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個別記事の管理2011-03-12 (Sat)

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るり姉るり姉
(2009/04/15)
椰月 美智子

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 最近葬儀屋とかホストとか閻魔とか、そんな濃いハナシばかり読んでいたので、ちょっと感動作をということで。以前新聞の書評で高評価だったので、是非読んでみたかった1冊。以下アマゾンより内容紹介。

三姉妹が慕う、母親の妹のるり姉は天真爛漫で感激屋。周りの人々を楽しい気分にさせてくれる天才だ。だが、そんなるり姉が入院した。
季節を遡り、三姉妹や母親、るり姉の夫の視点から、元気だったるり姉との愛おしい日々が語られる。日常にある幸せが一番大切だと気づかせてくれる連作家族小説。

第一章  さつき ─ 夏
第二章  けい子 ─ その春
第三章  みやこ ─ 去年の冬
第四章  開人 ─ 去年の秋
第五章  みのり ─ 四年後 春

 「しずかな日々」が自分的にとても良かったのでこの作品にも期待してました。ヒロイン・るり姉こと、るり子を囲むその姪と姉、夫をめぐるほのぼのタッチの家族小説といった感。
 なんといってもるり姉のキャラが破天荒でとても良い。るり姉を取り巻く家族にとって、彼女がいかに大切でかけがえのない存在なのか。姉・けい子、その娘・さつき、次女・みやこ、三女・みのり、そしてダンナ様である開人。それぞれの視点から描かれる、るり姉のエピソードに癒されます。

 第一章・さつき視点のエピソードで、完全にるり姉は病死してしまうのだわ~と、連想。
 さつきの家族はちと複雑で、両親は離婚しているけれどちっともジメッとしていない。母親と3人姉妹のカラッとした描写、高校生・さつきの微妙な年頃の心理など、とっても巧く表現されていてスラスラと読めてしまう!
 実はアニヲタである看護師の母親、ヤンキーのみやこ、バレーボール命のみのり、の個性的な家族のキャラクター設定も絶妙で面白い。
 第四章・開人では、るり姉と開人とのラブラブエピソードがとっても清々しいし。

 冒頭でガンとおぼしき病魔に襲われる、るり姉。その彼女の余命いくばくもないと感じた家族のそれぞれ彼女に関する思い出がとっても瑞々しく語られているあたり、読んでいてココロ洗われるようでありました。
 てっきりバッドエンドかと思いきや、そうではなかったことにホッとしたり、逆にちょっと感動薄れるかな~と思ったり。

 自分的には第2章・けい子がかな~り面白く読めました。働くバツイチ母である彼女の、赤裸々なトホホエピソードが笑えるし、共感できる! それぞれの章でそれぞれの年代のキャラ・性別になりきって描く、作者サンの力量にも満足! ユーモア&ほっこり満載の良作だと思いました。

 実は昨日(3月11日)の地震の時、電車の復旧待つ間に読んでいて、かなり助かった1冊。不安な中、自分的にとっても癒されました。きっと地震起きるたびにこのハナシ思いだすんだろ~な~としみじみしてしまいました。


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 椰月美智子
* Comment : (4) * Trackback : (0) |

* by KKGT-R
只々 ご苦労様でした。
本が一冊あると、気持ちが落ち着きますよね。

Re:KKGT-R 様☆ * by 惺
こんにちは!
こんな癒し系の本でよかったです。
「日本沈没」とか読んでたらテンション下がりまくりだったかもです。←古すぎ。
コメントありがとうございました!

* by こはる
こんにちは。

大丈夫でしたか?
凄い地震でしたね。

もう、こんな地震体験したくないですよね。

Re: こはる様☆ * by 惺
今、こはるサンのところにおじゃましてきましたが……。
こはるサン、大変だったんじゃないですか!!
ご帰宅お疲れ様でした。

> 凄い地震でしたね。
> もう、こんな地震体験したくないですよね。
まさか、まさかの大地震でビックリでした。
ホントに、できれば二度としたくないですよね。
コメントありがとうございました☆

個別記事の管理2011-01-22 (Sat)

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しずかな日々 (講談社文庫)しずかな日々 (講談社文庫)
(2010/06/15)
椰月 美智子

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 作風はあくまでも地味。けれど、超ド級の感動作です! 以下文庫裏表紙よりあらすじ。

おじいさんの家で過ごした日々。それは、ぼくにとって唯一無二の帰る場所だ。
ぼくは時おり、あの頃を丁寧に思い出す。ぼくはいつだって戻ることができる。あの、はじまりの夏に──。
おとなになってゆく少年の姿をやさしくすこやかに描きあげ、野間児童文学賞、坪田譲治文学賞をダブル受賞した感動作。


 少年少女の成長譚は森絵都の作品で馴染んでいたのですが、あくまでも短編。こちらの作品は本格長編。初挑戦の作家サンだったのですが、淡々とした展開、その中にあってドキリとする描写の数々が散りばめられていて、かなり好印象でした。

 主人公は勉強もスポーツも不得手で、引っ込み思案で大人しい、クラスの中ではまるで存在感の無い枝田光輝。 
 父親は早くに亡くなり、母親との2人暮らし。その母親も仕事で忙しく、家庭生活は寂しいもの。そんな生活環境が影響してか、小学校に入ってからクラスで誰とも口をきかない日がざらにあったという、孤独な少年。
 その彼が5年生になった時、運命がガラッと変化する。そのきっかけとなったのが、後ろの席となった押野少年との出会い。誰とでも打ち解け、明るくクラスの人気者である彼との交流が、光輝少年のそれまでの色あせた孤独な生活を劇的に変えていくのだ。

 押野少年に初めて声をかけられ、初めて野球をする。初めて学校帰りに皆と空地で遊ぶ。そんな当たり前のことを今まで体験していなかった光輝の喜びと感激の描写が、自分も追体験をしているように真に迫ってきて巧い。
 そして彼は母親が起業することとなって転校することに。初めて出来た友人との別れがたさに、光輝はまたも初めて涙ながらに母親反抗し、自分の気持ちを爆発させる。
 理解ある担任教師の計らいで、実は近所に住んでいたおじいさんの元に引き取られることとなった彼の、長くて短い、そして貴重な夏休みが始まるのだ。

 ここからこの作品の本編。おじいさんと光輝の淡々とした静かな夏休みの生活……ありがちな展開ですが、それがココロにじんわりと染入って良いのです!
 クールで余計なコトは何も語らぬおじいさん。けれど、しばらくぶりに合った孫との生活に嬉しさを噛みしめている心情が、じわりじわりと読みとれます。そして、人見知りが激しい光輝が、緊張しながらも次第におじいさんと生活に慣れて、満喫していく過程がとても丁寧に描かれていて、ほっこりしてしまいます。

 そして何より楽しいのが、明るくて無邪気な押野クン。正反対の個性なのに、なにかとウマが合う2人。その彼等が繰り広げる冒険に何気ない発見。昔ながらのおじいさんの家でのお泊り会、縁側で食べるぬか漬けにスイカ……その他、書ききれないほどの夏アイテムを満喫して過ぎる貴重で大切な夏の日。
 その楽しげな子供達の守護神が、もちろんおじいさん。

 孤独な日々とは決別した光輝は成長し、次第に自我に目覚めてゆく。
 彼の周囲の人々は皆理解ある良い人達ばかり。それが彼にとって救いであったのだけれど、光輝自身にもそれに応える純粋なココロがなければダメなのだ。窮地に立った時、意を決して何かを選びとる、その強さを彼はゆっく りゆっくりと自分のモノにしていく。
 けれど、良い事ばかりではない。少しづつ明るく拓けてゆく自分の人生と引き換えに、彼は母親を失った。特異なビジネスに傾倒してしまった彼女は既に光輝にとって遠い存在となってしまう……という、そんな苦いエピソードも作者はきちんと添えている。人生は良い事ばかりではないのだ、と。

 あ~、また恐ろしく長くなってしまいました。
 それだけ感動作だったのです。タイトル通りに、しずかに淡々と過ぎてゆく日々を描いた作品。けれど、その何気ない日常の、大切でかけがえのない一瞬一瞬を切り取ってゆく作者の手腕に脱帽と感動の連続でした。
 涙腺? もちろん崩壊したのは言うまでもありません。


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 椰月美智子
* Comment : (2) * Trackback : (1) |

いいですねぇ * by 道楽猫
とてもそそられる内容ですねぇ。
なんとなく「西の魔女が死んだ」を思わせる設定です。
あちらはお婆ちゃんと孫娘でしたが。
しかも長編。これは是非読んでみたいです。
ご紹介ありがとうございます!

Re:道楽猫 様☆ * by 惺
こんばんは~♪
なんとな~く、森絵都を彷彿させるハナシでした!
とってもイイですよ。じんわりとココロに染入り、癒されます。
主人公の回想形式なんですが、変に感傷的じゃないところも自分的にナイスです。
一読おススメです☆
「西の魔女が死んだ」も似たカンジなんですか? 
面白そう! 読んでみたいな~!

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