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個別記事の管理2010-10-30 (Sat)

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砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない  A Lollypop or A Bullet (角川文庫)砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet (角川文庫)
(2009/02/25)
桜庭 一樹

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 よもやこのようなハナシだったとは。なんとなくカワイイ系の洋館の表紙につられて購入したけれど、読了後ちょっとした衝撃で不覚にも涙。以下文庫裏表紙よりあらすじ。

その日、兄とあたしは、必死に山を登っていた。
見つけたくない「あるもの」を見つけてしまうために。
あたし=中学生の山田なぎさは、子供という境遇に絶望し、一刻も早く社会に出て、お金という"実弾"を手にするべく、自衛官を志望していた。
そんななぎさに、都会からの転校生、海野藻屑は何かと絡んでくる。
嘘つきで残酷だが、どこか魅力的な藻屑となぎさは徐々に親しくなっていく。
だが、藻屑は日夜、父からの暴力に曝されており、ある日──。


 端的に言ってしまうと、父親の娘に対する虐待のハナシです。
 藻屑というヒロインがものすごく壊れてて、極上の魅力を振りまいている。狂気と儚さを併せ持つ彼女。父親に虐待され続ける自分の真の姿を誤魔化すために吐く、数々の嘘が次第に健気に思えてしまう。
 その一風変わったヒロインに嫌悪感を抱くことなく、さらりとした憐憫の情を抱かせてしまうあたりに、作者のキャラクター造形の巧さを感じた。
 冒頭の藻屑のMADな転入シーンから否応なくグイグイこの小説世界に引きずり込まれてしまった。

 母子家庭で兄がひきこもりのなぎさと、父親からの虐待から逃れられない藻屑。孤独な二人が次第にココロを寄せあうまでの過程が、かなりシビアで残酷な事件と絡めて詳細に描写されている。

 逃げ場の無い辛い現実と救い難い大人に何とか「砂糖菓子の弾丸」を撃ち込もうとするなぎさと藻屑。
 なぎさにとってそれは自衛官になって早く自立したいという現実的な夢であったが、藻屑にとっての「砂糖菓子の弾丸」は一体何だったのだろう? 諦念かもしくは死か?

 狂気の父親に虐待され殺された藻屑は自分の命と引き換えに真の友・なぎさを手に入れた。そしてなぎさは藻屑の死と引き換えに、ひきこもりだった兄を現実世界に取り戻すことができた。その喜びを互いに分かち合うこともないまま、二人は無残に引き裂かれてしまう。
 藻屑がなぎさに残したもの─それは過酷な現実社会を生き抜いていこうという強さ。

 この小説にはあまりマトモな大人が出てこないけれど、唯一担任教師の存在に救われた思いが。
 購入時にカワイく思えたこの文庫の表紙が、読了後、何故か藻屑と父親が住んでいたすさんで荒れ果てた洋館に見えてきた。
 かなり救いようのないハナシでもあるけれど、不思議と爽やかな読後感。そんな独特な魅力をもった1作であり、自分的にかなり強烈な作品でもありました。← もちろん、いい意味で。


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 桜庭一樹
* Comment : (4) * Trackback : (0) |

NoTitle * by キヨハラ
「狂気と儚さ」ですか。
非常に惹かれます。

こんにちは * by まいまい
桜庭一樹さんですね。
この間、「GOSICK」を教わったことで
俄然桜庭さんに興味がわき、
今「私の男」を読んでいるんです。
(GOSICKも手元に・・どの順にするかちと迷いました。)

この本にも興味津々。
ただ虐待モノに気持ちが続くか・・が問題ですが、
ラストはちょっと前向きになれそうですよね。

キヨハラさんのコメントを拝見して、
もう一度「残酷な神が支配する」にも挑戦しようと思ってます。

Re: NoTitle * by 惺
>キヨハラ様v-353
ちょっとアヤシイ人間好きな自分にとって思いっきりツボなキャラでした。
ハナシの内容はかなりキビしいものがありましたが、一種の青春小説なのだと理解してます。
コメントありがとうございます☆

Re: こんにちは * by 惺
>まいまい様v-353
> 今「私の男」を読んでいるんです。

こちらもかなり重そうな内容なのかな? という印象です。やはり父とムスメのハナシなのではないですか?(違っていたらゴメンなさい!)
>
> この本にも興味津々。
> ただ虐待モノに気持ちが続くか・・が問題ですが、
> ラストはちょっと前向きになれそうですよね。

虐待そのものの描写はほとんど無いんですが、それと思わせるような描写がとても巧いです。
それがかえって可哀そうに思えちゃうんですけど。
ラストは前向きで力強いですよ。自分的に嫌な読後感ではなかったです。

> キヨハラさんのコメントを拝見して、
> もう一度「残酷な神が支配する」にも挑戦しようと思ってます。

こちらもかなり強烈な内容なんですね。ウィキ読んで知りました。
自分も挑戦してみたいです!
ただ、こういう(虐待系)作品が多くなったのってやはり時代なのかな?
なんか寂しい気もします。
コメントありがとうございます☆

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