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個別記事の管理2012-08-21 (Tue)

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 ひさしぶりの梨木香歩。かなり待ってようやく借りることができました。期待値大で読了。以下BOOKデータベースより内容。

珊瑚、21歳。生まれたばかりの子ども。明日生きていくのに必要なお金。追い詰められた状況で、一人の女性と出逢い、滋味ある言葉、温かいスープに、生きる力が息を吹きかえしてゆく―。シングルマザー、背水の陣のビルドゥング・ストーリー。

 面白かった! あの梨木香歩なのでまたも独特の世界観のストーリーなのかと思いきや、今回は一人の若きシングルマザーがヒロイン。
 最初、え? なんだか普通のテーマ?で意外~と思ったのも確か。しかし、中盤になるにつれ、ああやっぱり梨木ワールドだ!と痛感。

 21歳にして雪という子供を持つシングルマザー珊瑚。若気の至りで結婚したもののすぐ離婚してしまい、その生活はなんとも危うい。バイト先は潰れ、それでも子供を抱えて生活をしなければならない珊瑚が選んだ道はなんと自然食カフェの経営・出店。
 開店資金も資格も経験もない珊瑚がどのようにしてさまざまな困難を切り抜けてゆくのか。
 まったくの荒唐無稽な設定に最初は一体どうなることかと思ってハラハラしながら読んだのだけれど、くららという女性との出逢いが珊瑚の運命を大きく変えていくことに。

 くららはかつて修道女だったという、ある意味社会と隔絶した存在。その彼女が出した「赤ちゃん、お預かりします」という貼り紙をきっかけに雪を預かってもらうこととなり、そこから珊瑚の世界は急速に広がってゆく。
 くららが作るシンプルでありながらも温かい食事。それは珊瑚の心をほっこりとさせ勇気づけ、そのことをきっかけとして最終的には「食」を自分の職業にするまでとなる。静かに穏やかに珊瑚に影響力を与えたくららという存在が、この話の中で大切な「核」となっているような気がした。
 人は「食べること」で活きる活力を得ることができる。食事はとても大切で人間の身体と心をつくるもの。これは「西の魔女が死んだ」の、あのおばあちゃんも言っていたし、この作品との共通のテーマであるのではないかなあと個人的に思ったり。

 「食」を通して人と人がつながり、影響を与えあう。それは良い影響かもしれないし、悪いものでもあるかもしれない。けれど、その経験を珊瑚は真摯に受け止め、自分に対し常に疑問を持ち問いかけ納得する。「自分」という存在は一体何であるのか? 全体的に柔らかなムードに包まれた作品でありながらも、根底に流れるテーマはかなり哲学的・宗教的なのだと思った。

 珊瑚自身も実の母親からネグレクト(育児放棄)という虐待を受けた過去を持ち、それを密かに抱えながら生きてきた。ラスト近く母親と対面し、さらに自分を快く思っていないかつての同僚からの痛烈な批判を受けたことで、自分を別の面から見つめることに目覚め、ひとまわり大きく成長を遂げる。
 その珊瑚の精神の成長と幼い雪の肉体的成長を重ね合わせながら、ゆるやかに穏やかにラストに収斂してゆく展開は見事。

 なんてこ難しいコト考えなくても、珊瑚がオープンさせようと奮闘している自然食カフェの件を読むだけでもかなり楽しめます。思わず食べたくなってしまうようなメニューがふんだんに登場して、思わずレシピ本作ってーと思ってしまったほど。「食」って大切なんだなあ…としみじみ。
 自分的に梨木作品はハズレ無しですね。楽しめたし、とても考えさせられた1冊でした。


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 梨木香歩
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* by まいまい
この本、気になっていたのですが、
レビュー拝見して、俄然読む気になりました。

実はさわりだけ本屋さんで読んだのです。
どう展開するのか???だったので
保留していました。
自然食レストラン!おもしろそうですね。


Re: まいまい様☆ * by 惺
こんばんは!
そうそう、最初はなんだろ?いつもの梨木香歩と雰囲気違うなーと
思いつつも、中盤を過ぎるころからやっぱりね…とニヤリ。
かなり重いテーマなのだけど、それを感じさせない読みやすさ!
良いですよ~。読んでいるとお腹すいちゃいます。

* by ジュリ
『雪と珊瑚』読んでみたいなと思っているのですが、図書館で借りようと思ったら予約がいっぱい。まだまだ読めそうにありません。
おいしそうな料理が出てくるのが楽しみだな。内容もちょっと深そうですね。

Re: ジュリ様 * by 惺
はじめまして、こんばんは!
「雪と珊瑚と」は今まで自分が読んだ梨木さんの作品とは一味違って面白かったです。
シングルマザーが自活の道を模索してゆくのだけど、大部分を占めるカフェメニューがもうもう!
実際こんなカフェがあったら絶対常連になるよ!! って思ってしまったし。
図書館でも人気ですよね。
自分も何カ月か待ってやっと読めた本でして…。
順番がきたらじっくりお読みくださりませ♫
ご訪問とコメントありがとうございました。

個別記事の管理2011-06-20 (Mon)

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裏庭 (新潮文庫)裏庭 (新潮文庫)
(2000/12)
梨木 香歩

商品詳細を見る

 最近よく読む梨木香歩。たまたま図書館にあったこの本をすかさず借りた! 今のところ自分にとってハズレ無しの面白さ。スミマセン、やたら長いです、ご注意!! 以下BOOKデータベースより内容。

昔、英国人一家の別荘だった、今では荒れ放題の洋館。高い塀で囲まれた洋館の庭は、近所の子供たちにとって絶好の遊び場だ。その庭に、苦すぎる想い出があり、塀の穴をくぐらなくなって久しい少女、照美は、ある出来事がきっかけとなって、洋館の秘密の「裏庭」へと入りこみ、声を聞いた―教えよう、君に、と。
少女の孤独な魂は、こうして冒険の旅に出た。少女自身に出会う旅に。

 最初は少女が大活躍する冒険ファンタジーものかと思ってました。が、読み進めていくうちに、あ、なんか違うと思い始めて。今まで読了した梨木作品とは雲泥の差のページ数。一人の少女の物語としてはかなり重厚でシビアな作品でした。
 
 主人公の少女は照美。両親共働きで忙しく彼女をなかなか構ってくれない。ほとんど「団らん」というものに縁遠い家族。そんな照美の唯一の救いが友達の祖父・丈二。
 その彼から聞かされる町内でも有名なバーンズ家の廃れた洋館の裏庭の思い出話。当の照美もかつて今は亡き知的障害の双子の弟・純とともに遊びに行ったりした馴染みの裏庭。
 そこで照美はある日とても不思議な体験をする──。

 後の展開は梨木香歩お得意の異世界への旅となるわけですが。その転換が毎回素晴らしい。今回は洋館内にある不思議な大鏡が異界への入り口。そして不思議の国のアリスの白ウサギのごとく、謎の少女を追いかけて現実世界の「照美」は、「テルミィ」となって異界へと足を踏み入れる。
 そのテルミィが迷い込んだ異界はなんと崩壊寸前。それを阻止するためにはバラバラになった竜の骨を元に戻さなければならない。旅の途中で出逢う様々な人物達。その過程の描写はとてもとても楽しいものではなく、逆に重く沈痛。
 テルミィは常に自分は一体どうしたら良いのか、誰ともなしに質問を投げかける。それは自分に対する自信の無さの表れ。迷い、傷つき、唯一の旅のナビゲーターを殺めながらも竜の骨を探し求める。その辛いシビアな旅で次第に理解する自分という存在。

 はっきり言ってちょっと読み進めるのが辛い部分もありました。ファンタジーとしては起伏が少なく盛り上がりに欠ける印象も否めない。けれど、この作品はエンタメではなく、あくまで照美という少女の内面の成長の旅を描いたものなのだと。
 彼女の暗く鬱屈した心情そのものが「裏庭」であり、そこは「死」とも直結している。照美はかつて双子の弟・純が自分のせいで命を落としたと思いこみ、今だに自責の念に縛られている。けれど、「裏庭」を通じて彷徨いこんだ異界でその弟に出逢い、彼の安らかな死後を知ることによってようやく救われる。
 そして、今までぎこちなかった母親との関係を別の視点で捉えることができるようになる。母親も実は一人の人間であるのだと。自分と母親は別個の存在であるのだと。異界からの旅を終えて、現実へ戻ってきた照美の成長に思わず瞠目。

「私は、もう、だれの役にも立たなくていいんだ」

 と、理解するに至った照美の心理描写が秀逸です。子供は両親に気に入られようと必死に自分を抑圧する傾向がある。それが今まで照美をがんじがらめにしていたけれど、その抑圧を打破し家族と正面から向き合えるようになった照美の精神的成長が素晴らしい。
 「生」と「死」が混じり合う現実と異界とをうまくリンクさせている構成も抜群の巧さ。照美と母親と祖母。3代にわたる血縁の不思議もちょっとしたミステリー仕立てで描かれています。

 ボロボロ泣ける感動作というわけではないですが、ずっしりと胸に迫る重厚な少女の成長譚・家族の絆の物語として読める。さらに、子供時代のノスタルジーをハンパなく感じさせてくれるという、多彩な表情を持つ1作でした。


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鏡の国のテルミィ * by nao
英国風香歩庭園・・魅力ある世界でした。
有名児童文学作品の世界がいくつも浮かび上がってきて、
物語の世界とともに、その作風についてもノスタルジーを感じさせるものでした。
(最近読んだばかりなので、まだ読後感は鮮明でありますよ)。
主人公の少女の成長物語が物語の根幹ながら、
この物語の重層的な構成が生きる部分・・
終わり近く、主人公の母親(さっちゃん)が大鏡に映る自分の姿に、
母と娘の姿を同時に見出すところなどにも、感心しました。
それにしても、様々な人々の物語が交錯・凝縮していて、満腹感ありましたなぁ。

Re: nao 様☆ * by 惺
こんばんは!
リコメ遅くなって申し訳ありません(>_<)
「鏡の国のテルミィ」…さすがですね!! まさにソレ☆

> 英国風香歩庭園・・魅力ある世界でした。
家守綺譚と対極ですね! あっちは純和風?

> 有名児童文学作品の世界がいくつも浮かび上がってきて、
> 物語の世界とともに、その作風についてもノスタルジーを感じさせるものでした。
自分は勉強不足でまったく思い浮かばなかった…ダメですね。
さすが、naoサン!

> 終わり近く、主人公の母親(さっちゃん)が大鏡に映る自分の姿に、
> 母と娘の姿を同時に見出すところなどにも、感心しました。
巧い描写でしたよね!
絵本で「マジョモリ」というのがあるのですが、そちらの作品をふと思い出してしまいました。
やはり幼少の母(今作では祖母だけど)と娘が同時系列に存在する
という作品なんですけどね。

> それにしても、様々な人々の物語が交錯・凝縮していて、満腹感ありましたなぁ。
そうですね。児童文学に分類されているけれど、
オトナが読んでも充分に鑑賞できる作品ですよね。

ハナさんのお茶会(ティーパーティ) * by nao
先に言及されてあった絵本の「マジョモリ」・・今日、頁を開いてみました。
つばきのママ・ふたばさんの言葉「私もご招待されたーい」・・
これには驚きました・・娘を見守る母親という従来の役どころ(?)を離れ、
少女に還っていってしまいましたかぁ・・意外な展開、その微笑ましさ。
また早川司寿乃さんの精緻な線描・淡い繊細な色調、適確でありました。

ゆにーくな、えほんであること、あきらかなり

Re: nao 様☆ * by 惺
こんばんは!
> 先に言及されてあった絵本の「マジョモリ」・・今日、頁を開いてみました。
スゴイ!! 早いですね!

> つばきのママ・ふたばさんの言葉「私もご招待されたーい」・・
> これには驚きました・・娘を見守る母親という従来の役どころ(?)を離れ、
> 少女に還っていってしまいましたかぁ・・意外な展開、その微笑ましさ。
え? こうくる? 的な自分にとって度肝抜く展開でした。

> また早川司寿乃さんの精緻な線描・淡い繊細な色調、適確でありました。
見事にマッチしてましたよね。
ものすごくゴージャスな絵本だと思ってます。
梨木サンは児童文学にも一般文芸にもどちらにも素晴らしい手腕を
発揮されるのでホント実力のある作家サンなんだなあ、と感慨しきりです。

> ゆにーくな、えほんであること、あきらかなり
まさにその通りかと。
オトナも楽しめる稀有な絵本ですよね!!

個別記事の管理2011-05-30 (Mon)

ご訪問ありがとうございます☆

家守綺譚家守綺譚
(2004/01)
梨木 香歩

商品詳細を見る

 たまたま図書館でみつけた1冊。梨木香歩サンの作品を読みたかったので。以下BOOKデータベースより内容。

これは、つい百年前の物語。庭・池・電燈つき二階屋と、文明の進歩とやらに棹さしかねてる「私」と、狐狸竹の花仔竜小鬼桜鬼人魚等等、四季折々の天地自然の「気」たちとの、のびやかな交歓の記録。

 この作者サンの小説のタイトルっていつも奇抜でありながら、きちんと内容に沿ったものなので感心します。今作もまさにぴったりのタイトル。
 語り手は綿貫。ボート部に所属していた親友・高堂は不慮の事故で行方不明となってしまう。その彼の父親から家の守をしてくれないかと依頼され住むこととなる。
 その高堂の実家でおこる、妖しくも不思議な様々な綺譚(美しく、優れた物語)。

 いつものことながら、この作者サンの独特の世界観には圧倒されます。淡々とした日常から突然異界へと入り込んでしまう鮮やかさ! しかもまったく違和感を覚えないという。なんか、宮崎駿の世界と共通しているような気がしました~!
 自分的にこのハナシ、現実世界に生きる綿貫と異界(あの世)に逝ってしまった高堂の友情物語だと思うのですが。さらに高堂死の真相を探る綿貫の物語としても読めるのではないでしょうかね。ちょっとラストがミステリーの謎解きテイストで、とっても余韻が残りました!

 さまざまな植物をタイトルに掲げた珠玉の全28篇。それぞれ不思議エピソード満載で一気に惹きこまれます。自分的に一番印象強かったのは、ラストの「葡萄」かな。
 高堂が何故現実世界から消えてしまったのか、その謎をついに突き止めた綿貫。その彼の生き方・人生観がさらりと、それでいて力強く表現されていて秀逸かと。
 現実世界と異界との橋渡し役である犬のゴローの存在感も素晴らしいし、カワイイ!

 読了済みの「村田エフェンディ滞土録」とも何気にリンクしていて、ちょっと笑ってしまったし。比較的に薄目な1冊。読みやすくて幻想的な作品群が満載でおススメ!! プラス、表紙も素敵です☆


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いいですね! * by 道楽猫
私もこれずっと読みたいなぁと思っているのです。
梨木さんはほんと日常から異世界へのシフトを描くのが上手いですね。「裏庭」もとても見事でした。
それにしても…
タイトル、ずっと「やもり」だと思っていた私って^^;

* by まいまい
このレビューを読んで俄然読む気になりました。
とっても私好みです。

そうそう,梨木さんのこの独特な世界。
「日常」と「異界」が違和感なくつながってるんですよね。
植物がタイトルというのもおしゃれだし。
しかし,ここへおじゃますると「読みたい本」リストが
長くなる長くなる。

* by ひいち
これもよさそうですねー☆
図書館で出会えるといいな(^∀^)

私先日読んだ、「沼のある森を抜けて」は
ぬか床が大きなキーワードになっているお話でした(笑)それも面白かった~。
読後感がなんだろう。ほわーっと、薄明るいどこかに立っている気分になりますねー。

Re: まいまい様☆ * by 惺
こんばんは ヾ(=^▽^=)ノ
> とっても私好みです。
ではではぜひ!!
梨木サンってハズレなしです。
「村田~」にしても男性視点での描写がスゴク巧いなあと。

> そうそう,梨木さんのこの独特な世界。
> 「日常」と「異界」が違和感なくつながってるんですよね。
> 植物がタイトルというのもおしゃれだし。
> しかし,ここへおじゃますると「読みたい本」リストが
> 長くなる長くなる。
いやいやいや~、自分もまいまいサンから読みたい本たくさんご紹介していただいてます~。
お互い、良い本・面白い本の情報交換しましょう!!

Re: ひいち様☆ * by 惺
こんばんは (o^∇^o)ノ
> これもよさそうですねー☆
> 図書館で出会えるといいな(^∀^)
良い本でしたッ!
偶然図書館で見つけて即借りてしまいました!

> 私先日読んだ、「沼のある森を抜けて」は
> ぬか床が大きなキーワードになっているお話でした(笑)それも面白かった~。
> 読後感がなんだろう。ほわーっと、薄明るいどこかに立っている気分になりますねー。
「ぬか床」がキーワードのハナシとは! おもしろ~い。
独特の世界観だよね。そこが一番の魅力だと思うな~☆

こんばんは♪ * by 本読み人M
ゴロたん、かわいいですよね~v-344
しかもデキる男(犬?)!
人間に懸想するサルスベリとか信心深いタヌキとか、すべての生き物が愛おしくなりますv-352

Re: 本読み人M 様☆ * by 惺
こんばんは~(●^o^●)
> ゴロたん、かわいいですよね~v-344
> しかもデキる男(犬?)!
ウチにもぜひ欲しいなッ!!

> 人間に懸想するサルスベリとか信心深いタヌキとか、すべての生き物が愛おしくなりますv-352
人間に懸想するサルスベリ……こういう発想がスゴイなと。
凡人にはとても思いつきません。
梨木香歩サン……自分にとってものすご~く深すぎる作家サンです。
前作読破したくなる~…できないけど。

Re: 道楽猫様☆ * by 惺
こんばんは (*´∇`*)
> 私もこれずっと読みたいなぁと思っているのです。
> 梨木さんはほんと日常から異世界へのシフトを描くのが上手いですね。「裏庭」もとても見事でした。
読んでください~!! 面白いし、不思議な余韻が残ります~!
あれあれ? っと言う間にあっちの世界に行っちゃうんで、うかうかしてられない!

> それにしても…
> タイトル、ずっと「やもり」だと思っていた私って^^;
あ、ソレ、自分もです。
爬虫類系のハナシなのかな?って。
一体どんな梨木ワールドなんだろうって不思議でした。
タイトルもいちいち凝ってますよね!

そこに住まうことの至福 * by nao
香歩祭り第二夜は「家守綺譚」・・懐かしさ(ただし幻想)に充ちた一冊で、
自分の憧れの生活(自然)環境・世界が、この中に描かれておりましたよ。
百年前の日本の田舎町・・気だるく静まっている幽玄世界は雰囲気ありますなぁ。
毎日の散歩も愉しいだろうし、ただ庭をぼんやり眺めて過ごすのもいいかも。
見え隠れする、さまざまなモノとの交感も、心通じる様子がやさしくて・・
ただ物語に浸るだけ・・(作者の素敵な創作の庭に、もてなされたような心地)。
丁寧かつ巧みな言葉選びで、この作庭記は愉しめました。

ところでこの作、ラジオドラマ化されたもの(10回シリーズ)が、
あるトコにアップされており、聴いたのですが(違法ではないことを願う)、
これもなかなかよい雰囲気でありました・・。

Re: nao 様☆ * by 惺
こんばんは!
創作の庭・作庭記ですか…なるほど!
そういう読み方もできるんですねー。
やはりいろいろな方の感想・作品の捉え方を知るのは勉強になりますね。
自分は異界と主人公の交流譚として読みました。ファンタジーかな。

> ところでこの作、ラジオドラマ化されたもの(10回シリーズ)が、
> あるトコにアップされており、聴いたのですが(違法ではないことを願う)、
> これもなかなかよい雰囲気でありました・・。
へえ~!!
そのようなモノがあるんだ! 知らなかったです。
今だったらCG使ってドラマ化しても良さそうですよね☆

個別記事の管理2011-04-14 (Thu)

ご訪問ありがとうございます☆

村田エフェンディ滞土録村田エフェンディ滞土録
(2004/04/27)
梨木 香歩

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 とっても奇妙なタイトル。ソコからは到底内容を想像できず、一体どんなハナシなのか興味津々。以下BOOKデータベースよりあらすじ。

町中に響くエザン(祈り)。軽羅をまとう美しい婦人の群れ。異国の若者たちが囲む食卓での語らい。虚をつく鸚鵡の叫び。古代への夢と憧れ。羅馬硝子を掘り当てた高ぶり。守り神同士の勢力争い―スタンブールでの村田の日々は、懐かしくも甘美な青春の光であった。共に過ごした友の、国と国とが戦いを始める、その時までは…。
百年前の日本人留学生村田君の土耳古滞在記。

 ラヴェルのボレロという曲を連想しました。 あの淡々と同じフレーズが繰り返されて、クライマックスに向けて盛り上がり劇的なラストで終わる、あの有名な曲。
 まさにそんなカンジのストーリーでした。初っ端から言い切りますが、名作です。

 時代的には第一次世界大戦前。トルコ文化研究のために招聘された日本の学者・村田が主人公。舞台はエキゾチックなスタンブール(イスタンブール)。
 その村田が下宿している屋敷の女主人はイギリス人。そして下宿人は彼の他、ドイツ人・オットー、ギリシア人・ディミィトリス。そして下働きのムハンマドと、その彼が拾ってきた鸚鵡の、国際色豊かな面々と一羽との静かで大切なココロの交流。
 最初はまるで実在の人物のトルコ滞在記かと見まごうばかりの、淡々とした村田の語り口で綴られていきます。スタンブールの風俗・風習、古代遺跡発掘の様子、村田と下宿人との交流……などなど、街や人々の的確で詳細な描写。情景が目に浮かぶようなリアルさに驚きも。
 
 クライマックスには妖しげな女性霊媒師・美しい女革命家が登場し、そして今まで同じ下宿人と思っていたディミィトリスも密かに来るべきトルコ革命に一役買っていたという事実の判明。さらに、村田本人の日本への帰国……と、怒涛の急展開。戒律厳しいトルコ女性が実は急進的な革命分子であったり、世界は第一次大戦に突入していったり、そして戦後、トルコ革命の成功などなど。それまでのゆったりと流れるような日常から、真逆の事態の急変に目が離せず。
 
 そしていよいよラスト、スタンブールでの下宿先の女主人から送られた村田宛の手紙がココロ打ちます。
 共に生活し、青春時代の一時を分かち合った、それぞれ国籍の違うオットー・ディミィトリス・ムハンマド。その彼等は無残にも戦争の犠牲となってしまい、皆を偲ぶその手紙が涙を誘う劇的な内容です。

 何故作者は登場人物の国籍をこう設定したのか。ラストまで読んでやっとその理由がわかります。最初から張り巡らされた巧妙な伏線。秀逸なのは、なんといっても鸚鵡でしょう! 最後に村田に届けられたその鸚鵡こそ、村田の青春時代の証であり、亡き友たちの魂の化身でもあるのだなと。
 「およそ人間に関わることで、私に無縁なことは一つもない」
 特に印象的な作中のディミィトリスの言葉なんですが、これが今作のテーマでもあるのかなと。そして、村田の平坦な語り口の裏に隠された反戦への想いも併せて感じ取ったのですが。

 エフェンディとは、おもに学問を修めた人物に対する一種の敬称とのこと。その村田の大切な青春時代とかけがえのない友情へのノスタルジーを描いた秀作。
 読了後、静かな感動でしばし呆然としてしまいました。もちろん、涙腺は崩壊したことは言うまでもないです。


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 梨木香歩
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* by まいまい
惺さんのレビュー、楽しみに待っていました。
もう、期待以上です!

ボレロ!!そう、そう、そんなイメージかも。
本当にこれは名作だと思います。

この薄い一冊の本の中に
作者がどれだけの思いを詰め込んでいるのか。
それを表現する描写の美しさと
ドラマチックなストーリー展開。

惺さんのレビューでもう一度
感動がよみがえりました。
ありがとうございます。

* by planetarymoon
タイトルがものすご~く不思議だなぁ
と思ってました
はやくも絶版?
図書館へGOですね☆

あと前の記事の本屋大賞
ふがいない僕・・・
こちらも予約待ちです♪

Re: まいまい様☆ * by 惺
こんばんは!
前に「西の魔女~」の記事のコメントで、この作品のコトをまいまいサンが書いていらっしゃったので、
ものすご~く気になっておりました!
まいまいサンおススメなら絶対ハズレはないだろうな~と思っていたのですが、
やっぱり大当たり!! でした。
下書きではもっと書いてたんですけど、書きたいコトいっぱいありすぎて、
あまりにも長ったらしくなったので、端折りました。
それほど感動したんですよ~!!

> この薄い一冊の本の中に
> 作者がどれだけの思いを詰め込んでいるのか。
> それを表現する描写の美しさと
> ドラマチックなストーリー展開。
ホントですよね。
梨木香歩って、ホントにただならぬ作家サンですね。
「西の魔女~」とはまったく違ったテーマと作風でビックリです。
ご紹介ホントにありがとうございました☆

Re: planetarymoon様☆ * by 惺
こんばんは!
> タイトルがものすご~く不思議だなぁ
> と思ってました
自分もです~。というか、読めなかった…e-263

> はやくも絶版?
> 図書館へGOですね☆
自分も図書館で借りたので、図書館ならありますよ!
本屋大賞が騒がれている今、穴場(?)かも。 借りて損はない名作です!

> あと前の記事の本屋大賞
> ふがいない僕・・・
> こちらも予約待ちです♪
コレも名作なんですよ~!!
特にオトナの女性向き!! 
予約件数がね、恐ろしいですよね……。
planetarymoonサンのトコロの図書館ではどうでしょう?
早く順番が回ってくるといいですね☆

初めまして * by Medeski
検索して辿り着きました。家守綺譚の派生作品ということで、いざ読んでみれば、私は本作の読後の印象がどこか窮屈で違和感を覚えていたのですが、……と他の方のレヴューを廻ってみると、そうでもなさげですね。ちょうど集中力を欠いていたときに読んだせいかな?と思い始めてきました。

鸚鵡は本当に象徴的ですね。イッツ・イナフは狙ってるだけに、思わず声に出して笑ってしまいました。

Re: Medeski 様 * by 惺
はじめまして!
>家守綺譚の派生作品ということで、いざ読んでみれば、私は本作の読後の印象がどこか窮屈で違和感を覚えていたのですが、……
最初は自分もあれ? なんか違和感?
と思っていました。「西の魔女が死んだ」のイメージが強くて、コレはガラッと変わった作風だったせいもあって。
ですが、慣れるに従って感動が押し寄せてきましたね~。
読後感て人それぞれなので、いろいろな感想があってもいいと思います!
>
> 鸚鵡は本当に象徴的ですね。
そうですよね。小道具?の使い方が巧いなって思いました。
ご訪問ありがとうございます! またお越しくださいね(●^o^●)

個別記事の管理2011-03-03 (Thu)

ご訪問ありがとうございます☆

西の魔女が死んだ (新潮文庫)西の魔女が死んだ (新潮文庫)
(2001/07)
梨木 香歩

商品詳細を見る

 桃の節句なので女子をメインにした作品を!! ということで(あと、薄さね!!)セレクトしました。もう終盤にかけて涙腺崩壊。涙ボロボロでした。以下文庫裏表紙よりあらすじ。

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変わるひと月あまりを、西の魔女のもとで過ごした。
西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。


 ずばりテーマは「生きる力」と「人の死」でしょうか。おもわず宮崎駿の世界を連想してしまいました。
 学校生活での目に見えない確執に精神的に疲れてしまったまいの、再生の物語なんですが……。なんといっても「西の魔女」こと、まいのおばあちゃんの存在感が圧巻でした!! 清貧で高潔で優しくて、理想のおばあちゃん像を体現したような人物造形。素晴らしい。
 そして、実の母から「扱いにくい子」と言われるまいも、流されやすいけれど、芯のしっかりとした少女で個性的。
 ハナシの展開としては、この2人の淡々とした日常が綴られるのみなんだけれど、どうしてだか目が離せない。グイグイと作品世界に惹きこまれてしまって一気読み。

 外国の田舎を思わせる「西の魔女」の日常生活。そこにはおよそ「現代」を感じさせない。
 生みたて卵とか、手作り苺ジャムとか、洗濯機ではなく「たらい」で洗うシーツとか。時間から置き去りにされたような世界で繰り広げられるまいとおばあちゃんのつつましい生活こそが、まいの疲れたココロを癒す最良の治療法。

 「この世には、悪魔がうようよしています」
 おばあちゃんのいう「悪魔」とは、誘惑であったり、イジメであったり、怠惰であったり、まいがおのずと経験してきたさまざまな負の体験。そんな彼女に、「魔女修行」と称して、現代社会を強く生きていく方法を伝授する、おばあちゃんの数々の言葉と教えがとても印象的。

 精神的に傷ついた孫とそれを癒す祖父母。という設定の物語は多々あります。が、なによりこのハナシが印象的なのは、「生きる」ということと共に「死」も描写しているからなのではないかなと。
 ラスト、「西の魔女」が死出の旅立ちの際に、まいに残したメッセージが強烈です。最高に泣けました。これで、まいは最愛のおばあちゃんの「死」を力強く乗り越えて行ける!! と勝手に思い込みました。感情移入ハンパなかったです。

 作品の分類としてはYA(ヤングアダルト=青少年向き)なのですが、思った以上に硬質で一般向きのカンジがしました。タイトルもインパクト強くて、ナイスだと思います。思いっきり今さらですが、名作ですね!


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Theme : YA(ヤング・アダルト) * Genre : 本・雑誌 * Category : 梨木香歩
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桜色ですね☆ * by まいまい
テンプレ、お色直しですね。
春らしくて嬉しくなってしまいます。

これは大好きなお話です。
地に足をつけた「日常生活」って、
人の心を正しい位置に戻すんだなって気がしました。
ちょっと不思議な味わいも梨木香歩の魅力ですね~。
「村田エフェンディ滞土録」もとてもよかった。

それから映画の「西の魔女が死んだ」も素晴らしい作品だと思います。
もしまだでしたらぜひ見てみてください。

Re: まいまい様☆ * by 惺
こんばんは☆
> テンプレ、お色直しですね。
> 春らしくて嬉しくなってしまいます。
わ~い!
お褒めいただきありがとうございます。
が、フォントが思ったより小さく、かなり読みづらくてスミマセン!

> これは大好きなお話です。
> 地に足をつけた「日常生活」って、
> 人の心を正しい位置に戻すんだなって気がしました。
> ちょっと不思議な味わいも梨木香歩の魅力ですね~。

初めての作家サンだったんですが、作品共々有名だったので、安心して読みました。
ひとりでも自分を認めてくれる「誰か」の存在ってとても大切なのだなと思いましたね。

> 「村田エフェンディ滞土録」もとてもよかった。
チェックします!!

> それから映画の「西の魔女が死んだ」も素晴らしい作品だと思います。
> もしまだでしたらぜひ見てみてください。
この記事書く前に、映画のサイト見たんですが、
おばあさん役の方ってぴったりだな~って思いました。
2人が住む家のセットも雰囲気あって、とっても面白そうですね。
まいまいサンがおススメならば一度観てみたいと思います☆

* by ひいち
こんばんはー☆
うん。コレ薄かったですね。
そして、あっという間に話しに入り込んで、
あっという間に読み終わっちゃいました。

心が温まる本だったなぁ~。
そして、背筋が伸びる本でもありました(^∀^)

テンプレが春色になりましたねー☆☆

こんにちは! * by 本読み人M
私もラストは、ぼろぼろ泣きました。
大好きな人がいて、その気持ちをいつでも「知ってるよ♪」と受け止めてもらえるということは何て幸せなことなんでしょ。
…ああ、マズイ。思い出し泣きが…(今、会社ですv-356

西の魔女が死んだ * by 風竜胆
こんばんは、コメントありがとうございました。この本、薄いけど色々と考えさせられる内容でしたね。
私としては、第2部のショウコがなかなか個性的でいいなと思いました。
ところで、よろしければ相互リンクどうでしょうか?

Re: ひいち様☆ * by 惺
こんばんは♪
> うん。コレ薄かったですね。
> そして、あっという間に話しに入り込んで、
> あっという間に読み終わっちゃいました。
そうなんですよ~。
薄さに惹かれて買ったんだけど、いやいや、感動モノでした!!
オトナ気なく、泣きに泣いた~e-263 ←実は涙もろい…。

> 心が温まる本だったなぁ~。
> そして、背筋が伸びる本でもありました(^∀^)
まさに、ソレです!!
背筋が伸びるってとても良い表現ですね。
この作品にぴったりです。

> テンプレが春色になりましたねー☆☆
ちょっと気分を変えて…と思ったんですが、
字が小さくて死んでます~。

Re: 本読み人M 様☆ * by 惺
こんばんは~♪
> 私もラストは、ぼろぼろ泣きました。
実はMサンも涙もろい?

> 大好きな人がいて、その気持ちをいつでも「知ってるよ♪」と受け止めてもらえるということは何て幸せなことなんでしょ。
ホントよね~。
お子様時代にはそれがとっても大切なコトなのかも。
だ、誰か自分も受け止めて~!! ← 失礼しました…e-263

> …ああ、マズイ。思い出し泣きが…(今、会社ですv-356
わかります~。
あのおばあちゃんのラストメッセージ思い出すだけで、
昨日はベソベソしてました。
お昼休みでしょうか? 
貴重なお時間、ご訪問頂いて嬉しいですう~i-178

Re: 風竜胆様☆ * by 惺
こんばんは~♪
>この本、薄いけど色々と考えさせられる内容でしたね。
> 私としては、第2部のショウコがなかなか個性的でいいなと思いました。
いやいや、こんなに深い内容とは知らず…おトクな1冊でした。
存分に泣かせていただきました。
ワニ・ショウコちゃんでしたよね~。キャラとともに名前もインパクトありすぎでした!

> ところで、よろしければ相互リンクどうでしょうか?
え? この稚拙ブログでよろしいんですか?
ありがとうございます☆ 喜んでリンクさせていただきます!!

リンクお礼 * by 風竜胆
さっそくのリンクありがとうございます。
私の方もLinks欄にリンクしていますので、今後ともよろしくお願いします。

拍手コメ様☆ * by 惺
こんばんは♪
はじめまして!!
梨木サンも瀬尾サンも自分は初めての作家サンだったのですが、もうハマりました。
おっしゃるとおり、まさに「癒し」ですよね~。
拍手ありがとうございましたi-178
こちらこそヨロシクお願いします!

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