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個別記事の管理2010-02-21 (Sun)

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猫背の王子 (集英社文庫)猫背の王子 (集英社文庫)
(2000/11)
中山 可穂

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 まず、この装丁にヤられました。内容にピッタリの、なんとセンス良いカバー。ただ、人前で読むにはブックカバー必携ですが。
 わざわざ自分が書かなくても、あまりにも有名な中山可穂女史の(メジャー)デビュー作。作者の後々の作品のヒロイン達は皆この「王寺ミチル」の遺伝子を受け継いでいると言っても過言ではない、と思う。まあ、「王寺ミチル」は少なからず(殆ど?)作者自身を投影していると自分は思っているので、作品を透かして作者の思想なり嗜好なりが垣間見えて、何とも親近感が湧きますね~。
 とにもかくにもこのヒロイン創造がこの作品の成功した所以でしょう。淫乱で我儘で放埓で情熱的な個性の持ち主。彼女から放つ強烈な輝きが周囲の皆の輝きさえも奪ってゆき、「演劇さえあれば何もいらない」そんな刹那的な考えが皆に理解されるはずもなく、ひとりまたひとりとミチルの許から離れてゆく。特にミチルの長年の相棒であり、良き理解者だったトオルの存在。彼ははっきりと口にしていないけれど、劇団を自分を見放してゆくだろうという、確固たる予感を抱くミチルの疑心暗鬼の描写が巧い。ただ、ミチルの一人称で進むハナシなので、なかなかトオル本人の心情が具体的にわからないのが難点かな。

 劇団を演劇を愛するがゆえ、自分を、そして周囲の人間をも巻き込んで破滅に突き進んでゆくミチルの自己愛の強さ、傲慢さ。これらを作者お得意のエロティック描写にくるんで一気に読ませる手腕はさすがだなと。

天使の骨 (集英社文庫)天使の骨 (集英社文庫)
(2001/08)
中山 可穂

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 「猫背の王子」が破滅へと堕ちてゆく話だとするなら、こちらはズバリ王寺ミチルの再生のハナシ。
 ミチルが自分の死期の近さを天使の行進? に例えるところはな~んてロマンチックなんでしょう、作者様! と思ってしまいました。こういうところセンスあるなあと。「猫背~」でミチルが薔薇の花束で殴られる件とかもそう。
 序盤はもうどうでもいいや~ってカンジですね。真骨頂は中盤、ミチルが傷心の旅と称してヨーロッパ諸国を旅する辺りですかね。これはもう作者の体験・経験がまんま活かされていると思います。ミチルが旅を通してココロの傷を癒してゆく様がゆっくりと丁寧に描かれているので、ある意味ミチル版「熱帯感傷紀行」の様相を呈してます。

 恋に破れ演劇の夢を断たれたミチルを救うのは、旅先で出逢った新しい恋と新たな演劇のパートナー、久美子。う~ん、ここらへんがちょっとうまく出来すぎてないか? とチラッと思ってしまったのだけど。
 破滅と再生。対をなす上質な2作品。王寺ミチルの強烈な個性に魅せられること必至です。

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Theme : お気に入りの本 * Genre : 本・雑誌 * Category : 中山可穂
* Comment : (4) * Trackback : (0) |

薔薇の路は、イバラの路へと続く? * by nao
「猫背の王子」・・王寺ミチルの青春薔薇物語・・堪能しました。
最初のページから早々立ち上ってくる(白)薔薇の濃厚・濃密な香り・・
アタマがクラクラしましたぜ・・しかしこの女ドンファンさん、
暴走ぶりが笑えるものの、傲慢の内に哀しみを圧し込めているらしい様子で、
そこの大きな落差が、この小説(主人公)の最も魅力的なトコでありました。
(話は外れますが「猫背」の表紙!・・一瞬間、その際どさに引きますが、
そこに孕む情動の緊迫感、その硬直した裸身からよく伝わってきて秀逸!)。
もう借りてあるのですが、続編「天使の骨」・・楽しみです。

Re: nao 様☆ * by 惺
こんばんは!
早いですねー、もう読了されたんですね!!
もはやnaoサンはりっぱな中山可穂中毒ですねー。
ミチルのあの破滅的な疾走感はいいですよね。
でもどのヒロインもすべて作者・中山可穂の分身なんですよ~。
作者自身を投影していると、ご自身も認めていらっしゃいますし。
ううむ、なんて魅力的な作家なんだ!!

あのジャケットは素晴らしい!!
良さをわかっていただけて嬉しい。
ただ、電車内ではカバーがないと絶対読めない…(>_<)
作品の魅力を非常に良く表現してますよね。
「天使の骨」は一転して穏やかムードで旅情豊かですよ~。
感想また聞かせてください☆

天使(死神?)がいっぱい * by nao
可穂祭り第三夜は「天使の骨」・・ん!?この鬱々とした語り手は誰じゃ?
うらぶれた斜陽の日々を過ごす、オンナ太宰化したミチル嬢でしたか。
彼女のする海外逃避行、あるいは放浪、または自分探し・かつ再生の旅?
盛りだくさんで、旅先で出会う人々の誰もが魅力的に描写されておりました。
物語の最後に近く「・・あの無垢な清純な生き物は天使の骨をもっている。
(略)・・それを磨くことにわたしの人生のことごとくを費やしてみたい・・」
と、ミチル完全復活!に立会いましたが、この後・・気になりますなぁ。
肉食獣のミチルが、柔和な草食系の久美子さんとうまくやっていけるのか?

ところで、可穂劇場の観劇は少しお休みして、先に香歩庭園巡りの方を集中的に
(「猫背」の次に「西魔女」・・このギャップはキツイです)。

Re: nao 様☆ * by 惺
こんばんは!
>ミチル完全復活!に立会いましたが、この後・・気になりますなぁ。
> 肉食獣のミチルが、柔和な草食系の久美子さんとうまくやっていけるのか?
どうなんでしょうね?
自分的にはこのカップルすぐ別れてしまいそうな…。
あ、でもミチルは癒しを求めているから久美子タイプがいいのかなあ?
…なんて、激しく感情移入してしまいますよねー!

> (「猫背」の次に「西魔女」・・このギャップはキツイです)。
わはは…確かにー!
正統派児童文学ですもんね!
中山作品とはまた違った異質の感動が得られます!!

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