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個別記事の管理2010-02-26 (Fri)

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蒲生邸事件 (文春文庫)蒲生邸事件 (文春文庫)
(2000/10)
宮部 みゆき

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 あまりにも有名な第18回日本SF大賞受賞作。SFというよりは歴史ミステリーっぽい感じですが。タイムトラベラーが出てくるからSFなんでしょうか? 自分はハードカバーで読んだのですが、二段組み430ページ弱の大変読み甲斐のある作品です。

 自分的には密室殺人にタイムトラベラーを絡めたミステリーという感想を抱いたのですが、もう一つ、主人公孝史の成長と淡い恋物語の要素もあるかなと。二・二六事件の起こった当時に実際に生きて生活して、知識としてしか存在しなかった歴史を生で感じたことで、新たな自分を知ることとなる孝史の成長が、ムリなく描写されていてさすが宮部みゆき! と思わず唸ってしまいます。冒頭の受験に失敗して自暴自棄になっている孝史と、終章の孝史とではホントに同一人物かよ~と思うほど成長の後が良く分かる。つかの間の恋の相手、ふきの手紙では思わず涙線が緩くなるし~

 伏線の張り方もさすが巧いです。それぞれのキャラクターも適材適所、特に中盤に現れる葛城医師などは巧く孝史探偵の助手役をつとめていたな~と。珠子の拳銃所持の件もムリがない。動機にも違和感無いし。ただ、黒井というキャラクターは必要不可欠とはいえ、ちょっとご都合主義的な感もありましたが……。

 今生きている時代と限りある生を精一杯生きろ~という、作者のメッセージが嫌というほど伝わります。謎解きとSFと歴史と恋愛小説を一度に読み切った、そんなオトク感。宮部作品を読んで思うことですが、読後感がものすごく良いです。必ず一抹の希望、明るい一筋の光を見るような、そんな爽やかさをいつも感じます。巨匠の作品、安心して読めます。
 同時受賞があの「エヴァンゲリオン」だそうだ。おおっ意外だ! おおっ26日にエントリー出来たっ!

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Theme : 読書感想 * Genre : 本・雑誌 * Category : 宮部みゆき
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個別記事の管理2010-02-26 (Fri)

ご訪問ありがとうございます☆

 いつも同じ言葉になってしまいますが、お立ち寄りくださる方、毎回ポチして下さる方、ココロから感謝しております。とても励みになってます

ゴシック&ロリータアンサンブル (INFOREST MOOK)ゴシック&ロリータアンサンブル (INFOREST MOOK)
(2010/02/24)
インフォレスト(ゴシック&ロリータアンサンブル編集部)

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 何気なく立ち寄った書店で雑誌コーナーをふらついていたら、ばばーんっと自分の目に飛び込んできましたッ! 表紙モデルの青木美沙子チャンに魅せられ、ハッと我に返ったら既に購入済みだったという……。

 「本物を求める貴方に送る新ゴスロリマガジン 『ゴシック&ロリータアンサンブル』 がデビュー」 という巻末の言葉通り、なかなか面白かったです。
 「ゴシック&ロリータバイブル」の姉妹誌なのかどうなのかは知らんが、今号が創刊号っぽい。それ故、内容はお腹いっぱい、盛りだくさん!

 「嘆美と華麗なおしゃれ革命はここから始まる」と題した特集は「ゴシック&ロリータ 10YearsAnniversary ブランドヒストリーで辿るゴスロリシーンの過去・現在・未来」☆
掲載ブランドは BABY,THE STARS SHINE BRIGHT☆BLACK PEACE NOW☆Angelic Pretty☆h.NAOTO☆ATELIER-BOZ☆metamorphose temps de fille☆PUTUMAYO☆MAM・MAXICIMAM MA・MAXICIMAM の8ブランド。
 それぞれのブランドのデザイナーさんの話と各年を代表する作品(洋服)が掲載されていて、う~ん興味深い。特に「BABY~」は「下妻物語」で深キョンが着用してたのね~(今さら)とタメになる? 話もアリ。デザイナーさんも男性が多いのにビックリ! あ~んなカワイイお洋服が男性の手から成っていたとは……意外だ。

 他にも「Gothic&Lolita 1年生」☆と題して、いろんなジャンルのロリファッションを紹介。
 ふつ~のロリータスタイル・デコロリスタイル・ゴスロリスタイル・ゴシックスタイル・クラロリ(クラシカルロリータ)スタイル・カジュロリ(カジュアルロリータ)スタイル等々、ロリータと言ってもいろいろなジャンルがあるのだ~と思わず納得。

 これから春休みやGWに向けて一番オモシロく、かつ実用的な記事だったのが「紳士淑女に贈る Gothic&Lolita的名所巡りの旅」! おもわず「るるぶ」か~とツッコミ入れたくなりましたが、いいです! 行きたくなります!
 庭園から美術館、画廊、博物館 → 「人形博物館 マリアの心臓」などという施設が渋谷にあるそうで……。それからおきまりのカフェやレストランなど、すべてゴスロリチック! 思いっきりそそられました。

 極めつけは4月公開、ティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演? の映画「アリス・イン・ワンダーランド」やその関連書籍の情報もアリ☆

 値段的にはちと高いけど、買って損はなかったわ~。別世界にトリップした気になりました。
 ゴスロリにあわせて色文字多用で、ものすごく見づらいです。シュミ悪い、センス無し! ← 充分自覚しております故、ご容赦のほどを。

お知らせ!
 2010年5月25日現在、創刊第2号は発売延期とのことです! 
 発売してないな~と思い、編集部に問い合わせたところ上記の返答を頂きました。
 残念です……ひたすら発売を待ちましょう



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Theme : 雑誌(既刊~新創刊) * Genre : 本・雑誌 * Category : ★雑誌
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個別記事の管理2010-02-23 (Tue)

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街の灯 (文春文庫)街の灯 (文春文庫)
(2006/05)
北村 薫

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 言わずと知れた「ベッキーさんシリーズ」3部作の第1作。3作目の「鷺と雪」が第141回直木賞受賞。
 時は昭和初期。財閥の娘花村英子とそのお抱え女性運転手別宮みつ子が、周囲に起こる大小様々? な事件の謎を解いてゆく……。

 自分の読書遍歴からして、大正から昭和初期にかけての風俗や女学生等々に興味津々なのは既に晒しておりますゆえ、必然的にこの作品にもひとかたならぬ興味を抱いておりました。
 探偵役は財閥令嬢花村英子15歳。その彼女に影のように従う助手役は別宮みつ子。断髪でしかも、制服をきりりと着こなす彼女はあたかも宝塚ばりの男装の麗人の風情。こう聞いちゃあもう読みたくてたまらなくなりますわ~。
 華麗な大活劇を想像してましたが、期待は見事に裏切られました。

 虚栄の市・銀座八丁・街の灯の3編収録。
 「虚栄の市」はベッキーさん華麗なる登場編と申しましょうか。別宮みつ子はこの「虚栄の市」のレベッカ・シャープをモデルにしているのでしょうか? そこらへんの知識があればもっと楽しく読めると思うのですが……いかんせん、本編を読んだことがないのでわかりません。

 「銀座八丁」はなんのことはない、暗号の謎解き話。けれどここで、陸軍大尉との出逢いを通じて謎多きベッキーさんの一面が垣間見られます。武術も得意、さらに拳銃の名手ときて、知識も豊富。英子嬢もますますベッキーさんの魅力に惹かれていきます。そして英子譲が不肖の(失礼!)兄のために、ベッキーさんと共に謎解きに挑戦します。見事成功して無事兄の鼻をあかすのです。

 表題作「街の灯」はチャップリンの名作をモチーフにした、少し本格的な探偵バナシになりつつあります。

 この作品は謎解きに重きを置くのではなく、主にその当時の(その時代の)風俗を知ることに重点を置いて読んだ方が面白いかも、です。なんたって参考文献の多さ! 自分はそっちの方が面白くて読んでしまったほどなので。
 正統派ミステリーですが、あくまでも淡々と静かに話は展開してゆきます。
 ただ、英子嬢、年のわりに落ち着きすぎだ~。14・5歳ってもっと子供だよ~。ベッキーさんも控え目すぎるよ~と思うのはきっと自分だけかなァ? 
 ミステリー部分が少し難解すぎて(自分には。頭の回転鈍なので)、何度も読み返す手間がちとつらかった
 が、とても静謐で上品な作品であることに間違いないです。ときおり現れる含蓄ある言葉やエピソードにずしんとココロ打たれます。


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Theme : 最近読んだ本 * Genre : 本・雑誌 * Category : 北村薫
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個別記事の管理2010-02-23 (Tue)

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La Vita RomanticaLa Vita Romantica
(2010/01/13)
ALI PROJECT

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 ほんっとにシュミでスミマセンッ 自分ご贔屓のアーティスト☆
 上に掲げるは、まったく今さら感アリアリなんですが……知る人ぞ知るユニット、ALI PROJECTの最新アルバムでっす。
 ジャケットを見たまんま、かなりブッ飛んだメインボーカリストの宝野アリカ様です。ゴスロリ界の姐御と申し上げても過言ではありません。片倉三起也氏繰り出す、メタル系・純和風系・ゴスロリ系等々の変幻自在のメロディー、アリカ様の認める独自の世界観を持った詞。この二人の才能が見事融合した音楽はもはやアニソンの枠に止まりませんッ! 充分V系アーティストとしても通用すると思いますね。

 名盤の呼び声高い? 「La Vita Romantica」
 タイトルからしても雰囲気醸し出してる以下全13曲の豪華ラインナップ! お気に入りにコメント入り☆

 逢魔ヶ恋  バラードですッ! 聴かせます。  
 跪いて足をお嘗め やっぱアリプロはこうでなくちゃ♪ 思いっきりS!
 裸々イブ新世紀  アニソンですが、アレンジ凝りすぎ。クラシック投入!
 桃色天国   彼らの真骨頂はこういう系統? この可愛らしさ! 
 最愛なる魔王さま  恐ろしげなタイトルとは違ってラブリーです
 王的血族  オペラかミュージカルか? 映像が脳内に浮かぶぞ!
 暗黒天国    アダルティームード×小悪魔系☆
 戦慄の子供たち アニソン……とは思えないほどのハイクオリティー!
 コヒブミ
 吾君想う故に吾在り生き霊となりて
 輪廻闇妖散華
 コトダマ  タイトルからは連想不可のしっとりとした歌詞に曲!
 地獄の門  アニソンとは思えないほどダークあ~んどハイテンション!

 自分のグダグダレビュー? などではこのユニットの妖しくも猥雑な魅力を充分にお伝えすること出来ません……機会があれば是非ご試聴を。


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Theme : アニソン・キャラソン * Genre : 音楽 * Category : ★音楽
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個別記事の管理2010-02-21 (Sun)

ご訪問ありがとうございます☆
 拍手下さる方、ぽちぽちして下さる方、お立ち寄りくださる方、本当に嬉しく思います。感謝です!

猫背の王子 (集英社文庫)猫背の王子 (集英社文庫)
(2000/11)
中山 可穂

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 まず、この装丁にヤられました。内容にピッタリの、なんとセンス良いカバー。ただ、人前で読むにはブックカバー必携ですが。
 わざわざ自分が書かなくても、あまりにも有名な中山可穂女史の(メジャー)デビュー作。作者の後々の作品のヒロイン達は皆この「王寺ミチル」の遺伝子を受け継いでいると言っても過言ではない、と思う。まあ、「王寺ミチル」は少なからず(殆ど?)作者自身を投影していると自分は思っているので、作品を透かして作者の思想なり嗜好なりが垣間見えて、何とも親近感が湧きますね~。
 とにもかくにもこのヒロイン創造がこの作品の成功した所以でしょう。淫乱で我儘で放埓で情熱的な個性の持ち主。彼女から放つ強烈な輝きが周囲の皆の輝きさえも奪ってゆき、「演劇さえあれば何もいらない」そんな刹那的な考えが皆に理解されるはずもなく、ひとりまたひとりとミチルの許から離れてゆく。特にミチルの長年の相棒であり、良き理解者だったトオルの存在。彼ははっきりと口にしていないけれど、劇団を自分を見放してゆくだろうという、確固たる予感を抱くミチルの疑心暗鬼の描写が巧い。ただ、ミチルの一人称で進むハナシなので、なかなかトオル本人の心情が具体的にわからないのが難点かな。

 劇団を演劇を愛するがゆえ、自分を、そして周囲の人間をも巻き込んで破滅に突き進んでゆくミチルの自己愛の強さ、傲慢さ。これらを作者お得意のエロティック描写にくるんで一気に読ませる手腕はさすがだなと。

天使の骨 (集英社文庫)天使の骨 (集英社文庫)
(2001/08)
中山 可穂

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 「猫背の王子」が破滅へと堕ちてゆく話だとするなら、こちらはズバリ王寺ミチルの再生のハナシ。
 ミチルが自分の死期の近さを天使の行進? に例えるところはな~んてロマンチックなんでしょう、作者様! と思ってしまいました。こういうところセンスあるなあと。「猫背~」でミチルが薔薇の花束で殴られる件とかもそう。
 序盤はもうどうでもいいや~ってカンジですね。真骨頂は中盤、ミチルが傷心の旅と称してヨーロッパ諸国を旅する辺りですかね。これはもう作者の体験・経験がまんま活かされていると思います。ミチルが旅を通してココロの傷を癒してゆく様がゆっくりと丁寧に描かれているので、ある意味ミチル版「熱帯感傷紀行」の様相を呈してます。

 恋に破れ演劇の夢を断たれたミチルを救うのは、旅先で出逢った新しい恋と新たな演劇のパートナー、久美子。う~ん、ここらへんがちょっとうまく出来すぎてないか? とチラッと思ってしまったのだけど。
 破滅と再生。対をなす上質な2作品。王寺ミチルの強烈な個性に魅せられること必至です。

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Theme : お気に入りの本 * Genre : 本・雑誌 * Category : 中山可穂
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薔薇の路は、イバラの路へと続く? * by nao
「猫背の王子」・・王寺ミチルの青春薔薇物語・・堪能しました。
最初のページから早々立ち上ってくる(白)薔薇の濃厚・濃密な香り・・
アタマがクラクラしましたぜ・・しかしこの女ドンファンさん、
暴走ぶりが笑えるものの、傲慢の内に哀しみを圧し込めているらしい様子で、
そこの大きな落差が、この小説(主人公)の最も魅力的なトコでありました。
(話は外れますが「猫背」の表紙!・・一瞬間、その際どさに引きますが、
そこに孕む情動の緊迫感、その硬直した裸身からよく伝わってきて秀逸!)。
もう借りてあるのですが、続編「天使の骨」・・楽しみです。

Re: nao 様☆ * by 惺
こんばんは!
早いですねー、もう読了されたんですね!!
もはやnaoサンはりっぱな中山可穂中毒ですねー。
ミチルのあの破滅的な疾走感はいいですよね。
でもどのヒロインもすべて作者・中山可穂の分身なんですよ~。
作者自身を投影していると、ご自身も認めていらっしゃいますし。
ううむ、なんて魅力的な作家なんだ!!

あのジャケットは素晴らしい!!
良さをわかっていただけて嬉しい。
ただ、電車内ではカバーがないと絶対読めない…(>_<)
作品の魅力を非常に良く表現してますよね。
「天使の骨」は一転して穏やかムードで旅情豊かですよ~。
感想また聞かせてください☆

天使(死神?)がいっぱい * by nao
可穂祭り第三夜は「天使の骨」・・ん!?この鬱々とした語り手は誰じゃ?
うらぶれた斜陽の日々を過ごす、オンナ太宰化したミチル嬢でしたか。
彼女のする海外逃避行、あるいは放浪、または自分探し・かつ再生の旅?
盛りだくさんで、旅先で出会う人々の誰もが魅力的に描写されておりました。
物語の最後に近く「・・あの無垢な清純な生き物は天使の骨をもっている。
(略)・・それを磨くことにわたしの人生のことごとくを費やしてみたい・・」
と、ミチル完全復活!に立会いましたが、この後・・気になりますなぁ。
肉食獣のミチルが、柔和な草食系の久美子さんとうまくやっていけるのか?

ところで、可穂劇場の観劇は少しお休みして、先に香歩庭園巡りの方を集中的に
(「猫背」の次に「西魔女」・・このギャップはキツイです)。

Re: nao 様☆ * by 惺
こんばんは!
>ミチル完全復活!に立会いましたが、この後・・気になりますなぁ。
> 肉食獣のミチルが、柔和な草食系の久美子さんとうまくやっていけるのか?
どうなんでしょうね?
自分的にはこのカップルすぐ別れてしまいそうな…。
あ、でもミチルは癒しを求めているから久美子タイプがいいのかなあ?
…なんて、激しく感情移入してしまいますよねー!

> (「猫背」の次に「西魔女」・・このギャップはキツイです)。
わはは…確かにー!
正統派児童文学ですもんね!
中山作品とはまた違った異質の感動が得られます!!

個別記事の管理2010-02-20 (Sat)

ご訪問ありがとうございます☆

 読書にアニメに音楽にフィギュアスケートにと、四方八方に手を伸ばすこの分裂症気味なブログにいつもぽちしてくださる暖か~いココロの持ち主の方、本当にありがとうございます。そしてお立ち寄りくださった皆様、感謝です☆

 今回はリンクさせていただいているサイト「きっとキミには届かない」の伊織様のレビューを見て、是非とも一読してみようと思った作品です。なんせ、自分の好みばかりのモノだと視野の狭い読書となってしまうので、新しい空気を入れるためにも! と思い至りました。

四日間の奇蹟 (宝島社文庫)四日間の奇蹟 (宝島社文庫)
(2004/01)
浅倉 卓弥

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 第一回「このミス大賞」金賞受賞作とのこと。伊織様のレビューでミステリー色は薄いと書いてあったので、そうなんだ~と思いつつ読んで正解でした。ミステリーだと思っていると、完全に肩透かしを食います。はっきり言ってカテゴリーミスだと思うのですが、コレいわゆるファンタジー系統に入ると思います。どうなんでしょう? 宝島社様?

 ……が、カテミスだろうがなんだろうが、作品自体は素晴らしい出来だと思います。(当時)新人作家とは思えないほど完成度高いです。
 ピアニストにとって命ともいえる指を欠損した敬輔と、天涯孤独でしかも脳に障害のある千織。お互いに共通しているのは底なし沼のような喪失感と虚無感。そしてその二人を補い、奮い立たせる存在として登場する真理子もまた、不妊症と離婚という負の側面を持つ人間。
 最初の邂逅から出口の見えないまるで昏い迷宮を彷徨っているような2人と真理子が決定的に違うのは、彼女の持つ強靭でしなやかな心の強さ。それ故、真理子のまるでイエスキリストのような慈悲深さと自己犠牲が、迷える子羊であった敬輔と千織の魂を、光射す迷宮の出口へと鮮やかに導いてくれたのだ、と、思いました。

 冒頭から事件が起こる中盤までが淡々と進んでいくんだけれど、これがまったく飽きさせない。次は次は? という思いでついついページをめくってしまいます。ここが新人さんにしてはものすごい力量だな、と感じる所以ですね~。
 中でも出色なのがピアノの演奏の描写。というか、音楽表現の描写の巧さと言った方がいいのかな。男性作家らしく硬質で的確で甘くない。もしこの浅倉氏がまったく音楽の知識が皆無で、資料オンリーでこの部分を書いたのなら、ホント、さすが職人芸! と称賛を惜しみませんよ~。

 ただ、解説にも著されていたように「先行作品」との類似が唯一の欠点だそうです。「先行作品」って、「今あいに行きます」とか? ← 違ってたらスミマセン 一時期流行ったいわゆる一連の魂乗り移りモノ作品のこと? 自分はそういった作品まったく読んでなかったんで、それが却ってよかったのかなあ。もしそれらを読んでいたら、なあんだァ、パクリかよ~と思ってしまっていたかも。

 それに肝心な敬輔の真理子に対する想いってどうだったんだろ~と自分はギモンに思ってしまいました。真理子にとって敬輔は忘れられない初恋の相手だけれど、け~すけクンにとっては真理子ってどのような存在だったのかな~ってところが、イマイチ釈然としませんでした。真理子=聖母イメージで描きたかったのかな? 
 まあ、それはともかく、千織というこの作品のカギとなるキャラクターを巧く動かして、さらにその関係は甘くもなく雑でもなくとても良く描けているなあと。加えて2人の明るい未来を感じさせる終わり方がとてもナイスでした。
 
 この作品を知るきっかけとなった伊織様に感謝です☆ それに同著者の「オールド・フレンズ」も期待値大です!


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Theme : 最近読んだ本 * Genre : 本・雑誌 * Category : 浅倉卓弥
* Comment : (2) * Trackback : (1) |

ありがとうございます★ * by 伊織
『四日間の~』読まれたんですね~^^
そして、ブログ上でご紹介までしていただいてありがとうございます!!
TBまで・・・!
私もやり方がわからないなりに試行錯誤しながらTBさせていただきたいと思いますので、しばしお待ちくださいませ・・・^^;

レビューも的確で私が取り逃していたところも書いていただいて読みながら思わずうなってしまいました!
音楽の場面描写は確かに素晴らしかったですよね^^
真理子のマリア説にも私はそんなことすら思わず、スラスラと半ば飛ばし読みの勢いで読んでいたので、新たな発見でした。

この間、『白い薔薇の~』を読み終えたので、また感想を書きたいと思います^^
その際は是非意見をお聞かせくださいませ★


Re: こちらこそ★ * by 惺
> 浅倉卓弥面白かったですッ! 巧いですね~びっくりしました。面白すぎてあっという間に読んでしまいました。自分的に「オールド・フレンズ」がものすごく読みたくなってしまいました。← きっと他の著作もあるだろうに、何故かコレにココロ惹かれる……。

 突然トラバなどして申し訳ありませんでした。コメント残すべきだったんですが、自分、初トラバでドキドキしてたので、コメント残すというココロの余裕がありませんでした……お許しを。

 「トワイライト」すごく興味津々☆ 今日本屋に寄ったら文庫で売っていて買いたくてウズウズしました~。けどお給料日まで我慢ガマン。伊織さんのサイトは自分の読書の参考になります。また寄らせて頂きますねッ☆

個別記事の管理2010-02-20 (Sat)

ご訪問ありがとうございます☆

 オリンピック男子フィギュアスケート、高橋大輔選手見事でしたね。他のどの選手よりもシャープな滑り(スピードが全く違う!)と華麗な表現力(色気ありすぎ)で魅了してくれました。衣装もすごく凝っていたと思います! ケガを乗り越えての銅メダル、ご本人もさぞや感慨深いモノだったでしょう。表彰台での涙をグッとこらえる姿に日本男児を感じましたッ!

 残念だったのが、織田信成選手 あれは無いよな~と愕然・あぜん。もう少しでプログラムが終わるところだったのに~と、無念なのはご本人。でも最後まで滑り切った素晴らしい態度にやかましいくらいの拍手を送ってしまいました。次、ソチで頑張れ~!

 そして小塚崇彦選手はまさかの4回転成功! 着地もキレ~に決まってました。SPの不振が惜しいところですが、オリンピック初出場にして堂々の8位入賞。素晴らしい。さすが3代に渡るサラブレッド! 織田選手と共に是非ともソチで頑張って頂きたいものです。

 なんて、フィギュア話ではないのです。けど、ついつい嬉しくて書きたかったのです

女学校と女学生―教養・たしなみ・モダン文化 (中公新書)女学校と女学生―教養・たしなみ・モダン文化 (中公新書)
(2007/02)
稲垣 恭子

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 興味無い方にはまったくつまらない本かもです。自分は大ッ好きで、こういう本。ついつい買ってしまうんですね。

 序 章  女学生とは  ……  女学生の日記  国語好き  裁縫嫌い  読書・手紙・日記 等々。  
 第一章  文学少女   ……  小説の禁止 不正の読物  少女雑誌と少女小説 『花物語』の世界 等々。 
 第二章  女学生の手紙の世界 ……  手紙のやりとりと親密な関係 エス──ロマンティックな姉妹関係 等。
 第三章  堕落女学生・不良少女・モダンガール …… 堕落する女学生 モダンな誘惑  モガ女学生 等々。 
 第四章  ミッション女学生  …… 明治のミッション女学生 ミッション・ブランド 等々。
 終 章  「軽薄な知」の系譜  ……  女学生亡国論  女学生批判の系譜  戦後の「女学生」 等々。

 なかなか興味をそそる内容のオンパレードです。特に第一・ニ章など、モロ吉屋信子の世界です。それほど当時の女学生さん達に強い影響を与えていたんですねェ。
 女学校進学率の推移、好きな科目・嫌いな科目、ジャンル別に見た読書率、女学生の稽古事……等の図や資料がとても豊富に掲載されていて楽しめます。実際にやりとりしたという女学生の手紙も中原淳一の便せん! とってもレトロかつ思いっきりエスの世界を垣間見られること請け合い。

 いつの時代にも独自の文化を作り上げてしまう女学生さんたちはとってもエネルギッシュで華やかです。今なら茶髪、昔は断髪。女学生のやるコトに眉をひそめる大人もいつの時代も同じ。時代がいくら変わっても、我々人間の考えることや行動はあんま変わんないんだなあと改めて思いました。

 興味ある方にはとっても楽しめる一冊。ま~ったく興味ない方にはスルーした方がいい一冊とでも申しておきましょう。


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Theme : 感想 * Genre : 本・雑誌 * Category : 女学校と女学生
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個別記事の管理2010-02-18 (Thu)

ご訪問ありがとうございます☆

文月に不実の花咲く文月に不実の花咲く
(1997/12)
仁川 高丸

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 装丁がなかなかオシャレです。作品内容も甘酸っぱい胸きゅんきゅんの青春モノ。読了後、年甲斐も無く何だか切なくなってしまってしまった自分です。

 五月雨と淋しさと騒がしさと
 水無月の道行の三日月の
 文月に不実の花咲く
 の3編収録。以下拙いあらすじ。

 15歳のヒロイン瞳は少し大人びていて冷めた少女。両親の不和で家庭に失望しまくっている。そんな瞳の前に現れた転校生良平(あきら)。背が低く、だぼだぼの詰襟を着た良平は転校初日からいきなり瞳に「好きだ」と告白し、慣れ慣れしくまとわりつく。辟易する瞳。なぜなら良平はオンナノコだったからだ……。

 仁川高丸女史、ありきたりの青春ラブストーリー書くわけがない!「微熱狼少女」はビアンを、今回は軽いトランスジェンダーを扱ってます。
 FTM気味の良平のラブラブアタックに最初は完全拒否だったけれど、良平の憎めないキャラクターとその悩みを知るにつれ、無意識の裡に惹かれていく瞳。彼女本人は最後まで頑なに自分の気持ちを認めない、認められない。けれど瞳のことを諦めかけた良平が他に彼女をつくってしまったと知った時、意外にも嫉妬を覚えたことをきっかけに、やっと自分の気持ちに気付いてしまう。けれど時既に遅し。良平はその彼女の許へ帰ってしまうのだ。足掛け4年に渡る2人の関係に終止符が打たれようとする、まさにその別れの夜。最初で最後の二人の身体的・精神的ふれあいの描写がなんとも切なく甘く悲しい。お互い気持は通じ合っているのに、瞳には「女同士」という抵抗が抜けきらないのか、どうしても上手くいかない。良平が彼女をつくったのも、瞳と付き合う時の練習のため。そんな良平のあまりにも打算的で不実で屈折していて、それでも痛いくらいの不器用で一途な想いに、瞳~素直になれよ~と思わず横やりを入れたくなってしまいます。

 仁川高丸女史の作品は他に「キス」・「ソドムとゴモラの混浴」・「こまんたれぶー」を読了したけれど、この作品と「微熱狼~」が抜きん出ているかな。単に自分の好みかも知れないけれど。


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Theme : **本の紹介** * Genre : 本・雑誌 * Category : 仁川高丸
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