01≪ 2017/03 ≫02
12345678910111213141516171819202122232425262728293031
個別記事の管理-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
* Category : スポンサー広告
|
個別記事の管理2012-02-06 (Mon)

ご訪問ありがとうございます☆

乙女の港 (実業之日本社文庫 - 少女の友コレクション)乙女の港 (実業之日本社文庫 - 少女の友コレクション)
(2011/10/05)
川端 康成

商品詳細を見る

 書影……帯までばっちり……(>_<) まあ、いいか。
 再読です。初読は子供の頃。偕成社ジュニア版日本文学名作選に収録されていたのを読んだ覚えが。
 その時は「わ! なんか古くさ!!」って、作品の価値も知らずにまったく気にもとめなかったのですが……大人になってからこの作品の存在を知り、どこかで読んだことあるな……と思い出しました。
 まさかあの文豪がバリバリの少女小説を書いていたなんて! と当時はやたら驚きました。以下BOOKデータベースより内容。

舞台は昭和初期、横浜のミッションスクール。新入生の三千子に、ふたりの上級生から手紙が届く。
品よく儚げな洋子と、負けず嫌いで勝気な克子。ふたりの間で揺れ動く三千子だが―
昭和12年、伝説の雑誌「少女の友」に連載された本作は一大ブームを巻き起こした。
少女時代特有の愛と夢、憧れとときめきに満ち満ちた、永遠の名作。雑誌初出時の中原淳一の挿絵を全点収録。


 文庫化になったと知り、即座に図書館に予約。2人の「お姉さま」に言い寄られて想い惑う三千子チャンの悩ましげポーズがなんともはや。この中原淳一のジャケ画の素晴らしさには言うことありません。
 
 横浜のミッションスクールを舞台にした新入生三千子と、上級生の2人──儚げで美しい洋子と勝気で活発な克子。この3人の少女達が繰り広げる三角関係と友情を描いた作品。
 少女小説のある意味典型的なスタイルを踏襲した……というかベースとなっている(マリみてとか絶対この作品が元になってると思う!!)名作。
 この作品の大前提である、当時の少女達間で流行ったという親密な関係「エス」。親友以上恋人未満──的な微妙な関係。上級生×下級生であったり、女教師×生徒であったり、同級生×同級生であったりとバリエーションは様々。男女交際などもってのほかの当時において、憧憬の念を抱く対象は必然的に身近にいる素敵な同性になるのはごく自然なこと……だったらしい。

 上級生の洋子からモーションをかけられた三千子は出逢った瞬間からお互いシンパシーを感じ合い、すぐさま仲の良い「エス」となる。まるで姉妹のような関係の2人はあくまで微笑ましく、三千子は無邪気で洋子はあくまで優しい。そんな2人の関係が少しずつ変化してゆくのが、夏休み。
 三千子は軽井沢へと避暑にゆき、そこで偶然出逢ったのが洋子のライバルというべき克子。以前から三千子を狙っていた彼女はここぞとばかりに三千子に猛アタック!
 三千子も洋子に申し訳なく思いながらも克子の活発で強引な魅力には抗えない──ここのエピソードはそのまま男女間の三角関係のようで、良く出来てるなあと。誘惑する克子に、いけないと思いつつも誘惑されてゆく三千子。特に洋子に対して後ろめたさを感じる三千子の葛藤がとても繊細に描写されていて秀逸。

 読んでいてこの先3人の少女の関係は一体どうなるの? ととっても気を揉んでやきもきさせられるのも、もう完全にこの作品の魅力にハマッてしまっている証拠。
 クライマックスは運動会。思わぬハプニングで負傷する克子。その彼女に天使のような広い心でかいがいしく看護し接する洋子。克子は今まで三千子をめぐって洋子のことをライバル視していたけれど、その掛け値無い優しさにを目の当たりにしてついに心を開いてゆく──。

 とまあ、典型的な少女小説展開なのですが、少女達の心の流れが嘘臭くなくとても自然に描かれていて読ませます。そして白眉はラスト。
 実は片親で没落しかかった家の娘である洋子。クリスマスを背景に、恵まれない子供達にボランティアとしてクリスマス会をセッティングする彼女の姿を生き生きと描き、学校卒業後もただ単なるかよわい女性──結婚という男性の庇護を受けて生きるのではなく、仕事を持ち生きがいを持って生きてゆこうとする、自立心に溢れた少女として描写しているエピソードがとても感動的だった。

 本編も大変面白かったのだけど、さらに興味深かったのが解説。
 実はこの作品には中里恒子さんという原作者が存在していたという事実。この方の原稿に川端康成がかなり手を加えて発表したとのこと。なるほど頷けるなと。男性で少女のこういう繊細な心の綾を描くのはなかなか至難の業だよね、と思いながら読んでいたし。
 さらに、三千子の「お姉さま」である洋子のモデルとなった方の写真も載っていたりと裏話にお腹いっぱい。
 当時の少女達の独特で儚い素敵な世界と文化を知る貴重な作品でもあり、資料だと思いますね。面白かったです!


blogram投票ボタンにほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ人気ブログランキングへ
☆いつも応援ありがとうございます☆
スポンサーサイト
Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 川端康成
* Comment : (2) * Trackback : (0) |

* by ひいち
わ♪可愛い表紙。手に取らずには
いられないわねー(>∀<)

興味シンシンです!

Re: ひいち様☆ * by 惺
こんばんは!
ホント、昔懐かしのイラストというカンジだよね。
中原淳一さんという方が描いてるのだけど、
この方のイラスト好きなんだよね!
いかにも「乙女」ってカンジが希少価値(>_<)
男の人が描いているとは思えない…。


個別記事の管理2011-07-02 (Sat)

ご訪問ありがとうございます☆

伊豆の踊子・禽獣 (角川文庫)伊豆の踊子・禽獣 (角川文庫)
(1951/07)
川端 康成

商品詳細を見る

 今日本屋に行ってレトロなジャケットに一目ボレ。中学の時(!!)夏休みの読書感想文の宿題だったなーと思い出し、懐かしくて購入。以下文庫裏表紙よりあらすじ。

20歳になる旧制高校生の私は、孤独な心を抱いて、1人、伊豆への旅へと出かける。
そこで、旅芸人の一行に出会い、14歳の薫という踊子の少女に心惹かれた。卵形の凛々しい顔立ち、しかしどこか幼さの残る薫。
その若々しく清らかな様子に、私の心はいつしか温かく解きほぐされていく……。


 昔子供の頃に読んだ印象と今大人になって読んだ印象がどう変化しているのかも楽しみなトコロでした。
 当時、中学生だった自分の感想はとにかくこの「私」と踊子の薫との淡く儚く、結ばれぬことのない初恋がとても切なかった。特にラストの乗船場。お互いこれきり会えないと予感しつつも、ひと言も別れの言葉を交わせない。そんな純情すぎる想いを抱えながら、陸地を離れてゆく汽船という劇的な別れのシチュエーション!
 そんな2人の初恋物語として読んでいたんですね。

 が、今回いいオトナになって再読して……やはり見方は一変!
 まず、この「私」が作者・川端康成自身を投影したキャラクターだということが新発見。幼いうちから両親・身内を亡くして天涯孤独の身となってしまった作者の生い立ちが、この作品に多大なる影響を与えているとのことで。
 その「私」と踊子はやはり年が近いせいかお互い意識しあっているのだけれど、それは恋心というにはあまりにも幼すぎているなあと。
 それよりもむしろ、常に孤独な身の上であった「私」が踊子の身内である旅芸人達と知りあい、触れあい、まるで一時家族のように過ごしたひとときに対するノスタルジーを強烈に感じました。
 当時、旅芸人は一種差別されていたようですが、「私」はそんなことは気にせず彼等との接点を自ら求めようとしている。それはやはり貧しいながらも家族で寄りそう温かさを、「私」はその旅芸人達に見出していたのではないかなと。

 人間本来が持つ何かに何処かに属したいという欲求。それはすなわち孤独を厭う素直な心の現れ。
 作者・川端康成の当時の精神状態、置かれていた状況等々から察して、これは半自伝的な私小説であるような印象持ちました。

 ラスト、別れの汽船内でたった独りとめどなく泣く「私」。
 もちろん淡い恋心を抱いた踊子との別れを悲しんでいたことも事実だろうけれど、実は自分を家族の一員のように接してくれた旅芸人達との別れを惜しんでいたのではないかなと、痛烈に感じました。再び孤独の世界に戻ってゆく自分に対する憐れみの涙だったともいえるかも。

 昔読了した時は伊豆という舞台がとっても印象に残っていたんですが、実はあまり詳細な描写が施されていないことにちょっとビックリ。伊豆・下田・天城峠などの地名は登場するけれど、その自然や土地の描写などが殆ど無くあっさりと流されていたんですね。意外でした。

青い海黒い海
驢馬に乗る妻
禽獣
慰霊歌
二十歳
むすめごころ
父母 … の他初期作品6篇収録ですが、やはり「伊豆の踊子」が秀逸ですね。 


blogram投票ボタンにほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ人気ブログランキングへ
☆いつも応援ありがとうございます☆
Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 川端康成
* Comment : (8) * Trackback : (0) |

こんばんは! * by まいまい
ああ、これを読むともう一度読みたい気がします。
確かに、同じ旅の時間を一緒に過ごした「旅芸人」一家への思いが濃く感じられますよね。

恋・・というより過ぎゆく旅の時間への「感傷」のような物を感じます。
惺さんがおっしゃる作者の「孤独」がこの切ない思いを更に深くしているんでしょうね。

いつもながら素敵なレビューをありがとうございました。

こんばんわ^^ * by チルネコ
川端康成いいですね~。文豪の中でも特に好きですね^^美しい風景が浮かび筆致も素晴らしいですが、密かなエロチズムも入ってるんですよね(笑)僕は『山の音』がすごく好きでした。

Re: まいまい様☆ * by 惺
こんばんは(●^o^●)
> ああ、これを読むともう一度読みたい気がします。
> 確かに、同じ旅の時間を一緒に過ごした「旅芸人」一家への思いが濃く感じられますよね。
川端康成氏がかなり複雑な家庭環境で、精神状態であったことを最近知って…。
そんな孤独な氏の前半生を鑑みて読むと
やはり淡い恋物語というより、自分の居場所(属性)のつかの間の希求と
別離のハナシなのかなーって今回読了しておもいましたね。

> 恋・・というより過ぎゆく旅の時間への「感傷」のような物を感じます。
> 作者の「孤独」がこの切ない思いを更に深くしているんでしょうね。
確かにソレです!! 共感☆
久しぶりに文豪の作品読むのも良いですね!

Re: チルネコ様☆ * by 惺
こんばんはヽ(^。^)ノ
> 川端康成いいですね~。文豪の中でも特に好きですね^^
そうですねー、あの硬質な雰囲気が自分的にツボですね!

>美しい風景が浮かび筆致も素晴らしいですが、密かなエロチズムも入ってるんですよね(笑)
そうなんだ! それは知りませんでした!
う~ん、是非ともその密かなエロチズム投入された作品を読んでみたい!!

>僕は『山の音』がすごく好きでした。
チェックさせていただきます☆

吉永小百合VS山口百恵 * by nao
ギョロ目もバタやんの小品でありますな・・青春の旅!
コレを読んで、どれだけのヒトが「天城越え」(「踊子」コース!)
したのだろうか・・(自分はしてませんが)。

ところで、この主人公さん、一高の学生さんでありますが。
この一高生というのは、フツーの学生さんでなく、
エリート中のエリート学生であったらしいですな。
当時の学生数も、現在の東大生の人数のそれと比較にならないくらいに少なかった・・と。
あるヒトのエッセイに、そんな風なコト書かれてありましたぜ。
・・だとすると、猶のこと、主人公と踊子さんとの関係が際立つ・・かナ?

Re: nao 様☆ * by 惺
こんばんは!
返コメ遅くなりましてスミマセン(>_<)
ものスゴク久しぶりに再読したんですけどね。
やっぱ印象は違ってきますね~。

> ところで、この主人公さん、一高の学生さんでありますが。
> この一高生というのは、フツーの学生さんでなく、
> エリート中のエリート学生であったらしいですな。
> 当時の学生数も、現在の東大生の人数のそれと比較にならないくらいに少なかった・・と。
> あるヒトのエッセイに、そんな風なコト書かれてありましたぜ。
> ・・だとすると、猶のこと、主人公と踊子さんとの関係が際立つ・・かナ?
へえ~、そうなんですか!!
ある意味身分違いな恋?
主人公「私」に作者がかなり投影されているとのことなので、
読んでいて何だか複雑な気持ちに。
オトナ視点で読むのもオツなものだなあとしみじみ思ってしまいました!

う~ん * by キヨハラ
読みが深~いです。惺さんの読み込みに感心いたしました。

伊豆の踊子、読んだこともないですし、この先も読まない可能性が高いですが、このレビューを覚えていれば、知ったかぶりも可能であるように思います。

ばかっぽいコメントでごめんなさい。

Re: キヨハラ様☆ * by 惺
こんばんはヽ(^。^)ノ
> 読みが深~いです。惺さんの読み込みに感心いたしました。
いやいやいや!
多少トシ食って見方が変わっただけでござんす。

> 伊豆の踊子、読んだこともないですし、この先も読まない可能性が高いですが、
自分も川端康成の作品コレ以外読んだことありません!!
しかも宿題だったからムリヤリ読んだという…(汗)。

> ばかっぽいコメントでごめんなさい。
なにを仰います~!!
コメント頂けて狂気…狂喜乱舞しております。
嬉しいです!! ありがとうございます☆

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。