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個別記事の管理2010-11-25 (Thu)

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金閣寺 (新潮文庫)金閣寺 (新潮文庫)
(2003/05)
三島 由紀夫

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 今日11月25日は三島由紀夫の命日という単純な理由で、代表作を読んでみました。以下文庫裏表紙よりあらすじ。

一九五○年七月二日、「国宝、金閣寺焼失。放火犯人は寺の青年僧」という衝撃のニュースが世人の耳目を驚かせた。
この事件の陰に潜められた若い学僧の悩み──ハンディを背負った宿命の子の、生への消しがたい呪いと、それゆえに金閣の美の魔力に魂を奪われ、ついには幻想と心中するにいたった悲劇……。

 既読の「不道徳教育講座」や「お嬢さん」・「純白の夜」とは明らかに一線を画した、三島由紀夫の本領発揮とも言うべき作品でした。
 告白体を用いた史実の中に巧みにフィクションを織り交ぜた構成は、今さら自分が述べるまでもなく見事に融合していて、一気に読ませます。

 僧侶であった父親から金閣寺を至上の美として教え込まれた、吃音症の主人公。彼は無意識の裡に父親の影響を受け、金閣寺に対し到底手に入らぬ永遠の美の象徴として惹かれ憑かれてゆく。それと並行して吃音症は主人公の人生と精神に暗い影を落とし、深い美への欲求が反転して歪んだ美の破滅と破壊の衝動に駆られてゆくことになる。

 主人公は当初から人生に諦観の念を抱いてしまっていて、父親の死に直面しても嘆くことはなく、母親には軽蔑のまなざしを向ける。そしてさらに「人間的規模を絶した悲劇を」夢見ているような、破滅型な人物として描かれてます。
 その彼に関わる2人の友人。聡明な鶴川と悪魔的な柏木。結局彼らが主人公にとって真の友となることはなく、さらに師匠である金閣寺の住職との確執、あまりにも俗物すぎた母親……それら自分を取り巻く全ての人間関係、ひいては人生に絶望した主人公はひたすら破滅へと突き進む。それは自分が永遠に手に入れることのできない美の象徴─すなわち金閣寺─を燃やさなければならない、という異常な強迫観念に繋がっていく。

 金閣寺を燃やしたあと自殺の用意をしていた彼。けれど事を成し遂げ、金閣寺を燃やしている火の粉を見ながら、「生きようと思った」という二律背反的な主人公の心理に複雑な想いが。

 主人公の幻の中の絢爛たる金閣寺の緻密な描写、破滅へと向かう主人公の心理描写の完璧さ。没後40年を経て読み継がれる名作の所以がなるほど理解出来たような。
 テーマは重厚にして、感慨深い。一人の悲しい人間の運命を描ききった、まさに三島作品の真骨頂を見た思いでした。


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Theme : 考えさせられる本 * Genre : 本・雑誌 * Category : 三島由紀夫
* Comment : (2) * Trackback : (1) |

読んでないの・・・ * by 読書系女子
日本文学を全く読んでいないワタクシ・・・
この本も読んだことないです。
命日だったのですね(それすら知らなかった・・)

この秋は京都に行きたかったのですが、紅葉の季節は宿がいっぱい(空いてるとこは高過ぎ 涙)であきらめたのです。。。金閣寺を読めば旅行の代償になるかしら???
(いや、森見かな・・・)

Re: 読書系女子様☆ * by 惺
> 金閣寺を読めば旅行の代償になるかしら???
いやいや、逆にテンション下がってしまうかも…感動するケド。

> (いや、森見かな・・・)
うんうん、どちらかというとこっち。あとは「るるぶ京都」あたりでどうでしょうか?
なんて…でもホント秋の京都って行ってみた~い!
コメントありがとi-176

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