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個別記事の管理2012-06-03 (Sun)

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フェルマーの最終定理 (新潮文庫)フェルマーの最終定理 (新潮文庫)
(2006/05)
サイモン シン

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 やっと読めた! 数学ダメダメの自分が無謀にも挑戦したこの作品。タイトルに俄然惹かれて以前から興味あったのだけど、敷居が高すぎて手が出せず。この度ようやく読了することができました。以下BOOKデータベースより内容。

17世紀、ひとりの数学者が謎に満ちた言葉を残した。「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」以後、あまりにも有名になったこの数学界最大の超難問「フェルマーの最終定理」への挑戦が始まったが―。
天才数学者ワイルズの完全証明に至る波乱のドラマを軸に、3世紀に及ぶ数学者たちの苦闘を描く、感動の数学ノンフィクション。

 読むの苦労したけれど、感動的&面白かった! フェルマーの最終定理を証明するというストーリーなのだけど決してそれだけではなく、歴史の中に埋もれた偉大な数学者達の歴史紹介といった一面もあるなあと。
 まず、この大問題の発端であるお騒がせフェルマーがなんだかとってもイヤなヤツに思えたのがちょっと笑えた。まるで挑発するように難題吹っ掛けてくるし、かなりな偏屈・変人サンであることも判明。実際このフェルマーの定理自体、ホントに自分では証明してなかったんじゃないの?あるいは勘違いだったんじゃないの?って思えたし。
 しかし、そのフェルマーが後世にまで残した難問によって数学者を目指したという人々がいたのだから、その功績は讃えるべきなのかもね。

 本書の主人公もフェルマーの最終定理に魅せられ、数学者を目指したひとり。アンドリュー・ワイルズという優しげなおじさまなのだけど、その彼が成し遂げた偉業をドラマティックに紹介したのが本作品。
 数学がテーマなので必然的に方程式だのなんだのと難しい数式が登場します。自分はあっさりことごとくその部分はスルー。何度睡魔に襲われたことか。きっと数学好きな方は興味を持って読み進めることができると思いますが……その反面とっても面白かったのが、歴代の優秀な数学者達のドラマ。
 特に女性数学者・ソフィー・ジェルマン。初めて知りましたよ~。
 優秀な頭脳を持ちながらも女性であるがゆえにその功績は差別・隠ぺいされ、歴史に埋もれたまま。非常にもったいないなと。しかし、理解者に恵まれながらその研究を進めることができ、現代にもその名が残されていることに少しホッとしたりして。

 その他にもオイラー、コーシー、ラメ、クンマー等々すぐれた数学者が登場。
 フェルマーの最終定理の証明に失敗したその彼らからワイルズが自分なりの攻略法を見出してゆく──という構成もわかりやすい。そして意外にも日本の数学者の理論がワイルズの証明に深く関わっていたという事実も初めて知ったし。
 あらゆる人物のあらゆる論述を重ね合わせ、フェルマーの吹っ掛けた難題に挑んでゆくワイルズの苦悩と苦労が描かれる後半はちょっとスリリングで惹きこまれた。証明に成功したかと思いきや、思わぬ落とし穴にハマリさらに暗中模索を重ねるワイルズ。その泥沼から這い上がることができたのも、日本人数学者・岩佐健吉の理論に因るものが大きいということに、同じ日本人として感慨深いものが。

 最終的にはもちろんワイルズによってフェルマーの最終定理は完全に証明されて無事ハッピーエンド。
 しかし、ワイルズの証明は20世紀の知識があったからこそ証明ができたのであって、自分的には17世紀に生きていたフェルマーが証明したとおりに17世紀の知識と方法で挑んでもらいたかったなあ……というのが正直なところ。
 17世紀~20世紀という時代を超えたさまざまな数学者達の理論を研究し組み合わせ構築しながら、自分なりの理論を打ち立てフェルマーの最終定理(フェルマー予想)から、最終的に「フェルマー・ワイルズの定理」(ウィキより)と呼ばれることとなった歴史的事実に感動。
 偉大な数学者達の人間ドラマとともに、数学の歴史と奥深さを充分に思い知った作品でした。


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Theme : 考えさせられる本 * Genre : 本・雑誌 * Category : フェルマーの最終定理
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