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個別記事の管理2010-10-19 (Tue)

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      101019_1340~01    女人 吉屋信子

 中古で購入した超・マイナー本の上に、とてつもなく記事長いです。スミマセン
 自分は吉屋信子の作品、特に初期作品が好きなのですが、以前かなりハマッて読みあさっていた時に出会った書籍。
 彼女の伝記とまではいかないまでも、生い立ちから最期までを、往復書翰の公開という形をとりながらかなり詳細に綴ってある貴重な1冊だと勝手に思い込んでます。以下BOOKデータベースより内容。

女流作家・吉屋信子と、秘書であり、養女であり、愛人であった女との往復書翰の公開―感性豊かな少女が男性優位の社会への幻滅から同性を愛し、その愛を礎に小説を書くことによって女の自立を立証した。戦前の名作『花物語』から晩年の『女人平家』まで、その情熱的な生涯を同時代の文壇を背景に描く。

 近年再評価されつつある吉屋信子ですが、まだまだ「知る人ぞ知る」といった存在でしょうか。
 大衆作家と認識され純文作家よりも一段低く見られがち。そして同性愛者ということでも、当時はかなり稀有な存在であったかと。ある意味とても生きにくかったのではないかなァと思ってしまいます。

 完全な男尊女卑の家庭で育ち、父は厳しく母は兄達を溺愛。その兄達は理不尽にも幼い信子をこき使う。そんな家庭に居場所を失くして孤立してゆく信子の生い立ちがかなり詳細に記述されてます。特に母親との不和はかなり深刻だったようで、信子の報われない・満たされない母親への愛情は姿を変えてさまざまな作品中へと投影されているのがわかります。

 そんな寂しく孤独な少女時代を支えたのが、少女雑誌への投稿。元来備わっていた才能もあるのだろうけれど、好きな文学にひたすら打ちこみ、ついには念願だった作家への道を歩むことになった彼女。その後の活躍は言うまでもないです。

 運命の女性である門馬千代との出逢いと葛藤。その2人の複雑で多難な人生の道のりが、お互いの手紙を公開することで、いっそう現実味を帯びて理解できる。その書簡を読んでいると、愛情や信頼という人間の基本的な繋がりというのは、案外男女関係無いものなのだな、と痛感させられます。
 信子が千代の人生に対して一生責任を負うこと。どうやったら2人が幸せに暮らしていくことができるのか? 
 大正末から昭和にかけて何かと風あたりの強かったであろう時代の中を、悩み煩悶しながらも強く生き抜いた2人の絆は、ある意味ヘタな夫婦よりも固い。

 前述したとおり、完全な男尊女卑の家庭で育った信子。でも皮肉なことに男兄弟たちで信子ほど立身出世をした者はいなかったとのこと。
 当時女性がペン1本で家を8軒建て、自家用車を持ち、競走馬の馬主となった彼女の情熱とバイタリティには瞠目に値するかと。あれほど幼い日の信子をこき使った兄達も彼女にお金の無心をしたとかしないとか。これぞ運命の痛烈なしっぺ返しというべきか。

 家族と、そして愛する人と自分の人生のためにひたすら書き続けた吉屋信子という作家の、壮絶な生きざまに触れてしばし呆然。
 彼女の生涯を知った上で再度作品を読み返すと、その経験や思想がいかに作品に投影されているかがわかります。かなり面白いです。

   ──著者である吉武輝子さんは、2012年4月17日お亡くなりになったそうです。
     心よりご冥福をお祈りいたします。──


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Theme : 考えさせられる本 * Genre : 本・雑誌 * Category : 女人 吉屋信子
* Comment : (2) * Trackback : (0) |

またもや、おじゃまします。 * by まいまい
かなり昔ですが、吉屋信子の評伝を読んだ覚えがあり、これかなとも思ったのですが、書簡・・はて?となってしまいました。たぶん田辺聖子作「夢はるか 吉屋信子」だったのかと思います。

大正・昭和に同性愛者として生きるのは、今よりはるかに大変だったことでしょう。しかも少女小説~大衆小説というジャンルは世間的にいくら成功していても、文壇からは黙殺されていたということで、よほどプライドを持っていないと、生きるのさえ辛かったのではないかと想像します。

惺さんのおっしゃるように固い絆で結ばれたパートナー=同志がいたからこそ、輝くことができたのかもしれません。

この本も読んでみたいです。図書館にあるといいのですが・・。

Re: どうぞ、どうぞ * by 惺
>まいまい様v-353
異様に長い記事を読んでいただきましてホントにありがとうございましたe-466

吉屋信子、女性でありながら芯は男子です。
その時代を生きるためにはそうならざるを得なかったのかもしれないけれど、現代に生きていればもうちょっと楽に生きることができたのにな、とつくづく思ってしまいました。

自分の稚拙な内容ではこの本の面白さを到底著せないので、興味がおありでしたら是非ご一読を。
図書館にあると思いますよ~。自分も最初は図書館から借りたので。
いつもコメントありがとうございます☆
とっても嬉しいです。

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