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個別記事の管理2012-12-27 (Thu)

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アフリカの蹄 (講談社文庫)アフリカの蹄 (講談社文庫)
(1997/07/14)
帚木 蓬生

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 職場の友人から借りた本。初・帚木蓬生。この方、特異な経緯で作家となったのですね。精神科医でもあり作家でもあるという…凄いなあ。以下BOOKデータベースより内容。

絶滅したはずの天然痘を使って黒人社会を滅亡させようとする非人間的な白人支配層に立ち向かう若き日本人医師。留学先の南アフリカで直面した驚くべき黒人差別に怒り、貧しき人々を救うため正義の闘いに命をかける。証拠品の国外持ち出しは成功するか!?山本周五郎賞受賞作家が描く傑作長編冒険サスペンス。

 冒頭のものすごい人種差別エピソードに一体この作品のジャンルは何だろう? ノンフィクション? と首を傾げておりました。予備知識全くなく読み始めたので、最初はものすごく面食らいました。俗に言う「アパルトヘイト」をテーマにした作品なのだと気づいたのが中盤に入ってから。某国の国家的陰謀が見えてきたあたりから俄然面白くなって一気読み。

 根絶したはずの天然痘がその某国の黒人社会の子供たちに突如として蔓延しはじめる。日本から留学している外科医・作田はふとしたきっかけで黒人医師の許で手伝いをするようになり、この天然痘ウィルスと戦うこととなる。さまざまな黒人達と触れあうに従って黒人世界の魅力にのめり込む作田。
ついには留学生の地位を捨てて黒人達と共に国家的陰謀と差別撤廃に向けて戦うようになる──。

 差別描写がものすごいです。ちょっと誇張しすぎている感がなきにしもあらずかな? と思ったり。で、主人公の作田もものすごく英雄視されていてうーん、できすぎ? とも思ったり。
 が! そんな自分的にマイナス面も作者の圧倒的筆致と壮大なスケールの世界観には脱帽。
 不当な差別を受けている黒人社会の実情・内情描写がリアル。中盤にかけての作田の国外逃亡、さらには復帰という劇的な展開にもハラハラドキドキのサスペンスとして充分堪能できる。
 自分的にこのラストはどうオチがつくのだろう? ととってもやきもきしていたのも確か。ご都合主義的な差別撤廃のハッピーエンドとなるのか? それとも黒人達にとって悲惨なバッドエンドとなるのか? 気になるラストだったのだけど、終盤に向けて一気に畳み掛けるような展開に目からウロコ。
 黒人たちのデモという平和的解決にもってくるとは…しかも不自然なものではなく(自分的にはそう思えた)、しかも蔓延した天然痘ウィルスにもWHOの救いの手が差し伸べられるという大団円。上下巻になってもおかしくないような内容をすっきり1冊でまとめているところに作者の手腕をひしひしと感じた次第。

 ラブストーリーあり、黒人少年との心温まる交流あり(このエピソードが自分は好きだ)とハードな展開だけでなく、ほっこりとさせるシーンも用意されているのも嬉しい。
 ドラマティックな展開で読後感も爽やか。映像化されたのかな? 上質のエンタメ作だわと思いながら読了しました。

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