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個別記事の管理2010-06-23 (Wed)

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花伽藍 (角川文庫)花伽藍 (角川文庫)
(2010/05/25)
中山 可穂

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 先日例の如く書店をフラフラしていたら、突然視界に飛び込んできたこの本。おお~中山可穂! 素敵な表紙!(切り絵だそうです)  しかも文庫でおトクなお値段! もちろん即買いでした。以下文庫背表紙よりあらすじ。

夏祭りの夜の出会いから別れまでの濃密な恋の顛末を描いた「鶴」、失恋したばかりの一夜の出来事「七夕」、離婚した夫が転がり込んできたことから始まる再生の物語「花伽藍」、恋人とともに飼い猫まで去られてしまった「偽アマント」、未来への祈りを託した「燦雨」。
結婚という制度から除外された恋愛の自由と歓び、それにともなう孤独を鮮烈に描いた、彩り豊かな短編集。


 こなれてるな~というのが読了後の素直な感想。今までの中山可穂の激しさをかろうじてとどめているのは、最初の「鶴」だけ。あとの4作は手を変え品を変えの変化球! いつものように作品世界に引き込まれて一気に読んでしまいました。
 今作の特色は、男性がたくさん描かれているということ。しかも従来の徹底的な悪役という型どおりの人物造形ではなく、ホントに普通のイイヤツ系男性から情けな~い中年男性、イケメンの爽やか系、などなどバラエティに富んでいて、やられたッ! と心の中で唸りました。

 特に巧いなあと思ったのが、「花伽藍」に登場するヒロインの別れたダンナであるヒロシ。バリバリ関西弁を使い、吉本お笑い系キャラ。作者サンの作品の中で未だかつてお目にかかったことの無い、こんな個性的男性キャラも描けるんだ~と目からウロコ状態で食い入るように読み耽る。
 「七夕」では失恋した(もちろん女に)ヒロインを優しくなだめる孝太郎の存在が秀逸。傷心の時、こんなオトコいたらいいな~と思わせてしまう、ある意味理想的な人物造形。そして「燦雨」では介護ヘルパーとして登場するおネエ言葉を話すイマドキ青年のマルちゃん。
 登場する男性キャラがみんな魅力的で作品に奥行きをもたせていて、今までの中山可穂とはひと味もふた味も違う!

 5篇中一番しんみりした話はラストの「燦雨」。老女二人の愛と死を描いたこの短編は、認知症と老人介護という大きく、重いテーマを盛り込んでいて考えさせられた。
 いつものあの、激しすぎて読むのがしんどい、という読後感はまったくなし。却ってしっとりとした穏やかな気分になってしまったのは何故なんだろ?
 ビアンという根幹テーマは変わらずに、それでも万華鏡のように様々な作品を魅せてくれる中山可穂。
 残すはあと1作「悲歌」だ~! あ、まだ「弱法師」があるか。


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 中山可穂
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