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ピカルディの薔薇 (ちくま文庫)ピカルディの薔薇 (ちくま文庫)
(2012/07/10)
津原 泰水

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 蘆屋家の崩壊に始まる「幽明志怪」シリーズ3部作の最終巻。第2シリーズの「猫ノ眼時計」を飛ばして読んでしまいました…が、特に支障は無く。以下BOOKデータベースより内容。

作家として歩み始めたものの、相も変わらず貧困と怪異から手招かれてばかりの「おれ」こと猿渡。これは酔夢か現か。
五感を失った人形師、聖女の伝説に彩られた島、弾く者を過去へと誘うウクレレの音色、彼の祖父が目にした満洲―。
ユーモラスかつ哀切に満ちた文章が織り成す、幻想と怪奇。「文体の魔術師」津原泰水の超人気シリーズ、書下ろし短篇を加え待望の初文庫化。


夕化粧
ピカルディの薔薇
超鼠記
フルーツ白玉
籠中花
夢三十夜
甘い風
枯れ蟷螂
新京異聞

 お気に入り作家・津原氏の久しぶりの幻想譚。前に読んだ「蘆屋家の崩壊」から約1年位経ってしまったので内容忘れかけていて。
 そうだそうだ、猿渡と伯爵のコンビが様々な怪奇や不可解な事象に出会う話だった…と読んでいて思い出した。
 「蘆屋家の崩壊」ではこのコンビが行動を共にしていたのだけれど、今作はほとんど絡みなし、と言ってもいいくらい猿渡視点が多かったような気がする。どちらかというと傍観者的な立場、俯瞰しているような立場で話が進んでいく─といった印象だった。印象に残った作品をいくつか。

ピカルディの薔薇
 五感が麻痺したミステリアスな青年人形師。猿渡が体験する彼との不思議な関わり。自分はてっきりこの青年人形師が人形の化身だと思っていたのだけれど。耽美と幻想という言葉がぴったりの独特な1作。
超鼠記
 超鼠=スーパーラットの意味だと。
 こちらの話も猿渡氏が登場。住むところも無く、知り合いの編集者が所有するビルに寝泊まりすることとなった彼が遭遇する不可解な体験。
 大量に発生した鼠を駆除するために罠を仕掛けたが、かかったのはひとりの少女。言葉も話せず不潔極まりない彼女が実は─。
 オチが早々にわかってしまうのだけれど、津原氏の語り口は謎めいてさすがの巧さ。
夢三十夜
 とある独りの美少年が見る不思議な夢の数々。その彼に複雑な想いを寄せる双子の妹。兄の恋人。この3人が織りなすこれまた幻想譚。兄の見る夢自体が怪異でありながら耽美で白眉。猿渡も微妙に絡むラストに不思議な余韻が残る。
新京異聞
 満洲を舞台に異国情緒満点のこれまた幻想譚。中国の聊斎志異をモチーフにし、猿渡の祖父を主人公に据えた歴史物としても読める。

 安定した語り口が素晴らしく、時にグロテスクで時に耽美とエロティックが混ざり合った独特の世界観。特に「食」に関する薀蓄(特にゲテモノ)が気持ち悪いけれど巧くてなぜか読んでしまうというね。
 さらに、巻末の津原氏による「跋」が面白い。作品誕生秘話的な内容で、これはハズせない。
 自分を含め、好きな人には堪らない作風とテーマ。2作目を飛ばしてしまったので、近いうちにぜひとも挑戦してみたい。

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