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個別記事の管理2011-07-06 (Wed)

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関東大震災 (文春文庫)関東大震災 (文春文庫)
(2004/08)
吉村 昭

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 初めて読む吉村昭氏。関東大震災というタイトルとテーマにも惹かれました。今回の東日本大震災と比較しながら読めるかなと思って購入。以下文庫裏表紙よりあらすじ。

大正12年9月1日、午前11時58分、大激震が関東地方を襲った。
建物の倒壊、直後に発生した大火災は東京・横浜を包囲し、夥しい死者を出した。さらに、未曾有の天災は人心の混乱を呼び、様々な流言が飛び交って深刻な社会事件を誘発していく──。


 菊池寛賞受賞作ということで。
 今から約90年前の大地震。もちろん現在ほど便利な生活をしていたわけでもない当時の人々は一体どうやってこの災害を切り抜けたのか。被災時はいったいどのようにして過ごしていたのか。それらの事に興味をもって読み進めました。

大きく4部構成となっているので、簡単に内容を。
「大地震は六十年ごとに起こる」
 やはり震災の前触れというべき、群発地震がかなり以前から頻繁に発生。その事実を予知として認めるか否か……という2人の地震学者の真逆の意見対立が読んでいて面白かった。
地震発生── 二十万の死者
 関東大震災は火災による二次災害がひどかったというのは周知の事実。その詳細な事例とあまり知られていない(自分が知らなかっただけかも)、推定三万八千人の死者を出した本所被服廠跡での悲劇の様子をかなり詳細に記述。
 避難所として安全だと言われていた被服廠跡に予期せぬ旋風が襲い、さらに迫る猛火に逃げ惑う人々が犠牲になってしまったとのこと。ここでの被害が当時の全東京市の死者の55%を占めていたという衝撃的事実。
第二の悲劇── 人心の攪乱
 いわゆる風評被害のこと。
 今回の震災の風評は、もっぱら食に関するモノが圧倒的だけれど、関東大震災時はやはり時代を感じさせて人種・思想差別に因るものが殆ど。犠牲になったのが社会主義者と朝鮮人だというのは、現在ではやはり周知の事実。
 民間の自警団の暴走の恐ろしさとみるみる間にひろがってゆく根も葉もない流言飛語の恐ろしさ、負に向かって突き進んでしまう群衆心理の凶暴さに背筋がゾッとなったことも確か。
 あの有名な甘粕大尉による社会主義者・大杉栄謀殺事件もこの章で記述。
復興へ
 自衛隊など無い時代。あちこちに散らばる死体の処理・避難民の生活について……などが書かれているのですが、やはり悲惨です。
 今で言う被災者住宅もこの当時はバラック。不衛生で設備もおそまつ。死者も大量に発生したとのこと。さらに窃盗など大規模な掠奪も横行したとか……読んでいて複雑な気分に。

 やはり当時は、社会的にも不安定だったのかかなり混乱した印象がぬぐえない。悲惨な事故・事件の横行、政府自体も管理体制が巧く統制されておらず、通信や情報網の寸断、政府・警察など中枢の無力化など、関東大震災が当時の日本にもたらした被害は甚大な物であったのだなとしみじみ思った。
 比較して、今回の災害では津波と放射能漏れが甚大な二次災害。まだまだ完全復興というには難しい問題が山積。

 けれど、そんな大災害をなんとか凌ぎ切り抜けて復興させてきた先人達の努力と知恵。当時と今では被害の内容と規模がまったく異なるけれど、過去の震災(阪神淡路大震災なども含めて)を省みて少しずつでも復興・再生が叶うことを願わずにはいられない。1977年初版の著作ですが、まったく古臭さを感じない1冊でした。


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Theme : 考えさせられる本 * Genre : 本・雑誌 * Category : 関東大震災
* Comment : (2) * Trackback : (0) |

コワモテのようだけれど・・ * by nao
吉村文学かぁ・・よいですなぁ。
とは言うものの、この作のことは全く知りませんでしたが。

ヨッシーの文体・・いかがでしたか?
(普段本を読むとき、自分はそれほど文章(文体)について、
意識的な方ではありませんが)
このヒトの文体は好きでした。シンがあって強く、弛むことがない。
男性的な文体と言えば、語弊あるかな・・その硬質な文章から醸しだされる緊張感は、
格別でありました(対象に向かう眼力は鋭く、適確な描写)。
・・オッサン向き・・か?

記事の最後「・・まったく古臭さを感じない1冊でした。」とのこと。
自分のお薦めした一冊がホメられたような、ウレシイ気分。

Re: nao 様☆ * by 惺
こんばんは☆
吉村文学、自分も今回初めてだっだんですが、
ぜーんぜん違和感無く読めました!
読みやすかったような……。

> 男性的な文体と言えば、語弊あるかな・・その硬質な文章から醸しだされる緊張感は、
格別でありました(対象に向かう眼力は鋭く、適確な描写)。

自分的に好きなんですよね、男性的で硬質な文体。
なので、もう引きこまれて一気読みでした。
今年出た新刊なのかと思ったら、意外や意外、
初版がかなり昔としってビックリ!
ホントに古臭さないんですよ~☆

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