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個別記事の管理2012-08-13 (Mon)

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世界悪女物語 (河出文庫 121B)世界悪女物語 (河出文庫 121B)
(1982/12)
澁澤 龍彦

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 本屋に行って即買いしてしまいました。ひさしぶりの澁澤龍彦。タイトルも刺激的~!! 以下BOOKデータベースより内容。

ルクレチア・ボルジア、エリザベト・バートリなど、史上名高い悪女たちの魔性にみいられた悪虐非道の生涯を物語りながら、女の本性、悪の本質を浮き彫りにするベストセラー・エッセイ集。

ルクレチア・ボルジア 十五世紀イタリア
エルゼベエト・バートリ 十七世紀ハンガリア
ブランヴィリエ侯爵夫人 十七世紀フランス
エリザベス女王 十六世紀イングランド
メアリ・スチュアート 十六世紀スコットランド
カトリーヌ・ド・メディチ 十六世紀フランス
マリー・アントワネット 十八世紀フランス
アグリッピナ 一世紀ローマ
クレオパトラ 前一世紀エジプト
フレデゴンドとブリュヌオー 六世紀フランク
則天武后 七世紀中国
マグダ・ゲッペルス 二十世紀ドイツ

 総勢十二人の澁澤龍彦セレクトの世界の悪女たち。自分が知っている人物と知らない人物が半々くらいかな。
 中にはえ?この人物そんなに悪女ではないんじゃないの?と思ったりして。あくまで澁澤龍彦基準の悪女達ということなのでしょうね。

 自分的に一番怖かったのがエルゼベエト・バートリ。漠然とこんな猟奇的な女性がいたんだなーとは知ってはいたけれど、その詳細を知ってうーん、怖すぎる!!
 ただ、このエルゼベエトという女性、なんと十一歳の時に嫁入りして以来、姑さんからかなりシビアな待遇を受けていたらしく、その抑圧された感情が恐ろしい犯行に至った動機なのでは? と自分的に思ってしまったし。
 淡々とエルゼベエトの壮絶な人生を語る著者の語り口はわかりやすく読みやすい。そしてこの恐ろしい殺人鬼であるはずのエルゼベエトの哀れな境遇に、憐憫の情を窺わせる著者の優しい視線を感じ取ることができて、なんだか救われた思い。

 その他、エリザベス女王とメアリー・スチュアートとの確執等女同士の対立の怖さとか、アグリッピナの自己保身の為なら自分の息子をも利用する壮絶な生き方とか。悪女と呼ばれる歴上の人物たちのスケールの大きさにはちょっとビックリ。
 アジアからは中国の則天武后ただ一人がセレクト。日本人は皆無というのにはなぜか納得。
 世界の悪女サンたちに比べたら、日本史の悪女なんてまだまだといったカンジ。実際、そんなに悪女っていたっけ? 歴史上では日野富子とか淀君とか(悪女か?)阿部定とかそこらへんしか思い浮かばない。ここに登場する壮絶な世界の悪女たちの足元にも及ばないよね。

 悪女と定義付けされているけれど、紹介する澁澤龍彦の視線はなぜかとても優しい。彼女達がなぜ悪の道へと逸れてしまったのか。本当に悪女だったのか。著者なりの見解をさらりと述べているのもまた面白い。
 刺激的な内容だったけれど、ある意味黒歴史の中に生きる彼女達に焦点をあてた著者のユニークさを堪能できて満足。なかなか面白かった!


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個別記事の管理2012-04-05 (Thu)
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少女コレクション序説 (中公文庫)少女コレクション序説 (中公文庫)
(1985/03)
澁澤 龍彦

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 気になっている作家の澁澤龍彦。本格評論は「夢の宇宙誌」に続いて2作目。本作も個人的にはかなり楽しめました! だけどかなーりマニアックなのでまったく興味ない~という方にはあまりおススメできないかも。以下BOOKデータベースより内容……を書こうと思ったけれど無かった……文庫裏にも内容表記がないのでスミマセン、割愛させていただきます。


少女コレクション序説
人形愛の形而上学
アリスあるいはナルシシストの心のレンズ
犠牲と変身
東西春画考
セーラー服と四畳半
インセスト、わがユートピア
幻想文学の異端性について

ポルノグラフィーをめぐる断章
近親相姦、鏡のなかの千年王国
処女生殖について
ベルメールの人形哲学
ファンム・アンファンの楽園
幼児体験について
コンプレックスについて
宝石変身譚
エロスとフローラ
鏡について
匂いのアラベスク
玩具考
マンドラゴラについて


 ジャケットの四谷シモン氏の人形からしてかなり雰囲気醸し出してます。幻想的で魅力的。さらに各章タイトル見ても強烈なインパクトですよね。もうビックリです。
 内容の方もかなり刺激的であくまで渋澤氏の趣味と嗜好の世界が展開していて面白いです。それぞれのテーマにかなり深くて独特な見解が述べられていてなるほどと唸るものばかり。

「美しい少女ほど、コレクションの対象とするのにふさわしい存在はあるまい」

 などとかなり強烈な発言が飛び出したりして。犯罪の一歩手前か? とまで思ってしまうほどなのだけど、ここはさすがプロの作家。秀逸で的確な表現と洞察で童話から神話、果ては実在の人物までと、あらゆる作品の中に登場する少女達を巧みな文章でコレクションしてます。
 「眠れる森の美女」や「塔に閉じ込めらこめられた姫君」(←ラプンツェルだね) などの作品や人物を例に挙げてその物語やヒロインに隠されたメタファーを詳細に分析。ここで詳しく述べるにはちょっとはばかられるような内容なのよね……(知りたい方は作品を読んでね)しかし、読み進めるとなるほどな、と。

 さらに面白い見解だなと思ったのが、「アリスあるいはナルシシストの心のレンズ」 における作者ルイス・キャロルについて。
 不思議の国のアリスのヒロイン・アリスが作者自身の投影にほかならないという件に目からウロコ。さらに、
「要するにアリスは、ひとりの孤独な男の心のレンズに、逆さまに映った少女のイメージだったのだろう」
 という考察にもちょっと驚きが。

 章が重なるにつれて、少し少女論から遠ざかっていく印象が否めないのだけれど、「コンプレックスについて」「宝石変身譚」「玩具考」などはかなり面白く読めた。全体的に渋澤氏の嗜好と魅力が満載の著作といった印象かな。
 読んでいてついつい惹き込まれてしまった。興味ある方にはかなりおススメの著作。著者のまさに真骨頂といった感じの少女論&エロティシズム論の数々でした。


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個別記事の管理2011-10-28 (Fri)

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ねむり姫―澁澤龍彦コレクション 河出文庫ねむり姫―澁澤龍彦コレクション 河出文庫
(1998/04)
澁澤 龍彦

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 久しぶりに澁澤龍彦を読みたくなって購入。今まで評論ばかりでしたが、初めて小説モノを読了。以下BOOKデータベースよりあらすじ。

ねむれる森の美女さながら永いねむりについてしまった美しく幼ない姫に魅入られるかのごとく数奇な運命をたどる腹違いのひとりの童子―
中世の京の都を舞台にくり広げられる男と女の不可思議な生涯を物語る「ねむり姫」ほか、実母の生んだ牝狐を愛し命を奪われてしまう男の物語「狐媚記」など、古今東西の典籍を下敷きに構築されたあやかしの物語六篇。


ねむり姫
狐媚記
ぼろんじ
夢ちがえ
画美人
きらら姫
 の純和風の幻想文学六篇。

 いやいや、実は洋モノを連想していたんですけれど、あっさり期待を裏切られました。完全和テイストの幻想譚ばかりでした。以下ちょこちょこっと各ストーリーの簡単な感想☆

突如として昏睡状態に陥ってしまった珠名姫とその異母兄・つむじ丸との数奇な縁を描いた「ねむり姫」

人間と狐との間に生まれた狐の子とその兄との近親愛「狐媚記」。異種混合譚なのだけれど、キワモノ的ではなく一種幻想的。

「ぼろんじ」は自分的にイマイチよく理解できなかったけれど、一種の男装譚? アンドロギュヌスのエピソードがモチーフとなっていた。

耳めしいの姫君が田楽一座の男に恋をする、一種の恋愛幻想譚。「夢」を重要モチーフにした逆転のエピソードが面白かった。

「画美人」はちょっと趣向が変わって中国的。まるで中国の怪異譚・聊斎志異の中の1篇のよう。美人画に描かれた美女と男の哀しい悲恋。

「きらら姫」は江戸時代の大工職人が大地震の被害を受けた鎌倉時代にタイムトリップ!
天才大工の出現によって、それまで遅々として進展しなかったお上人様の草庵が瞬く間に竣工するといった話。
北斗七星の星の船がさながらタイムマシンの役割を果たして、ちょっとファンタジック。
なお、タイトルの「きらら姫」は一切登場いたしません。

 和テイストでありながら、さりげなく洋モノテイストが下敷きとなっているのも面白い。特に「ぼろんじ」のアンドロギュヌスのエピソードなどなど。
 自分は急ぎ足で読んでしまったのだけれど、じっくり読むとさらにこの作品の面白さが堪能できそう。
 和風幻想小説といったカンジでしょうね。思いっきり好みの作品でした!


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個別記事の管理2011-05-21 (Sat)

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夢の宇宙誌 〔新装版〕 (河出文庫)夢の宇宙誌 〔新装版〕 (河出文庫)
(2006/06/03)
澁澤 龍彦

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 実家で偶然見つけた面白そうな1冊! 家族の中で一体誰が読んでたんだ、こんなマニアックな本!……ということで、以下BOOKデータベースより内容。

自動人形、遊戯機械、ホムンクルス、怪物、アンドロギュヌス、天使、そして世界の終わり…多様なイメージに通底する人間の変身願望や全体性回復への意志、大宇宙と照応する小宇宙創造への情熱などを考察したエッセイ集。著者の六〇年代を代表する一冊。読者を異次元に誘い出す夢のアルバム。

玩具について
天使について
アンドロギュヌスについて
世界の終りについて … 興味ある方にはたまらない4篇収録。

 ちなみに、自分が読んだのは画像のある新装版ではありません。けれど、内容的にはほぼ変わらないと思います。
 ホムンクルス・グランギニョル・自動人形・天使のヒエラルキー……このような単語に非常に興味抱く方には垂涎の1冊かと思われます。
 澁澤龍彦氏に関しては以前に著作を1冊読んだのみで、あまり詳しく存じあげないのですが、このテのテーマの権威であることが、今回読んでみてひしひしと実感しました。

玩具について
 単なるオモチャ論ではありません。
 「人間に酷似していて、しかも人間ではない存在を創り出すこと。現実の精巧な模造品を生み出すこと──それはいわゆる自然への神への反逆であり、隠微な裏切りにも似た、ふしぎな欺瞞の快楽にわたしたちを誘い込むものがある」
 という、作中の言葉を借りて要約するとこのような玩具について、またそれらを創り出した人物に対しての紹介と称賛が述べられている章ですね。

 欧米の過去歴史的に有名な支配者の中には特異な事物を対象とした収集癖を有している人物が多いらしく、そのコレクションの紹介など、ものすごく妖しげでありながら耽美的。その彼等が創りあげた特異な小宇宙の魅力を豊富な写真と共に解説。
 特にホムンクルスの註が瞠目。機械的ではなく、科学的製法によって、小さな人間(ホムンクルス)の生命を人工的に造出させる──という伝説・迷信があるが、それを現代の試験管ベビーと関連づけて述べている点になるほどなと。
天使について
 よく知られた「天使のヒエラルキー」=階級についての詳細な解説。旧約時代の天使像はあくまで奇怪なイメージでしかなかったが、時代を経るにつれ現在一般的に認識されているような美しい天使像へと変貌していった──という内容。
アンドロギュヌスについて
 アンドロギュヌスとはいわゆる両性具有のこと。プラトンの「饗宴」で有名な、そのアンドロギュヌスのエピソードを基に興味深い論述を展開。愛欲と生殖本能とは混同されるべきではない──などと、性について踏み込んだ論述の展開。
世界の終わりについて
 「最後の審判」を描いた絵画を多数紹介。それと同時にローマ帝国批判の書である「ヨハネの黙示録」の解説も。

 さらっと読み流したので、まともな感想書けてないですが、じっくり深く読みこむとことで、澁澤氏の独特な世界、それこそ彼の小宇宙をさらにディープに理解することができるのではないかなあ、と。自分的に興味ある内容盛りだくさんだったので、満足の1冊でした。


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昔はまりました。 * by semicolon?
中学生で三島由紀夫を知りそこから澁澤龍彦翻訳ものにいってしまい純文学から遠ざかってしまいました。
両性具有に憧れたりしましたよ。半陰陽という言葉が好きです。

澁澤も・・ウルフガイも・・ * by nao
澁澤龍彦さん・・活躍するそのフィールドにより、
特異なマイナーな作家、と錯覚されてがちですが、
実は最初期からかなりなメジャー作家さんのような。
「夢の宇宙誌」久しぶり読み返してみたくなりました。
ところで・・「狼の怨歌」(!)って・・
あのウルフガイではありませんかぁ!

Re: semicolon? 様☆ * by 惺
こんにちは~!!
めちゃくちゃハマりそう……。
いやいやいや、実に面白かったです。
澁澤氏の豊富な知識、理路整然としていながらわかりやすい解説。
かなり古い著作ですが、時代感じませんでした。

> 両性具有に憧れたりしましたよ。半陰陽という言葉が好きです。
アンドロギュヌス、深いですね~。
なかなかに耽美的・ロマンティシズム溢れてて好きです、自分も。
他の著作にも是非挑戦します☆

Re: nao 様☆ * by 惺
おひさしぶりです! こんにちは!
自分的にはかなりメジャーな印象がありました。
固定ファンが多そうですよね。

> 「夢の宇宙誌」久しぶり読み返してみたくなりました。
面白かったですよ~。自分にはとっても新鮮だった。

> ところで・・「狼の怨歌」(!)って・・
> あのウルフガイではありませんかぁ!
そうです!
一時期ハマってまして…。
「紋章」「レクイエム」が自分的にはベスト作なんですが、
ひさびさに「怨歌」も読んでみようかなと。
アダルトの方はイマイチですね。

すてき * by キヨハラ
誰かが澁澤龍彦を読んでらっしゃるって。私もそんな家族が欲しいです。うちでご飯食べながら澁澤の世界について話せたら、そのご飯は即宴会ディナーです。

澁澤は、もう何十年も読んでいないので、記憶が不確かですが、記事の内容を拝見すると、この本を読んでいるような気がします。
当時の私に澁澤は難解だったし、今でも難解であろうと思うのですが、また読んでみたくなります。

Re: キヨハラ様☆ * by 惺
こんばんはヾ(=^▽^=)ノ
> 誰かが澁澤龍彦を読んでらっしゃるって。私もそんな家族が欲しいです。
自分が大昔に偶然買ったモノなのか、それとも嗜好の似てる姉のモノなのか?
両親はあまり本読まないので…一体誰? 自分の澁澤氏読み始めたの最近だし…。
とてつもなくミステリーです…。

> 澁澤は、もう何十年も読んでいないので、記憶が不確かですが、記事の内容を拝見すると、この本を読んでいるような気がします。
> 当時の私に澁澤は難解だったし、今でも難解であろうと思うのですが、また読んでみたくなります。
おおっ素晴らしいです!
時々ムズカシイ箇所もあるけれど、全体的に理路整然としてわかりやすいです。
マニアックですが、楽しめた1冊でした~☆

個別記事の管理2011-01-20 (Thu)

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世界幻想名作集 (河出文庫―渋沢龍彦コレクション)世界幻想名作集 (河出文庫―渋沢龍彦コレクション)
(1996/10)
澁澤 龍彦

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 書店で一目ボレしてしまった本。即買いでした。以下文庫裏表紙よりあらすじ。

名アンソロジスト澁澤龍彦が選んだ十篇の幻想文学の代表作。
幻想文学の本場ドイツから『砂男』『ウンディーネ』他。幽霊好きのイギリスから『フランケンシュタイン』他。フランスからはリラダンとアポリネールの作品。ロシアから『鼻』他。アメリカから『黒猫』を収録する。
その他、古代中世の美術からシュルレアリスムへと続く系譜を紹介した「幻想美術の流れ」を付す。

 面白かったです。澁澤龍彦セレクトの秀逸の幻想文学集。どれも短篇で読みやすく、詳細な解説付き。美味しいおまけ?に、付随した幻想美術も掲載されてます。
 澁澤龍彦氏が唱える幻想文学の提議とは、以下の如し。
「幻想や恐怖が宇宙の統一を破って、現実に侵入してくる」文学。または、「私たちの同時代の、日常的な現実の支配する世界に、突然、あり得べからず不可能が闖入してくる」文学とのこと。
 まあ、簡単に言うと、普段何気なく生活している中に、突然人知を超えたとんでもないことが起こった事柄を小説にしたモノ……といったところでしょうか?
 その、とびきり面白い幻想文学のラインナップはコチラ↓

ウンディーネ  フーケ・ドイツ
 水の精・ウンディーネと人間の騎士との悲恋。純粋なウンディーネが人間社会の裏切りと不実に苦しむ。
フランケンシュタイン  シェリー夫人・イギリス
 あまりにも有名な作品。ですが、オリジナルを読んだのは初めて。「フランケンシュタイン」というのは、怪物の創造主の名前。
不本意に生み出された怪物が社会から憎まれ疎外される苦悩と悲哀を描いた作品。怪奇モノではなく、意外や意外、人間ドラマとしても充分通用する作品でありました。
砂男  ホフマン・ドイツ
 これは純然たる怪奇幻想小説らしい。
 機械人形に恋した主人公がひたすら悲劇に堕ちてゆくハナシ。謎の人物、コッペリウスが不気味。
 実はコレ、バレエ・コッペリアの元ネタなの? と思ってしまった。こんなに恐ろしいハナシだったのね~とビックリ。
スペードの女王  プーシキン・ロシア
 賭博の魅力に憑かれた主人公が人を裏切り殺め、遂には発狂してしまう。主人公にカード必勝法を教える幻の伯爵夫人の画策が見事。
鼻  ゴーゴリ・ロシア
 とある朝、自分の鼻がなくなっていた? 独立した鼻は街中を闊歩し、元に戻らない。ブラックユーモア溢れる作品。
黒猫  ポー・アメリカ
 主人公の殺人隠蔽を暴く壁に塗り込められた化猫譚。あまりにも有名。
ジキル博士氏とハイド氏  スティーブンソン・イギリス
 典型的な二重人格作品の元祖。作者のスティーブンソンは「宝島」の作者サンでもあったんですね。オドロキ。
ヴィルジニーとポール  リラダン・フランス
 「未来のイヴ」の作者でも有名。超・短編パロディ。ヴィルジニーとポールの幼い恋人同士の束の間のデート。流麗な文体に「お金」という意外な俗世間が隠れている。
オノレ・シュブラックの失踪  アポリネール・フランス
 「擬態」を人間に転用した異色作。恐怖をきっかけに擬態できるようになった男の悲劇。突飛な設定なのに、まるで違和感がない。
変身  カフカ・オーストリア(ドイツ)
 ある朝突然奇怪な虫に変身していた男の悲劇。「人間らしい生活を欲したとたん、全世界から断罪されて、一匹の虫ケラとして放り出されてしまう」という明快な解釈が解説に施されてました。

 内容充実の作品集。何篇か既読のモノもありましたが、各作品後の解説を読むことでさらに理解度アップできました。巻末に収録されている「幻想美術の流れ」もドッキリ・ビックリの絵画記載でおトク感あります!


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Theme : こんな本を読んだ * Genre : 本・雑誌 * Category : 澁澤龍彦
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これ未読でした^^。 * by チルネコ
これ読んだかなーと思ったけど、内容を拝見したところどうやら未読のようです^^;澁澤龍彦作品は純粋な小説は少ないけど、たくさん出してるのでどれを読んだかわからなくなってます(笑)この中ではリラダン、アポリネール、フーケだけ読んでないかなぁ^^。澁澤さんの幻想文学の定義もさすが軸がしっかりしてるって感じがしますね^^

Re: チルネコ様☆ * by 惺
こんばんは☆
澁澤氏のことはよく知らないのですが、自身の作品ってあまり無いのかなあ?

>澁澤さんの幻想文学の定義もさすが軸がしっかりしてるって感じがしますね^^
確かに~。
セレクトされた作品すべて納得の面白さでした!!
彼の他の著作も読んでみたくなったし!

リラダンは「未来のイヴ」を読みましたが…SFチックな怪作でした。
自分的にはものすご~く好みでしたね~♪

こんばんわ^^ * by チルネコ
澁澤さん自身の小説はたぶん数冊しかないと思います^^。僕は獏園が一番好きでした^^リラダンはまだ未読ですが、「未来のイヴ」が読みたいNo.1です!楽しみですね~♪

Re: チルネコ様☆ * by 惺
こんばんは☆
> 僕は獏園が一番好きでした^^
チェックしますね~!

>「未来のイヴ」が読みたいNo.1です!楽しみですね~♪
ちょっと(かなり)読みずらいかもですが、古典のかほりが漂う名作です(個人的に)。

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