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個別記事の管理2011-06-05 (Sun)

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幸福な王子―ワイルド童話全集 (新潮文庫)幸福な王子―ワイルド童話全集 (新潮文庫)
(1968/01)
オスカー ワイルド

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 「ドリアングレイの肖像」で有名なオスカー・ワイルドの童話集。なかなか面白かったです。以下文庫裏表紙よりあらすじ。

広場に立てられた王子の像が、宝石でできた自分の目や体じゅうの金箔を、燕に頼んで貧しい人々に分け与えてしまう「幸福な王子」。
若い学生が恋人にささげる赤いばらを、一羽のナイチンゲールが死をもって与えてやる「ナイチンゲールとばらの花」など、十九世紀イギリスの小説家オスカー・ワイルドが格調高い文章で綴った、献身的な人間愛と社会への諷刺にあふれる9編を収めた童話集。

幸福な王子
 もっとも有名な童話。貧しい人々に自分の体に装飾された宝石を分け与えてやる王子。その仲介役であるツバメとの愛情が切ない。神によって報われるラストが救い。
 泣けて泣けてどうしようもなく……電車内で読んでいてかなり辛かった!
ナイチンゲールとばらの花
 「幸福の王子」の変形版といったカンジ。一人の学生に恋したナイチンゲール(鳥なのよん)が、彼の欲する赤いばらを探し求める。どこにもないそのばらは、ついにナイチンゲールの命と引き換えに無事学生の手に渡るが……真に愛することを知らない学生(人間)の愚かさを描いているかと。
わがままな大男
 究極のエゴイストである大男が一人の少年によって改心するというストーリー。この少年が自分にはキリストにしか思えなかった。実際はどうなんだろう?
忠実な友達
 純真無垢な男が、狡猾で不誠実な友人のために命を落とす。とても理不尽だなと思うと同時に、この狡猾な友人って実際にいそうで、とてもリアリティあった。
すばらしいロケット
 高慢で無知。うぬぼれ強いロケットのあわれな最期。救いなく、ちと残酷な結末。
若い王
 こちらも「幸福の王子」のある意味変形版。王でありながら、貧しい者のために心を砕く高潔・清廉な王。周囲の取り巻きたちの醜悪さと見事なコントラスト。こちらもラスト神によって報われる。
王女の誕生日
 無慈悲な幼い王女と小人との残酷な交流。読んでいて辛い……。
漁師とその魂
 人魚譚。一人の若い漁師が人魚に捧げる無上・究極の愛。
星の子
 「傲慢なることなかれ、慈悲をもて」というテーマの寓話。ラストはハッピーエンドで胸なでおろしました。

 「童話」となっていますが、いわゆる子供に読ませるためのモノではなく、どちらかというと大人のための童話といったカンジでしょう。忠実な友達・すばらしいロケット・王女の誕生日などに代表されるように、わりと無慈悲な結末・シビアな視点の作品が多いです。
 ただ、顕著なのは「献身」をテーマにした作品が多いということ。これは作者の隠れた願望だったのか、それとも憧憬だったのか。ワイルドの悲劇的生涯を思うと、より一層複雑な思いがしますね。
 童話とは得てして残酷なモノであるといいますが、まさにそれ。けれど、泣かせるハナシも沢山あってバラエティに富んだ作品群。とても面白いです。


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : オスカー・ワイルド
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その時は自分も泣いたのかなぁ・・? * by nao
十代後半に至るまで、長く読書嫌いであった自分でありますが・・
とにかく一冊の本を読みきるというコトができなかった。
そんな中(小・中学生時)、わずかに心に残ったものと言えば、
この「幸福な王子」(!)とアンさんの「すずの兵隊さん」なのでした。
・・しかし後年、後者の方を読み返したとき、
記憶している話と内容が違っており、悲しかったですが)。

おっ!・・ポセイドン・ギャリ子(コ)発見ニャ!

Re: nao 様☆ * by 惺
こんにちは!
> この「幸福な王子」(!)とアンさんの「すずの兵隊さん」なのでした。
> ・・しかし後年、後者の方を読み返したとき、
> 記憶している話と内容が違っており、悲しかったですが)。
アンさんの「すずの兵隊さん」……うわっ!知らないですe-263
どんなハナシなんだろう?
きっと子供向けに変えられてたのかも。
後年になって読んだ方がきっとオリジナルなのでは?
「幸福な王子」もかなり子供向きに変えられているとのことですし。
もうねー、ダメでした。もともと涙腺弱いんですけどね、
悲劇とかイッパツで泣きます。 → だから外では読むなッて!!

ギャリ子、楽しみです☆

個別記事の管理2010-11-13 (Sat)

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ドリアン・グレイの画像 (岩波文庫)ドリアン・グレイの画像 (岩波文庫)
(1967/09)
ワイルド

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 耽美・退廃・背徳等々、美青年ドリアン・グレイが重ねるありとあらゆる悪徳を華麗な文体で著した小説──一言で言うとこんなカンジでしょうか?
 久々の再読。ちょっと冗長かな?と思えるけれど、犯罪小説とも幻想小説とも読みとれる不思議な世界観を堪能。以下文庫表紙よりあらすじ。

美貌の青年ドリアンが人知れず罪を犯してもどった夜、彼の肖像画は奇怪にも口許に残忍な微笑を浮かべていた。
快楽にふけり醜さを加えてゆく彼の魂そのままに、肖像は次第に醜悪になってゆく。
美貌と若さを保ちつづける肉体と恐ろしい姿に変貌する魂との対比を主題に、ワイルドがその人生観・芸術観・道徳観をもりこんだ代表作。

 純粋無垢だったドリアン・グレイがその精神もろとも堕落してゆく様が、巧みな心理描写とともに華麗に豪華に語られる。
 画家のバジル・ホールワードと彼の友人・ヘンリー・ウォットン卿。ドリアン・グレイの美貌の虜となった2人の男がこれまた対極の役割を担ってハナシは展開。
 ドリアン・グレイの肖像画を描いたバジルはあくまでも人間の良心の象徴として、一方ヘンリー卿は正反対に人間の心に巣食う悪の権化として。
 この2人のサブ・ヒーローたちが天使となり悪魔となり、主人公であるドリアン・グレイの魂を一方では救おうとし、はたまたもう一方は堕落させようとする。

 冒頭の、バジルが描いた彼の最高傑作である「ドリアン・グレイの肖像」を、彼とモデルを務めたドリアン、ヘンリー卿と3人で鑑賞する場面からして、何かしら妖しげな印象。
 何より危険でエキセントリックな雰囲気醸し出すヘンリー卿の存在感がスゴイ。ドリアンの美しさにとらわれた彼はなんとかして、ドリアンを自分の精神的な支配下に置こうとし、悪魔的な手練手管を駆使して、とうとう彼を意のままにすることに成功する。今でいう一種のマインドコントロールなんでしょうかね?

 ドリアン・グレイは自分がヘンリー卿の魔の手に堕ちているとはつゆほども思っていないところが、彼の決定的悲劇。ヘンリーの悪影響を受けて、歪んだ彼の美意識と愛情が引き金となって、真の愛情を注いでくれた最愛の恋人を自殺に追い込み、ドリアンの真の理解者でもあり友人でもあったバジルをその手にかけてしまう。
 ここまではスリリングな犯罪小説としても楽しめます。ドリアンのために自殺した恋人の弟が、彼に復讐しようと執拗に追いつめるシーンなんかはサスペンスものを読んでいるよう。

 そしてこの小説の何より奇抜で秀逸なのが、バジルの描いたドリアンの肖像画が、ドリアンが罪を犯すたびに醜悪な容貌へと変化していくというアイデア。一種の幻想譚のようなテイストが巧みに融合していて、ドリアンの異常な心理状態を巧く表現していると思った。
 肖像画は彼の良心を具象化したものであり、一歩また一歩、ドリアンが堕落してゆくたびに、キャンバスに描かれた自分は醜く崩れていく。
 若さと美しさを終生追い求める愚かさ。その永遠の美を得ようとして彼が犠牲にしたものは一体何だったのか?

 ラスト、狂気の世界に半ば足をつっこんでいたドリアンが自ら招いた悲劇。
 最大の悪は彼を堕落の道へとそそのかしたヘンリー卿であることに間違いはないけれど、年月を経て自分の罪に気付いていながらもそれを誤魔化していたドリアンもまた、最大の悪であることに間違いはない。

 旧訳だったので、タイトルが「ドリアン・グレイの画像」となっていた。う~ん、やっぱり「肖像」の方がいいカンジがする。ま、どうでもいいことなんですが。
 有名な古典の名作。ドリアンのダークな魅力がなんともね。
 この小説、解説にもあるとおり
「ひとつの個性とその画像との二重生活、善と悪との葛藤を基底とする美と醜との対立、青春と常識との抗争、幻想と現実との闘争、象徴と具象との格闘、を主題としている」 ~解説より引用~
 とあるんですが、まさにその通り。見事な対極と対立を描いた作品だな~とつくづく思いました。


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こんばんわ^^ * by チルネコ
ドリアングレイはタイトルが好きな新潮文庫版で読みました^^
ドリアンの堕落への描きっぷりが秀逸でしたよね~。このアイディアだけで
読ませるなんてやっぱ古典の力はスゴイと思い知らされましたね。
文章も美しいものがあって文学作品の中でも僕の中では評価が高いです^^
TBさせてくださいねー。

Re: チルネコ様☆ * by 惺
>そうそう、同感!!
あの時代のあの退廃ムードが何ともツボです。
こんな独特の作品の一方で、「幸福な王子」なんていう童話もあるんだから、ワイルドってスゴイ作家サンです。
TBありがとうございます☆
自分もさせていただきます。

はじめまして。 * by semicolon?
密かに更新を楽しみにしてます。
以前に読みましたがワイルドの雰囲気はとても好きです。
私には岩波文庫っていうだけ好評価です。

Re: semicolon? 様☆ * by 惺
>はじめまして!!
こ、更新が楽しみとか…なんて嬉しいお言葉。
緊張して手がブルッてます。
ワイルドいいですよね。ドリアンのような耽美的な作品も良いですが、童話もなかなか良いですよ。
「幸福な(の?)王子」という作品がとても良いです。

自分もsemicolon? サンのトコロに遊びに行かせて頂いてますが、自分的にかな~りツボだったのが、「レーン最後の事件」のレビューの「よござんす」発言。
大笑いさせて頂きましたi-176
またお邪魔させていただきます。
コメントありがとうございました☆

昔読んだ! * by 読書系女子
このストーリー、昔読みました!
私が持っているのは「ドリアングレイの肖像」なので新訳ってことかな?

内容はすっかり忘れちゃったのですが…
また読みたい。。。

なんとなく男ばっかり出てくるストーリーだったような記憶が。

Re: 読書系女子様☆ * by 惺
> このストーリー、昔読みました!
> 私が持っているのは「ドリアングレイの肖像」なので新訳ってことかな?
そうかもです。「画像」ってなんだかものすごく違和感…。

> なんとなく男ばっかり出てくるストーリーだったような記憶が。
そう言われてみれば男しか出てきません。登場人物自体が少ないんだよね~。
ドリアンのMADさがなんとも…e-263

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