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個別記事の管理2012-12-25 (Tue)
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赤い高粱 (岩波現代文庫)赤い高粱 (岩波現代文庫)
(2003/12/17)
莫言

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 先日発表になったノーベル文学賞受賞作家・莫言氏の作品。映画「紅いコーリャン」は知っていたんですが、この方の作品とはまったく知らず。興味津々で読了。以下BOOKデータベースより内容。

婚礼の輿が一つ,赤に染まる高粱畑の道を往く.輿に揺られる美しい纏足を持った少女.汗に濡れ輿を担ぐ逞しい青年.
中国山東省高密県東北郷.日本軍が蛮勇を振るうこの地を舞台に,血と土,酒に彩られた一族の数奇な物語が始まる.
その名「言う莫れ」を一躍世界に知らしめた,現代中国文学の旗手の代表作.

 これはツライです。日本人として読むとかなりシビアで辛すぎました。あ、あくまで個人的感想(&見解)ですが。
 高密県という中国の山村を舞台に繰り広げられるとある酒造家一族の物語。
 語り手は「わたし」。その「わたし」が語る父と祖父母の激しい生きざま。
 時代が1930年代でわたしの回想形式というもの。日中戦争まっただなかであるがゆえに必然と日本は悪役。多少の誇張があるとしても当時の日本軍の仕打ちがあくまで残虐に容赦なく描かれている。
 だけど、共産党のプロパガンダとか日本批判に主眼を置いたストーリーではないのが救いと言えば救いかも。
 主役はあくまで「人間」。特に自然、ここでは高粱に例えられているけれど、それと共に生きる素朴で強靭な人々。

 「わたし」の祖母である酒造小屋の女主人・戴鳳蓮とその夫・余占鰲。この二人の激しい恋愛、特に戴鳳蓮の、当時の古い慣習から逃れようとする何物にもとらわれない自由で強い生き方・自立を描いた物語なのだと実感。 名もない農民から抗日ゲリラ、そして「わたし」に代表される子供に至るまで、彼等が持つ何者にも(日本人にも)屈しない「矜持」が眩しく素晴らしい。
 子供である「わたし」の純粋な目を通して語られる戦争・自然・両親の愛情は何の装飾もないありのままの姿。 残酷さも美しさもなにもかもすべて。それゆえストレートに自分の心に訴えかけてくるのが辛くもあり感動的でもあり。

 全編通して描かれるのは赤く豊穣と存在する高粱畑。
 それはそこに生きる人々にとって神にも等しい存在なのだと自分的に思った。戦争も愛情も人々の日常も超然として見守る自然の神。
 その姿に人々は癒され、心の拠り所とする。その高粱畑の描写が最後までとても印象的だった。

わが故郷に果てしなく広がる、まっ赤な高粱の畑をさまよう雄々しい魂と非業の死をとげた魂とに、本書をもって謹んで呼びかける。
わたしはあなた方の不甲斐ない子孫だ。わたしは、醤油に漬かりきった心をとり出して、切りきざみ、三つの碗に持って高粱の畑に供えよう。
霊魂よ、願わくばわが供物をば受けられよ!

 この引用した冒頭の言葉にでてくる「醤油」というのが日本の暗喩なのかと思って読むとかなり辛いし複雑。本当は違うのかも知れないけれど、自分はそう読んでしまった。
 土着的な雰囲気溢れる、人間賛歌であると解釈して読了。心に沁みた。

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Theme : 考えさせられる本 * Genre : 本・雑誌 * Category : 赤い高粱
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