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個別記事の管理2010-09-07 (Tue)

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阿片王―満州の夜と霧 (新潮文庫)阿片王―満州の夜と霧 (新潮文庫)
(2008/07/29)
佐野 眞一

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 ノンフィクションです。以下文庫裏表紙よりあらすじ。

アヘンを制するものは支那を制す。
中国人民の尊厳と国力を奪うアヘン密売の総元締めとして、満洲における莫大な闇利権を一手に差配し、関東軍から国民党までの信を得た怪傑・里見甫。
時代の狂気そのままの暴走を重ね、「阿片王」の名をほしいままにしたその生涯を克明に掘り起こし、「王道楽土」の最深部にうごめく闇紳士たちの欲望劇のなかに描き出す、構想十年、著者の最高傑作!


 期待して読み始めたわりには肩すかしをくらった感じです。満洲国を扱ったテーマであり、重厚そうな内容だったので興味を惹いて購入したのだけど……う~ん、借りればよかったかな? の印象。ちと後悔です。

 「里見甫という満洲における阿片密売に関わった一人のフィクサーの実像を露わにする」というテーマ。
 けれど、ノンフィクションというわりには、なんか小説っぽい展開で。しかもミステリー仕立ての。著者が探偵役となって、謎めいた里見甫の生涯を入手した資料を基に国内外を縦横無尽に駆け回り、追い求めるという……。
 かなり真実、というか殆ど真実が語られているのだろうけれど、どうもウソ臭い感が否めず。里見甫という人物に対する執着と綿密な調査とその結果の提示には感心するのですが。

 ただ、終盤からは里見甫の片腕となり男装の麗人と噂された「梅村淳」という女性の生涯を追うことに終始。もともとのテーマがぶれてしまって、読み進めるのが正直辛かった。
 結局里見甫と梅村の関係を突き止めることが出来ずに、著者の推論で完結させてしまうあたりに脱力。何の関係も無いと思われるラストエンペラー溥儀まで登場させたりして、う~ん、何だかな~、無理があるぞ~の印象。

 満洲の阿片王と謳われた里見甫とは一体どのような人物だったのか? 
 自分の読解力が無いのか、はっきり言ってよくわかりませんでした。従来伝えられてきた人物像を覆すような発見もなく、ただ旧知の人物や親類関係を調査したのみ、という残念な幕引きでした。

 続編らしきものに、今度は甘粕正彦をテーマにした著作があるらしいのですが、手を伸ばすのに躊躇してしまいますね。消化不良の感が否めない1冊でした。


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Theme : ノンフィクション * Genre : 本・雑誌 * Category : ★満州国関連
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