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個別記事の管理2012-08-29 (Wed)

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 かなり昔に読んだ本。当時かなりな話題作だったのではないかなあ? 最近またもこの元ネタである「とりかえばや物語」がコミックになるなど、注目されているので再読してみました。著者は心理学者でもある河合隼雄氏だったのね。以下BOOKデータベースより内容。

性が入れ替わったまま成長する男女を描いた王朝文学『とりかへばや』。
一見、荒唐無稽に思われる物語には深く重層的な心のタペストリーが隠されていた。「男らしさと女らしさ」「自我とエロス」「美と倫理」―。
分裂していた要素は物語の中で結び付き、性差や社会的枠組みをしなやかに超えていく。深層心理学の立場から“たましいの現実”を見据え、男女の境界の危うさと心の謎を探る。


 まず「とりかえばや物語」については コチラ で。
 とある異母姉弟は性格がまったく逆。姉は勇猛果敢で弟はなよやか。そんなふたりに苦慮した左大臣の父親が、そのまま男女逆転のまま生きてゆきなさーい、ということで始まる姉弟の波乱万丈の物語。
 男装の麗人の姉、いわゆる男の娘である弟。そのふたりの姿を心理学者である河合氏が、深層心理に隠された女性の中の男性性、男性の中の女性性について鋭い視点から論述してゆく──というのが本書の主な内容。

 初版がかなり昔…20年位前なのでその当時と現在ではいろいろとジェンダー論も変遷していると思うので、おやおや? と疑問に思う箇所も多々あったのだけどね。
 自分がよく読むファッション誌なんかは女子の男装ファッションなぞ普通レベルになってきているし(かといってまだ一般的ではないけどね)、男の娘に代表されるとおり、男子もかなりファッションにおいて女子化する傾向が顕著になっているかなあと。
 なので、今ではかなり常識となっているような感のある「自身の中の異性性」をこの「とりかえばや物語」を素材とし、河合氏の臨床例も挙げながら検証・論述してゆくのがとても斬新で興味深かった。
 さらに「性差」ということで絡めて考えると、現在は性同一性障害も一時期よりはかなり認知されている感があるし、性別の境界もまた過去の日本とは違って曖昧になっていると感じる部分もあるなと。そういう意味ではまさに先駆的なこの著作。河合氏の素晴らしい着眼点によるジェンダー論なのではないかと思って読んでいました。

 で、この「とりかえばや物語」の梗概も記載されているのだけれど、面白すぎるね、この話!
 まさに今にピッタリのストーリーだと思うのだけれど。美しい異母姉弟が運命に翻弄されながらもラストは幸せを掴みとる──倒錯的だと過去一時期評価は低かったらしいですが、一流のエンタメ作になると思うのは自分だけかなあ?
 コミックにもなっているようで。さいとうちほサンの「とりかえ・ばや」。素敵な画で面白そうだよー!

 ……などと、もちろん河合氏のこの著作も面白かったのだけれど、猛烈にこのオリジナルの「とりかえばや物語」を読みたくなってしまった自分なのでした。


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個別記事の管理2012-02-21 (Tue)

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昔話の深層 ユング心理学とグリム童話 (講談社プラスアルファ文庫)昔話の深層 ユング心理学とグリム童話 (講談社プラスアルファ文庫)
(1994/02/15)
河合 隼雄

商品詳細を見る

 最近小説ばかりだったので、他のジャンルが読みたくて借りた本。未だに根強いブーム?となっているグリム童話の裏を読み説く……的な内容に興味津々。以下BOOKデータベースより内容。

人間の魂、自分の心の奥には何があるのか。“こころの専門家”の目であのグリム童話を読むと…。
生と死が、親と子が、父と母が、男と女が、そしてもう一人の自分が、まったく新しい顔を心の内にのぞかせる。
まだまだ未知に満ちた自分の心を知り、いかに自己実現するかをユング心理学でかみくだいた、人生の処方箋。


第一章 魂のおはなし
第二章 グレートマザーとは何か ──トルーデさん
第三章 母親からの心理的自立 ──ヘンゼルとグレーテル
第四章 「怠け」が「創造」をはぐくむ ──ものぐさ三人のむすこ
第五章 影の自立 ──二人兄弟
第六章 思春期には何が起きるか ──いばら姫
第七章 トリックスターのはたらき ──忠臣ヨハネス
第八章 父性原理をめぐって ──黄金の鳥
第九章 男性の心のなかの女性 ──なぞ
第十章 女性の心のなかの男性 ──つぐみの髯の王さま
第十一章 自己実現する人生 ──三枚の鳥の羽


 著者は河合隼雄氏。ご高名ですよね。心理学者であられるそうで。その河合氏が心理学者の目から見たグリム童話を語っていらっしゃって大変面白く読了。
 それぞれ十作のグリム童話を心理学的見地から詳細に解説なさっていて目からウロコの読み方。一番印象的だったのが第三章のヘンゼルとグレーテル。
 あまりにも有名な童話だけれど、実は母親からの自立と、妹であるグレーテルの成長物語として描かれているのだ──という説にちょっと驚きも。
 大体において昔話の母親というのは継母が多いけれど、原典は実母であることはほぼ間違いないらしい。このヘンゼルとグレーテルもはっきり言ってしまうと「子捨て」の話であるから、実母が実子を捨てるというのはあまりにも酷いということで「継母」にすり替えたらしい。

 登場する魔女が実は母親と同一性を持っていて、その母親のダークな面を象徴しているのだとか。最初は泣いてばかりいたグレーテルが、ラストには兄の窮地を救って魔女=継母をパン焼き窯に押し込んでしまう──という強さを持ちあわせることになる……すなわちこの話は成長著しいグレーテルの物語でもあるのだという著者の見解になるほどなと。

 他には第六章のいばら姫。つまりは「眠れる森の美女」。これも姫の思春期の終わりを象徴的に表した物語なのだそうだ。
百年の眠り=死でもあり、それは思春期の終わりを意味し、新たに目覚めた時は少女から女性へと生まれ変わっていた──という。
 さらにはお祝いの宴に招かれなかった仙女=魔女が、物語を進行する上での絶対的に必要な「悪」であるなど、自分ではまったく気付かない点を指摘し、その考察がまた面白い。

 他の章の物語も同様に人間の生と死・男女の役割……などなど、人の一生のおける真実などが暗喩の中に描かれていると知って、童話というのは何と奥深いものなのかと改めて感慨に耽ってしまったり。日本の似たような昔話との対比もかなり興味深かった。
 グリム童話のちょっと違った読み方ができる著作。昔話って奥深いなあとしみじみと思ってしまったのでした。


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