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![]() | 松谷みよ子童話集 (ハルキ文庫) (2011/03) 松谷 みよ子 商品詳細を見る |
書店で見つけてすかさず購入してしまった1冊。松谷みよ子といったら自分にとっては「ちいさいモモちゃん」シリーズ! 文庫でしかも童話集というのでさっそく読んでみました。以下文庫裏表紙より内容。
子を失った母親の悲しみを描いた「貝になった子ども」、鉄砲打ちのセンナじいが、自分が仕留めた大熊の遺した小熊を育てる、人間と動物の宿命を綴った「センナじいとくま」など、初期作品を中心とした短編全15篇を収録。
生きとし生けるものへの限りない愛情に、心を打たれる名作アンソロジー。
貝になった子ども・スカイの金メダル・こけしの歌・とかげのぼうや カナリヤと雀・灰色の国へきた老人の話・黒い蝶・草原・おしになった娘・黒ねこ四代・茂吉のねこ・むささびのコロ・センナじいとくま・いたちと菜の花・おいでおいで の15篇。
童話集というと、ほのぼの・心温まる話を連想しますが、この作品集はどちらかというとその真逆のテーマを扱った作品が多いかな。中でも自分的に印象に残った作品をいくつか。
カナリヤと雀
カナリヤと雀が「自由」について語っているところに巨人が来て、2羽に本当の自由とは一体何なのかを教える。人から与えられる自由ではなく、自らの手で得る自由の貴さ。解説によると、「戦後アメリカからの自立を示唆しているようにも読みとれる」とのこと。
黒い蝶
月と太陽を擬人化して戦争の犠牲となった子どもを悼む。反戦色の強い作品。
草原
米軍基地に咲く擬人化された花から見た人間社会。基地への怒りと不当を訴える印象的な作品。
黒ねこ四代
後の「モモちゃんシリーズ」の重要なワキキャラである、黒猫プーの誕生秘話ともいえる作品。作者の実体験を基にしているであろう、猫に対する愛情を沸々と感じさせる1篇。
茂吉のねこ
動物と人間の絆を、おばけを絡めて童話風に。
センナじいとくま
猟師のセンナじいと小熊の心温まる交流がほのぼの。しかし、やがて成長して人間の脅威となる小熊との哀しくも運命的な決別。
どの作品にも反戦・弱者への強い共感の念など、作品にこめた作者の強烈なメッセージを感じます。童話といえども、大人が読んでも充分に鑑賞に耐える、いやいや、どちらかというと、大人が読むべき童話なのでは、という印象を持ちました。
ゆったりとして平易な語り口に騙されてはいけません。訴えかけるテーマは鋭く、重い。たびたび読み返したくなる作品だなあ、としみじみ思いました。



桜がほぽ満開☆
春がいつの間にか来てた~!! ってカンジですね!



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![]() | モモちゃんとアカネちゃんの本(1)ちいさいモモちゃん (児童文学創作シリーズ―モモちゃんとアカネちゃんのほん) (1974/06/27) 松谷 みよ子 商品詳細を見る |
児童文学の金字塔と言っても過言ではないかと。松谷みよ子サンの傑作。野間児童文学賞受賞。以下Amazonより内容紹介。
ちいさいモモちゃんのママは、はたらいています。ですから、モモちゃんは、「あかちゃんのうち」で大きくなりました。この本は、ちいさいモモちゃんが3つになって「あかちゃんのうち」をそつぎょうするまでのお話です。
久しぶりに読んで感動しました。何と言ってもこの表紙とカラー挿画の人形が素晴らしく良いのです。丁寧に作られていてぬくもりを感じるようで。手作り感一杯の豪華な作品。それを鑑賞するだけでも一見の価値あります。
作者の松谷みよ子サンを投影したママの許に生まれたモモちゃんの成長譚。第6巻で完結するまでに30年かかっているとのこと。
自分は幼少のみぎり、第2巻「モモちゃんとプー」・第3巻「モモちゃんとアカネちゃん」まで読みましたが、その後「離婚や死も扱う機会もでてくる」(Amazonより)ハナシもあったそうで……。
ただの児童文学とはひと味もふた味も違った内容のようです。
第1巻の今作はいたってほのぼの・平和なエピソードばかりです。
モモちゃんの誕生を祝って駆けつける、カレーのふくろを背負ったニンジン・タマネギ・ジャガイモたち。後のモモちゃんの大事な相棒となる黒ネコのプーとの出逢い。モモちゃんのオムツ離れのためのパンツを30枚作るために奮闘するママのハナシ……等々、何気ない日常にほんの少しの空想を交えた、ココロ温まる短編ばかり。
左が第2巻「モモちゃんとプー」・右が第3巻「モモちゃんとアカネちゃん」☆ どちらも名作!
![]() | スーホの白い馬―モンゴル民話 (日本傑作絵本シリーズ) (1967/10/01) 大塚 勇三 商品詳細を見る |
小学校の教科書に載っていて感動して以来、自分的に一番お気に入りの絵本。あらすじは長くなるので、コチラで。
スーホと白い馬の人畜を超えた絆に感動し、白い馬のスーホを慕う心情に涙しました。今読んでも涙腺ヤバイです。絵本も見開き画が多く、モンゴルの雄大な草原を感じさせます。白い馬が馬頭琴となった意外な結末に驚いたのと、これで白い馬はスーホとずっと一緒にいられるんだ! と当時ものすごく安心した憶えがあります。
他にもいろいろあるんですけどね。スイミーとか、はらぺこあおむしとか。
今となってはほとんど読む機会も無くなってしまいましたが、児童文学や絵本からはオトナの文芸作品とはまた違った感動を受けることができます。
「ぼくがみんなの目になるよ!」というセリフが感動の左の「スイミー」。右の「はらぺこあおむし」はいつの時代も人気!



Re: モモちゃんシリーズ * by 惺
> 読書系女子様
自分が読んだのは、まだほのぼの路線の3巻までだったので、まさかそんな重い展開になるとは思ってもいませんでした。
これも「時代」なんでしょうかね。
でも娘サンが面白く読んでいるということは、子供に抵抗無く受け入れられてるんですね。
ひょっとして全巻お持ちなんですか?
いいな~。最後まて読んでみたい!!

自分が読んだのは、まだほのぼの路線の3巻までだったので、まさかそんな重い展開になるとは思ってもいませんでした。
これも「時代」なんでしょうかね。
でも娘サンが面白く読んでいるということは、子供に抵抗無く受け入れられてるんですね。
ひょっとして全巻お持ちなんですか?
いいな~。最後まて読んでみたい!!
NoTitle * by レイア
スーホの白い馬、持っています。
せつない話ですね。
はらぺこあおむしの小さいほう、あまりに可愛いので
コレクションにしています。
絵本もたまにはいいですよね。
せつない話ですね。
はらぺこあおむしの小さいほう、あまりに可愛いので
コレクションにしています。
絵本もたまにはいいですよね。
Re: NoTitle * by 惺
>レイア様
レイアさんの「白雪姫」に触発されてついつい絵本に手を伸ばしてしまいました。
スーホ持っていらっしゃるんですね!!
久しぶりに読んでもやはり泣けます。
絵本はやはり「絵」にココロ癒されます~。
コメントありがとうございました!

レイアさんの「白雪姫」に触発されてついつい絵本に手を伸ばしてしまいました。
スーホ持っていらっしゃるんですね!!
久しぶりに読んでもやはり泣けます。
絵本はやはり「絵」にココロ癒されます~。
コメントありがとうございました!
娘によると離婚とか死別とかそういう話になっていくようですね。
なかなかヘヴィーな展開のようで、そこがまたおもしろいらしいです。
せっかく家にあるのだから私も読んでみようかな☆