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思い出を切りぬくとき (河出文庫)思い出を切りぬくとき (河出文庫)
(2009/11/04)
萩尾 望都

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 ジャケ画で迷わず購入してしまった。萩尾望都サンってかなりエッセイを書いていらっしゃるのね。ビックリしました。以下文庫裏表紙より内容。

萩尾望都、漫画家生活40周年記念! 20代の頃の貴重なエッセイ27本を収録。
──例えば20年前の日記を読みかえした時、自分の青臭さに、てれるでしょう。
実に私もそうで、若いというか物知らずというか幼いというかピリピリイライラしてるというか、困ったものです。
四畳半と六畳の二間の下宿に住んで、黙々とマンガを描く日々でした。(「まえがき」より)

①のちの想いに
②風をおどるひと
③初めてのものに
あとがき


 かなり面白かった! 20代後半に発表されたエッセイとのことだけど、文章巧すぎてとても20代の人間が書いたようには思えない。
 読了した印象では、やはり頭がいいな、頭の回転が速いなあということ。文章が巧いというのもただ単に技術的に巧いのではなくて(それも含んでいるけれど)、わかりやすくて面白いということ。今まで読了したエッセイ等はどちらかというと硬い印象だったのだけど、今回はものすごくサバけていて親しみやすい。編集者との内輪話的なものや、トーマの心臓誕生秘話とか、ミステリー描くのが実は苦手とか、キャラに名前つけるのも実は苦手とか(笑)、爆笑モノのテーマがずらりと並んでいて大満足!

①のちの想いに
 まあ、いろいろな秘話がメイン。
 前述したトーマの心臓誕生にまつわる苦労話とか。なかなか人気でなくてかなり苦戦したトーマ。
 ミステリーを描くにあたっての構成秘話。萩尾センセ、ミステリーに関してかなり勉強されてます。どう構成したらミステリー作品として成り立つのか。多角的に分析していてさすがの創作者! と尊敬。
 さらに、日本語についての論述が。題して「日本語は論理的なのか」というものすごく真面目そうなタイトル&内容。
 自称直感型人間の萩尾センセが、他人との対話がどうしてうまくいかないのか詳細に分析。あらゆる書物を読んで研究しているところがね、既に直感型人間とは言えないような気がするのだけど。充分論理型人間だと思いましたね。疑問に感じたことを徹底的に調べ上げるその根性が素晴らしい。
②風をおどるひと
 萩尾センセお気に入りのモノ・人などについてあれこれ。
 当時モーリス・ベジャールがお好きだったようで。この方の作品に対する想いがアツく語られてます。バレエから能まで。その多趣味さにさすがだなと。
③初めてのものに
 お気に入りのモノについてのあれこれ。萩尾センセの趣味などが垣間見られてなかなかおいしい章でした。
 かなりな酒豪らしく、そのことにまつわるエピソードも結構爆笑モノ。作品のネタに「酒」を使う時には必ず呑んでから! と誓い?をたてられているのには驚き。そのせいで酒豪になってしまったとか。他にも紅茶・コーヒー・ピカソ美術館等々にまつわる秘話が満載!

 ご家族の話題があったのもなかなか興味深かった。特にすぐ上のお姉さまに関するエピソードがね、超絶笑った。
 作品の神秘性とご本人のざっくばらんさのギャップがまた良いのだけれどね。文章もマンガも読ませる萩尾望都。やはり比類ない才能をお持ちなのだわと感心して読了しました。美麗イラスト&内輪ギャグマンガも読めて、一粒で二度美味しい1冊でした!


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 萩尾望都
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