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個別記事の管理2010-11-06 (Sat)

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眠狂四郎無頼控 (2) (新潮文庫)眠狂四郎無頼控 (2) (新潮文庫)
(1960/09)
柴田 錬三郎

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 1作目で見事ハマッた眠狂四郎シリーズ。2作目もその面白さは変わらず。以下文庫裏表紙よりあらすじ。

江戸を出て、京・大阪に旅する狂四郎に絶え間なくふりかかってくる剣難と女難──。
脂粉の香りに包まれた柔肌を情欲に燃やす将軍家斉の娘高姫。柳生流剣法を使い、執拗に狂四郎を襲う公儀直参の御庭番たち。
死地に立った時の虚無感の中で鋭く冴えわたる円月殺法……。
狂四郎をめぐる事件は、いよいよ凄惨と妖艶を加えるが、奇想天外の活躍で次々と解決してゆく。


 金髪碧眼の外国人薄命美女ルシアや海賊船が登場したりと、前作より少しだけスケールアップしてます。
 21の短~中編の連作集。かなり読み応えあります。

 今回はまさに狂四郎女難の巻ともいうべきで、モテまくりです。中でも痛快・愉快なのが、高姫とのエヒソード。
 秘宝の在処が隠されているという花瓶を巡って火花を散らす狂四郎と高姫とのやりとりが笑える。エロティック&スリリングなオトナの駆け引き描写が何ともいえず。
 一方では病気がちの本妻・美保代を江戸に残したまんまだし、従妹で狂四郎を慕っている静香は彼が元で狂人になりかけてしまうし……。
 狂四郎を取り巻く女性キャラ陣はなんとも報われないですな。でも、それも仕方ない。彼は強度のマザコンだから。
 非業の死を遂げた母親の翳を未だに引きずっているのが、ちょっと女々しいゾ! と思ってしまうけれど、そこがまた母性本能をくすぐるトコロ。作者サン、巧いです。

 満月の下、愛刀・無想正宗を構える黒い着流し姿の狂四郎は、まるで死神を思わせるクールでダークなイメージ。それにこのシリーズ、彼のキャラクターにも因るせいなのか、キリスト教絡みのエピソードがかなり多い。
「切支丹坂」などは今作の中でもその最たるもので、一人の伴天連をとある女を使っていかに転ばそうとするか。
アダムを騙そうとするイブのハナシがモチーフになっているのでは? と思わせる。
 その異国情緒がまた、他の時代モノと一線を画しているようでいいのだけれど。

 その彼の出自も陰惨・悲惨であるけれど、心根は純粋で優しい。
 出食わす様々な窮地を、相棒や行きずりの旅人、愛すべき女性達に助けられながら切り抜けてゆく。
 ある時は悲嘆にくれ、またある時はコミカルに。狂四郎の様々な表情と練り上げられたストーリー。そして端麗な筆致で楽しませてくれる作者の手腕に、毎度のことながら舌を巻き、どっぷりと作品世界にハマッてしまう自分なのでした。


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Theme : 歴史・時代小説 * Genre : 本・雑誌 * Category : 柴田錬三郎
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