06≪ 2017/07 ≫08
12345678910111213141516171819202122232425262728293031
個別記事の管理-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
* Category : スポンサー広告
|
個別記事の管理2011-12-15 (Thu)

ご訪問ありがとうございます☆

解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯
(2007/04)
ウェンディ ムーア

商品詳細を見る

 「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「本格ミステリベスト10」の三大ミステリーランキング? の堂々3位にランクインしている「開かせていただき光栄です」の元ネタとも言える作品。作者もあとがきにこの著作からかなり影響を受けた云々という言葉を残しています。なので興味津々で読了しました。以下BOOKデータベースより内容。

膨大な標本、世界初の自然史博物館、有名人の手術、ダーウィンよりも70年も前に見抜いた進化論…。
「このジョン・ハンターはまぎれもなく、イギリスの誇る奇人の伝統を脈々とうけつぐ人物であり、その影響は医学の世界をはるかに凌駕している。かれの奇人ぶりは群をぬいており、それが証拠にかれは当時、そしてその後の小説などに多くのモデルを提供している。本書を抜群におもしろくしているのは、そうしたかれの奇人的なエピソード群のためであり、そしてそれが現代のぼくたちにつきつける問いかけのためだ。」
近代外科医学の父にして驚くべき奇人中の奇人伝。奇人まみれの英国でも群を抜いた奇人!『ドリトル先生』や『ジキル博士とハイド氏』のモデルとも言われる18世紀に生きた「近代外科医学の父」を初めて描く驚嘆の伝記。


 もうもう、最高に面白かったです。ブ厚いし、解剖医なんてまるっきり興味無い自分がこれだけ一気に読んでしまったのだからスゴイ……。
 18世紀イギリスに実在した「近代外科学の開祖」とまで言われた人物のバイオグラフィー。と言っても、従来の単なる偉人伝に終始するのではなく、とにかく一筋縄ではいかない、まるで小説のようにドラマティックなバイオグラフィーとなってました。彼の詳しい経歴などは コチラ をどうぞ。

 当時の宗教観から外科医師はとても低い身分とされていて、古来から伝わるなんの根拠も無い医療法がまかり通っていた時代。そんな時代に突如として現れた天才もしくは鬼才の外科医師・ジョン・ハンター。幼少時の彼は勉強が大嫌いでほとんど無学に近い。10歳上の兄・ウィリアムは真逆の性格で内科医として成功を収めている。その兄の援助を受けて、彼の医療助手を務めていくうちに、解剖医・外科医としての天才的な能力を発揮してゆく。

 このジョン・ハンターという人物。はっきり言ってとんでもないヤツです。田舎モノで下品。上流階級とは無縁だけれど、きさくで豪放磊落。ある意味自然児だった彼が実は医師として見事な変貌を遂げてゆく様に胸がすく思い。解剖技術向上のために、人間の死体を収拾するという裏稼業もこなすところがまたなんともブラックで、医師として患者の治療をする行為と真逆でギャップとともに魅力を感じさせる。
 王室とも繋がりを持つ兄やライバル達との嫉妬と確執。彼の愛すべきキャラクターと天才的技術を慕って訪れる多くの弟子たち。その人間ドラマも見事に描写されていてまるで小説のように読ませます。面白すぎる~!!

 現在の外科医療のベースとなるあまりにも偉大&多大な功績を残していながら、その業績は彼の死後ライバルや身内によって殆ど消失させられてしまう。けれど、そんな状況下にあっても、偉大なる師を最後まで敬愛した助手クリフトによって細々と受け継がれ今も博物館や書籍として残っているとのこと。そしてなによりジョン・ハンターが教えた多大の弟子たちが各国に散らばり、彼の理念と教義を護りながら今日の外科医療の進歩に貢献したという事実に思わず涙。

 天然痘ワクチンを開発したエドワード・ジェンナーは彼の最愛の愛弟子だったということも初めて知りました。
さらに彼の患者にはアダム・スミス、バイロン卿といった歴史的人物の他、「進化論」のダーウィン父子とも浅からぬ関係があったとか。
「ドリトル先生」のモデルも彼であり、「ジギル博士とハイド氏」の家のモデルは彼の自宅であったとのこと。もひとつ、あの手塚治虫氏の名作「ブラック・ジャック」も実はジョン・ハンターがモデルだったのでは? という説も。なるほど、納得できる!
 外科技術だけでなく、歯科・病理学・動物学・解剖学など諸々の学問の基礎固めの他、人間の進化までを究めようといていたというその情熱に、読んでいて胸が熱くなった。

 好きこそものの上手なれ。
 思わずこの言葉が思い浮かびましたね。
 残念なのは、ジョン・ハンターの思想と学問は18世紀の世界ではとても先端を行きすぎて当時の社会から理解を得られなかったということ。
 外科医療を科学の地位まで引き上げた彼の偉業がもっと評価されてもいいんじゃないかなと、この作品を読んで歯噛みする思いを禁じ得なかった。

   
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)
(2011/07/15)
皆川 博子

商品詳細を見る

 この著作に多大なる影響を与えたとのこと。
 登場する外科医ダニエルは絶対ジョン・ハンターがモデルだし、最愛の弟子・エド&ナイジェルはまんま、エドワード&クリフトを思わせる。このバイオグラフィーをベースにして、素晴らしいミステリーに仕上げる想像力に敬服!
 両作品を読み比べるとさらに作品世界を堪能できることうけあいです!


blogram投票ボタンにほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ人気ブログランキングへ
☆いつも応援ありがとうございます☆
スポンサーサイト
Theme : ノンフィクション * Genre : 本・雑誌 * Category : 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯
* Comment : (2) * Trackback : (0) |

こんばんは * by こはる日和
「解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯」の表紙、
よく見ると結構グロイ感じですかね?(ビビりなんで遠目でぼんやり)

手術シーンとか絶対みれないんですが、(結構腰抜け)
司法解剖を専門医師の本はめちゃめちゃ面白かったです。

ミステリーを書くなら、解剖学的知識は必須になるんでしょうね。
死後硬直がどうとか死斑がどうとか。。

ん~また読書欲がわいてきました。
良い本のご紹介ありがとうございました。

Re: こはる様☆ * by 惺
こんばんは!
> 「解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯」の表紙、
> よく見ると結構グロイ感じですかね?(ビビりなんで遠目でぼんやり)
図書館で借りた時は全然気付かなかったんですが、
気付いたからちょっと触るのもイヤかなーって。
家人に見つからないようにこそっと読んでました。

> 手術シーンとか絶対みれないんですが、(結構腰抜け)
> 司法解剖を専門医師の本はめちゃめちゃ面白かったです。
あ、自分もビジュアルは無理です~(泣)
文章だとどんなグロいのでもOKなんですけどね。
ホントこの本、18世紀の医療事情などもよくわかって、
さらに埋もれた偉人も知ることができておトクな本でした♪

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。