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個別記事の管理2010-07-19 (Mon)

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未来のイヴ (創元ライブラリ)未来のイヴ (創元ライブラリ)
(1996/05)
ヴィリエ・ド・リラダン

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 読もうと思ったきっかけは単純ですがALI PLOJECTの曲タイトルから。以下文庫裏表紙よりあらすじ。

恋人アリシヤのヴィナスのような肉体、輝くばかりの美貌、しかしその魂のあまりの卑俗さに英国青年貴族エワルドは苦悩する。
自殺まで考える彼のために、科学の英雄エディソンはアリシヤの肉体から魂を取り除くことを引き受け、人造人間ハダリーを創造する。


 1886年フランスで発表。アンドロイドという言葉を最初に用いた作品とされてます(作中ではアンドレイード)。
 個人的な感想としては、はっきり言って「奇書」でもあり、「名著」でもあるかなと。今から約120年前に人造人間という概念を打ち立てたこの作者サンの知識と想像力にまず敬服。日本なんかその頃まだ明治時代? 有名な作家って言ったら森鴎外くらい?(違ってたらスミマセン)の時代にこんな近未来的SF小説が生みだされていたことに驚きです。
 作者サンは特に科学の知識が豊富なわけでも、学者だったわけでもない、極貧の貴族だったらしいです。がしかし! 現代にも通じる電気機器、そしてアンドロイド・ハダリーの内部構造等々の恐ろしく精緻な描写には舌を巻かざるを得なかった! 科学知識なんかはリアリティーありすぎ(それが正しいか否かは別として)て読んでいて面白い!

 ただ、小説の内容としてはう~んなトコロ。
 キーパーソンは、当時時代の申し子であったらしい発明王エジソンをモデルにした、エディソン博士。
 まあ、簡単に言ってしまうと、エワルドの理想の恋人がエディソンが創りあげた完璧な女性アンドロイドなんだけど。
 このエワルド、軟弱な自分のことは棚にあげ、生身の恋人に幻滅したとか言って懲りもせず自分に都合のいい恋人がほしいと嘆いている。そこに運よくエディソンも自分の発明品をよし、この機会に試してみるか~的なノリでアンドロイド・ハダリーをエワルドに差し出すワケです。
 その間の2人のやりとりが作中の2/3を占めていますかね。んで出てくるわ出てくるわ、女性蔑視・人種差別的表現がわんさか。時代背景的にしょうがないんですが。ことわりがきもあることだし。とにかくもう、エディソンとエワルド2人で勝手にほざいてなさいッ的な感じです、ホント。
 その2人のやりとりの間に科学的ウンチクが挟まれ、飽きるかと思いきや、これが意外と平気だった。

 加えてハダリー登場の場面がとても素晴らしい。極楽鳥を手にした美しいアンドロイドの出現には思わず息を呑みました。彼女の住まいは地下に造られたエデンの園という設定も凝ってるし。創造主エディソンを信じ、エワルドを信じて彼の許について行こうとするハダリー。この作中において一番人間らしいのが皮肉にもこのハダリーなのではないかと。それゆえ、ラストはあっけなく哀れで切なすぎる。
 理想の恋人と理想の発明品を永遠に失くしたエディソンとエワルドの2人がとても滑稽に思えてしまいましたね。女性をモノのように扱ってはいかんゾ! と神からの天誅が下ったと勝手に解釈しております。

 ウィキによると後のSF作品に多大な影響を与えたとのこと。きっと当時としては早すぎる名作だったんでしょうね。印象的で、まさしく「奇書」と言う名がふさわしい著作だと思います。
 ちなみに、旧訳・旧かなづかいで読むのにちと苦労しましたが、またそれも時代を感じさせてくれてイイ味だしてました。

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Theme : SF小説 * Genre : 本・雑誌 * Category : 未来のイブ
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