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個別記事の管理2010-11-16 (Tue)

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往復書簡往復書簡
(2010/09/21)
湊 かなえ

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 湊かなえの新作。
 評判がなかなか良いそうなので、少し期待していました。前に読んだ「Nのために」が自分的にイマイチだったので……。
 で、どうだったかというと、かなり面白かったです。が、この作者サン、「告白」という作品があまりにもモンスターすぎて、個人的にどうしてもソレと比較してしまったのですが、遜色ないかな?
 若干毒が薄目になっているでしょうか。珍しくハートフル? 心温まるラストの作品もありました。
 書簡体という手法を取っていますが、基本的な構造は従来の作風とあまり変化がないと思います。前置き長くなりましたが、BOOKデータベースよりあらすじです。

あれは本当に事故だったのだと、私に納得させてください。高校卒業以来十年ぶりに放送部の同級生が集まった地元での結婚式。女子四人のうち一人だけ欠けた千秋は、行方不明だという。そこには五年前の「事故」が影を落としていた。真実を知りたい悦子は、式の後日、事故現場にいたというあずみと静香に手紙を送る―(「十年後の卒業文集」)。書簡形式の連作ミステリ。

十年後の卒業文集
二十年後の宿題
十五年後の補習 の3作収録。

十年後の卒業文集  友人から友人への書簡
 高校時代のとある事件をきっかけとして行方不明となってしまった友人をめぐる、さまざまな疑惑。部活仲間たちの絡み合う人間関係等々、事件の真相を探る手段として書簡を使用。そこそこ面白いのですが、内容としてはちょっと肩すかし食らった感じが。まず、登場する4人の人物が皆同じような語り口なので、最初誰が誰なのか理解するのに手間取ったのと、結婚式に代理で出席するというトリック? にはちょっとムリがあったかなと。
ただ、ラストの意外な結末には、やられたなッと思いましたね。

二十年後の宿題  元担任教師から教え子への書簡
 このハナシが個人的には一番気に入ってます。
 病気療養中の元教師・竹沢が、教え子である現役教師・大場にとある願いを託す。在職中に気になっていた6人の教え子のその後を調べてくれと。
 元教師が依頼主、現役教師が探偵役、というシチュエーションで読んでました。
 とある事件に巻き込まれた6人の子供たちを、退職後も気遣う竹沢。事件が子供達に悪影響を及ぼしていないだろうかと心配する彼女の心情を理解して快諾する大場。6人の様々な人生を知るにつれ、自分の漠然とした人生観を変えてゆく大場。そして、次第にはっきりとしてくる事件の真相。
 竹沢が意外にも恋のキューピットだと知れるラストに思わずほっこり。

十五年後の補習  恋人から恋人への書簡
 悲しい恋人同士の話。国際ボランティア隊として発展途上の国にいる彼と日本にいる彼女との遠距離恋愛……的な大甘な文面から始まります。が、その後の展開は予想外のモノ。2人のやりとりに、過去に何らかの事件・確執があったことを匂わせながら、国際ボランティア(海外青年協力隊?)の内容や、DVを盛り込んでいるのも巧く、最終的にとある殺人事件の真相に至るという展開も巧すぎです。
 
 書簡形式という小説構成は成功していたと思います。今の時代なんだからメールや携帯ですませばいいじゃん! というムリな設定・違和感は感じなかったので。
「二十年後の宿題」のように、この作者サンはわりとハートフルな作品書いても面白いのでは? 従来と少し違った作風を見た思いがしました。
 ただ、すべての作品に共通しているのは、学校、もしくは学生時代に起こった事件・悲劇。
 さすがに3作品も続くとね……シチュエーションに多様性があれば、もっと楽しめたかもしれないです。


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* Comment : (2) * Trackback : (5) |

早速読了ですね~^^ * by チルネコ
湊さんは告白の評判のよさは聞いてましたが、本書も同じくらい
きてるようですね!書簡小説というと登美彦氏や武者小路実篤
なんかを思い出しますが、今では書簡というだけで懐かしい
気配が漂うので時代って不思議ですね^^。
シチュエーションはやっぱ問題があるようですが面白そうです(笑)

Re: チルネコ様☆ * by 惺
>「告白」は完成しすぎた作品だったので、それに比べると他の作品は皆物足りなく思えてしまうのが、もったいないトコロだと思います。
でもこの作品は楽しめました!!
学校が舞台という設定が多いのは、作者サンが元・教師だったせいもあるのかな?
読んで損はない? と思います。でもあくまでも個人のお好みなのでね~。
書評かけたし、なんか宿題が終わった気分ですe-263
コメントありがとうございました☆

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