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オルヌカン城の謎 (創元推理文庫 107-16 アルセーヌ・リュパン・シリーズ)オルヌカン城の謎 (創元推理文庫 107-16 アルセーヌ・リュパン・シリーズ)
(1973/05)
モーリス・ルブラン

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 久しぶりのルパンシリーズ!タイトルからして面白そう!と思って食い付きました。以下BOOKデータベースより内容。

新妻の母親の肖像画を前にしてポール・デルローズの血は凍った。画中の女性こそ、十六年前に彼の父親を刺し殺した犯人ではないか。これは運命なのか、それとも宿命なのか……。
妻が残していった日記を手がかりに怪盗紳士アルセーヌ・リュパンの助力を得て、義弟とともに砲弾炸裂する戦場をかけて父親の死を糾明する異色作。待望の本邦初訳。


 ルパンが出てこない…いや、出てくるんだけどね、ほんの数行なの。
 看板に偽りあり? っとちょっと憤慨したのだけど、読後、サイトでこの小説の解説を読んで納得しました。
 邦題からしてちょっと思わせぶりなんだよね。原題は「砲弾の破片」とのことで。
 はっきり言って戦争小説です。第一次大戦を背景にした、フランス軍とドイツ軍との諜報戦。
 メインキャラは優秀なフランス将校ポール。その彼はエリザーベートという美女と結婚し、彼女が所有するオルヌカン城を新婚の居と決め、そこを訪れた際に、衝撃的な肖像画を目撃する。ポールは幼少時に父親をとある人物に殺害されるという苦い過去を持ち、偶然にもその肖像画の女性こそが父親殺害の人物であると判明したことからポールの苦悩と復讐が始まる。

 その肖像画の女性は愛する妻エリザベートの母であり、自分の父を殺した犯人の娘が自分の妻であるという葛藤に耐えきれぬまま、ポールは戦争に召集されてしまう。生き別れとなったエリザベート。彼女は紆余曲折の末、憎き敵・ドイツの軍人、皇帝の息子であるコンラッド公爵のつきまとわれ軟禁されてしまう。葛藤しながらも心の奥底では愛し合うふたり。戦争はさらに激しく混迷し、ポールは父親の復讐と愛する妻の救出に奔走する──というなかなかスリリングなストーリー。
 でも、ものすごく戦争色が強くて、これホントにルパンシリーズなの? とはっきり言って疑ってしまうほど。
 ルブランは作品にもかなり愛国心を露わにしているのだけど、今作はその極致といってもいいのではないかなあ。とにかくメインキャラ・ポールの活躍が素晴らしく、戦争にも謎解きにも貢献。ラストはドイツの皇帝と一歩も引けをとらずに取引するというね。まさに理想のフランス人。
 なので、これは従来のルパンシリーズと思って読むとかなり肩すかし食うこと間違いなし!の作品。
 自分もいつルパン登場するの? もしかしてこのキャラがルパンなの? とかなりやきもきしてしまったのよね。

 で、あらゆる解説サイトをあさったところ、これはやはりルパンものとして扱うことに疑問もあるとのことで。
すべては当時の出版者サイドに問題があるとのこと。作者ルブランの愛国心が書かせた1作として自分的には納得しました。
 ただ、ルパンが登場しなくても優れたミステリーであることにかわりはないなと。戦争に絡めた復讐譚と謎解き。
 原タイトルの「砲弾の破片」が中盤この作品を動かす重要なエピソードとなっているわけで。
とあるサイトでの「ポールこそルパンの破片である」という記述にちょっと納得。ルパンシリーズ以外の、ルブラン作品を堪能したい人には良いのかもね。

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個別記事の管理2012-09-10 (Mon)
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ルパン、最後の恋 〔ハヤカワ・ミステリ1863〕 (ハヤカワ・ミステリ 1863)ルパン、最後の恋 〔ハヤカワ・ミステリ1863〕 (ハヤカワ・ミステリ 1863)
(2012/09/07)
モーリス・ルブラン

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 待ちに待ってた最新作でありながらシリーズ最終作。貪るように読んでしまいました。以下BOOKデータベースより内容。

1922年、父親のレルヌ大公が突然自殺し、一人娘のコラは悲しみに沈んでいた。そんなコラを助けるのは、大公から後見を託された4人の男たち。大公は遺書の中で、じつはこの4人の中に正体を隠したアルセーヌ・ルパンがいる。ルパンは信頼に足る人物なので、それが誰かを見つけ出して頼りにするようにと記していた。
やがて思いがけない事実が明らかになる。大公はコラの本当の父親ではなく、彼女はじつはマリ・アントワネットの血を引くコラの母親が、イギリスのハリントン卿との間にもうけた子で、次期英国王の有力候補とされるオックスフォード公の許嫁だったのだ。高貴の血をひくコラは、にわかに国際的陰謀に巻き込まれ、そんなコラを救うべく、ルパンは動きだすが……永遠のヒーロー、ルパンと姿なき敵との死闘が幕を開ける!


 面白かったです。自分的にはこのラストで大満足。
 美女に冒険・お宝・変装・手強い敵……と基本コンセプトは変わらず。今回はタイトルからしていわずもがな、ルパンの「恋」に最大の焦点をあてたストーリー展開でした。
 最新作なのでネタバレさけるためにあまり詳しく書けないけれど、才気活発な美女コラをめぐる陰謀と策略。ルパンは案の定その正体を隠していて、自殺してしまったコラの父親の遺書の中に、「自分の身近にルパンが潜んでいる。見つけて頼りにするように」とのメッセージを受けるところからしてもう一気に引き込まれた!

 でも、案外早くルパンの正体はバレてしまうのだけどね。英国王室との縁組を余儀なくされそうになるコラ。彼女に絡む莫大な額の金貨、それを狙う殺し屋にルパンの手足となって活躍少年少女、そして最大のライヴァルである謎めいたイギリス人……等々、あちらこちらに散りばめられたトリックと冒険。
 さすがに全盛期とは違って冒険の質も少しばかりこじんまりしている感は否めないけれど、ルパンはもちろん、彼を取り巻くキャラクター達が適材適所の活躍で読んでいて飽きない。
 そしてラスト近く、黒幕というか大物の発覚となるのだけれど、これまた意外な人物で楽しませてくれた。自分的にはルパンシリーズにも登場するイギリスの「あの方」かと思ってしまったのだけど、完全に違ってました。

 ルパンといえば美女。どの作品にも彼と美女のラブロマンスが重要なテーマとなっていて、時に悲恋であったりめでたく成就したりとその恋の行方も冒険や謎解きと同じくらい楽しませてくれるのだけど、今回もコラとルパンの恋の行方に最後までハラハラ!
 ルパンは泥棒稼業の自分のことを誇らしく思うと同時に、対結婚となるとかなり恥じている部分があって。その微妙な心理が切なく共感したりもする。今回は英国の次期王妃候補というコラの心を射止めながら、一体ルパンは彼女の愛に応えようとするのかしないのか? 
 コラの「自分は英国王室などいらない。あなたとふたりだけの王国をつくりたい」(←確かこんなセリフ)という言葉に超感動!

 時代設定が1922年と第一次世界大戦後の複雑な頃。
 作者はルパンに哀れな子供たちの教師役もさせ、今まで盗んだ財宝でスラム街を復興させようとする志を持たせている。それは戦争で多大な被害を被った自国フランス、ひいては世界復興の願いとともに、その平和への願いもルパンに込めたラストなのではないかなあとしみじみ思ってしまった。
 物語ラスト、謎のイギリス人に懐柔されかけたルパンはきっぱりとこの申し出を断っている。モーリス・ルブランの祖国フランスへの愛国心をそのままルパンに体現させているのではないかと、自分的にかなり深読みしてしまった。
 作者は本当に自分が生み出したこの作品、特にルパンに愛着を感じているだろうことがひしひしと感じられる。なにより温かく愛情溢れる締めくくりにしてくれて、一読者としては本当に感謝。記念すべき第一作「アルセーヌ・ルパンの逮捕」も同時収録されているというオツな計らいも心憎いほど。解説によるとまだまだ推敲途中であったとのこと。ううむ、非常に惜しまれる…完成度は低いのかもしれないけれど、自分的にファンでいて良かったなあと思わせる完結編でした。


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バール・イ・ヴァ荘 (創元推理文庫)バール・イ・ヴァ荘 (創元推理文庫)
(1997/11)
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 ひさしぶりのルパンシリーズ。どちらかというとマイナー作になるのかな? 図書館にあったので即借り! 以下BOOKデータベースより内容。

ラウール・ダヴナック子爵が深夜、自宅に帰ると一人の美しい女性が待っていた。そこにラウールをリュパンと知る青年刑事ベシゥーから電話がかかる。難事件解決のための援助を懇請してきたのだ。
不可解な事件、美しい女性、そして〈バール・イ・ヴァ荘〉の持ち主の謎に満ちた遺言。リュパンと刑事の二人組の活躍を描く傑作! 

 ラウール=ルパンが自宅へ戻るや、そこにはいわくありげな面識のない謎の美女が待っていた……なんていうイントロから俄然惹き込まれました。
 巧すぎるよねー、これじゃどうしてもその先が読みたくなるって。
 美女の名はカトリーヌ。何者かに命を狙われており、姉と共にバール・イ・ヴァ荘に暮らしている。その姉の夫が殺されたことから壮大な遺産の絡む殺人事件へと発展してゆく。

 美人姉妹に祖父から託された遺言。その秘密を知る者が次々と殺されてゆく。一体犯人は誰か?
 ルパンは救助を求めてきたカトリーヌに一目ボレ(いつものことさー!)してしまうのだけれど、今回はなんと! 未亡人となってしまったその姉のベルトランドにもホレてしまうという気の多さ! つまり姉妹との複雑な三角関係に陥ってしまうのだね、これが。
 そんな恋のさやあてを絡ませながら進む謎解き。弁護士によって明かされた、カトリーヌ・ベルトランド両姉妹の祖父の遺言には、バール・イ・ヴァ荘そのものと、周囲の土地、さらに莫大な砂金も含まれているというのだ。その砂金の在りかを示す、遺言状にしたためられた謎の数字の羅列。
 ルパンは見事にその謎を解き明かすのだけれど、犯人による命にかかわるほどの妨害等々、今回もその冒険ぶりは健在。

 特に今作において良きパートナーである、保安部班長ベシゥーとの迷コンビぶりが超絶笑える! 
 なんでもこのベシゥーとは「バーネット探偵社」での共演らしいのだけれど、今回はとっても良く息があったチームプレーで読んでいてとても爽やか。
 事件は無事解決し、犯人も解明。その犯人がちょっと小者で盛り上がりに欠けたのが残念なところ。気になるカトリーヌとベルトランド姉妹との恋の行方もまあ、当然の成り行きとなって……ネタバレになってしまうので御想像におまかせします(笑)

 ラスト、傷心のルパン(こう書くと恋の行方がどうなったかわかっちゃうか~)がヤケになって、再会したベシゥーに明らかなやつあたりするところがねー、微笑ましいというか憎めないというか。コメディタッチの幕切れでなかなか洒落てました。
 やはり面白くて一気読みしてしまうルパンシリーズ。今回は軽めの作品だったけれど、今度はもう少し重い作品を読んでみようかな。カリオストロの復讐だっけ? 終盤の代表作も気になるところ。その前に、今作の相棒ベシゥーとの出逢いが書かれた「バーネット探偵社」も面白そうだな、うん、次作はそっちにしてみよう!


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個別記事の管理2011-11-28 (Mon)

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特捜班ヴィクトール (創元推理文庫 107-13 アルセーヌ・リュパン・シリーズ)特捜班ヴィクトール (創元推理文庫 107-13 アルセーヌ・リュパン・シリーズ)
(1973/10/19)
モーリス・ルブラン

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 久しぶりのルパンシリーズ。有名作は大抵読んでしまったので、次は何を読もうか迷っていたところ、ちょうど良く本コミュで知った作品。タイトルからしてルパンシリーズらしからぬ雰囲気。レビュアーさん大絶賛だったので、超・期待して読みました。以下BOOKデータベースより内容。

リュパンが逮捕される。神出鬼没、天下無敵の怪盗紳士が豚箱入りとは。
債券の盗難事件を発端として展開する波瀾万丈の大絵巻のなかで浮きつ沈みつする美女、こそ泥、えせ貴族たち……
それを押しのけ、ヴィクトールは遂にめざすリュパンをしとめる。しとめることはしとめたが……リュパンはどこに行ったのか、美女を擁して?


 うーん。面白かったです!
 タイトルにもあるように、「特捜班」とか本格警察小説の装い。
 特捜班のヴィクトールがとある映画館で垣間見た美女。とある事件に彼女が関わっていると知って……その美女はあの怪盗ルパンの仲間だった?
 という冒頭からかなり惹きこまれます。もう、自分、ここで気付けよ~ってカンジなんですけどね。
 国防債券(?)の盗難事件を発端として、ヴィクトールとルパンの対決を描いているんですが……今回ルパンはなかなか登場しなくて、ほぼ全編に渡ってヴィクトールが大活躍。上司であるモーレオン警部を始め特捜班とのやりとりはまんま警察小説のよう。かなり硬派で、あれ? これルパンシリーズだよね? と確認したくなったし。

 主人公のヴィクトール刑事は初老で変装も巧い。ブレザックという偽名を使用しているルパンを逮捕するために、その愛人である男爵夫人・アレグザンドラに近づき外堀を埋めてゆく。計画は順調に進み、いよいよ本命のブレザック逮捕となるが──。
 もうここからが怒涛の展開でした。自分は読了した後も??状態で再度読み込み。そしてやっと意味がわかったという……。ホント、巧く騙されてしまいました。カンの良い人は絶対冒頭からわかるんだけど、自分はまったく気付かなかった!! 

 偽ルパンに騙され続けていた美女アレグサンドラを助けたいがため、その一念でブレザック逮捕に執念を燃やすルパン&ヴィクトール。
 用意周到な計画と予想外の警察展開(あ~、日本語が!!)。いつものハラハラドキドキを期待していた自分は中盤まではなかなかしんどかったけど、それ以降はもうポカーン状態でした。緻密な序盤、そしてじわじわとどんでん返しにもってゆく中盤、そしてあっと驚くラスト!←でもコレもカンの鋭い人は必ず途中で気付くから~(>_<)
 これだからルパンシリーズは止められない。ネタバレになるからあまり突っ込んで書けないんですけどね。
 悲劇性は今回はまったくナシ。ドラマティックと言う点では物足りないかもしれないけれど、また違った別の作風という点では楽しめるかも。
 次は「虎の牙」あたりが面白そうかな~と、虎視眈眈としております。あ~、全シリーズ集めたい!


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個別記事の管理2011-06-23 (Thu)

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ルパン対ホームズ (新潮文庫―ルパン傑作集)ルパン対ホームズ (新潮文庫―ルパン傑作集)
(1960/06)
モーリス・ルブラン

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 久しぶりのルパンシリーズ。大抵の傑作・代表作を読了してしまったので何にしようか迷っていたところ、おもしろそうな作品発見。タイトルからしていかにも興味そそられます!以下文庫裏表紙よりあらすじ。

フランス一の人気を誇るアルセーヌ・ルパンに、イギリスの名探偵シャーロック・ホームズが勝負を挑んだ!
悪徳富豪を次々と襲う一方で、貧しい者にはやさしく、苦境に立つ婦人には捨て身の犠牲も厭わぬルパン。イギリス紳士らしく、道義正しいホームズの冷徹な頭脳。
決死の攻防の果て、勝利の栄冠を手にするのは……? 世紀の一騎打ちをスリリングに描く人気シリーズ。


 日本では堂々とシャーロック・ホームズの名を冠していますが、オリジナルではパロディーキャラ「エルロック・ショルメ」となっているようです。シャーロック・ホームズのスペルのアナグラムとなっているようですが、やはり有名キャラクターをそのままズバリ使用するのは何かと物議を醸すようで。
 が、日本ではそんなややこしい気遣い無用ですね、そのまま「シャーロック・ホームズ」で通用してるからね。

 で、宿命の対決!! の内容ですが、これがまた面白かった!
 相次ぐルパンとその仲間である金髪の婦人による盗難事件に悩んだとある富豪が、頼りにならないフランス警察に愛想を尽かせて、世界的に有名なあの名探偵・シャーロック・ホームズに事件を依頼する──というところから、2人の対決は端を発します。
 ルパンが狙うは青ダイヤの指輪。まんまとルパンの掌中に落ちたそのダイヤを追ってホームズの頭脳戦が始まる!
 ……と言ったカンジなのですが、やはり本編のホームズとは印象が違いますね。切っても切れないワトソン君はウィルソン君と名を変えてやはりホームズをサポートしますが、ちょっと情けない役回り。けれど、そのウィルソン君の犠牲をムダにせず、ホームズは沈着冷静さと頭脳をもってして建築トリックの謎を解き、遂にはルパンを追いつめ、青ダイヤを奪還するが……。

 まあ、お互い互角の戦いぶり、と言っていいかな。してやったりと思いきや、実は裏を書かれていたりとか。例えばホームズが無理やり本国・イギリスに帰国させられたり、ルパンがホームズの策略にハマって逮捕の窮地に陥ったりとか。けれどちっともドロドロした感じではなく、あくまでいいライバルといった様相。
 第1ラウンドのラストは互いに潔く引き分けを認め、ナント、ルパンはホームズとの別れをわざわざ告げに来るという洒落た幕引き。

 第2ラウンド「ユダヤのランプ」もなかなか読みごたえあります。
 盗まれた「ユダヤのランプ」。一体犯人は誰なのか?
 ラストはなかなか悲劇的。しかし、やはりルパンとホームズは良きライバル同士、といった結末に落ちつきます。ホームズという人気キャラクターに敬意を表した作者サンの精一杯のオチなのかな? 特別にルパンに贔屓している感は無かった上に、アウェーのホームズを活躍させているし。そして船上で静かに迎える粋で洒落たラストに思わずニヤリ。やっぱり、作者・ルブランの読者を楽しませよう、というサービス精神をひしひしと感じました。う~ん、次はどの作品にしようかな。


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個別記事の管理2011-03-07 (Mon)

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八点鐘―ルパン傑作集〈8〉 (新潮文庫)八点鐘―ルパン傑作集〈8〉 (新潮文庫)
(1961/01)
モーリス ルブラン

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 昔小学生の頃読んで、「ものすご~く面白かった」という印象だけが残ってて(内容はすっかり忘れているんだけど)、楽しみにしていた作品。も~、期待を裏切るどころか、期待以上の面白さでした!! もうね、自分にとってルパンはどれ読んでも面白いのよ、結局。以下文庫裏表紙よりあらすじ。

レニーヌ公爵と名のって、若く美しい婦人オルタンスの前に登場した怪盗ルパンは、彼女を8つの冒険へと誘う。
怪紳士レニーヌは、生得の天才的なひらめきと、過去の強盗の体験から身につけた豊富な知識で、無実に泣く人達や、虐げられた人びとを救うために大活躍。最後にオルタンスの愛も手に入れる。
その後のミステリーで定番となったトリックを惜しげもなく繰り出した評判作。


第1の冒険  塔のてっぺんで  遠距離殺人のトリック
第2の冒険  水瓶  太陽光線を利用した科学応用のトリック
第3の冒険  テレーズとジェルメーヌ  密室殺人 
第4の冒険  映画の啓示  心理描写の巧みさとラストのどんでん返し
第5の冒険  ジャン=ルイの場合  喜劇風ミステリー
第6の冒険  斧を持つ貴婦人   新聞広告利用ミステリー、ヒロイン・オルタンスの危機
第7の冒険  雪の上の足跡  足跡トリックの原型
第8の冒険  マーキュリー骨董店  ロマンス+ミステリー

 以上8篇からなる連作集。で、今作ははっきり言って、ラブロマンス!! ルパン作品ではめずらしく悲劇・悲恋ではないのよ~!! しかも限りなくシャレてて、凝っているんだわ、コレが。ラブロマンスとミステリーの融合とでもいいましょうか。どちらのテイストも極上の巧さです。

 今回のヒロインは美女・オルタンス。さまざまな事情で鬱屈した生活を送る彼女は、この平凡で先の見えない暗澹たる現状からなんとか脱出しようと、愛してもいない男性と駆け落ちを決行しようとする。それを阻止するのが、レニーヌ公爵ことルパン。美女に限りなく弱~い彼はオルタンスの軽率な行動を押しとどめ、自分と共に冒険をしようと提案する。
 最初は警戒していたオルタンスも、レニーヌが第1の事件をあっさり解決してしまったことからその魅力に惹かれ始めてしまう。そして、自分の平凡な人生を打破すべく、レニーヌと共に8つの冒険を決行することを約束する。しかも、お互い条件つきで。

 その条件というのがね~、お互いズルいんだわ~。オルタンスは10年ほど前に失くした(!)瑪瑙のコルサージを探すこと。そしてレニーヌは、見事そのコルサージを見つけた暁には、なんと!! オルタンスのクチビル!! を要求するんですな! コラコラァ~、下心丸出しでしょ!! と思わず突っ込んでしまいましたが。
 期限は3カ月後。2人にとっていわくつきの、とある古びた時計が8回鳴り終わるまで。
 それが第1の冒険「塔のてっぺんで」で描かれている、いわばこの作品のプロローグ。

 その後の展開はもう、気軽に読めてしかも本格ミステリー。期限の3カ月の間に起こるさまざまな事件と冒険を重ねるごとにオルタンスとレニーヌの愛が深まってゆくという仕掛けも巧いです! で、さらに上記のとおり、それぞれのエピソードもこれまた極上のトリックで読ませてくれるし。

 さあ、ルパン……いやいやレニーヌ公爵はオルタンスの出した難題を見事クリアできるのか? そして彼がクリアした後、彼女は果たしてクチビルを許してしまうのか?
 2人の恋の行方は古時計の8点鐘が鳴り終ると同時に明らかになるという……こんなに気を持たせてジリジリさせる作者・ルブラン氏。ルパン以上に、超・イカした、憎いヤツです!


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* by こはる
アニメのルパン三世が大好きで、映画はほぼ制覇しているのですが、元祖ルパンをよく知らないことに気が付いてしまいました。

うっ、恥ずかしい!この本は、読みやすそう&面白そうなので、図書館で探して予約します。


Re: こはる様☆ * by 惺
こんばんは~☆
個人的に五右衛門愛してます。
映画制覇とはスゴイですね!! 自分は「カリオストロ」止まりです…e-263
女性にだらしない…いやいや惚れっぽいのは元祖ルパンの血がなせる技らしいです。

おぉ! * by こはる
私も小さい頃から御右衛門命です。
硬派でカッコいいですよね~

趣味があいますなぁ。ムフフ

図書館で予約しました。
同じものがなかったので、別シリーズを。。
楽しみです♪

Re: こはる様☆ * by 惺
こんにちは☆
> 趣味があいますなぁ。ムフフ
フフフ…そう言っていただけて嬉しいですうi-178

> 図書館で予約しました。
> 同じものがなかったので、別シリーズを。。
> 楽しみです♪
スゴイ…早いですね~!
訳がイマイチ古臭いですが、楽しめると思いますよ~。
そうでなかったらゴメンなさ~い!

個別記事の管理2011-01-29 (Sat)

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水晶栓―ルパン傑作集〈6〉 (新潮文庫)水晶栓―ルパン傑作集〈6〉 (新潮文庫)
(1960/08)
モーリス ルブラン

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 も~、どうしてこのシリーズはこうやって読者を楽しませてくれるんだッ!! マジ、外れナシ!! 今作は感動という面ではそれほどでもないですが、スリルとサスペンスと謎解きという面では図抜けた面白さでした! 以下文庫裏表紙よりあらすじ。

無実の罪で死刑を宣告された子分の命を救うため、アルセーヌ・ルパンが立ち上がった!
事件のカギを握るのは、代議士ドーブレックの別荘から盗み出した、金色に輝く<水晶栓>。そこへ、かの「パナマ運河事件」を思わせる疑獄事件と、美女クラリスをめぐる恋の恨みが複雑に絡み合い、代議士の策謀が天才怪盗を翻弄する。
スリルの果ての逆転劇があざやかな、ルパン、生涯最大の難事件。


 今まで読んだ中で最強の敵、代議士・ドーブレック。彼の悪役っぷりが見事! 最後の最後までルパンを出し抜き、翻弄し、裏をかき苦しめる、完璧な悪役!
 対するルパンは今回はラストまで窮地の連続。冒頭からして仲間(手下)の裏切りから始まり、可愛がっていた若い手下・ジルベールが逮捕されてしまう。
 ルパンを裏切った手下が狙っていたのは代議士・ドーブレックの所有する水晶栓。特注されたその栓の中には、とある事件に絡む27人の名簿が隠されていた。
 その27人の秘密の名簿を強請りのタネとしていた悪徳の権化・ドーブレック。その水晶栓をめぐりルパン、ドーブレック、謎の美女・クラリス、警視総監・プラビル、侯爵・アルビュフェ等個性豊かな人物達が絡んで、抜き差しならない展開に突入!

 ルパンを尊敬し、絶対的な信頼を寄せるジルベールが実はクラリスの息子であることが判明。その彼が冤罪の濡れ衣を着せられ死刑が確定されるや否や、クラリスに想いを寄せるルパンは彼女のためにもジルベール救出に躍起になる……が、そのジルベール冤罪劇にもドーブレックの策略が見え隠れし、刻一刻と死に迫るジルベールを助ける術は、ただひとつ。水晶栓を手に入れ、ドーブレックの悪事を断罪するしかない。

 ジルベールの死へのカウントダウンが物語をさらにスリリングにさせる。そして鬼気迫るルパンとドーブレックとの熾烈な闘い。何度も水晶栓とその中に隠された名簿に近づきながらも、裏をかかれ失敗を繰り返すルパン。挫折し、負傷しながら、何度も諦めかける彼。しかし、最後の最後までルパンを奮い立たせる原動力となるのは、自分に対する絶対的な自信と不屈の精神力と、ジルベールとクラリスに向けられる、愛する者への優しさなのだ。

 ジェットコースター的な展開にもうハラハラドキドキ。心臓に悪いです。ギリギリまでドーブレックに翻弄され、よもや絶体絶命! というところで、ルパンの逆襲が始まる…という展開も唸るほどの巧さ! 
 そして、無事ルパンの掌中に収まったかに見えた水晶栓。それも実はドーブレックが周到に用意したダミーであったことも判明。真の水晶栓は実はとっても意外なモノなのでした。もちろん、ルパンは謎を解き、ソレを手にしたことは言うまでもありません。

 無事、ジルベールを救出したルパンですが、彼が本当に欲しかったクラリスの愛だけは手に入れることは出来ず。
ラスト、語り手である「僕」に、所詮自分は堅気の人間ではないのだ、と寂しく語りかけるルパンがとても印象的。
 怪盗である自分に対して絶対的な自信を持っているルパンだけれど、どこか心の一端でそんな自分を冷静に見つめている……そんな複雑なキャラ造形も魅力のひとつであるのだな、としみじみ思いました。
 とにかく面白すぎる!! 次は「八点鐘」にしようかな~。


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個別記事の管理2010-12-19 (Sun)

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カリオストロ伯爵夫人 (創元推理文庫 107-8 アルセーヌ・リュパン・シリーズ)カリオストロ伯爵夫人 (創元推理文庫 107-8 アルセーヌ・リュパン・シリーズ)
(1973/01/26)
モーリス・ルブラン

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 20歳のルパンの最初の冒険と激しい愛憎を描いた今作は、シリーズの中でも結構人気ある作品なのではないかと。タイトルからしてどうしてもルパン三世を連想しますが、内容はもちろんまったく違います。

 今作はなかなか重要な位置を占めてます。何故なら、ルパンシリーズを通して共通の謎……「カリオストロ4つの謎」が初めて明示されるんですよ~。
* 幸運の力によりて(in robore fortuna)
* ボヘミア諸王の敷石
* フランス諸王の富
* 七本枝の燭台
 これら謎のいくつかは、既に読了作品で解明されちゃってるんですが、なかなか見事な仕掛けと謎解きです。こういうところがモーリス・ルブランの巧さかなと。自分は単純なので否が応でも作品に惹きつけられ、つい読みたくなってしまうし!
 で、最後の七本枝の燭台の謎の解明が今回のルパンの冒険となるわけです。
 そこに、ルパンの宿敵にして最愛の女性カリオストロ伯爵夫人と、妖しげな陰謀団のボス・ボーマニャンが絡んで、3人の壮絶な戦いが繰り広げられてゆく……という展開に、もう目はクギ付け!。

 もう、今作はかなりオトナな内容でした。年上の女怪盗カリオストロ伯爵夫人ことジョゼフィーヌ・バルサモにさんざん翻弄され、騙される若きルパン。さながらマダムと若いツバメ的な(う~ん、表現の仕方が情けない)関係で、ルパンは彼女に対して真の愛情と心からの憎悪と苦い裏切りと、そして泥棒としてのテクニックを学んでゆく。
 遥か古の僧侶達が残した莫大な宝石をめぐる、ルパンとジョゼフィーヌ。愛し合いながらも憎しみ合い、心の中で互いに火花を散らす、そんな複雑な心理戦がなんともスリリング!
 追いつ追われつ、騙し騙され、3人のうち誰がお宝を獲得するのか?

 若いルパンがなんとも初々しく、そしてツメが甘い。対するジョゼフィーヌは百戦錬磨の大悪党。殺人も厭わぬその彼女に何度も隙を衝かれて誘惑されて出し抜かれる。けれど、転んでもただでは起きない彼のしたたかさ。そしてもう一人の強敵・ボーマニャンも複数の味方を駆使してルパンとジョゼフィーヌに迫る!
 もう、息をもつかせぬ三人三様の攻防戦と、複雑な愛憎が絡んで一気に読める、読んでしまいます!

 そして今作のもうひとつの読みドコロは、ルパンの最初の正式の妻、クラリスの登場。この彼女、可憐で淑やかなのですが、窮地に陥ったルパンを果敢にも救出するという大胆さも持ち合わせた、なんとも魅力的なキャラクター。謎解きの意外なカギを握っているという設定も巧すぎです!

 ラスト、持ち前の強運と泥棒としての才能を発揮して謎を解き、そしてとうとうジョゼフィーヌを出し抜き、クラリスと結婚するルパン。幸せを獲得したかに見えた彼に、数年後またもジョゼフィーヌの魔の手が彼を襲う。
 手を変え品を変え、アイデア凝らした作品の数々と、1作ごとに新たな発見をするルパンの魅力と活躍。
 もう、ハラハラドキドキ、予想外の展開に参りました。今のところ、ハズレなし!の完璧な面白さです。


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : モーリス・ルブラン
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