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個別記事の管理2012-07-08 (Sun)

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一滴の嵐一滴の嵐
(2002/05)
小島 小陸

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 リンクさせていただいている MY RASPBERRY DAYS 瀬川レナ様 のブログで紹介されていた作品。和風なタイトルとは真逆のテイストでありました。以下BOOKデータベースより内容。

19世紀半ば、フランス・アルザス地方の片田舎を舞台とした二人の少年の友情の物語。
ある一人の黄金の少年が僕を見つけたとき僕は野犬と変わりなかった。時は19世紀半ば。アルザスからいつの日かパリへ。反発しながら強く惹かれ合う二人の少年―。第17回太宰治賞受賞作。


 これは……隠れた名作だと。2段組み360ページ弱のボリューム。はっきり言って最初はあまりの厚さに萎えていましたが、読み始めたら一気読み。面白すぎる、この一言。

 男爵の息子であり、気品あり金髪が美しく生来脚が不自由なウジェーヌ。対照的に気が荒いが、音楽の才能に恵まれた貧しい鉛筆職人の息子エーミール。この身分も性格も真逆の二人が出逢ったことで互いの運命──特にエーミールの運命は怒涛のごとく変化してゆく。
 二人の少年の主従とも友情とも愛情ともつかない微妙な関係性が今作の一番の魅力かな。

 さらに舞台は二人が入学した音楽学校の寄宿舎へと変わり、そこでの少年たちの関わり──友情や葛藤、思春期特有の繊細な心の揺れ等々、エーミールを通して語られる学園生活の描写が精緻な筆致で綴られていて素晴らしい。
 複雑な家庭環境で育った少年たちの心理を巧みに描いていたり、ちょっとした悪戯にクスッと笑わされたり。まさにあの萩尾望都や竹宮惠子等と同等の、独特の世界観に強烈に惹きこまれてしまった。

 とにかくこの作品の読みどころは一見天使ようなウジェーヌと粗暴なエーミールの、心の変遷とその成長ぶり。
 お互いがお互いを必要としながらも素直に言葉と行動に示すことができない。それは愛情なのか友情なのか判然としない甘美な薄いベールに覆われているような曖昧な感情。
 ラスト、天使のようなウジェーヌが、自身からの独立を願い出たエーミールに対して吐露した、ずっと心の奥底に秘めていた黒い感情が印象的。小悪魔だなあと内心ニヤリとしながらも、エーミールへの度し難い執着と深い愛情を感じてしまった。

 白眉なのは冒頭の「はしがきにかえて、これを冒頭に記す」の部分。

或る一人の黄金の少年が、僕を見つけた時、僕は野犬と変わりなかった。

僕を彼と繋いでいる紐は何だろう?
それが分からないので、僕らは、完全な主従にも友人にも、兄弟にもなれずにいる。


 この数行が二人の関係性を如実に物語っているなと痛感。ここを読んでこの本に興味をもたれた方は是非一読されたし!
貴重な名作が貴方をお待ちしております。なんてね。

 しかし、ツイッターのフォロワーさんにもこの作品のファンがいらっしゃるので、この作品絶対隠れた名作だと思うな。
 作者の小島小陸サンについては一切何も分からず。ネットで調べてもダメだった~(泣)
 女性なのか男性なのかも判明せず。自分的には最初男性かな? と思ったけど、読了してみて女性かな?と。
 登場する少年たちの微妙な心理描写は女性ならではのものかな……などと思ってみたり。で、さらに24年組作品を愛読していたのでは? などと勝手な妄想を繰り広げてしまったのでした。いやいや、面白くて久しぶりにどっぷりと作品世界にハマってしまいました。感動作です。好きな人にはたまらない作品かもですね。


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 小島小陸
* Comment : (8) * Trackback : (0) |

* by 伊織
まさかの、どんどん広がっていく輪!!(笑)

実は最初の私も、知恵袋か何かでこの本を発見したのでした~ヽ(*´∀`*)ノ笑(侮りがたし紹介の力。

雰囲気がいいですよね。
長さも、なんだか読んでるうちに成長譚というより大河小説を読んでるような。

けれども、私が掘り出し物!と思った作家さんほど作品数が少なくて寂しいです…(/ _ ; )

Re: 伊織様☆ * by 惺
こんばんは!

> まさかの、どんどん広がっていく輪!!(笑)

確かに! 実は他のツイ友サンにもこの本好きな人がいて!!!
知る人ぞ知る名作だよね~とテンション上がりました。

知恵袋で知ったとか…スゴイ…。
伊織サンのおススメ本はまーったくハズレがないので安心♫

> 雰囲気がいいですよね。
> 長さも、なんだか読んでるうちに成長譚というより大河小説を読んでるような。

ラスト、ウジェーヌのエーミールに対するアツい執着というか深い愛情にもう……。
清々しい読後感がとっても良かったです。

> けれども、私が掘り出し物!と思った作家さんほど作品数が少なくて寂しいです…(/ _ ; )

この作者サンもとっても謎な方ですよね。
プロフィールを知りたいのだけれど、なかなか情報が。
もっと他の作品も読んでみたかったなあ…貴重な名作。
発掘していただき本当にありがとうございました。
感動を共有できて嬉しいです。

* by 瀬川レナ
ブログ紹介ありがとうございます(´ー`* )

惺さんのレビュー、そうそう、そうなんだよね~と頷きながら読んでました(笑)
作者さん、この一作だけなのが本当に残念・・・。

Re: 瀬川レナ様☆ * by 惺
こんばんは!
ホントにホントに面白かったです!
ご紹介してくれてありがとうございます。
実はツイッターのフォロワーさんの間でもかなり高評価で
借りたよ、読んだよって方がいたのにはビックリでした。
良い作品はやっぱり良いのですね。

* by 潤
こんにちは、惺さん!
うわぁ~これは良さ気な雰囲気がムンムンと!
少年好きは読まねば!って感じ?
惺さん、伊織さんダブルオススメですし!!
ボリュームたっぷりに怯みますが…
ちょっと図書館探してみます!!

Re: 潤様☆ * by 惺
おはようございます!
あー、もうもう絶対読んでみてくださーい!
潤サンならきっと楽しめるかと!
ホントに隠れた名作って言うカンジで
少年二人の微妙な関係がなかなかにツボです。
おススメです☆

* by サラママ
始めまして,
小島小陸さんは独身の女性です。(今はどうかしら?)
我が家のワンコに逢いに来てくれたのが7年位前
大人しい静かないいお嬢さんでした、
ワンコそっくりなぬいぐるみをお土産に持って
その後の作品が出ないのが残念ね

Re: サラママ様 * by 惺
はじめまして、こんばんは!
ものすごい貴重情報をありがとうございます!
お知り合いなのですか?
すごいです!
やはり女性でしたか。読了後にそうではないかなーと思いましたが。
「お嬢さん」ということは、お若いのですね。
いろいろとご事情があるとは思いますが、小島小陸さんの作品他にも読んでみたいです!
ご訪問とコメントありがとうございました。

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