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個別記事の管理2010-08-30 (Mon)

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ゼロの焦点 (新潮文庫)ゼロの焦点 (新潮文庫)
(1971/02)
松本 清張

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 何度めかの再読。「点と線」を読みたいな、と思って自宅捜したけれど無く、あったこちらで。やっぱ何度読んでも面白い! 以下文庫裏表紙よりあらすじ。

前任地での仕事の引き継ぎに行って来るといったまま新婚一週間で失踪した夫、鵜原憲一のゆくえを求めて北陸の灰色の空の下を訪ね歩く禎子。
ようやく手がかりを掴んだ時、"自殺"として処理されていた夫の姓は曽根であった! 夫の陰の生活がわかるにつれ関係者がつぎつぎに殺されてゆく。
戦争直後の混乱が尾を引いて生じた悲劇を描いて、名作「点と線」と並び称される著者の代表作。


 再読しているはずなのに、トリックと犯人をすっかり忘れているという……ま、だからこそ毎回新鮮な気持ちで読めるとも言えるのですが、物忘れが激しすぎる……
 新婚間も無い美人若妻・禎子が、夫の失踪をきっかけに殺人事件へと巻き込まれてゆく、という完全に主人公巻き込まれ型のミステリー。
 時代設定も1950年代ということで、お見合い結婚が主流。ゆえに、結婚相手の素性もあまり詳しくはわからない。ココがこの作品のポイントなのではないかと。
 今みたいに恋愛結婚全盛の時代じゃ、このようなハナシは成り立ちません、絶対!(そうでもないか?)

 探偵役は美人若妻・禎子。そして助手役は失踪したダンナ憲一の仕事上の後任である本多。
 派手な展開は終盤までありません。2人が失踪した憲一の足跡をたどるうちに、次第に明るみに出てくる彼の意外な姿。薄皮を剥いでいくように自分のダンナの実像が現れてくる、その第一の謎解き部分がまず読ませます。
 淡々とした語り口、暗く沈鬱な北陸の描写、荒れ狂う海。それらがそのまま、いきなり事件に巻き込まれ、混乱し疑惑にとまどう禎子の心情と巧く重なって無理なく感情移入してしまう。

 細かなトリックや第2・第3の殺人事件を経て、終章で禎子が真犯人にようやく気付き、一気に解決に突き進む場面が秀逸。そしてすべてが終わってしまった後、荒れる海に向かって、彼女がココロの中で反芻する詩が哀しい余韻を残して印象的。

 登場人物が少ないわりに、なかなか犯人像は掴めない。これぞと思う犯人候補が現れては殺される。さんざん読者を翻弄し、一人二役・過去の因縁・犯人の意外性等々、ミステリーのある意味王道を行った作品。

 最後の解説には本格ミステリーとしては完璧ではない、と書かれてます。なるほど~確かにそうかな? という部分もあるけれど、謎解きを抜きにして、普通の文芸作品として読んでも充分感動し、堪能できる作品だと思います。
 文庫表紙のこの荒れ狂う海と断崖絶壁。まさに作品世界をまんま表現しているわ~と、ちょっと感動してしまったのでした。


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Theme : 推理小説・ミステリー * Genre : 本・雑誌 * Category : 松本清張
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