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個別記事の管理2011-09-10 (Sat)

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夏の庭―The Friends (新潮文庫)夏の庭―The Friends (新潮文庫)
(1994/03)
湯本 香樹実

商品詳細を見る

 名作と謳われているそうなので、今さらながら興味津々で読みました。以下Amazon より内容。

小学6年の夏、ぼくと山下、河辺の3人は、人が死ぬ瞬間を見てみたいという好奇心から、町外れに住むおじいさんを見張ることにする。
一方、観察されていると気づいたおじいさんは、憤慨しつつもやがて少年たちの来訪を楽しみに待つようになる。
ぎこちなく触れあいながら、少年達の悩みとおじいさんの寂しさは解けあい、忘れられないひと夏の友情が生まれる。

 Amazon の商品説明にこの作品のテーマが「死に直面した老人と子供」とありましたが、まさにそのとおりだと。
 「西の魔女が死んだ」はまさにその代表作であり、「死」というテーマはないけれど、「しずかな日々」も老人と子供の心の交流を扱った作品。
 人生の表舞台から去りゆく老人と、これから人生を謳歌しようという子供。この対比を扱った作品に名作が多いのは何故なんでしょうね? 今作は真正面から「死」を扱っていてちょっと驚きでした。

 自分の祖母が亡くなったことで少なからずショックを受けている山下少年。ショックは次第に恐れになり、それは友人である河辺と語り手である木山にも伝播してしまう。
 そして「死んだ人」を見たいという単純でちょっと恐ろしい理由から、とあるおじいさんを見張ることとなった彼等3人の少年たち。

 その少年たちのおじいさんに対するストーカー具合が読んでいて微笑ましいし、かなり丁寧。一見怖そうなおじいさんはまったく死ぬ気配はない。
 普段接点も興味もない「老人」に対して、不思議と関心を寄せる少年たち。そしてふとしたきっかけでそのおじいさんと知り合ってからは、加速度を増して親密になり、お互いがかけがえのない存在となってゆく。

 世捨人同然で荒んだ生活を送っていたおじいさんも、少年たちと交流することによってその生活が一変し、規則正しいリズムを刻むようになる。一方、少年たちも実は家庭内に様々な問題を抱えており、おじいさんとの交流によって静かに心を癒されてゆく。互いが互いを癒しあう相乗効果も抜群で、その彼等の絆の強さの証がおじいさんの家の庭なのだと解釈。

 分担作業の家事やゴミ出しに家の修繕。皆で食べた甘いスイカ等々、想い出はたくさん積み重なり、3人にとって次第にかけがえのないものとなってゆく。
 その永遠に在るかと思われた少年たちの心の居場所である「おじいさんとその家」は、突如おじいさんの「死」であっけなく消失してしまう。そして意外なことに、あんなに恐れていた「死」も、実際に直面したおじいさんの「死」によって決して恐ろしいものではないと知る。「死」の恐怖を乗り越え、未来への期待と活力を得、生きる強さを学びとった3人は、それぞれ別の道を歩んでいく。

 次世代の子供たちへ生きる強さを教え死んでゆく老人。これはある意味児童文学では不変のテーマなんだろうなあと。類似テーマの作品は多々ありますが、自分が読了した作品はすべて素晴らしい。ひと夏の少年たちの成長譚を巧く絡めながら、「死」と真摯に向き合う姿勢を描いた作品。評判通り名作!


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 湯本香樹実
* Comment : (3) * Trackback : (0) |

拍手コメお礼☆ * by 惺
ぜひぜひ読んでみてねん☆
たまに名作を読むのも心が浄化されるようで
良いものだなあと、しみじみ。
拍手コメント、いつもありがとうございます!

* by まいまい
この本はかなり前の「課題図書」だったような記憶があります。
課題図書って正直あまりおもしろくないのが多い。
商売?って感じで。でもこれはものすごく印象に残りました。
テーマはもしかしたら定番なのかもしれないけれど、
「死」というものを正面からとらえているし、
少年達の成長が納得できる作品だと思います。

課題図書で良かったのはあと「ハッピーバースデイ 命輝く瞬間」ぐらいでしょうか。
でもこちらは正直言って題名がちょっといや(笑)

Re: まいまい様☆ * by 惺
こんばんは!
> この本はかなり前の「課題図書」だったような記憶があります。
そうだったんだ!
調べるといろいろと海外でも有名な作品らしいですね。

> テーマはもしかしたら定番なのかもしれないけれど、
> 「死」というものを正面からとらえているし、
> 少年達の成長が納得できる作品だと思います。
わかりやすいですよね。
子供たちの「死」への畏怖がものすごく良く描写されてたなと。
おじいさんも、完全なる「善人」でないところが人間臭くて好きだし。

> 課題図書で良かったのはあと「ハッピーバースデイ 命輝く瞬間」ぐらいでしょうか。
> でもこちらは正直言って題名がちょっといや(笑)
うんうん、いかにも! なタイトルですね~。
課題図書ってどういう基準で誰が選書しているのか興味あるわー!

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