にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

blogram投票ボタン
Theme : 最近読んだ本 * Genre : 本・雑誌 * Category : 吉屋信子
* Comment : (0) * Trackback : (0) |
個別記事の管理2010-02-05 (Fri)

ご訪問ありがとうございます!
 
花物語 上 (河出文庫 よ 9-1)花物語 上 (河出文庫 よ 9-1)
(2009/05/30)
吉屋 信子

商品詳細を見る

花物語 下 (河出文庫 よ 9-2)花物語 下 (河出文庫 よ 9-2)
(2009/05/30)
吉屋 信子

商品詳細を見る


 挿画が中原淳一でないのが残念。でもまあ、これもアリですね。

 言わずと知れた少女小説の金字塔! 今の、そして昔の少女達のバイブルでもあり、女子の深層心理というか、ものの考え方は幾年月を経ようとも基本、このころからあまり変わらないんじゃないかなと。

 全52作品中、自分のお気に入りはこの2作品。

日陰の花 
 今でも愛人さんや2号さん(言い方古いな~)の代名詞となっておりますが、そのことばこの作品からでたのでは……? 
 百合テイストはるかに飛び越えてビアンの域に入っております。少しばかり過激です。びっくりしましたッ!
 二人のヒロイン、環と満寿。一線を越えてしまった2人の、夕暮れのバルコニーで交わす変わらぬ愛。
 吉屋信子作品研究の大家? かの嶽本野ばら氏絶賛の作品でもあります。かなりインパクトありますが、作風はあくまで格調高い。
心の花
 まさに目に映る見せかけの美しいだけの花になるのではなく、心の中に清い花を咲かせ、それを永久に育ててゆきなさい、という作者の願いが如実に感じ取れる話です。
 後に吉屋信子の自叙伝を読んで、実はこのハナシ作者自身の境遇がかなり投影されているなと、しみじみ感じ入りました。

 危ういビアンテイストと清く正しい乙女同士の淡い心の交流。両極端の世界を描いた「花物語」。後世の少女小説に与えた影響は計り知れないモノがあるかと思います。川端康成著(実は弟子の女性が書いた)「乙女の港」も読みましたが、話が優等生・教訓じみていてやはり「花物語」の足許にも及ばないかな? 訴えかけるモノが根本的に違うからだよね~。

 返らぬ少女の日の
 ゆめに咲きし花の
 かずかずを
 いとしき君達へ
 おくる。
  ~ 本文より抜粋 

 作者の伝えたかったことは、冒頭のこの5行に集約されていると思います。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
Theme : オススメの本 * Genre : 本・雑誌 * Category : 吉屋信子
* Comment : (0) * Trackback : (0) |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。