上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ご訪問ありがとうございます☆
初タニス・リー。ジャケ画的にラノベの雰囲気ですが、実は本格SF。以下BOOKデータベース。
シルヴァー―エレクトロニック・メタルズ社が試作した人間そっくりのロボット。とび色の瞳に赤褐色の髪、銀色の膚をしたシルヴァーはギターをつまびき、ありとあらゆる歌をかなでる。ひとびとは心を揺さぶるその歌をきそって聞きたがった。だが、たったひとつエレクトロニック・メタルズ社にとって誤算が生じた。シルヴァーに恋する少女が現われたのだ!物語の名手が紡ぎだす、少女とアンドロイドとのSFラブロマンス。
面白かったです。少女とロボットとのラブロマンス─というベタなテーマなのだけれど、サイドストーリーとして母親と娘の葛藤も織り交ぜた、かなり読ませる作品でした。
ヒロイン・ジェーンは情緒が安定せず、涙もろいかなり癖のある16歳の少女。キャリア派の母親に抑圧された生活を強いられながらも、それを疑問も抱くことなく何不自由ない生活を送っている。そんな彼女がふとしたきっかけで知ったイケメンロボット・シルヴァー。そのロボットとの出会いが彼女の人生を大きく変えることとなって──。
とてもわかりやすくて作品世界に入りやすい。なによりジェーンという少女がとても生き生きしていて親しみが持てる。そのジェーンのお相手となるロボット・シルヴァーは音楽を生業とし、人間の要求にすべて答えるべく造られたある意味愛玩ロボット。その彼もジェーンと出会ったことにより、真実の愛と「心」というものを知ってゆく。
ロボット(アンドロイド)は果たして心を持ち、愛を知ることができるのか。という命題はSFでは結構おなじみのガジェットというか設定なのだけど。
今作もまさにそれをテーマにジェーンとシルヴァーの2人が互いに反発したりいたわりあいながら、愛と心と精神を成長させ育んでいく過程が丁寧に描かれていて素晴らしいなと。
さらにこの話が単なる安っぽいラブロマンスに終始していないのが、ジェーンとその母親との葛藤が描かれていること。
シルヴァーと生活することになって一切母親との縁を切ってしまったジェーン。それまで籠の鳥状態だった彼女が母親から完全に自立し、遂には母親をひとりの人間として認めることができるまでの精神的成長が無理なく描かれていて説得力があったし。
いたるところに張り巡らされた伏線も、ラストになってああ!そうくるのか!と見事に回収されていて。
特にジェーンの良き理解者であるクローヴィスの行う降霊術によってシルヴィーの魂の存在を証明する─という件には脱帽。(←あ、ネタバレか)。
少女は大人に成長し、ロボットは魂を持つ限りなく人間に近いステージへと成長・進化する。
結局は悲恋に終わってしまうのだけど(あ、またネタバレ)、深く繋がったふたりの心は永遠に結ばれ別つことはない─という余韻と切なさを残しつつ、爽やかなラストに自分的には大満足だった。
なんと続編もあるとのことで。ジャケ画も個人的にはかなり好みですー! いずれ近いうちに挑戦してみたいです。



いつも応援ありがとうございます☆
![]() | 銀色の恋人 (ハヤカワ文庫SF) (2007/04) タニス リー 商品詳細を見る |
初タニス・リー。ジャケ画的にラノベの雰囲気ですが、実は本格SF。以下BOOKデータベース。
シルヴァー―エレクトロニック・メタルズ社が試作した人間そっくりのロボット。とび色の瞳に赤褐色の髪、銀色の膚をしたシルヴァーはギターをつまびき、ありとあらゆる歌をかなでる。ひとびとは心を揺さぶるその歌をきそって聞きたがった。だが、たったひとつエレクトロニック・メタルズ社にとって誤算が生じた。シルヴァーに恋する少女が現われたのだ!物語の名手が紡ぎだす、少女とアンドロイドとのSFラブロマンス。
面白かったです。少女とロボットとのラブロマンス─というベタなテーマなのだけれど、サイドストーリーとして母親と娘の葛藤も織り交ぜた、かなり読ませる作品でした。
ヒロイン・ジェーンは情緒が安定せず、涙もろいかなり癖のある16歳の少女。キャリア派の母親に抑圧された生活を強いられながらも、それを疑問も抱くことなく何不自由ない生活を送っている。そんな彼女がふとしたきっかけで知ったイケメンロボット・シルヴァー。そのロボットとの出会いが彼女の人生を大きく変えることとなって──。
とてもわかりやすくて作品世界に入りやすい。なによりジェーンという少女がとても生き生きしていて親しみが持てる。そのジェーンのお相手となるロボット・シルヴァーは音楽を生業とし、人間の要求にすべて答えるべく造られたある意味愛玩ロボット。その彼もジェーンと出会ったことにより、真実の愛と「心」というものを知ってゆく。
ロボット(アンドロイド)は果たして心を持ち、愛を知ることができるのか。という命題はSFでは結構おなじみのガジェットというか設定なのだけど。
今作もまさにそれをテーマにジェーンとシルヴァーの2人が互いに反発したりいたわりあいながら、愛と心と精神を成長させ育んでいく過程が丁寧に描かれていて素晴らしいなと。
さらにこの話が単なる安っぽいラブロマンスに終始していないのが、ジェーンとその母親との葛藤が描かれていること。
シルヴァーと生活することになって一切母親との縁を切ってしまったジェーン。それまで籠の鳥状態だった彼女が母親から完全に自立し、遂には母親をひとりの人間として認めることができるまでの精神的成長が無理なく描かれていて説得力があったし。
いたるところに張り巡らされた伏線も、ラストになってああ!そうくるのか!と見事に回収されていて。
特にジェーンの良き理解者であるクローヴィスの行う降霊術によってシルヴィーの魂の存在を証明する─という件には脱帽。(←あ、ネタバレか)。
少女は大人に成長し、ロボットは魂を持つ限りなく人間に近いステージへと成長・進化する。
結局は悲恋に終わってしまうのだけど(あ、またネタバレ)、深く繋がったふたりの心は永遠に結ばれ別つことはない─という余韻と切なさを残しつつ、爽やかなラストに自分的には大満足だった。
![]() | 銀色の愛ふたたび (ハヤカワ文庫SF) (2007/05) タニス リー 商品詳細を見る |



いつも応援ありがとうございます☆