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個別記事の管理2010-09-17 (Fri)

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片想い (文春文庫)片想い (文春文庫)
(2004/08/04)
東野 圭吾

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 初・東野圭吾です。購入した当初もっと話題作にすれば良かったかな? と思いましたが、読了後、この作品で良かった! と痛感。面白かったです。以下文庫裏表紙よりあらすじ。

十年ぶりに再会した美月は、男の姿をしていた。彼女から殺人を告白された哲朗は、美月の親友である妻とともに彼女をかくまうが……。
十年という歳月は、かつての仲間たちを、そして自分自身を、変えてしまったのだろうか。
過ぎ去った青春の日々を裏切るまいとする仲間たちを描いた、傑作長篇ミステリー。

 あらすじだけ読むと青春ミステリーかと思いますが、違います。「性同一性障害」を扱った社会派ミステリーです。
 男性作家でセクシャルマイノリティーを扱った作品というものを初めて読みました。中山可穂や仁川高丸などではお馴染みのテーマですが、彼女達の主題は恋愛モノ。
 今作の東野圭吾は軽い恋愛テイストもありますが、やはりベースはミステリー。そのしっかりとした土台の上に、社会問題としてのセクシャルマイノリティーを絡めている所がもう白眉と言ってもいいのではないでしょうか? 

 ストーリー的にもまったく破綻無く、一気に読ませてしまう。何より男性の心を持ちながらも女性の身体を持つ、美月というキャラクターが秀逸。彼女(彼)の葛藤や悩みがまったくウソ臭くなく描かれているのに脱帽。エピソードとして半陰陽・トランスジェンダーのキャラクターも登場しますが、作者がその彼女(彼)等に語らせている言葉がとても印象的で説得力があります。

私は性同一性障害という病気は存在しないと考えています。治療すべきは、少数派を排除しようとする社会の方なんです。
人間は未知のものを恐れます。恐れて排除しようとする。(略)受け入れられたいという我々の思いは、たぶんこれからも伝わらない。片想いはこれからも続くでしょう。
 ~本文P368より引用~

 この数行がこの作品のテーマだと勝手に解釈してます。
 主人公であり、探偵役の哲朗という人物も沈着冷静で、ともすれば影が薄くなりがちだけどそうではない。実は青春時代を共に過ごした友人たちに対して裡に秘めた熱い情熱がある。その彼が友情のために奔走する姿も嫌味が無い。さらに助手役の彼の妻、理沙子も必要不可欠なキャラ。男性作家でこんな複雑な思いを内包した女性を描けるのはスゴイなと。

 ああ~もう自分の拙い語彙力ではここら辺でギブアップです。ミステリー・社会問題・夫婦の在り方・青春モノ。どのような読み方をしてもOK。上質な作品であることには間違いないです。
 東野圭吾の他の作品も読んでみたくなりました(今さら)!


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Theme : 考えさせられる本 * Genre : 本・雑誌 * Category : 東野圭吾
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