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個別記事の管理2012-04-03 (Tue)
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月と六ペンス (光文社古典新訳文庫)月と六ペンス (光文社古典新訳文庫)
(2008/06/12)
ウィリアム・サマセット モーム

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初・モームでした。有名作なのは知っていたのですが、今回初挑戦。期待以上の面白さでした。以下文庫裏表紙より内容。

新進作家の「私」は、知り合いのストリックランド夫人が催した晩餐会で株式仲買人をしている彼女の夫を紹介される。
特別な印象のない人物だったが、ある日突然、女とパリに出奔したという噂を聞く。
夫人の依頼により、海を渡って彼を見つけ出しはしたのだが……。

一応画家のゴーギャンをモデルにしているとの見方が一般的のようで。いくつか相違点があるとのことなので、調べたウィキでは「モームの作り上げたゴーギャン像」と捉えた方がよいとのこと。
どちらにしろ、そのような予備知識がなくても自分的にはかなり面白く読めましたね。
語り手は「私」。ふとしたことで知り合ったメインキャラ・ストリックランド。最初の出会いは株式仲買人としてのまったく目立たない人物だったけれど、その彼がそれまでの平凡で地位のある生活を捨ててパリに去ったという件から、一気に話は展開。

夫人の依頼でストリックランドに会いに来た「私」はその変りように衝撃を受ける。その偏屈非人情な性格はおろか、ボロボロのみすぼらしい外見のなにもかもすべてにおいて。
 「絵を描くため」だけに家族を捨てた彼を最初は理解することができなかったが、次第に共感とも同情とも知れない不思議な感情が「私」の心を占めてゆく──。
 情熱にとり憑かれた男の一種の美学なのかな?と。ストリックランドが求めていたのはただひたすらに絵を描くことと「美」の探究。
 凡人では計り知れない彼の思想と奇行をなんとかして理解しようと無意識化で思う「私」。その「私」の目を通して語られるストリックランドの半生ともいうべき壮絶&怒涛の人生に惹きこまれてしまった。

 運命は「私」にストリックランドの人生の監視者とさせるが如く、長年にわたって邂逅と別離を繰り返させる。彼の死を偲ばせるために、死の伝道者とさせるために。
 ストリックランドが自分の生の終焉の地として選んだのはタヒチ。故国イギリスにおいてさえ精神的異邦人であった彼はやっと自分の居場所を彼の地で見つける。偶然にもその地を訪れた「私」は彼と関わった人々の伝聞によってその数奇な運命のラストを知ることになるのだ。

 今作は一人の天才的画家の半生記としての一面もあるけれど、実は解説にもあるとおり、「私」がストリックランドに寄せる同性愛的な感情を綴った作品としても読めるという見解にもなるほどなと。
 「私」の生涯において、その心の中で特に印象深い存在として君臨していたであろうストリックランド。彼の死を知った「私」の喪失感が、まるで嵐の過ぎ去った後のように静かにしみじみと伝わってくる。
 ストリックランドの強烈な生きざまと、彼に対する複雑な愛憎を抱いた「私」の濃密な作品。ちなみにタイトルの「月」は理想で「六ペンス」は現実なのだそうだ。
 ストリックランドは人生の晩年においてようやく「月」を手に入れたということか。「現実」=「六ペンス」を生きる「私」との関係を暗に象徴しているような気がした。


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 月と六ペンス
* Comment : (2) * Trackback : (0) |

* by ひいち
よく聞くタイトルですが、手に取ったことがなかったなぁ~。
今度読んでみたいです(^-^)

「永遠の0」。すごーっく良かったぁ(>∀<)
よい本を教えてくれてありがとう~♪

Re: ひいち様☆ * by 惺
こんばんは!
そうそう! タイトルはよく聞くんだけどねー。
まさか画家サンの話とは思わなかった!
予想外の面白さでした☆

「永遠の0」は感動&泣ける話だよね。
自分も最後はうるうるしながら読んでたなあ…。

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