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個別記事の管理2010-07-22 (Thu)

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蟹工船 一九二八・三・一五 (岩波文庫)蟹工船 一九二八・三・一五 (岩波文庫)
(2003/06/14)
小林 多喜二

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 ときどきお邪魔させていただいているブロガーさんのところで知った作品です。一時期ブームになっていましたよね。その時はふ~んと、あまり興味無かったんですが、そのブロガーさんのレビューを拝見して読んでみよう! と思いました。以下ウィキよりあらすじ。

カムチャツカの沖で蟹を獲り(北洋漁業)、それを缶詰に加工する蟹工船「博光丸」。そこは、様々な出稼ぎ労働者を安い賃金で酷使し、高価な蟹の缶詰を生産する海上の閉鎖空間であり、彼らは自分達の労働の結果、高価な製品を生み出しているにも関わらず、蟹工船の持ち主である大会社の資本家達に不当に搾取されていた。
情け知らずの監督者である浅川は労働者たちを人間扱いせず、彼らは劣悪な環境の中で懲罰という名の暴力や虐待、過労と病気(脚気)で次々と倒れてゆく。初めのうちは仕方がないと諦める者や現状に慣らされた者もいたが、やがて労働者たちは人間的な待遇を求めて指導者のもと団結し、ストライキに踏み切る。


 冒頭~中盤まではタルかったです。労働者や工船内部の綿密でくどいくらいの描写にちとうんざり気味。視覚的にも嗅覚的にもかなり細かい描写に辟易するも、逆にあんまりリアルだとそれだけ優れた描写なんだ、とも思えるように。
 昔学生だった頃必ず国語か社会の教科書に載っていて、きまり文句は「プロレタリア文学の最高峰!」とかなんとかだったような気がするんですが。プロレタリア=無産階級。労働者と意味が違うのかな? と思いつつ、そのきまり文句に次第に納得してしまう、中盤以降の展開に新鮮な感動が。

 浅川という資本主義の権化ともいうべき工船の監督者が敵役。300人いるといわれる船内の労働者たちに、ほとんど虐待に近い過酷な労働を強いている。その描写が真に迫っているからこそ、後に諦観の念に沈んでいた労働者たちが、次第に浅川に反逆心を滾らせる心情がすんなりと理解できましたね。
 中盤以降はとにかく面白く読めた。過酷な労働条件の改善を迫るべく蟹工船船長以下、浅川に群をなして迫る場面が一つのヤマ場。その労働者の決起が1回で成功するはずの無いところが、巧い。ご都合主義ではないのだ。
 一度火のついた彼ら労働者の強固な意志はくじけることはない。失敗点を再考し、改善を加えて彼らはもう一度立ち上がる。

 ここでは資本主義体制に反乱を起こそうとする労働者(共産主義)達という構図ですが、このハナシを国家的規模で捉えるなら一種の革命でしょうかね? 
 弱者が非情な強者をやりこめる。文体は陰湿、作風も暗く重いですが、そのテーマには胸のすく思いがしました。
 かもめ組サン、ありがとうございました!


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Theme : 考えさせられる本 * Genre : 本・雑誌 * Category : 蟹工船
* Comment : (4) * Trackback : (0) |

NoTitle * by かもめ組
惺さま、こんばんわ~。

本文でメッセージをいただき、リンクまで貼ってくださるとは、
感謝感謝でございます。
前半、チマチマとした描写が続いて、なんだか同じことを
何度も何度も言っているような感覚に捉われますよね。
でも、嘘っぽさや誇張された感じがしないのは、描写力なんだと思います。
私は、浅川は、加害者でも悪でもあり、かつ、浅川なりの立場において、
資本主義という構造の餌食となった被害者でもあると感じました。
みな、それぞれの人生を一生懸命に生きた時代だったんでしょうね。

Re: NoTitle * by 惺
> かもめ組様e-420

>「 私は、浅川は、加害者でも悪でもあり、かつ、浅川なりの立場において、
資本主義という構造の餌食となった被害者でもあると感じました。」 ← 言われてみるとホントにそうです。「帝国日本」の時代ですからね、国全体がどこか歪んでいたんでしょう。
読みづらさを覚悟してたんですが、意外とすんなりイケました。かもめ組サンのレビューでの予備知識のおかげです。過去・現在においての話題作。一読して損はないな~と思いました。
コメントありがとうございました☆ 


* by キヨハラ
私、挫折したことがあります。たぶん複数回。
でも惺さんのレビューを読んで、また挑戦したくなりました。

Re: タイトルなし * by 惺
> キヨハラ様e-398

自分も途中何度放棄しようと思ったことか。特に前半部。
でも頑張って読んだらなかなか面白かったですよ~☆
おお~こう来たか~!! というカンジで。
でも好き嫌いが分かれるかもです。
コメントありがとうございましたe-466

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