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個別記事の管理2010-06-30 (Wed)

ご訪問ありがとうございます☆

光の帝国 常野物語 (集英社文庫)光の帝国 常野物語 (集英社文庫)
(2000/09/20)
恩田 陸

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 初・恩田陸をどの本にしようかな~と迷っていました。遊びに行かせて頂いているブログさん(?)のタイトルを参考にしたりと、う~ん迷っておりました。
 そして、今日いつもの如く書店でフラフラ。視界に飛び込んできた「集英社文庫 ナツイチ2010」フェアのコーナー(地元の書店ではこんなのやっていた)。
 あっけなく決まりました。いつもの如くタイトルに惹かれて即買いです。以下文庫背表紙よりあらすじ。

膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから──「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。
穏やかで知的で、権力の志向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。
彼らは何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか? 不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集。

 作者サンは「ゼナ・ヘンダースンの『ピープル・シリーズ』をイメージして書いた」とのことですが、自分は思いっきり萩尾望都の「ポーの一族」を思い浮かべてしまいました。
 と、するとエドガーはツル先生ですか? と、ツッコミを入れたくなってしまいますが……。
 5つ目の短編「手紙」で、特に前述の作品「グレンスミスの日記」・「ランプトンは語る」を彷彿させるな~と激しく感じてしまいました。

 常人が持ち得ぬ特殊な能力を有し、それを隠しながらひっそりと生き続ける常野一族。短編も時系列はほぼバラバラ。最初のうちは関連性がまったく掴めず、もしかしてまたシリーズものの途中を購入してしまった? と後悔し始めましたが、ちょうど中盤、このハナシの中核を成す作品「光の帝国」を読んでやっと納得。
 戦時中の悲惨で無残なハナシですが、この作品が常野一族を語る原点となっているからハズせない。
 本人の意思にかかわらず、特殊な能力を持った子供達の哀しい末路に、そしてツル先生の無念に目頭が熱くなってしまう。

 一族の生き残りが現代でどのような役割を担ってゆくのか? 今作ではまだまだ紹介部分といったカンジだけれど、今後の展開が楽しみ。
 あと2作あるそうなんで、読んでみるかな~。
 初・恩田陸作品は自分にとってすごく好印象なモノでした。
 コレ、TVドラマにもなってたんですね~。NHKで! 観てみたかったな~。


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 恩田陸
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こんばんは♪ * by 本読み人M
初恩田陸なんですね!
好印象だったようで、なぜか私もうれしいですw

この作品は大好きな一冊なんですが、続きの2作はどうもイマイチで・・・
それがすごく残念ですi-195
(もちろん個人的な感想ですが。水を差すようなこと書いちゃってスミマセン!)

でもでも、とっても幅の広い、かつ独自の世界を持っている作者さんだと思うので、
ぜひまた読んでみてください~!

・・・以上、恩田ファンからの叫びでしたw


Re: こんばんは♪ * by 惺
> M様e-339

> この作品は大好きな一冊なんですが、続きの2作はどうもイマイチで・・・ ← ホントですか? 常野3作中どれにしようか迷ったんだけど、コレにして良かった~☆

もう、面白すぎた! 独特の雰囲気(この作品に限ってかな?)に、ハマりますね。
次作はMサンのレビューにもあった「夜ピクニック」にしようかどうか迷い中ですッ☆
恩田サンは人気ありますね~。作品も多いので読みがいありそうです!

個別記事の管理2010-06-29 (Tue)

ご訪問ありがとうございます☆

バッテリー〈2〉 (角川文庫)バッテリー〈2〉 (角川文庫)
(2004/06)
あさの あつこ

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 アマゾンさん、3巻以降は略です。
 んで、や、やっと読めた……野球少年たちの織りなす青春ド真ん中小説。この爽快感を何と表現すればいいの? 一気読みで感動も倍増! 
 ウワサの小説、ヒット作だけあって読み応えありました。あらすじ端折ります。

 Ⅱからなので、巧と豪の野球部入部・オトムライ登場場面から。このオトムライを始め、洋三じいさん等々オトナの出番が見る見る間に少なくなってゆく。
 作品の中枢を担うのは個性豊かな少年たち。作者サン少年描くの巧いな~と感心。それぞれのキャラクターが適材適所に配置されて、重要な場面で登場。出色なのが、巧と豪のバッテリーに魅せられた永遠のライバル? 門脇と瑞垣。この2人の関係が巧と豪の関係を象徴する二重構造となっているところが素晴らしく巧い。巧と豪の心理がこの2人を映して手に取るように理解させるところに作者サンの手腕を感じました。
 例えば、豪の巧に対する嫉妬と嫌悪の負の感情なんか、まんま瑞垣を通して描写されてるんで、妙に納得してしまいましたね~。

 Ⅲにおける、上級生・下級生に別れての紅白戦は、スリリング! 読んでいながらほんっと息詰まるモノを感じたし!
 Ⅳでちょっとした不協和音の巧と豪がどうやって壁を乗り越えるのかハラハラしたし。
 計算されているのか? 各巻読ませどころというか、クライマックスを備えていて飽くことなく読ませてくれる。

 主人公は言うまでも無く天才ピッチャー原田巧。その彼に魅せられた人々のそれぞれの葛藤・そして彼を取り巻く多彩な登場人物との関わりと成長・個性的な部員を有した新田東中野球部がどうやってまとまっていくのか……などなど、スポ根モノとしても充分読むことができるけれど、自分は何と言っても、サブヒーロー永倉豪の物語として読みました。

 巧との運命的? 出逢いを果たした彼の野球への愛情の再燃と、純粋に巧とバッテリーを組めることの喜びと彼の才能への嫉妬等々。豪の素直で剥き出しの感情がすごくいいと思った。巧という人間を理解しようとし、その距離感を上手く保つために常に自問自答し悩める姿が、はるかに主人公である巧を食ってしまっているような気がしましたね。
 「俺達、ず~っと友達だぜッ!」的なベタなノリではない、乾いた関係に終始しているところも自分的には好み。従来のスポ根モノにありがちな「~大会出場目指すゼ!」的な展開も皆無。あくまでも野球好きな少年達の心理描写重視の内容に、ある意味目からウロコ。

 お互いに依存し合わない、独立した自己を模索してゆく2人の姿にひたすら羨望。
 そしてまるで映像を観ているようなココロ憎いラストにヤられてしまったのでした!


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自分的にポイント高いキャラNO.1は吉貞クンだ~!
あのトークにあさのあつこのコメディエンヌ振りを発見?
爆笑したし。

ほのかにBLっぽいかほりを感じてしまったのですが……そういう読み方もアリ?
あさのあつこの著作は他に「ありふれた風景画」を読んだんだけど、こっちはほんのりGLだし……。
この作者サン結構マイノリティ好きなのかな? と深読みしちゃったよ~☆

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Theme : ブックレビュー * Genre : 本・雑誌 * Category : あさのあつこ
* Comment : (2) * Trackback : (0) |

すごい読書量ですね。 * by まいまい
惺様の見た「バッテリー」
いいですね~。
特に「二重構造」・・のところが納得でした。

この作品って思春期の少年達のちりちりイライラした感じとか
未来が向こう側にある感じとか、プライドとか自己嫌悪とか
全部、手に取るように伝わってくるんですよね。

ワタクシはひねくれ瑞垣君がお好み。
瑞垣君が主人公の番外編もあります。

「船に乗れ!」読み始めました。
まだちょっぴりしか読んでませんが、ほろ苦い感じです。



Re: すごい読書量ですね。 * by 惺
>まいまい様 e-339

自分の読み方ははっきり言って乱読です。これじゃイカンッと思いつつもダメですね~クセになってて。
でも「バッテリー」は1巻、1巻がそんなにブ厚くないので読みやすかったです。というかヒマ人なんですね、実は。
さすが、名作! という感想です。皆それぞれ個性的なキャラで良かったです~。番外編はもしかして「ラスト・イニング」ですか? 読みましたよ~。

「船に乗れ!」自分も近々読んでみます! ほろ苦い感じ……そそられますね~☆
コメントありがとうございました!


個別記事の管理2010-06-27 (Sun)

ご訪問ありがとうございます☆

満洲国のビジュアル・メディア―ポスター・絵はがき・切手満洲国のビジュアル・メディア―ポスター・絵はがき・切手
(2010/05)
貴志 俊彦

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 思いっきりシュミの本なんで、興味無い方は遠慮なくスルー願います。以下BOOKデータベースより内容。

幻想の王道楽土「満洲国」は、いかに自らの存在を国の内外へ認知させようとしたのか。そのメディア戦略の全貌を、記念行事や祝祭用のポスター、絵はがき、切手など豊富な図版で検証。新たな満洲国のイメージを描く。

 まず、とても高価な書籍。値段見てビックリ。しかし、買って損は無かった! ハードカバーで、ページなんかヘタにめくったら指切ってしまいそうなほどの上質紙。しおりが無いのがちと残念ですが、8Pもある鮮明なカラーページに免じて許しましょう(偉そうだ)。

 プロローグから始まって、本文は9章に分かれ、1章終わる毎にgalleryと称した写真や絵ハガキ・切手などの豊富な資料が掲載されてます。そして最後にエピローグがあって……と、とても読みやすい構成。

 今では遥か忘却の彼方となった「満洲国」をビジュアル・メディア的に捉えなおそうという作者の意図に敬服。さらにそのメディアも一般的な物ではなく、「エフェメラル・メディア」=「つかの間だけ用いられる意図で作られ、使われた後はたいていすぐに捨てられ、保存されることもなく、儚く消えてしまう印刷物」に限定している。
 ここで言う、その「エフェメラル・メディア」とは一体何か? というと、満洲国で開催された記念行事や祝祭のときに発行、配布・掲示されたポスター・絵ハガキ・切手・伝単(宣伝ビラ)等のことであり、それら豊富で貴重な資料が詳細な解説とともに掲載されていて、興味深い。貴重な第一級資料集という側面もアリかなと。

 その豊富なビジュアル・メディアもすべて国内外に向けての「満洲国」の宣伝と広報活動のため。
 裏返せば、それほどまでに大量豊富の宣伝活動・メディア展開をしなければならなかったほど、「満洲国」は世界からも「満洲国」内からも認知度は低かったということなのかも。読んでいてほんの少し虚しさを感じました。なんとも複雑です。

 なんにしろ、この書籍。興味ある方には垂涎モノですが、まったく興味無い方にはつまらんな~という代物ですかね。
 かくいう自分は食い入るように読み耽ってしまいました。


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Theme : 新刊・予約 * Genre : 本・雑誌 * Category : ★満州国関連
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わたしも読みました❤ * by Setsuko
私も書店で目にして、衝動買いをしてしまいましたv-8
デザインを勉強している身として、歴史に対する理解が必要なことを気づかされた一冊でしたv-91
この本は、ビジュアルな媒体を羅列しただけのパンフレット書ではなく、すさまじいほどの詳細な解説というか、分析がついているところ魅力なんですねv-216
もっと注目されていいと思うのですけど。私も読み耽ってしまいましたのでv-209

Re: いらっしいませ☆ * by 惺
>Setsuko 様e-398

はじめまして!
自分はこの本、過去記事にコメント下さった方からのご紹介で知ったんです。
ものすごく贅沢な書籍ですよね~。視点が違うというか、今までのこのテの本とはひと味違うゾ! という印象。

「この本は、ビジュアルな媒体を羅列しただけのパンフレット書ではなく、すさまじいほどの詳細な解説というか、分析がついているところ魅力なんですね」
   ← ホントにそのとおりだと思います。的確かつするどい指摘が多々あって、思わず共感してしまうし。
アクセス数もかなりあるので、その筋(どの筋?)では結構メジャーな書籍みたいですよ。
コメントありがとうございました☆ デザインの勉強頑張ってくださいね!

エールをありがとうございます * by Setsuko
デザインと美術の「境界」って、なんでしょうね?v-121
「文化」と「弘報」の間も、微妙~v-82
この本を読んで、自分がやろうとしていることを、もっと深く考える必要があることに気がつきましたv-46
それにしても、「ミス満洲」の逸話は素敵!v-72お話を聞いてみたかったわv-49

Re: エールをありがとうございます * by 惺
Setsuko 様 e-398

> それにしても、「ミス満洲」の逸話は素敵!v-72お話を聞いてみたかったわv-49
  ← ホント~☆ 娘さん達がご存命で、しかも連絡が取れるなんて。ビックリ!
ただ、やはり「ミス満洲」なのにモデルが実は日本人だったという事実が気持ち的にちょっと複雑e-263

自分は満洲国関係興味あるんで、Setsukoサンおススメの書籍などありましたら、是非教えてください!
コメントありがとうございました☆

個別記事の管理2010-06-26 (Sat)

ご訪問ありがとうございます☆

ロミオとジュリエット (新潮文庫)ロミオとジュリエット (新潮文庫)
(1996/12)
シェイクスピア

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 自分が読んだのはコレではなくて、自宅にあったページが変色した古~いモノ。内容同じだから、ま、いいか~と。
 この作品シェイクスピアの完全なる創作だと思っていたんですが、元ネタはギリシア神話とのこと。初めて知りました~。あまりにも有名な話ですが、ウィキよりあらすじ。

舞台は14世紀のイタリアの都市ヴェローナ。そこではモンタギュー家とキャピュレット家が、血で血を洗う抗争を繰り返している。
モンタギュー家の一人息子ロミオは、ロザラインへの片思いに苦しんでいる。気晴らしにと、友人達とキャピュレット家のパーティに忍び込んだロミオは、キャピュレット家の一人娘ジュリエットに出会い、たちまち二人は恋におちる。二人は修道僧ロレンスの元で秘かに結婚。ロレンスは二人の結婚が両家の争いに終止符を打つきっかけになる事を期待する。
しかし、その直後、ロミオは友人と共に街頭での争いに巻き込まれ、親友・マキューシオを殺された仕返しにキャピュレット夫人の甥ティボルトを殺してしまう。ヴェローナの大公エスカラスは、ロミオを追放の罪に処する。一方、キャピュレットは悲しみにくれるジュリエットに大公の親戚のパリスと結婚する事を命じる。
ジュリエットに助けを求められたロレンスは、彼女をロミオに添わせるべく、仮死の毒を使った計略を立てる。しかし、この計画は追放されていたロミオにうまく伝わらなかった。そのため、ジュリエットが死んだと思ったロミオは彼女の墓で毒を飲んで死に、その直後に仮死状態から目覚めたジュリエットもロミオの短剣で後を追う。事の真相を知り悲嘆に暮れる両家は、ついに和解する。


 映画やミュージカル等々いろいろなメディアに登場する作品なんで、一度きちんとオリジナルを読んでおこうと思い立ったところ……小説ではないんですよね。あくまで戯曲。
ト書きや役名が記載されているんですよ~。まるで脚本のようでかなり違和感ありましたが、慣れたらやっぱり面白くて作品世界に引き込まれる!
 全5幕。ページ数にして190ページちょっとの短い戯曲なんだけど、聞いたことのある有名なセリフ(ちとキザっちい)がたくさん散りばめられてます。
 小説ではないのでなかなか感情移入し難いんだけど、終盤、ロミオとジュリエットを失った、モンタギュー家とキャピュレット家を諌めるエスカラス太守の言葉が印象的。

ロミオとジュリエット [DVD]ロミオとジュリエット [DVD]
(2006/04/21)
オリビア・ハッセーレナード・ホワイティング

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 ディカプリオ観てないんで自分的にはこっち。
 レナード・ホワイティングとオリビア・ハッセーのコンビがベスト! ニーノ・ロータの音楽もピッタリだったし。主演のお2人、当時10代半ばだったとのこと……う~ん、早熟サン!
 美形2人の演技が初々しくて瑞々しくてオリジナルに忠実で、何度観ても泣けます。

ロミオ×ジュリエット -1- [DVD]ロミオ×ジュリエット -1- [DVD]
(2007/07/27)
吉田玲子; 原田大基

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 ちとマイナーですかね。何年か前に放送されていた深夜アニメ。もちろんタイトルに惹かれて何度か視聴。
 作画も脚本もなかなかレベル高かったです。空中浮遊大陸ネオ・ヴェローナを舞台にして、オリジナルの世界観をベースにした作品。
 ジュリエットが男装して大活躍するのだ!

 他にも宝塚でも演るらしいし。フランスでヒットしたミュージカルを宝塚星組が日本初公演とのこと。う~ん面白そうだよ~。観に行きたいけど関西圏……行けないし……残念ながら諦めます。


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Theme : 海外小説・翻訳本 * Genre : 小説・文学 * Category : シェイクスピア
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個別記事の管理2010-06-25 (Fri)

ご訪問ありがとうございます☆

テンペスト  上 若夏の巻テンペスト 上 若夏の巻
(2008/08/28)
池上 永一

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テンペスト 下 花風の巻テンペスト 下 花風の巻
(2008/08/28)
池上 永一

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 タイトルはシェイクスピアの作品にちなんでいるとか。以前、職場の先輩に「面白いよ~」言われて借りたモノ。以下ウィキよりあらすじ。

誰よりも聡明な少女・真鶴は、女であるというだけで学問を修められないことを不公平に思っていた。跡継ぎと目されていた兄の失踪を機に、宦官・孫寧温と名乗り、性を偽って生きていくことを誓う。
科試に合格した寧温は、王府の役人として、降りかかる難題を次々と解決し、最速の出世を遂げていく。
そんな寧温を阻む、数々の敵。遂に謀反人として八重山に流刑にされた寧温は真鶴に戻り、九死に一生を得る。その類稀なる美貌と才覚を見初められ、自分の意思とは裏腹に王の側室として王宮へ返り咲くこととなる。
平穏な生活はペリーの来航により風雲急を告げる。外交に長けた人物として、八重山にいる(と思われている)孫寧温に王府へ戻るよう王命が下る。昼間は宦官の役人、夜は側室と、真鶴は一人二役をこなさなければならなくなってしまう。
薩摩と清国、2つの国の狭間で揺れる琉球に近代化の波が押し寄せる。

 上巻がなんてったって面白い! 天才的な頭脳を持つヒロイン真鶴が、自らの性を偽って王府に入り、持ち得る才能を駆使してあれよあれよという間に出世してゆくところが痛快! 次々と降りかかる難題・試練を理性と知性でクリアしていくところなんか、一種のゲーム感覚で楽しめる。そして、性別を偽っているというのもスリリングで、それゆえ恋に落ちた時のヒロインの葛藤もよくわかるし。作者サンなかなか巧いな~と思ってしまう。

 そして何といっても素晴らしいのが、琉球文化・風俗の描写。豪華絢爛な王府の描写は目が眩むようだし、作中に出てくる科試の難解さには舌を巻く。随所に挿入されている琉歌も気品高くて効果的!
 そして沖縄出身という作者サンの、今は亡き琉球王国への深い造詣と愛情が行間から余すところなく溢れていて、どっぷりと作品世界に浸ってしまう。

 上巻は男装篇と言えばいいのか。真鶴(寧温)が陰謀に堕ちて八重山に流刑となるまで。
 下巻はいわゆる女性篇。本来の性、真鶴となって再び王府に返り咲き王の側室となって琉球の終焉を迎えるまで。
 自分の好みとしては上巻がベスト。下巻はう~ん、やっぱご都合主義が気になるかな。真鶴の親友として登場するキャラ真美那が突き抜けすぎててイイ味出してます。
 上下巻合わせて登場人物は一体何人になるのやら? でも皆個性的で生き生きしていて書き分けが素晴らしいです。

 嵐の夜に生を享けた真鶴は数奇な運命を琉球と共にし、最後は愛する人と結ばれ、新しい時代を生きてゆくという清々しいラストに素直に感動。
 歴史に飲み込まれた琉球王国の壮大な一大叙事詩といったところでしょうか。

 ウィキによると、2011年に仲間由紀恵主演で舞台化されるそうだ。う~ん、彼女も沖縄出身だし、なかなかナイスなキャスティングかも。


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Theme : 図書館で借りた本 * Genre : 本・雑誌 * Category : 池上永一
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NoTitle * by -
おもしろそうですね。
いつか文庫化したら読んでみたいです。
わたしは同じ作者さんの「シャングリ・ラ」を読んだ事がありますが、とてもおもしろかったですよ^^

Re: いらっしゃいませ☆ * by 惺
> はじめまして!

上下巻2段組みで各430ページづつ……とっても読むのに時間がかかりましたが、読み応え充分で、うん、面白かったです!
ホント文庫で読んだほうがおトクかもです。お値段的にも! 図書館で借りてもいいんですが、未だに人気なのでちょっと待たされるし……。
「シャングリ・ラ」もかなり話題になったそうですね。興味津々なので読んでみたいです☆
あ、それとせっかくなので、今度ぜひお名前を教えてくださ~い!
情報ありがとうございました。またお越しくださいね~☆

私もテンペスト! * by 伊織
こんにちは~!

私もテンペスト上下頑張って読みましたよ~(泣)
もう、読み終わるころにはヘトヘトでしたもん(-Ⅱ-;)
勢いで読ませられてしまうんですが、そえ故に余計引きずられて疲れてしまったという…

琉球文化を描いたお話って初めて読んだので、すごく興味深かったし、自分にも関わりある土地(行ったこともないんですが…)だったので、その華麗さにはウットリでしたけども★

自分、記事自体をUPするのを迷ってました(´∀`;A
今もちょっぴり迷っております・・・。

Re: 私もテンペスト! * by 惺
> 伊織様 e-398

おおおッ読みましたか! ものすごく時間かかるよね、この本。厚さがハンパない。上巻はスラスラ読めたけど、下巻は正直疲れました……。
でも、初ジャンル? だったんで面白く読めた!
伊織サンも記事UPしましょうよ~!
真っ先に読みに行きますよん☆

個別記事の管理2010-06-24 (Thu)

ご訪問ありがとうございます☆

1Q84 BOOK 31Q84 BOOK 3
(2010/04/16)
村上 春樹

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 う~ん これがベストセラーなの? どうしてこんなにこのシリーズが騒がれるの? もっと世には面白い小説いっぱいあるじゃん! 村上春樹というブランドだから売れてるの? 自分の読解力がないの? どなたか自分にこの作品の魅力を教えて~!! というのが読了後の素直な感想。

 カテゴリーはSFなんでしょうか? 明らかに単純なパラレルワールドものとして読んでOK? 次から次へと脳裏に浮かんでは消える疑問の数々。
 天吾と青豆の感動の再会のハズなんだけど、ちっとも感動しないどころか、へ? 何コレ? とあまりにもひねりのない再会場面に若干引いてしまう。それにしても牛河サンの登場場面がやたら(というかほとんど)多いのは何か意味が……? 探偵ばりに天吾と青豆を追跡する牛河サンなんですが、その描写もハラハラドキドキの緊迫感を期待するのは到底ムリな話。

 青豆の突然の妊娠なんて……あまりにも説得力無さ過ぎて……しかもどうして天吾の子供だと言い切れるの? 処女懐胎という神聖なイメージで描きたかったのかも知れないが、ここまで荒唐無稽だと口をあ~んぐりと開けてひたすら茫然とするしかなかったです。

 別に村上春樹がキライなわけじゃないんです。偉そうに好きキライ論じるほどこの作者サンの作品読んでいないので。
 ただ、ベストセラーというのでものすごく期待して読んだんですが……正直ブッ飛びました。ファンの人いたらごめんなさい。

 純愛という部分では、まあアリですかね……。20年間も一途に一人のヒトを想いつづけて、その想いを成就するのは並大抵のコトではありません。
 天吾と青豆、再会出来て良かったねッと素直に祝福してあげたいです。

 ふかえりちゃんとか、リトルピープルとか、皆どこにいっちゃったの? と意地悪なコトは訊きません。でも一番コワかったのは、NHKの集金人でした。あれ、マジ恐ろしかった!
 自分的な感想としては、SF・エンタメ・ちょっとミステリー絡んだ壮大な純愛小説というところでしょうか。
 脈絡無いレビューでスミマセン……が、ある意味とても衝撃的でツッコミどころ満載の小説でした。


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Theme : 売れてる本 * Genre : 本・雑誌 * Category : 村上春樹
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NoTitle * by まいまい
ワタクシのお友達も同じこと言ってました。でじゃぶかと思った。人気出過ぎで肩すかし感ありますよね。

でもって、「このお話はまだ終わっていない」に一票投じます。

ご指摘のようにリトルピープルはどうなったの?牛河発(?)の空気さなぎが存在しますよね。牛河って別の作品にも登場する名物キャラなんです。ただ死んで終わりなんてありえな~い。(と、思う。)だいたい青豆が必死で守っている赤ん坊は何物?あれにはふかえりもリーダーも深く関わっているんです。月が一つの世界に戻ってきたなんて安心してていいんですか、皆さん!!だいたいbook3は10月から12月、まだ四季は巡っていません。

絶対あと1冊あると思うんだけどなあ。なかったらこの作品は一から読み直しです。「Q」=「謎」がこの作品の楽しみだと思います。

Re: NoTitle * by 惺
>まいまい様e-339

牛河が村上作品の名物キャラとは知りませんでした。いやいやビックリ!
なんか中途半端な終わり方で……好評だったら続刊、不評だったら終了みたいな、微かなズルさを感じてしまいました。
作者の中で収拾つかなくなったのかなあ?
まいまいさんのおっしゃる通り、1年一巡してないので、続刊アリかな? とは思ってはいるんですが……でももうちょっと内容整理した方が……なんて偉そうに言えませんが。

「Q」=「謎」
なんて素晴らしい見解! 全然思いつかなかった!
次回作あるとしたら、誰もが納得するストーリーにしてほしいなあ。

コメントありがとうございました!

国境の南、太陽の西 * by 読書系女子
村上春樹作品に「国境の南、太陽の西」ってのがあるのですが、ご存知ですか?

これも小学生の時好きだった女の子と再開して…というストーリー。
これが私には好きになれない小説で、それ以来村上春樹を避けていたのですが、
1Q84は結構いいと思いました。

荒唐無稽ですが、リアルに書かれると私的には読めたものではなかったので、むしろ完全に理解不能な設定のほうが好きです☆

青豆さん・あゆみさんのような、強い女性が出てくるのもGOOD。
子ども向けアニメの世界でもプリキュアとか強い女の子が人気の時代ですし☆☆

ただ、私はBOOK3でもう満足しちゃったかな。。。

Re: 国境の南、太陽の西 * by 惺
>読書系女子様 e-398

> 村上春樹作品に「国境の南、太陽の西」ってのがあるのですが、ご存知ですか?
> これも小学生の時好きだった女の子と再開して…というストーリー。
 ← この作品は知らないです。村上作品は「ノルウェイ~」とこの「1Q84」しか読んでないんですよ~。

なかなか、賛否両論ある作品みたいですよね。この本を貸してくれた友人はとっても良かったよ~と、賛成派。かといって職場の先輩はう~ん…というイマイチ派。
自分もベストセラーと思ってものすごく期待しすぎていたせいかもしれない。ちょっと残念e-263というのが、素直な感想ですかね。
続刊はどうなんでしょう? 予測不能! あのままハッピーエンドでいいような、残った謎?をもっと解明して欲しいような。複雑な読後感。
それにしても、こうやって賛否両論あるにせよ、一種の社会現象(ちとオーバーかな?)となった話題作を生みだした村上春樹はやはり大御所だな~と、つくづく思ってしまいました。

コメントありがとうございました!

個別記事の管理2010-06-23 (Wed)

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花伽藍 (角川文庫)花伽藍 (角川文庫)
(2010/05/25)
中山 可穂

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 先日例の如く書店をフラフラしていたら、突然視界に飛び込んできたこの本。おお~中山可穂! 素敵な表紙!(切り絵だそうです)  しかも文庫でおトクなお値段! もちろん即買いでした。以下文庫背表紙よりあらすじ。

夏祭りの夜の出会いから別れまでの濃密な恋の顛末を描いた「鶴」、失恋したばかりの一夜の出来事「七夕」、離婚した夫が転がり込んできたことから始まる再生の物語「花伽藍」、恋人とともに飼い猫まで去られてしまった「偽アマント」、未来への祈りを託した「燦雨」。
結婚という制度から除外された恋愛の自由と歓び、それにともなう孤独を鮮烈に描いた、彩り豊かな短編集。


 こなれてるな~というのが読了後の素直な感想。今までの中山可穂の激しさをかろうじてとどめているのは、最初の「鶴」だけ。あとの4作は手を変え品を変えの変化球! いつものように作品世界に引き込まれて一気に読んでしまいました。
 今作の特色は、男性がたくさん描かれているということ。しかも従来の徹底的な悪役という型どおりの人物造形ではなく、ホントに普通のイイヤツ系男性から情けな~い中年男性、イケメンの爽やか系、などなどバラエティに富んでいて、やられたッ! と心の中で唸りました。

 特に巧いなあと思ったのが、「花伽藍」に登場するヒロインの別れたダンナであるヒロシ。バリバリ関西弁を使い、吉本お笑い系キャラ。作者サンの作品の中で未だかつてお目にかかったことの無い、こんな個性的男性キャラも描けるんだ~と目からウロコ状態で食い入るように読み耽る。
 「七夕」では失恋した(もちろん女に)ヒロインを優しくなだめる孝太郎の存在が秀逸。傷心の時、こんなオトコいたらいいな~と思わせてしまう、ある意味理想的な人物造形。そして「燦雨」では介護ヘルパーとして登場するおネエ言葉を話すイマドキ青年のマルちゃん。
 登場する男性キャラがみんな魅力的で作品に奥行きをもたせていて、今までの中山可穂とはひと味もふた味も違う!

 5篇中一番しんみりした話はラストの「燦雨」。老女二人の愛と死を描いたこの短編は、認知症と老人介護という大きく、重いテーマを盛り込んでいて考えさせられた。
 いつものあの、激しすぎて読むのがしんどい、という読後感はまったくなし。却ってしっとりとした穏やかな気分になってしまったのは何故なんだろ?
 ビアンという根幹テーマは変わらずに、それでも万華鏡のように様々な作品を魅せてくれる中山可穂。
 残すはあと1作「悲歌」だ~! あ、まだ「弱法師」があるか。


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個別記事の管理2010-06-22 (Tue)

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暗黒童話 (集英社文庫)暗黒童話 (集英社文庫)
(2004/05/20)
乙一

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 久しぶりに乙一作品。コワくてキモかったけど、感動しました。
 いつもお邪魔させていただいている「きっとキミには届かない」の伊織サンのブログで知った作品です。いつもありがとうございます!
 以下文庫背表紙よりあらすじ。

突然の事故で記憶と左眼を失ってしまった女子高生の「私」。
臓器移植手術で死者の眼球の提供を受けたのだが、やがてその左眼は様々な映像を脳裏に再生し始める。それは眼が見てきた風景の記憶だった……。
私は、その眼球の記憶に導かれて、提供者が生前住んでいた町をめざして旅に出る。悪夢のような事件が待ち構えているとも知らずに……。


 「GOTH」に負けず劣らず(いや、GOTH以上かもしれない)グロさ突き抜けた作品でした。が、グロいだけではなく、ちゃんと少女の成長も描いていてなかなか読みごたえがあったのです。
 この作品を一言で表すなら、いわゆる眼球譚とでも言うのでしょうか?  挿入される童話も眼球にまつわるエピソードで、この1作だけ独立してもいいんじゃないかと思うくらいブラックユーモア溢れる一品でした。それにコレもちゃ~んと本編の伏線となっているところが、心憎い!

 移植された眼球が元の持ち主の記憶を映し出すというのも、ありがちといえばありがち設定ですが。けれどそこは乙一氏、きちんとミステリーを解くカギとして使っているのがさすが巧いなと。それも2転・3転させて、読み手(単純な自分)を相当揺すぶって、結局意外な人物が犯人という……ちょっと複雑すぎ&辻褄合わせすぎ感アリアリなんですが、何気に伏線張ってあるので納得してしまう。

 この作品のジャンルとしてはきっとミステリーかホラーにカテゴライズされるんだろうけど、それ以上に自分はヒロイン「私」の成長モノとして読めました。
 不慮の事故で左眼と記憶を失くした彼女。左眼は移植して取り戻したけれど、記憶はなかなか復元しない。自信に充ち溢れた以前の自分とはまるで正反対の劣等感に苛まれた自分。そのことを彼女自身だけでなく、周囲の人間からも強烈に思い知らされ、次第に居場所を失くしてゆく。
 「私」にとって猟奇殺人の犯人を見つけることは、間接的にとは言え現在の自分を受け入れること、自分自身を認めることに等しい。だからこそ彼女はどんな苦境に立たされても逃げずに、犯人を追いつめてゆく。

 挿入の童話がブラックユーモアだったので本編も同じかな~と思っていたら、違いました。ラストは救いがありました。
 本来の自分を取り戻した「私」の、記憶を失くしていたかつての自分に送る最後の言葉がとっても力強くて印象的。
 乙一作品。ともすればコワさグロさに敬遠しがちだけれど、その中にも少年少女の成長(歪んだモノもあるけどね~)が、ほんの瞬間、垣間見ることが出来て自分は結構好きです。


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Theme : ホラー * Genre : 本・雑誌 * Category : 乙一
* Comment : (2) * Trackback : (1) |

暗黒童話だ~★ * by 伊織
こんにちは!
「暗黒童話」、読まれたんですね~。名前まで乗っけていただいて、いつもながらありがとうございます(人´∀`)

「暗黒童話」お気に召していただいたようで・・・♪
惺さんも「彼女」と「私」の成長モノとして捉えられたんですね~いっしょだぁ!
ただ、私の場合は本編よりも挿話のほうに衝撃を受けてしまったので、残念ながら「本編よりも挿話を読ませてよ!」って感じで読み進んでしまったので、ミステリー部分としてはあまり楽しめませんでした(汗)

ちょっと時間的にも気持ち的にも余裕があるときにでも再読して、今度はじっくり本編も味わいたいデス

Re: 暗黒童話だ~★ * by 惺
>伊織様e-339

予想してたのよりずっと面白かったです~☆
グロかったですけどね。でもラストの「私」の力強い成長でチャラかな、と。
乙一サン、ただコワいグロいだけじゃなくて、なんか感動するモノがあるんで好きだな~。
こちらこそいつもありがとうございます!
TBも嬉しいですッ☆

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