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個別記事の管理2010-09-16 (Thu)

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リアル鬼ごっこ (幻冬舎文庫)リアル鬼ごっこ (幻冬舎文庫)
(2004/04)
山田 悠介

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 タイトルがいいな~と、常々思っていました。有名な「佐藤さん」受難のハナシ。以下文庫裏表紙よりあらすじ。

全国500万の<佐藤>姓を皆殺しにせよ!
……西暦3000年、国王はある日突然、7日間にわたる大量虐殺を決行した。生き残りを誓う大学生・佐藤翼の眼前で殺されていく父や友。
陸上選手の翼は、幼い頃に行き別れた妹を探し出すため死の競走路を失踪する。
奇抜な発想とスピーディーな展開が若い世代を熱狂させた大ベストセラー ~以下略~

 西暦3000年には日本は王国になってんだ~。で、王様はマント翻してるんだ~。おとぎ話みたいにその王様には「じい」がいるんだ~。
 ……などなど、ブッ飛んだ設定に激しくツッコミを入れたくなってしまいます。
 しかも、前回読んだのが大御所・司馬遼太郎だったので、否応なくこの作者サンの文体の稚拙さが気になってしまって……もちろん比較するのは酷というものですが、あまりにもギャップがありすぎて……。
 今作は改訂版なんだよね。書き直しているんだよね、と、自分に言い聞かせてもやっぱり作文を読んでいるような錯覚に陥ってしまうよ……。
 デビュー作だもんね。今の作品は違うよね? ということで納得しつつ、ラストになるにつれグイグイ引き込まれ、最近の作品も読みたくなってしまったのも確か。

 前半はあまりの稚拙な文章に読むのがとても辛かった。加えて非常にムリな設定にも。もう少しリアリティーがあればいいと思ったんですが……ヨーロッパじゃあるまいし、いくら何でも「王国」はね……。

 と、イタい部分はかなりありますが、何と言ってもそのアイデアには脱帽でした!
 絶対常識にとらわれたオトナじゃ発想できない作品だよな、と痛感。王様の気まぐれで全国の「佐藤さん」を鬼ごっこよろしく、大量虐殺していくなんていう奇抜な発想は良くも悪くもスゴい。
 そのために専制君主を登場させなければならない必然性ゆえの「王様」設定なら許される……のか? ちょっと単純で稚拙だけどね。

 技術的に未熟で描写があまりにもクサいところがあるのはご愛嬌。
 けれどかなりMADな展開の中、家族の絆や肉親や友人への愛を絡めているのもお約束。
 そして終盤、リアル鬼ごっこ最終日。友人も最愛の妹も失って、たった独り「鬼」から逃げる翼の壊れ具合の描写はなかなかなのでは? この部分だけは思わず手に汗を握るような緊迫感があって、思わず引き込まれてしまったし。

 舞台設定にクリスマスイブを持ってきているのは巧いな~と思ったトコロ。共にイブを祝う幸せな人々がいる反面、「佐藤姓」の人々は恐怖のどん底にいる。
 その幸せな人々は逃げ惑う彼等のことを見て見ぬフリをする。全ては他人事と思いながら。
 こういうシチュエーションって大なり小なり日常生活の中にもあるなぁと。例えばイジメ。一人がいじめられていても、クラスの皆は見て見ぬフリとか。そんな薄ら怖さを感じてしまいましたね。

 なにはともあれ、こういう柔軟な発想もアリなんだ、という新鮮な驚き。そしてかなりなヒット作とのこと。そっか~時代が求めているのはこういう作品なのね、と認識を新たにした1冊でした。


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Theme : ホラー小説 * Genre : 本・雑誌 * Category : 山田悠介
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