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個別記事の管理2013-08-13 (Tue)
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「少女小説」の生成: ジェンダー・ポリティクスの世紀「少女小説」の生成: ジェンダー・ポリティクスの世紀
(2013/06/12)
久米 依子

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 以前から興味があったジャンル。「少女小説」なんて今となってはほとんど「あってなきがごとし」のジャンルなのですけどね。
 大正~昭和初期あたり。吉屋信子が活躍した頃の少女小説(といっても自分は吉屋信子作品くらいしか知らないけれど)がモロ好みで。そんな少女小説の変遷を辿り、詳細な論述を施した1冊。以下BOOKデータベースより内容。

欧米には見られない独特なジャンルである「少女小説」。
明治末期から現在までの少女小説の物語構造を代表的な作品やジュニア小説・コバルト文庫、マンガ、ラノベを素材に読み解いて、時代ごとに変わる“少女像”や少年/少女の分割線の変容をあぶり出す。そして、明治末から百年間にわたり受容されてきた少女小説がはらむジェンダーの問題系を解明する。


序章 少女の世界

第1部 <少女>の成立/「少女小説」の誕生
第1章 無垢な「天使」の物語─西欧近代の少女たち
第2章 メディアにおける<少女>の成立─雑誌「少年園」をめぐって
第3章 「少年世界」における 若松賤子の創作─少女小説の開始
第4章 「少女小説」の成立─差異と規範の言説装置
第5章 芥川龍之介「雛」の少女─所有・父権け伝統


第2部 少女セクシュアリティの表象/「少女小説」の展開
第6章 構成される少女Ⅰ─少女雑誌の創刊と少女セクシュアリティの発見
第7章 構成される少女Ⅱ─少女小説ジャンルの形成と友愛物語
第8章 馴致されるセクシュアリティ─モダニズム期前後の少女雑誌
第9章 昭和期の少女像の展開
第10章 セクシズムの中の吉屋信子
第11章 少女小説から従軍記へ─総力戦下の吉屋信子の報告文

第3部 少女文化の変容/水脈としての「少女小説」
第12章 昭和戦前期から戦後へ─少女文化の変容
第13章 少女小説から少女マンガへ─ジャンルを超える表現
第14章 ライトノベルとジェンダー少年少女の出逢いとその陥穽
第15章 戦う<少女>の任務と少女コミュニティー

 …と、つらつら内容を書きだしましたが。かなりな充実度がおわかりいただけるでしょうか。
 少女小説・文化について関して言えば自分的に最近では1番の著作でした。
 少女小説の成り立ちから将来の方向性までを示唆した、まさにこれ1冊で「少女小説」とは一体何なのか? という疑問にすべて答えてくれそうな勢い。
 少女小説は少年小説の中から派生したジャンルだということ、さらに家庭小説にも含まれつつ、高等女学校令が施工されたことがきっかけに、その需要が飛躍的に伸び、独立したジャンルになったという歴史等がわかりやすく述べられている。

 自分的に一番興味深く読めたのが第2部の吉屋信子に関する記述。
 従来あった少女小説というジャンルをさらに強固なものとして確立・発展させた功績と、あくまで女性視点に立ち、当時まだ根強かった性差別をその作中で緩やかに糾弾・指摘してゆく、という当時としては革新的なその人柄について分析している点がとても興味深かった。

 第3章は主に今後の少女小説もしくは、変容してゆく少女小説についての展望。
 ライトノベルの台頭によって、ほぼ少女小説というジャンルは絶滅しかかっているけれど、それに代わるのが少女マンガであったり、BL系マンガ・小説であったりするなど、多様な分岐点に立たされていると痛感。ライトノベルにおいて「男の娘」というジャンル又はキャラの登場により、ジェンダーフリーの波を促したという説にもなるほど。
 「少女小説」について論述するとともに、すぐれたジェンダー論でもあるなあというのが読了した素直な感想でもあるかな。なかなか読者を選ぶ著作であるけれど、興味ある人にはかなり貴重な1冊になると思う。内容の濃さに自分的には大満足の1冊だった。

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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 少女小説の生成
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