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個別記事の管理2013-03-10 (Sun)
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ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫)ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫)
(2007/08)
シャーリィ ジャクスン

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 ヴィレッジ・ヴァンガードで見つけて即買いしてしまった本。タイトルはなんとなーく聞いたことがあったし、なんたって帯の桜庭一樹の惹句に目がクギ付けでした。以下BOOKデータベースより内容。

あたしはメアリ・キャサリン・ブラックウッド。ほかの家族が殺されたこの屋敷で、姉のコニーと暮らしている…。悪意に満ちた外界に背を向け、空想が彩る閉じた世界で過ごす幸せな日々。しかし従兄チャールズの来訪が、美しく病んだ世界に大きな変化をもたらそうとしていた。“魔女”と呼ばれた女流作家が、超自然的要素を排し、少女の視線から人間心理に潜む邪悪を描いた傑作。

 かつては富豪であったブラックウッド一族。姉のコンスタンス、妹のメリキャットは一族が残した屋敷に伯父のジュリアンと共に暮らしている。その妹のメリキャットの一人称でストーリーは展開。
 冒頭にメリキャットが18歳だと明言されているのだけれど、どう読んでも11~2歳にしか思えない思考と語り口。その部分からお?怪しいゾ?と思い、読み進めていくうちにメリキャットの異常さがじわじわ判明するというね…。

 登場する人物がすべて何かしら異常性を秘めていて怖い。語り手のメリキャットはもちろん、ジュリアン伯父、後に登場する姉妹の従兄のチャーリー…彼は姉妹の財産を執拗に狙う現実的な俗物。そして、一番まともであるとされる美人姉のコンスタンス。自分的には彼女もかなり精神が病んでいるのでは?と思えて仕方なかった。特にラスト。メリキャットとの二人の暮らしを余議なくされたのに、感情の起伏があまりないうえあまりにも妹に従順すぎる。まるで立場が逆転、あるいは妹の圧倒的な悪意と行動力に圧倒され、精神が抑圧されてしまったかのようで。
 すべての悪夢の始まりは6年前の家族集団毒殺事件。からくも生き残ったメリキャットとコンスタンス、そしてジュリアン。この時から3人は既に精神が崩壊しつつあったのだね。その事実が終盤にむけて半明するという怖さがまた何ともいえず。

 とにかく語り手メリキャットのキャラが秀逸。あどけない印象であるのに、その内的思考は憎悪と嫌悪しかない。自分たちを迫害する村人や闖入者であるチャーリーに向ける負の感情は凄まじい。そして明らかになる毒殺事件の真相。自分にとって邪魔者であるチャーリー殺害を目論んだメリキャットの計画が自分的に予想外のクライマックス。それは思わぬ結果を招いてしまい、結局姉妹はまた現実社会とは隔絶された閉鎖的世界で生きてゆかざるを得なくなる。たびたび差し伸べられる救いの手を拒絶し、あくまで自分たちだけの世界=屋敷にとどまることを望んだ狂気のふたり。
 憎悪と狂気がまんべんなく塗り込められた作品。決して派手ではないけれど、メリキャットの毒にあてられたというか。強烈です、彼女。ジャケ画も一見とてもかわゆいなーと思ったのだけど、よくよく見ると違和感が。それはメリキャットの語りにも言えることで。愛らしい中に見え隠れする異常性。その対比が余計に恐怖を煽っているのだなとつくづく思った。

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