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個別記事の管理2013-06-28 (Fri)
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誕生日の子どもたち (文春文庫)誕生日の子どもたち (文春文庫)
(2009/06/10)
トルーマン カポーティ

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 ひさしぶりのカポーティー。何の媒体で知った本だったのかはすっかり忘れてしまったけれど、とても面白そうだったので挑戦。以下BOOKデータベースより内容。

「私が泣くのは大人になりすぎたからだよ」。かつて悪意の存在を知らず、傷つけ傷つくことから遠く隔たっていた世界へカポーティは幾度となく立ち返ろうとした。たとえその扉はすでに閉ざされていようとも。イノセント・ストーリーズ―そんな彼のこぼした宝石のような逸品六篇を、村上春樹が選り、心をこめて訳出しました。

誕生日の子どもたち
感謝祭の客
クリスマスの思い出
あるクリスマス
無頭の鷹
おじいさんの思い出


 心にぐさりときました。とても面白いけれど、とても悲しい。ノスタルジーが押し寄せて(意味不明)久しぶりに感慨に耽ってしまった。
 6作共通のテーマはイノセンス(=無罪・潔白・純真・純真等)なのだとか。そのイノセンスの象徴といえば我々大人にとってみればすなわち子供。
 その子供達を主軸に捉えたそれぞれのストーリーが暖かく切なく哀しい。

 タイトルロールである「誕生日の子どもたち」に登場するミス・ホビット。
 彼女はわずか10歳の少女でありながら、外見や物腰さらに言葉遣いは既に大人。とある村に突如として現れた彼女は土地の人間、特に少年少女達に強烈なインパクトを与えてゆく。
 何者にも侵されないその強固な矜持と意志。自分を脅かす「悪」──理不尽な差別や弱い者を騙す詐欺等──を決して許さず、徹底的に戦い排除する。その強さは紛れもなく純粋な心の賜物であり汚れない精神の極みでもある。そんな彼女に恋心を寄せる少年を通して描く瑞々しくも残酷な青春時代の一時期。しかし、その純粋さは長く続くものではなく、否、永遠ではないからこそ美しく輝くのであって、ミス・ホビットのあっけない最期によって、少年達の心の中に痛烈な思い出として残るに違いない。

 「感謝最の客」「クリスマスの思い出」「あるクリスマス」は共通のキャラクターが登場する連作形式をとった、作者の幼少期の体験・思い出が色濃く反映された作品。
 「僕」とミス・スックは親友同士。と言ってもミス・スックは60代。孫と祖母ほどの年の差でありながら、その互いの魂は固く通じ合っている。両親の愛情に満たされない「僕」にとってミス・スックだけが愛情を注いでくれる大切な人物。傍目から見るととても理解できない2人の心の交流が読んでいてとても切ない。子供である「僕」は時に純粋で時に残酷。そんな彼を深い愛情と広い心で包み込むミス・スックこそがこの連作中ではイノセンスなのではないかと。「僕」がやがて大人となり、いずれ別れが来ると知っている彼女が、作中で「僕」に向かって、「大人になっても親友でいて欲しい」と心情を吐露するシーンがとても切ない。

 「無頭の鷹」「おじいさんの思い出」もそれぞれ深く考えさせられる作品ですが、自分的には「おじいさんの思い出」が印象的。おじいさんと「僕」との固い絆と別れがとても悲しくて。ノスタルジーというか、ラストの余韻が物悲しい。
 
 大人になってすっかり忘れてしまった子供時代の純粋な心。
 それをきっちりとストーリーとして昇華しているカポーティーの手腕に脱帽。
 煌めきと痛みが混在する6作品。素晴らしいなあ…と思いつつ読了しました。「ティファニーで朝食を」のヒロインであるホリーもそういえば子供の心を残したイノセンスな女性だなあ…となぜか今作との共通点を感じてしまったのでした。村上春樹氏の訳もわかりやすくて、自分的には大満足でした。

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Theme : 考えさせられる本 * Genre : 本・雑誌 * Category : カポーティー
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