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個別記事の管理2010-11-17 (Wed)

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813 (続) (新潮文庫―ルパン傑作集)813 (続) (新潮文庫―ルパン傑作集)
(1959/09)
モーリス・ルブラン

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 やっと続きが読めました。もう、読むたびにこの作品が代表作! と思ってしまうんですが、今作は超ド級の面白さでした。その半面、ルパンの悲劇性も未だかつてないほど。
 原題は「(813Ⅱ) Les trois crimes d'Arsene Lupin」← サブタイトルがこの作品を象徴してます。以下文庫裏表紙よりあらすじ。

謎の人物"L.M."の手によって刑務所に放り込まれたルパンは、持ち前の沈着冷静さで警察陣を翻弄して脱獄に成功。一路ベルデンツの廃墟に向かう。全ヨーロッパの運命を握る秘密を解く鍵が、必ずあるにちがいない……。
が、またしても"L.M."の怖るべき刃は先回りしていた。"L.M."とはいったい何者なのか?
ルパンの鋭い追及の前についに姿を現した人物は意外にも……。

 過去読了したメジャー作品(緑の目の令嬢・棺桶島・奇岩城)を凌駕したスケールと面白さ、加えてルパンを襲う最大の悲劇。
 前作はルパンがジュヌビエーブのために捕まってしまうまでで終了。実は、自分は彼女がルパンの恋人かと思っていたのですが、まったく見当違いと判明。彼女はルパンの実の娘(!)であり、手に入れようとしているお宝をすべて娘に差し出そうとしていたのでした。意外にもルパンは親バカだったのだ! 
 そしてルパンの想い人は最初の犠牲者ケッセルバック氏の夫人、ドロレス・ケッセルバックだったのでした。

 今作の中盤までは獄中でのルパンを。特に脱獄を宣言した彼がどうやって事を成すのかと、ハラハラドキドキ。 
 脱獄のため外部と巧妙に連絡を取るルパンを、ことごとく謎人物"L.M."が阻止してしまう。脱獄できるのか否か? やきもきするなか、すべての謎を握る人物との接触に成功。次々と明かされる秘密文書の謎。そして遂にはルパンの脱獄にドイツ皇帝が絡んでくるというのだから、もう自分の想像を完全に超えてます。

 ドイツ皇帝にとって重要な秘密と引き換えに自分の脱獄を認めさせてしまうルパンの交渉術の巧さ……というか、作者の粋なアイデアに脱帽。無事「813」の謎を解き、重要アイテムを手にするかと思えば、時すでに遅し。憎き敵"L.M."に先取りされていたという……。
 ルパン対"L.M."の必死の攻防戦。怪盗であるけれど、決して殺人をしない・許さないルパン。対する"L.M."は怖るべき殺人者。
 今回ルパンは幾度となく劣勢です。けれど、持ち前の不屈の精神で数々の試練と難関をクリアしていく。弱音を吐き、時に泣き崩れるルパンに感情移入は必至。

 終盤、とうとうルパンが憎き敵"L.M."を捕える。そして図らずも犯人をその手で殺めてしまうが、はたしてその正体はなんと、ほのかに想いを寄せていたドロレス・ケッセルバック夫人だったという……。
 さらに間接的な殺人の連鎖は続く。当初犯人だと思いこんで警察に突き出し、処刑されてしまった人物はもちろん無実の罪で処刑され、ケッセルバック夫人に想いを寄せていた、ルパンの偉大な計画を実現させるためのキーパーソンも、夫人の後を追って自殺してしまう。直接的・間接的にルパンが死に追いやった3人の人物。これが、サブタイトル「Les trois crimes d'Arsene Lupin」→ルパン3つの犯罪 の由来となっている。

 この作品、第一次大戦という時代背景も重要なアイテム。ルパン=フランスVSドイツ皇帝=ドイツと深読みしてもおかしくないし。さらにルパンが愛国心に溢れた人物として描かれているのは、戦時下におけるフランス国民の意気高揚効果もあったのでは?

 なんだか、まとまりのないレビューとなってしまいましたが、とにかくルパンシリーズ最高!
 ひとえに作者の卓越したアイデアとキャラクター造形の妙、そして何よりストーリーの面白さのおかげかと。時代を経て愛される理由が今さらながらよくわかる。
 さて、次は何を読もうかなと。とにかくどの作品も期待を裏切らないと信じてます!


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Theme : 推理小説・ミステリー * Genre : 本・雑誌 * Category : モーリス・ルブラン
* Comment : (2) * Trackback : (0) |

NoTitle * by ひいち
面白そうですねー☆
レビューがお上手で、引き込まれちゃう!!
「モーリス・ルブラン」ってメモして図書館に行くのですが、
外国の著者本棚はちょっと探しにくくて・・・
いつも後回しにしちゃうのですよねー。

Re: ひいち様☆ * by 惺
>自分的にかなりおススメなんです。
が、ひとりよがりのレビューだったらどうしようッ!!!ってヒヤヒヤしてますe-263

ルパンシリーズは、図書館ではヤングアダルトコーナーか書庫にあるかもです。
今はあまり借りる人いないんですよe-263
カウンターで作者名とタイトルを言えば、きっと探しだしてきてくれますよ~☆
コメントありがとうございました♪

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