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個別記事の管理2010-11-18 (Thu)

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武士道セブンティーン武士道セブンティーン
(2008/07)
誉田 哲也

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 極上の青春モノでした。前作「武士道シックスティーン」の文庫あとがき・金原瑞人氏の解説で、「次の作品はさらに面白い」的なことが書いてあったので期待してたのですが……まさにそのとおりでした。以下BOOKデータベースよりあらすじ。

早苗は成績重視・結果主義の剣道強豪高へ、香織は個人主義から部に忠義を尽くし始める。ふたりの武士道の時代(研究中)が幕を開けた―。新進気鋭が放つ痛快・青春エンターテインメント、正面打ち二本目。

 早苗が九州に転校し、2人が離ればなれで剣道の道を進んでゆく、という展開に突入。
 「シックスティーン」では香織の葛藤を描いていましたが、今作は早苗の葛藤を中心に描いてます。
 あらすじにもあるとおり、早苗は剣道の強豪校に転入。そこはいわゆる剣道のエリート校。最初は夢いっぱい・期待いっぱいで転入した早苗も、次第に剣道部の方針に違和感を感じるようになる──。

 新キャラである美少女・黒岩伶那は、剣道の高度競技化・スポーツ化を目指し、剣道部の影の黒幕的存在の実力派。早苗は彼女と自分の目指す剣道の違いを感じ始め、悩み、葛藤する。伶那が剣道部の実績のために自分を利用しようとしていたことに傷つき混乱して、一時、自分の進むべき道がわからなくなってしまう。

 反対に香織はすっかり毒が抜けて、今や部のために奔走。後輩の指導も怠らないという豹変ぶり。遠く離れた早苗のことを気にしながらも、自分の感情をあらわすことに不器用なため、なかなか素直に連絡がとれない。
 2人の物理的な距離はとてつもなく離れているけれど、精神的な距離が少しづつ縮まり、理解しあえる仲へと進化してゆく様がなんとも自然に描写されていて爆笑と共に読ませる。
 悩んでいる早苗のために、因縁の「横浜市民秋季剣道大会」に出場することを提案する香織。そして自分の唯一の師匠に悩む早苗を引きあわせるあたり、うんうん、香織成長したじゃん! と思わず褒めてやりたくなったし。
 そして香織の想いを受けて、早苗も自分の技をつかみかけ、迷いをふっ切るきっかけを得る。

 決して甘ったるくない香織と早苗の友情。読んでいて爽やか。
 その良い例が終盤。横浜に東松にどうしても逃げ帰りたくなった早苗に、香織はガツンと一言浴びせかける。「黒岩に勝ってから帰ってこい」と。
 この言葉に奮起した早苗は持ち前の芯の強さを発揮し、伶那に決闘を申し込む。

 作中にもありましたが、タイプ的に香織が剛なら早苗は柔。2人の個性が上手い具合に相乗効果となって、お互いが前進するための原動力となっている。作者サンのその描写がとても巧くて……会話といい、シチュエーションといい、もうラストでは不覚にもボロボロ泣いてました。特に早苗と伶那の決闘シーンはまさに感動の嵐でした。

 香織と早苗が目指す剣道=武士道。
 その武士道とは戦うことではなく、戦いを収めることだ。と、香織に諭す父の言葉が印象的。
 そしてその教えを素直に実践した香織の精神的成長に目を瞠り、続くラストの2人の本当の別れ──早苗が涙ながらに香織に伝える言葉にも、ひとまわり逞しくなった早苗の精神的成長を感じたのは言うまでもありません。
 次の「武士道エイティーン」もさらに面白そう♪ 期待値大です。


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 誉田哲也
* Comment : (2) * Trackback : (1) |

NoTitle * by まいまい
読みました。読みました。
おもしろかったですね!

悩む早苗の姿を見て師匠に引き合わせる香織!
ホントに褒めてあげたい感じです。
「黒岩に勝ってから帰ってこい」もよかった。

スポーツの高度競技化を取り上げたところもなかなかです。
日本柔道なんか今もそれで迷っているように見えます。

図書館で借りていたのですが「武士道エイティーン」だけなかなか戻ってきません。
早く読みたいな♪

Re:まいまい様☆ * by 惺
> 悩む早苗の姿を見て師匠に引き合わせる香織!
> ホントに褒めてあげたい感じです。
> 「黒岩に勝ってから帰ってこい」もよかった。
ホントですよね~。
読んでる最中、よしッ! 頑張れッ!とか思わず独り言。
アヤシイ奴になってましたe-263

> スポーツの高度競技化を取り上げたところもなかなかです。
> 日本柔道なんか今もそれで迷っているように見えます。
早苗を通してさりげなく問題提起をしているところもさすがの巧さだと思います。

> 図書館で借りていたのですが「武士道エイティーン」だけなかなか戻ってきません。
こっちの図書館もそうです! 
「セブンティーン」は奇跡的に在庫だったので、すかさず借りてしまいました。ラッキー☆
早く「エイティーン」読みたいですよね!!

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