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個別記事の管理2012-11-17 (Sat)
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 神田古本まつりでげとしてきた本。SF界ではかなり有名な作品らしく、興味津々で読了しました。以下文庫カバーより内容。

遥かな過去に放棄された人類の植民地、雪と氷に閉ざされた惑星ゲセン。<冬>と呼ばれているこの惑星では、人類の末裔が全銀河に類をみない両性具有の社会を形成していた。
この星と外交関係をひらくべくやってきた人類の同盟エクーメンの使節ゲンリー・アイは、まずカルハイド王国を訪れる。だが、異世界での交渉は遅々として進まない。やがて彼は奇怪な陰謀の渦中へと…。


 泣いた!面白かった!さすがSF界の偉大な賞を取る作品なのだなと。まあ、賞を取った作品が一概に良い作品であるとは言えませんが、自分的には感動の作品でした。

 辺境の星ゲセンに同盟を結ぶべく使節としてやってきたゲンリー。その彼が突如としてゲセンの国家間の陰謀に巻き込まれてしまい、想像を絶する過酷な経験をすることになる。
 その彼を運命的な出会いをするのが、ゲセンの宰相であるエストラーベン。しかし、彼こそが陰謀の中心であり、王に対する謀反を企てたとして追放の憂き目にあってしまう。偶然にも同時期に王宮から離れゆくふたり。そこから紆余曲折、波乱万丈の物語が展開。

 ゲセンはなんと両性具有の星であり、限りなく地球人に近いゲンリーとはまったく違う種族。さらに文化も気候も異なる文化の中で、エトランゼとしてたったひとり奮闘するゲンリーの冒険譚としてもかなり面白い。
 一度は離ればなれとなるゲンリーとエストラーベン。しかし、ふとしたことで捕えられたゲンリーを救出に向かうエストラーベン、そしてその後とある目的の為に再びカルハイド王国を目指すラスト1/3がこの小説の感動のクライマックス!

 広大な氷原を踏破しようとするふたり。それは見事達成するのだけれど、それまでのふたりの心情と関係の変化が素晴らしい。異星人同士が歩み寄り理解し心通わせる。エストラーベンが両性具有であるために、友情とも愛情ともつかない不思議な心の揺れ。
 苦難を共にして確固たる絆を築いたふたりの姿に、じわじわとくる静かな感動に涙腺が崩壊したのは言うまでもない。

 光と闇、右手と左手、陽と陰、男と女─というように、今作はよく二元論という単語が登場するのだけれど、まさにそれが本書のテーマなのかと。
 他者と自己。当初はわかりあえないと思っていても、両者の努力次第で理解しあえる。ラスト、ゲセンはようやくエクーメンと同盟を結ぶのだけれど、これも他者との相互理解の最大の表象なのかなと。

 あー、もう、語りたいことはたくさんあるのだけど、自分の哀しい語彙力では到底ムリだ。
 長くゲセンに滞在したゲンリーが、ようやく故郷の自分の同胞と出逢って激しく違和感を抱いたラストに複雑な想いも。それほど彼はゲセンと同化していたのだなと。さらに、哀愁の宰相・エストラーベンが出色のキャラだったかと。友の為に身を投げ出す高潔なラストに不覚にも涙。
 ジェンダー・相互理解・篤い友情等々、現代でも通用する色褪せないテーマ。それが名作たるゆえんなのかなとしみじみ思った次第。ちなみに「闇の左手」とは「光」とのことで。ゲンリーとエストラーベンが夢見たもの──それが両星の未来の「光」だったのかなと、熱く妄想気味に深読みしてしまったのは言うまでもないですw


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Theme : SF小説 * Genre : 本・雑誌 * Category : ル=グイン
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個別記事の管理2012-04-11 (Wed)

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 あまりの古さに書影がない……(泣) 
 以前中野に遊びに行った時に、「まんだらけ」で購入したモノ。「まんだらけ」はマンガやアニメだけではなく、こういった貴重な古書も販売しているのですね。今や幻のサンリオSF文庫。あの「ビブリオ古書堂の事件手帖」にも登場してましたよね?  
 それで興味を持っていたのですが、まさかまさか「まんだらけ」で販売しているとは思わず……しかもかなりなシリーズが……! 元値の倍近くしているモノもあって……←ナボコフの一点モノがそうだった! 思わず3冊購入&予想外の散財……後悔はしてないけどね! 以下文庫裏表紙より内容。

44人が住むゾフの館をとりまく森の端に見知らぬ男がいた。自分についての記憶をすっかり失っていたが、館で生きるすべを驚くべき速さで学んでいった。猫のような眼をしているところから人々は、黄色を意味するフォークと呼んだ。それにしても彼は誰なのか?
遺伝子実験に失敗して見捨てられた怪物か、館の秘密を学ぶために送りこまれた道具か。
長のゾフはこう考えていた。自分達に伝言をもってくる途中、かつて全世界同盟を破壊した異星人シングに記憶を消されたうえ、獣の襲撃か飢餓で死ぬよう森に放置されたのだと。
やがてフォークは自分の本当の名前と素性を発見すべく、幻影の都市エス・トックへ向かって地図のない旅にでるのである。人語を話す獣、真実を語らせる薬を使う殺し屋、小型核ミサイル《爆撃鳥》を操り、ハンド・レザーで狩りをする部族などに遭遇しながらも……。


 ル=グインといえぱ「ゲド戦記」が有名なのかな? 自分は思いっきり未読なのですが。というか、そもそも初・ル=グインだった!
 SFの著作でいえば「辺境の惑星」がメジャーとのこと。今作はその姉妹編というらしくどちらかというとマイナー作かと。率直な感想はというと、はっきり言って序盤~中盤まではかなり冗長な感じが否めなかった。
 森を彷徨っていた記憶喪失の男・フォーク。その彼がゾフの館の人々と心を通わし、やがて自分を取り戻すために都市エス・トックへと向かう発端から、森での様々な人種や困難と遭遇しながらも、直に生きた人間と触れ合い関わり理解してゆく──という重要な過程なのだけれど、いかんせんちょっとテンポがゆったりというか、丁寧すぎる描写で飽きが来てしまったかな。これも昨今の(現代の)作品の良くも悪くもスピード感ある展開に慣れてしまっている証拠なのね。

 その苛酷な旅の連れ合いとなる女性とともにようやく夢にまで見た異星人シングが統治する文明都市エス・トックへと到着したところから一気に物語が突き進む。旅の道連れだと思っていた女性が実は都市方のスパイ(?)だと知り、自分は常に監視されていたと知るフォーク。エス・トックに行けばすべてがわかると期待に胸ふくらませていたその都市は実は薄っぺらい幻影の都市だったという事実。自分が旅をしてきた森の住民達の方がよほど人間的であり、魅力的な場所だったのだと追憶を重ねるフォークの心情になんとも複雑な思い。

 明かされるフォークの正体。末梢されたもう一つの人格・ラマレン。真の「敵」であるシングの本当の目的はラマレンの頭脳と記憶。一つの肉体に宿る二つの人格の葛藤と統合の妙。ラストのなるほどと思わせるコンビプレーにクスッと笑いも。
 サスペンステイストでありながら実はソフトなSF。地球外生命体の母星に馳せる想いと帰還本能。
 ちょっと懐かしいテーマでありながらも惹きこまれて読んでしまった筆力はさすがというか圧倒的だった。ジャケ画が竹宮惠子というものかなり豪華&稀覯本でした!


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