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個別記事の管理2010-11-01 (Mon)

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純白の夜 (角川文庫)純白の夜 (角川文庫)
(2009/02/25)
三島 由紀夫

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 三島由紀夫の初期作品。らしからぬタイトルに惹かれて購入。以下文庫裏表紙よりあらすじ。

昭和23年。村松恒彦は、勤務先の岸田銀行の創立者の娘である13歳年下の妻・郁子と不自由なく暮らしている。
最近、恒彦は学習院時代の同級生、橘と取引が生じ、郁子もまじえての付き合いが始まった。
橘は一目見たときから、郁子の美しさに心を奪われる。郁子もまた、橘に惹かれていき、接吻を許す。が、エゴチスト同士の恋は、思いも寄らぬ結末を迎えることに……。


 重厚で華麗な筆致の、今で言うダブル不倫小説……というところに、まず驚きが。
 三島作品というともっと堅苦しく、男性的な作品が多いかとばかり思っていた自分ですが、必ずしもそうでないことが徐々に判明してきました。
 「お嬢さん」では計算高くて打算的(?)な女子を、「不道徳教育講座」では愉快なエッセイを、そして今作はダブル不倫。
 その手がけるジャンルの幅広さに改めて感心するばかり。

 この作品、なんといってもヒロイン・郁子の心理描写が巧い。昭和初期という多少時代を感じる部分があるのは否めない。けれど、気位が高く、それでいて少女のようで捉えどころの無い魅力を振りまいて周囲の男性を惑わしてゆく、という複雑な郁子像を、ウソ臭くなく描写しているところがさすが。
 対する不倫の相手・橘の、手に入りそうで、なかなか手に入らない郁子に対する、嫉妬渦巻く男の複雑な心情描写などはなるほどな、と。

 冒頭から巧みに張り巡らされた伏線。重要なワキキャラの沢田。彼の伏兵ぶりが意外なスバイスとなって、ハナシは悲劇のラストへと突き進む。
 でも、なにより悲劇なのは郁子の旦那、恒彦。なんの落ち度も無い彼が一番の犠牲者であることは確か。

 不倫モノといっても、ドロドロ感はまったくナシ。ノーブルで硬質な文体、連綿と続く丁寧な心理描写。格調高く、品のある不倫モノであることは確か。
 さらに、この作品があの「仮面の告白」の翌年、しかも25歳で発表されたとは驚きです。自らの同性愛告白小説から一転して、ダブル不倫小説。天才と謳われるにはワケがあるのだ!  と改めて思った次第です。

 タイトルの「純白の夜」とは、郁子と橘の潔白を意味しているのであろう、と個人的に思ってます。


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