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個別記事の管理2013-07-21 (Sun)
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イギリス名詩選 (岩波文庫)イギリス名詩選 (岩波文庫)
(1990/02/16)
平井 正穂

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 なぜか俄然読む気になってしまったこの本。詩は嫌いじゃないので気軽な気持ちで挑戦してみたのだけど、なんと!原文付きだったとは! 以下BOOKデータベースより内容。

イギリス・ルネサンス期のスペンサー,シェイクスピアから現代のエリオット,ブランデンまでイギリスを代表する詩人六十六人の名詩百篇.原文と訳詩を対照して掲げ懇切な脚注を付した.イギリス詩を原文で味わいたいと思いながら果たせずにいたすべての詩愛好家に贈るアンソロジー.


 何故この本を読もうと殊勝な気を起こしたのか。それはこの語句を知ってからなのです。

「GOD'S IN HIS HEAVEN. ALL'S RIGHT WITH THE WORLD.」 訳:神は天に在り、全て世は事もなし

 自分、単純でね…この言葉、エヴァのネルフマークに書かれている一節だということを知って。ロバート・ブラウニングの詩『ピッパが通る』の一節から引用されたらしい…というので、どうしてもこの詩の全文を読みたくなって検索。そういたらこの本に行きついた…というわけでして。スンマセンまたも完全にシュミです。

 最初は原文見てうぇぇ…となったのですが(もちろん英語)、日本語と照らし合わせて読んでいくとなるほど、ものすごーくカッコ良いのですよ!…って、そういう低レベルな読み方しかできない…。
 でも、この英文をこう訳しているのか!と目からウロコの部分もあったりと。普段本格英文なぞめったにお目にかからない自分にとって、久しぶりにちょっとお勉強した気分になったりして。
 年代的には16世紀から20世紀までの著名な詩人の作品が網羅されていて充実度はハンパないです。あのシェイクスピアの詩もあったりとかなり読み応えアリですし。
 やはり年代を遡るにつれて宗教のかほりが濃厚で。神を讃える・神に問い掛ける等の語句が頻繁に登場するのがとても特徴的。後は愛の詩が多いかな。
 聖書に基づいた内容が多いのもやはり昔の作品。

 自分的に印象に残った詩をいくつか。冒頭部分だけ引用。

Know Then Thyself
Know then thyself,presume not God to scan;
自分自身を知るがいい、不敵にも神をあげつらってはならぬ。
アレクサンダー・ホウプ 

‘Death,be not proud,though some have called thee’
Death,be not proud,though some have called thee
 Mighty and dreadful,for thou art not so;
死よ、驕るなかれ、たとえ連中がお前を強大で恐るべき者と呼んだとしてもだ─お前はそんな者では全然ない。
ジョン・ダン

 等々、他にもたくさん素敵&超絶好みの詩があったのだけど、かなりめんどくさい(スンマセン)ので割愛。
 シェイクスピア・ミルトン・ブレイク・バイロン・キーツ・ブラウニング・ブロンテ・エリオット等々、豪華ラインナップの詩人たち。
 たまには原文を眺めながら(読めないので泣)、格調高い詩を味わうのもいいなあ…とつくづく思ったのでした。

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個別記事の管理2013-04-11 (Thu)
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饗宴  恋について (角川ソフィア文庫)饗宴 恋について (角川ソフィア文庫)
(2012/07/25)
プラトン

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 図書館の新刊コーナーにありまして…ついつい借りてしまいました。よく小説にモチーフとして登場したり、引用されたりして有名な作品。以下BOOKデータベースより内容。

ある邸宅で催された饗宴に集いし人々が葡萄酒を酌み交わしながら、恋の神エロスを賛美し愛の姿を語らう。“愛”を主題にしたプラトンの対話編三編の内、恋愛の本質と価値について論じた『饗宴―恋について』と、友愛の動機と本質について論じた『リュシス―友愛について』の二編を収録。古代ギリシアにおける恋愛観とプラトニック・ラブの真の意味を知り、現代へと繋がるヨーロッパのエロス観に触れる一冊。

「エロス」って言うと現代じゃちょっと妖しいカンジというかそのものすばりエロっぽいというか。しかし!古代ギリシアでは「愛」そのものを指す言葉となっていたようで。その「エロス」について言及された書ということですね。副題は「恋について」となっていますが、やはり内容からして愛について書かれた本だと。

 なかなか複雑な構成で、語り手はアポロドロス。彼が子供の頃に聞いた話を友人に語って聞かせる─というね。読んでいて一体誰がどうなっているのかその人間関係にかなり戸惑った。
 詩人アガトンの祝宴に招かれたソクラテスとアテネの教養人たち。その彼等が語るそれぞれの「愛」の形。読んでいて一番面白かったのが、アリストパネスが語る逸話。
 人間の性は男同志の結合体、女同志の結合体、男と女の結合体の3つがあり(いわゆるアンドギュノス)、傲慢になった人間が神に逆らおうとした罰としてそれぞれの身体を真っ二つに割かれてしまう。そして割かれた半身は別の半身を恋い慕う…というね。その半身を求めあう自然な行動・精神が「エロス」すなわち愛だとアリストパネスに語らせるプラトンの想像力が素晴らしい。中山可穂や仁川高丸の作品に引用・モチーフとされているので同性愛の象徴的な寓話としても有名。

 読みやすいことは読みやすいと思うのだけど、やはり難解。読了後にWikiやネットの解説・考察を読んだりしたのだけどなかなか理解しずらい。
 ソクラテスの考える愛とはいかに? 作者プラトンが師であるソクラテスを通して伝えたかったこととは?
などと解説を読みながら暫し感慨に耽ってみたり。これは当時のギリシア人の「愛」に対する考えを知ることのできる稀有な作品であるとともに、弟子プラトンが師であるソクラテスへの惜しみない愛を語った書でもあるのだなあと。もちろん師弟愛ですけどね。

 で、当時ギリシアでは成人男子が「愛」を注ぐ対象が少年なのだということ。知識として知ってはいたが、本書であまりにもあからさまに描写されていてちと驚いた。と同時に「愛」にはいろいろな形があるのねとしみじみ思ったりしたのでした。プラトニックラブってプラトン由来の言葉だというのも本書で初めて知ったし。なかなか勉強になった一冊でした。

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こんばんは * by ゆき
エロスは元々ギリシャ神話の愛をつかさどる神、エロスから恋愛を示す言葉に派生したんですよね。
よく比較されるのが「アガペー」。これは博愛を意味しているとか。
プラトンといえば大学生の頃、学長の薦めで『ソクラテスの弁明』を読んだなぁ。

Re: ゆき様☆ * by 惺
こんばんは!
なるほどなるほど!
ギリシア哲学系?の著作は初めてだったのだけど、
やはりなかなか難しいですね。←いや自分の読解力がないのか。
愛というと異性間を思い浮かべますが、
本書では主に同性間についてだったので少し驚きました!
「ソクラテスの弁明」…難しそうですね…。
どんな内容なんだろう?



個別記事の管理2012-12-25 (Tue)
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赤い高粱 (岩波現代文庫)赤い高粱 (岩波現代文庫)
(2003/12/17)
莫言

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 先日発表になったノーベル文学賞受賞作家・莫言氏の作品。映画「紅いコーリャン」は知っていたんですが、この方の作品とはまったく知らず。興味津々で読了。以下BOOKデータベースより内容。

婚礼の輿が一つ,赤に染まる高粱畑の道を往く.輿に揺られる美しい纏足を持った少女.汗に濡れ輿を担ぐ逞しい青年.
中国山東省高密県東北郷.日本軍が蛮勇を振るうこの地を舞台に,血と土,酒に彩られた一族の数奇な物語が始まる.
その名「言う莫れ」を一躍世界に知らしめた,現代中国文学の旗手の代表作.

 これはツライです。日本人として読むとかなりシビアで辛すぎました。あ、あくまで個人的感想(&見解)ですが。
 高密県という中国の山村を舞台に繰り広げられるとある酒造家一族の物語。
 語り手は「わたし」。その「わたし」が語る父と祖父母の激しい生きざま。
 時代が1930年代でわたしの回想形式というもの。日中戦争まっただなかであるがゆえに必然と日本は悪役。多少の誇張があるとしても当時の日本軍の仕打ちがあくまで残虐に容赦なく描かれている。
 だけど、共産党のプロパガンダとか日本批判に主眼を置いたストーリーではないのが救いと言えば救いかも。
 主役はあくまで「人間」。特に自然、ここでは高粱に例えられているけれど、それと共に生きる素朴で強靭な人々。

 「わたし」の祖母である酒造小屋の女主人・戴鳳蓮とその夫・余占鰲。この二人の激しい恋愛、特に戴鳳蓮の、当時の古い慣習から逃れようとする何物にもとらわれない自由で強い生き方・自立を描いた物語なのだと実感。 名もない農民から抗日ゲリラ、そして「わたし」に代表される子供に至るまで、彼等が持つ何者にも(日本人にも)屈しない「矜持」が眩しく素晴らしい。
 子供である「わたし」の純粋な目を通して語られる戦争・自然・両親の愛情は何の装飾もないありのままの姿。 残酷さも美しさもなにもかもすべて。それゆえストレートに自分の心に訴えかけてくるのが辛くもあり感動的でもあり。

 全編通して描かれるのは赤く豊穣と存在する高粱畑。
 それはそこに生きる人々にとって神にも等しい存在なのだと自分的に思った。戦争も愛情も人々の日常も超然として見守る自然の神。
 その姿に人々は癒され、心の拠り所とする。その高粱畑の描写が最後までとても印象的だった。

わが故郷に果てしなく広がる、まっ赤な高粱の畑をさまよう雄々しい魂と非業の死をとげた魂とに、本書をもって謹んで呼びかける。
わたしはあなた方の不甲斐ない子孫だ。わたしは、醤油に漬かりきった心をとり出して、切りきざみ、三つの碗に持って高粱の畑に供えよう。
霊魂よ、願わくばわが供物をば受けられよ!

 この引用した冒頭の言葉にでてくる「醤油」というのが日本の暗喩なのかと思って読むとかなり辛いし複雑。本当は違うのかも知れないけれど、自分はそう読んでしまった。
 土着的な雰囲気溢れる、人間賛歌であると解釈して読了。心に沁みた。

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個別記事の管理2012-11-10 (Sat)
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[第4巻 ゴシック] オトラント城 / 崇高と美の起源 (英国十八世紀文学叢書)[第4巻 ゴシック] オトラント城 / 崇高と美の起源 (英国十八世紀文学叢書)
(2012/02/21)
ホレス・ウォルポール(オトラント城)、エドマンド・バーク(崇高と美の起源) 他

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 自分的にものすごく興味のあるゴシック文学の祖である小説ということで、興味津々で読了。以下BOOKデータベースより内容。

『オトラント城』はゴシック文学の先駆けであり、今日のホラー小説の原点。『崇高と美の起源』はゴシック美学をはじめて理論化した古典的エッセイ。奇跡、幻影、魔法、予知夢―あらゆる超自然が信じられていた、暗黒の時代の物語。

 これはなかなか面白かったです。もっとドロドロした暗黒小説(!)かと思いきや、ほんの少しシェイクスピアを彷彿とさせる、御伽話的なほのぼのとした悲劇といった感じかな。←うーん、一体どんな感じだ!
 オトラント城を舞台にした人間ドラマ。ある日突然城に巨大兜(西洋風のね)が出現したかと思うと、後継者である王子がその下敷きとなって亡くなってしまう。オトラント城主マンフレットは代々伝わる不吉な予言に恐れ慄き、それを避けるため、なんとかして後継者を求めるべく、息子の婚約者であったイザベルを我が妻に迎えようとする。その騒動に端を発して暴君マンフレットの悪事が次々と重ねられ、城はまさに昏迷の様相を呈することになるのだが──。

 と、その後も勇敢な若者セオドア・聡明な僧侶・理知的な姫君マチルダ・理想的な王妃と、次から次へとさまざまなキャラが登場して、さらに城をめぐる陰謀まで発覚。
 いったい誰がオトラント城の正統の後継者なのか。それに絡んでセオドアとイザベル、マンフィールドの娘マチルダとの恋も絡んで怒涛の勢いでストーリーは展開。冒頭からラストまで澱みなく話が進行していくから読んでいてまったく飽きなかった。自分的に好きだったキャラが姫君マチルダ付きの侍女ビアンカ。
 マンフレットを煙に巻く彼女のお喋りにね、もう爆笑。それでいて重要な展開への鍵を握るキャラとなっているところも良いかなと。
 典型的な幻想譚なのだけれど、素朴で微笑ましい。ある意味、ヒロイックファンタジーとも言えるのかなあ。
 解説にもあるとおり、
古城/怪異/暴君/騎士/修道院/謎の人物/予言/廃墟/迫害される乙女/礼拝堂/ロザリオ/予言/罪……。 
 などなど、これらゴシックロマンスに不可欠な要素がすべて取り入れられているとのこと。まさにそのとおり。後続するこの手のジャンルの作品はこれら要素を巧く組み合わせてさらに進化させている、との著述に納得。
「アッシャー家の崩壊」しかり「フランケンシュタイン」さらに「嵐が丘」までそうなのだとか。なるほど!

 結構単純な筋立てなので、自分的にはちょっと物足りなかったなーと思ったりもしましたが、ゴシックロマンスの先駆的作品ということで堪能しました。
 同時収録の「崇高と美の起原」はパス。時間がある時にゆっくり読みたいなと。本格的にゴシックロマンス論みたいで。こちらも面白そうだ。


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個別記事の管理2012-10-16 (Tue)
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首斬り人の娘 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)首斬り人の娘 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
(2012/10/05)
オリヴァー ペチュ

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 なかなか面白いと噂を聞きまして挑戦してみました。作者のオリヴァー・ペチュ氏、今作がデビュー作とのことで。とても新人サンとは思えない本格重厚歴史ミステリーでした。以下BOOKデータベースより内容。

一六五九年。ドイツ南部の街ショーンガウで子供が殺された。遺体にあった奇妙なマークを見た住人たちは、魔女の仕業だと殺気立つ。そして産婆のマルタが魔女と疑われて投獄される。だが、処刑吏クィズルとその利発な娘マクダレーナは、彼女の無実を確信していた。
マクダレーナに恋する医者ジーモンとともに、二人は事件の真相を探りはじめる。しかし、そこに第二の殺人が起きる。街の有力者たちがマルタの処刑を求めるなかクィズルらは真犯人を突き止めることができるのか?ドイツ発のベストセラー歴史ミステリ。


 なんでも作者の祖先を題材にしているとか。首斬り人=処刑吏=死刑執行人だよね。その首斬り人を主人公に据えたストーリーがとても斬新だった。
 まだ魔女伝説が細々と息づいている17世紀を舞台に、田舎街ショーンガウで連続児童殺人事件が発生。容疑者である助産婦はすぐに捕まってしまい、なんと魔女の汚名を着せられてしまう。その助産婦の無実を信じて、首斬り人のクィズルが事件解決のために奔走し大活躍──というのがおおまかなあらすじ。
 その彼を手助けするのがクィズル自慢の娘・マグダレーナとその恋人である青年医師ジーモン。
 タイトルである「首斬り人の娘」というのがこのマグダレーナを指しているのだけれど、うーん、その活躍はイマイチかな?
 主役ばりの大活躍をするのかと思いきや実はそうでもなく…逆に彼女の恋人であるちょっと気弱なジーモンの方がクィズルと共に八面六臂の大活躍だったような。

 魔女狩りに悪魔、首斬り人に錬金術・ヴァルキルプスの夜等々、雰囲気あるガジェットがふんだんに登場して中世世界を充分に満喫。
 子供の連続殺人という悲惨な事件に対して、昔ながらの因習に囚われて魔女狩りを望む人々、科学的な調査・動機で事件を解明しようとする人々とまっぷたつに割れる田舎街ショーンガウ。
 冤罪による処刑が決定的な助産婦シュテヒリンを救出できる期限が刻々と迫る中、真犯人を追う探偵役のジーモンと助手役ジーモンのコンビがまたいい味出してます。
 首斬り人でありながら過去には傭兵であったクィズルは医学の知識も持ち合わせる武闘派。青年医師ジーモンはどちらかというと知性派。この真逆のふたりが懸命に犯人を割り出す過程は王道の推理劇だし、終盤の洞窟におけるクライマックスはこれまたスリリングな冒険譚となっていてまさに一粒で二度美味しい構成。さらにマグダレーナのちょっとした活躍も華を添えていてなかなか豪華な展開となってます。

 ただ、ちょっと冗長な感じがしたのは否めないな、自分的に。
 もう少しサクサクストーリーが展開してくれるともっと楽しめたのになあ…と少し残念な気が。マグダレーナとジーモンの恋の行方もイマイチわからなかったしね。ラストの盛り上がりにちょっと欠けた気がした。でも首斬り人でありながら正義の味方というクィズルのキャラ設定はすごく面白くて好きだなあ。
 シリーズ化とのことで、次作も楽しみ。今度はもっとマグダレーナがばんばん活躍してくれることを期待!
 重厚で中世の雰囲気たっぷりな本格ミステリーでした。読み応え抜群!


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* by ひいち
こんにちはー☆

中世の雰囲気・・・♪好きだから、読みたいなぁ。
でも、最近、軽いものばっかり読んでいて・・・
濃いの読めるかなぁ~あはは・・・(^。^;)

Re: ひいち様☆ * by 惺
こんばんは★

なかなか読みごたえありました!
タイトルほど「娘」は活躍しないけれど、
雰囲気はバッチリ♫
もしよかったらぜひどうぞ!

個別記事の管理2012-09-22 (Sat)
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夜毎に石の橋の下で夜毎に石の橋の下で
(2012/07/25)
レオ・ペルッツ

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 自分ご贔屓の国書刊行会の本ということで超絶期待して読了。ジャケ画も良いカンジ! 以下BOOKデータベースより内容。

1589年秋、プラハのユダヤ人街を恐るべき疫病が襲った。
墓場に現れた子供の霊は、この病は姦通の罪への神の怒りだと告げる。
これを聞いた高徳のラビは女たちを集め、罪を犯した者は懺悔せよと迫ったが、
名乗り出る者はなかった……。
神聖ローマ帝国の帝都プラハを舞台に、皇帝ルドルフ2世、ユダヤ人の豪商とその美しい妻、
宮廷貴族、武将、死刑囚、錬金術師、盗賊団、道化、画家らが織りなす不思議な愛と運命の物語。
夢と現実が交錯する連作短篇集にして幻想歴史小説の傑作。

ユダヤ人街のペスト禍
皇帝の食卓
犬の会話
サラバンド
地獄から来たインドジフ
横取りされたターレル銀貨
夜毎に石の橋の下で
ヴァレンシュタインの星
画家ブラバンツィオ
忘れられた錬金術師
火酒の壺
皇帝の忠臣たち
消えゆくともし火
天使アエサル
エピローグ

 これは読了後にじわじわくる話だった。もちろん面白いのだよ!
 ものすごく凝った構成の小説で、1回読んだ限りではまーったく理解できなかったけど、2度目読んだらすとんと落ちた。ある意味独立した15の短編集で各話がリンクしあってひとつの長編小説になっている……っていうカンジですかね。
 各短篇の時系列はバラバラで、読むのになかなかてこずるかもしれないけれど、重要なのは第一話「ユダヤ人街のペスト禍」!
 すべてはこの話から始まる!みたいで。←ココ重要!(笑)

 幻想小説にカテゴライズされると思うのだけれど、ベースは純粋な恋愛譚と静かな復讐譚。
 主要キャラクターは皇帝ルドルフ・ユダヤ人富豪マイスル・高徳のラビ(ユダヤ教における宗教的指導者)とマイスルの妻であり、ルドルフの精神的愛人であるエステル。
 高徳のラビが石の橋の下に植えた薔薇とローズマリー。それがラビの秘術によってルドルフとエステルの化身となる。夢の中でしか会えないふたりは、夜毎に石の橋の下で純愛を交わす。その愛情がこの話の縦糸で、妻の精神的不貞を知った義人である夫のマイスルの復讐が横糸となり、さらに象徴的・幻想的なエピソードが織り込まれて読者を独特の世界にさらっていってくれる!

 ルドルフと密接な関係のあったユダヤの豪商マイスルや天文学者ケプラー等実在の人物も多く登場させ史実を巧みに織り交ぜてゆく。さらに、やられたなと思ったのが、実はマイスルの子孫の教え子による回想形式で語られる話だということが、中盤あたりから次第にわかってくるという仕掛け。

 特異な皇帝ルドルフの華麗な生涯が書かれているのかと思っていた自分には嬉しい誤算。ルドルフを通して、そして彼を取り巻く様々な人物達が繰り広げる幻想世界。なによりルドルフとエステルの純愛、そして重要なワキキャラであるマイスルの鮮やかで洒落た復讐譚が爽快だった。
 そのマイスルの子孫であるヤーコプの教え子の「わたし」がラスト、初代マイスルがそのありあまる富で造り上げたユダヤ人街の崩壊の様子を寂寥感たっぷりに語るシーンがとても印象的。ノスタルジーと共にと余韻が残る。自分は皇帝ルドルフについて予備知識無かったので、知っていたら余計に楽しめたかも。あ、もちろん知らなくても充分に楽しめるけどね。個人的に名作でした!


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ほしねずみ様 * by 惺
はじめまして!
ご訪問ありがとうございます☆
どうぞどうぞ、いつでもお好きな時に遊びにいらしてくださいね!
拍手コメントありがとうございました^∇^

個別記事の管理2012-08-23 (Thu)

ご訪問ありがとうございます☆

世界幻想文学大系〈第20巻〉カシオペアのΨ (1979年)世界幻想文学大系〈第20巻〉カシオペアのΨ (1979年)
(1979/06)
紀田 順一郎、荒俣 宏 他

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 おや? 書影がないとは…ではではコチラでどうぞ!
 Twitterの国書刊行会の告知で知った作品。好きな作家・津原泰水氏おススメの作品ということで読んでみました。興味津々だったんだよね。以下国書刊行会サイトより内容。

カシオペア座のプサイ星系に属するスター星の驚くべき自然、その歴史・風俗・芸術・宗教。空想的社会主義やユートピア文学に連なり、近代SFの先駆ともなった壮大なスペース・ファンタジー。

 1854年発行されて以来永らく忘れられていたとのこと。あまりにもマイナーすぎる作品だけど個人的には好きだし、かなり貴重な作品でもあるかなと。
 現在の「SF」というジャンルが確立される前の、「未来小説」というジャンルにカテゴライズされていたそうで。相当昔に書かれた、宇宙を舞台にした小説なのだわ、と感心。なのでコ難しい理論などは皆無。どちらかというと、幻想系・文学的な宇宙小説として面白く読めた。
 で、まずものすごく凝った構成にビックリ。本筋の中に戯曲や詩篇が挿入されていて、それが巧くテーマに絡んでいてなるほどなーと。とっても劇的で冒頭から惹き込まれて一気に読んでしまった。

 語り手(これが一体誰なのかは作中ではどうでもいいらしい)がヒマラヤに旅行中に遭遇した隕石の落下。ガイドとして雇っていた現地人はいきなり降ってきたそれが命中して落命。そのガイドに落ちてきたのは隕石かと思いきや、実は謎の匣。語り手が不審に思いながらもその匣をこじ開けてみると、出てきたのは数冊の書物と数部の草稿。語り手は知識を総動員してその書物等の解読に挑み、数年かかって成功する。その書物に書かれていたのはなんととある星にまつわる一大叙事詩だったのだ──。

 その星は地球から遥か離れた距離にあるカシオペア座のΨという星に属している。語り手によって「スター」と名づけられたその星の悠久たる歴史と人類の物語が壮大に描かれてゆくという構成。
 読んでいて、ああこれはまるで聖書だなと。特に旧約聖書の人類創世の部分。アダムとイヴやノアの方舟、モーセのエクソダス(出エジプト記)等々。これらのエピソードがモチーフとなって、疫病と殺戮によってスター星をやむなく出ていかなければならなくなったスター人たちの母星回帰のストーリー。

 今でいう宇宙船のアバールに乗ってスター星を脱出したスター人。永住の地を求めて4つの星々をめぐる描写がまた面白い。それぞれの星の人間・風俗・生活などが詳細に語られ、作者のその奔放な想像力に驚きと共に瞠目。英雄や悪人が登場し、さながら人類の歴史をたどっているよう。スター人はさまざまな星をさすらいながらも、その本能と願いは母性であるスター星に帰還すること。
 何世紀も超えてようやくその望みを叶えたスター人達の子孫は、荒廃したかつての自分達の星の再興に腐心する。法・宗教・文化・芸術等々を一から創り上げ謳歌する。スター星は彼等にとってまさに長年夢見て手に入れた「楽園」であり「理想郷」なのだ。

 いろいろ解説を読むと、今作はいわゆるユートピア文学であるとのこと。ディストピア文学は読んだことあったんですけどね。初めて読みました、ユートピア文学。加えて未来小説というだけでも自分的にかなり斬新な作品でもありました。なにせ、登場人物は異星人ばかりだし。

読者の方々が別世界のこの物語によって現世の様々の悲惨を一瞬でも忘れるようなことがあればとねがいつつ。

 ラスト、作者の結びのこの言葉がとっても印象に残りました。この作品が書かれた当時、作者も何か現実世界で鬱屈を抱えていたのかしら? などと思いを馳せたりして。いろいろと想像力をかきたてられます。未知の作品のページをめくってゆく高揚感。これも読書の醍醐味。
 ううむ、こういう作品があるからマイナー作って好きなんだよね。知られざる埋もれた作品、まだまだたくさんあると思うけれど、ぜひとも読んでいきたいものだ。


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個別記事の管理2012-08-07 (Tue)

ご訪問ありがとうございます☆

   

 いつものことながらタイトルに惹かれて&好きな国書刊行会の本だったので借りてきました。しかし、かなりブ厚くて半分萎えてたのだけど、読み始めたら面白くて一気読み!以下BOOKデータベースより内容。

22世紀のある巨大都市で、突如理解不能の残虐な連続殺人事件が発生した。犯人は、ゴーレム100、8人の上品な蜜蜂レディたちが退屈まぎれに執り行った儀式で召喚した謎の悪魔である。
事件の鍵を握るのは才気あふれる有能な科学者ブレイズ・シマ、事件を追うのは美貌の黒人で精神工学者グレッチェン・ナン、そして敏腕警察官インドゥニ。ゴーレム100をめぐり、3人は集合的無意識の核とそのまた向こうを抜け、目眩く激越なる現実世界とサブリミナルな世界に突入、自らの魂と人類の生存をかけて闘いを挑む。
しかしゴーレム100は進化しつづける…『虎よ、虎よ!』の巨匠ベスターの最強にして最狂の幻の長篇にして、ありとあらゆる言語とグラフィックを駆使して狂気の世界を構築する超問題作がついに登場。


 作者のベスターに対して何の予備知識もなく……SF作家なのだなあ、と漠然と思っていたくらいだったのだけど。なんでも映像畑の方だとか。
 それで納得。この作品、映画で例えて言うならば、ズバリB級作品。イマイチ垢ぬけてなくてどぎつくてもっさりしてる。←スンマセン、自分が思うB級作品のイメージはこんななの(笑)
 けれど、駄作というのでは決してなく、色に例えるならもうもう極彩色のどぎつさ。さらに猥雑・下ネタ等々なんでもアリの盛り込み方が凄かった。

 ジャンルとしてはまぎれもなくSF。22世紀の貧富の差激しい都市のとある高級マンションの一室で行われる交霊会。ヒマと退屈をもてあました8人のセレブ女性たちがお気楽に始めたそれが事件の発端。
 彼女達の深層心理の奥深くに潜む負の感情が集積し体現化された魔物・ゴーレム100が誕生し、彼女達の知らぬ間に次々と殺人を犯し、街を恐怖のどん底へと突き落とす。

 探偵役は勇猛果敢な女性精神工学者グレッチェン・ナン、助手役は有能でありながら少しヘタレの科学者ブレイズ・シマ。そして二人を締めるのが常に沈着冷静な警察官であるインドゥニ。
 この三人が得体の知れない怪物ゴーレム100を追い詰めてゆく。SFなのにミステリー&サスペンス要素を盛り込んでいるから飽きさせない。
 ゴーレム100の正体が退屈凌ぎのセレブ達の負の感情の集合体──というのは結構使い古されたネタ。けれどその事実を突き止めセレブ達を解体させようとするグレッチェンの活躍と、ゴーレム100を追ううちに解明される彼女の隠された真の正体という意外な展開にはちょっと驚き。

 進化した人類・この世界とは違うもうひとつの世界(亜界)・未知の化学物質である麻薬であるプロメチウム……等々、興味津々なガジェトもふんだんに登場してSF好きにはたまらないかも。そして、随所に盛り込まれた幾何学的&前衛的(ピカソ的?)なイラストの数々とくどいくらいの言葉遊びにはなぜかうーん、サイケだなあ(要は60年代的だなあ)と。
 グレッチェンとシマとの迷コンビの織りなすギャグにも笑えるし、ゴーレム100を追って亜界まで捜査に突入する警察官インドゥニ活躍には胸がすく思い。で、予想外のラストにはちょっと背筋が寒くなったし。

 この作品、解説にもあったけれどかなりフェミニズム的な読み方もできるとのこと。なるほど!と思ったけれど、逆に自分はラストを読んで実はそうではないのではと思ってしまったし。ギリギリのところでやはり男性優位的な到着点になったのかなと。
 などなど、こんな深読みしなくても普通にSFとしてミステリーとして楽しく読める作品。しかし、やはり好みが完全に分かれる作品でもあるかな。はっきり言って「奇書」にカテゴライズされると思う。でも食わず嫌いはもったいない。興味ある方は是非読んでみて損はないと思う。さらに巻末の訳者である渡辺佐智江さんの文がウィットに富んでいて最高だった!


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Theme : SF小説 * Genre : 本・雑誌 * Category : ゴーレム100
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