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個別記事の管理2010-05-29 (Sat)

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マノン・レスコー (新潮文庫)マノン・レスコー (新潮文庫)
(2004/06)
アベ・プレヴォー

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 「椿姫」や「カルメン」などの娼婦型ヒロインの原型ともなった作品。以下ウィキよりあらすじ。

騎士デ・グリューは美少女マノンと出会い駆け落ちするが、彼女を愛した男たちは嫉妬や彼女の欲望から破滅していき、デ・グリューも巻き込まれて数々の罪を犯す。彼女はアメリカへ追放処分となり、デ・グリューも彼女に付き添って行くが、アメリカでも彼女をめぐる事件は起き、ついにマノンは寂しい荒野で彼の腕に抱かれて死ぬ。

 「椿姫」が好きで、その影響で以前読んだんですが、今回新訳ということで改めて読み直し。とっても判り易い。
 いいトコのお坊ちゃんが、類稀なる美少女に惚れ込んで破滅してゆくという筋立てと、主人公が他者に語りかける回想録という小説構成も、のちに現れる「椿姫」に大きな影響を与えていることが一目瞭然。当時としてはかなりインパクトある小説だったらしい。

 なんたってヒロインのマノンの人物造形がスゴイ。時代先取り過ぎ! 何食わぬ顔で男を騙して金品・宝石を詐欺ろうとする。罪悪感などこれっぽっちも持ち合わせていない。援交なんてへっちゃら~のまるでイマドキの一部の女子高生のようだ。
 その彼女の恋人であるデ・グリューも完全に骨抜き状態。良心の呵責に苛まれながらも、マノンの強烈な魅力に抗う術なく、次々と悪事に手を染めてゆく過程の心理描写がすんなり理解できて巧すぎる! 
 が、途中、マノンに翻弄され続ける情けなさにかなり苛々し、唯一の真っ当な友人には金銭面で頼りっぱなしだし、そのあまりの軟弱さに怒り爆発することも多々アリ。
 マノンに関わらなければ、地位も名誉も財産もある一生を送れたはずなのに、バカなヤツ! と何度歯がゆく思う反面、なりふり構わず全身全霊を込めてマノンを愛するデ・グリューの純真さ・一途さに胸がアツくなる。

 マノンが願うのは心の、あるいは精神的な貞節(なんか、表現古いな~)。対してデ・グリューが願うのは肉体的な貞節。ここが2人の考え方の決定的な相違。ある意味不変的な男と女の決定的な考えの方の相違とも言えるな~。それが終始噛み合うことなく不協和音をたて、お互いひたすら破滅へと突き進む。

「あんたのような恋なんてどこにだってないし、また、あんたのように深く愛されるということもないんだもの」
 罪を重ね、何もかも失って追放されたアメリカ(当時は未開の地だった)でマノンが発した言葉。

 ここにきてようやくマノンは真実の愛とは何なのかを知り、そしてデ・グリューは死ぬほど欲しかったそのマノンの愛を手に入れる。
 彼がその手に欲した物は、地位でも名誉でも財産でもない、たった一つのマノンの真心。
 ここまで堕ちなければ気付けなかった、二人の愚かな、でもリアルな激しい愛が羨ましくもあり、悲しくもあり。
 破滅型大悲恋。嫌いじゃないです。ていうか、大好きです。


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Theme : ブックレビュー * Genre : 小説・文学 * Category : マノン・レスコー
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