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個別記事の管理2011-08-28 (Sun)

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虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
(2010/02/10)
伊藤 計劃

商品詳細を見る

 以前読んだ「ハーモニー」に感動して…というか驚愕して、原点でありデビュー作でもあるこの作品に挑戦。以下BOOKデータベースより内容。

9・11以降の、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。
先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう…彼の目的とはいったいなにか?大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは?


 完璧だな、というのが読了後の感想。SFに造詣の深くない自分はもう何も言うことはありません。
 読むたびごとに思うけれど、この作者サンのSFは本当に日本人離れしているなあとつくづく思う。
 難解そうだと思っていたけれど、読み始めてみると意外とそうではなかった。むしろ前に読んだ「ハーモニー」の方が読みにくかった感が。

 あらすじにもあるとおり、時代設定は9.11以降の近未来。基本的にはSFにカテゴライズされるのでしょう。
 主人公クラヴィスは米軍の特殊工作員。軍の命令で内戦地域や虐殺現場に赴き、狙ったターゲットの命を奪う。その際に痛覚を麻痺させるとか、身体に埋め込んだIDを偽装するとかのSF設定はかなりリアルでさすが。ど素人の自分でもわかるし。こういうディティールがかなりのSF度を高めているかと。
 けれど自分的にはこの作品、ミステリー&サスペンス&心理ドラマとして読みました。

 まず内戦・紛争・虐殺の勃発する国(もしくは地域)に必ず姿を現す謎の人物、ジョン・ポール。
 その彼が紛争の仕掛け人だと狙いを定めたアメリカ軍はクラヴィス達にその彼の暗殺を指示し、神出鬼没の彼の行方を追跡することとなる。
 一体ジョン・ポールとは何者なのか? 捉えどころのない彼を追い続ける展開はまさにミステリー仕立てであり、スリリングなサスペンスとしても読める。そしてジョン・ポールがいかにしてひとつの国を広大な地域を内戦と紛争地域としてしまうのか。その手段は奇抜でありながらもリアリティを感じさせて違和感はない。ミステリーの謎解きのような展開にグイグイと引き込まれた。

 ジョン・ポールの愛人であるルツィアに惹かれてゆくクラヴィス。そして一方ではターゲットであるジョン・ポールにも魂の深奥で共感を覚えずにはいられない。その不可解な二律背反。3人に共通するのは愛する者の死と贖罪の念。そして複雑に葛藤し交錯する3人の想い。
 ラスト、クラヴィスが選択した究極の選択。その意外な行動はジョン・ポールの遺志を受け継いだものなのか?
 深い余韻を残しながら静かな感動を覚えました。自分的にスゴイ作品、このひとことです。

 作品の内容とはまったく関係ないのですが、作者サン、この作品を病魔に侵されながら書きあげたとのこと。
 その壮絶な人生を解説で読み、つくづく自分はぬるい生き方しているな、と思わず自戒したくなりました。


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Theme : SF * Genre : 小説・文学 * Category : 伊藤計劃
* Comment : (10) * Trackback : (0) |

* by ひいち
ルツィアと接するうちに、変わってゆく主人公の様子がもう、胸をぎゅっと引き絞られるような感覚になりました。

はじめ、読み進まないようだったので、どうだったかな?って思ったけれど、良かった♪♪

私もやっと時間のかかっていた本を読み終え。
時間はかかったけれどおもしろかった!!!
昨日から「僕僕先生」読んでいます(^∀^)
すごーっく可愛いお話で、いいー(>∀<)

* by 塩枝
SFでサスペンスでミステリーに心理ドラマって…てんこもりですねw
その本、前から読んでみようかな―と思いつつ難しそうで手をだせないでいたんですが…うん、おもしろそう^^;

ぜひ読んでみたいと思います^^


すごい! * by 読書系女子
これはおもしろそう。
傑作のようですね。
読んでみようかな。

管理人のみ閲覧できます * by -

* by semicolon?
SFやゲームの素養がない私でも取っ付きやすかったのを覚えています。
主人公の人との接し方も独特でしたね。

Re: ひいち様☆ * by 惺
こんばんは☆
> ルツィアと接するうちに、変わってゆく主人公の様子がもう、胸をぎゅっと引き絞られるような感覚になりました。
人間は愛を知ると変わるのね、とつくづく思ってしまいました。
静かにゆっくりと互いが心を許しあってゆく過程がとても良かった!!

> はじめ、読み進まないようだったので、どうだったかな?って思ったけれど、良かった♪♪
最初100ページまでが辛かったかな~。
ジョン・ポール登場から俄然面白くなってきた!!

> 昨日から「僕僕先生」読んでいます(^∀^)
> すごーっく可愛いお話で、いいー(>∀<)
でしょでしょ? ほっこりしててとても癒されます♪

Re: 塩枝 様☆ * by 惺
こんばんは♪
> SFでサスペンスでミステリーに心理ドラマって…てんこもりですねw
> その本、前から読んでみようかな―と思いつつ難しそうで手をだせないでいたんですが…うん、おもしろそう^^;
あ、あくまで自分的印象なので……。
でもただのSFじゃないことは確か!!
自分も最初難しそうだなー(汗) と思っていたけれど、
読み始めたらサクサクいけました!
一読の価値はあると思います☆

Re: 読書系女子様☆ * by 惺
こんばんは!
> これはおもしろそう。
> 傑作のようですね。
> 読んでみようかな。
面白いし、なんか作風が日本人離れした感じが←あくまで自分的感想。
難しそうだけど、読み始めたらそうでもなかった。
戦闘シーン多々あるので、それが苦手でなければぜひ!!

Re: semicolon? 様☆ * by 惺
こんばんは☆
> SFやゲームの素養がない私でも取っ付きやすかったのを覚えています。
あ、自分も両方ともまったくド素人なんですが、すんなり読めました!
SFなんだけど、それだけじゃないプラスアルファがありますよね。

> 主人公の人との接し方も独特でしたね。
特にヒロインとの絡みが好感度大でした。

Re: こんばんは! * by 惺
v-83コメ様☆
あまりにも完璧な作品なので(自分にとって)、記事書くのもおこがましいような…。
ストーリー・キャラ・世界観・ディティール、すべてにおいて魅力的。
意外なラストにも驚きました。
ホントに早世が悔やまれます……。

個別記事の管理2011-07-17 (Sun)

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ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)
(2010/12/08)
伊藤 計劃

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 初めて読む作家サン。名前だけは知っていましたが作品を読むのは初めて。「虐殺器官」を購入するつもりで書店に行ったのですが、タイトルとジャケットに惹かれてコチラを購入。衝撃的でした。以下BOOKデータベースよりあらすじ。

「一緒に死のう、この世界に抵抗するために」―御冷ミァハは言い、みっつの白い錠剤を差し出した。
21世紀後半、「大災禍」と呼ばれる世界的な混乱を経て、人類は医療経済を核にした福祉厚生社会を実現していた。誰もが互いのことを気遣い、親密に“しなければならない”ユートピア。体内を常時監視する医療分子により病気はほぼ消滅し、人々は健康を第一とする価値観による社会を形成したのだ。
そんな優しさと倫理が真綿で首を絞めるような世界に抵抗するため、3人の少女は餓死することを選択した―。
それから13年後、医療社会に襲いかかった未曾有の危機に、かつて自殺を試みて死ねなかった少女、現在は世界保健機構の生命監察機関に所属する霧慧トァンは、あのときの自殺の試みで唯ひとり死んだはずの友人の影を見る。
これは“人類”の最終局面に立ち会ったふたりの女性の物語―。『虐殺器官』の著者が描く、ユートピアの臨界点。


 日本人が描くSFではないな、というのが読了後の感想。といっても日本のSF作品に精通しているわけではないので、あまりエラそうなことは言えません。
 が、過去に読了した海外のSF名作品と同じテイストを感じてしまったのも確か。凝りに凝っているけれど、分かりやすい設定と精緻な世界観。
 あらすじではひたすらユートピアを強調していますが、自分的にはこの作品一種真逆のディストピアを描いた作品だと認識してます。

 解説によると、この小説の舞台は「誰も病気で死ぬことがない世界」。
 「大災禍」という悲惨な過去を教訓として争いの起こらない世界を目指した結果、人類は成人になると自分の体にWatchMeというソフトウェアをインストールする。それによって恒常的健康監視システムに組み込まれ、異常に対して万全の予防が施される。社会全体が自他の健康を最大限に尊重し、結果的に戦争や紛争などの起こらないユートピアの実現を目指す──という作品設定。

 いわゆる強固に管理された福祉社会。その体制に敢然と反旗を翻そうとする美少女・御冷ミァハ。自分の身体は自分のモノであると反発して15歳で自殺を図った彼女。
 ミァハの親友・霧慧トァンもまたミァハの思想と自殺に影響されて、この福祉管理社会に対して不満を抱いている。今は「生府」の高官である彼女だけれど、突如襲ってきた人類存亡の危機を巡ってその危機を回避するカギを握る実父と、自殺を図りながらも実は生存しているではないかとされるミァハの行方を探す件などは、SFでありながら良質のミステリーとしての一面もあってとてもスリリング。

 親友と思っていたミァハの恐るべき真の目的を知り、対立するトァンとミァハ。ラスト近く、少女時代とは異なり、今では既に違う思想を持つことになったこの2人の女子の葛藤と決別が読んでいて切ない。
 
 そして社会は、世界は二度と再び「大災禍」を引き起こさないために最後の決断を下す。
 それは人類の「意識」を消滅させ社会と完全に一致させること。そこには「個」も「自我」も存在しない、医療産業社会との完全なハーモニー。これを作中では「天国」と呼んでいるけれど、果たしてそうであるのか?
 社会が人類を完全管理下に置いた、ディストピア(極端な管理社会で、基本的な人権を抑圧するという社会)の誕生に他ならないという、ある意味悲惨なバッドエンドに少なからずショックを受けましたね。

 作者はこの作品を執筆時、既に闘病生活を送っていたとのこと。その作者が医療や死に関してどのような考えを持ち、作品に投影していたのか。考えるととても複雑です。

 少女の悲しい友情の末路・管理社会の恐怖・スリリングなミステリー。多彩な読み方が出来る稀有なSF作品。
 あらためて「虐殺器官」も是非読んでみたくなりました。


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Theme : SF小説 * Genre : 小説・文学 * Category : 伊藤計劃
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おもしろそう * by 読書系女子
徹底管理社会という設定でしょうか?NO.6を連想させます~

>人類の「意識」を消滅させ社会と完全に一致させること

不気味ですね~~
今の医療や政治もかなり不気味な一面がありますが…。

Re: 読書系女子様☆ * by 惺
こんにちは~!
> 徹底管理社会という設定でしょうか?NO.6を連想させます~
ウフフ……そうです!
NO.6ほど酷くはないですけど。
福祉・医療関係に特化した管理社会が舞台です~。

> >人類の「意識」を消滅させ社会と完全に一致させること
> 不気味ですね~~
> 今の医療や政治もかなり不気味な一面がありますが…。
コワイですね~。
そんな社会はお断りですわ。
ちょっと背筋寒くなってしまった1冊でした。読みやすいですけどね~☆

* by ひいち
こんにちはー♪
私も「ハーモニー」から読んで「虐殺器官」そして、
今は、「メタルギア ソリッド」(ゲームのノベライズ)読了しましたぁ。
あと、ハヤカワで編集された、伊藤氏のブログ記事がまとめられた本を読む予定ですー☆
楽しみ♪

前評判をあまり見ずに、読み始めましたが、どの本も賞をとったり、評価が結構高いのですねー!


こにゃにゃー * by チルネコ
僕は『ハーモニー』は未読なんですが、絶対傑作だと読む前から確信してます(なぜかw)。虐殺器官はこれでもかっ!とあらゆる素材を詰め込んだような濃厚なスープの味で美味でした^^自分に許された時間を知っていて、作品に「Today is the first day of the rest of your life」って言われてる気がしたくらい濃い内容でした。お母様のあとがきにも胸を打たれましたね~。本書も必読ですね♪

Re: ひいち様☆ * by 惺
こんばんは!
> 私も「ハーモニー」から読んで「虐殺器官」そして、
> 今は、「メタルギア ソリッド」(ゲームのノベライズ)読了しましたぁ。
> あと、ハヤカワで編集された、伊藤氏のブログ記事がまとめられた本を読む予定ですー☆
この作者サンの作品てあとは「虐殺器官」しかないと思っていたけれど、
まだまだあるんですね!
評価の高い作家サンということはうっすらと知っていましたが、
やっぱり面白い☆
ブログ記事というのも非常に興味あります。
自分もひいちサンを追っかけていこうっと♪

Re: チルネコ様☆ * by 惺
こんばんはー!
> 僕は『ハーモニー』は未読なんですが、絶対傑作だと読む前から確信してます(なぜかw)。
名作ですよ~。SF苦手な自分でもすらすら読めてわかりやすい作品だった!

虐殺器官はこれでもかっ!とあらゆる素材を詰め込んだような濃厚なスープの味で美味でした^^自分に許された時間を知っていて、作品に「Today is the first day of the rest of your life」って言われてる気がしたくらい濃い内容でした。
限られた余命の中で書きあげたというだけでも
一読の価値はありますね。「虐殺器官」近々挑戦したいなー!

お母様のあとがきにも胸を打たれましたね~。本書も必読ですね♪
前作読了なら絶対かも!! 本書にも家族への言葉が掲載されていて泣けます~(>_<)

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