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個別記事の管理2011-01-04 (Tue)

ご訪問ありがとうございます☆

 
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 山田風太郎の初・明治モノ。ご訪問くださる方のおススメでぜひ読んでみよう!!と思い立ちました。以下文庫裏表紙よりあらすじ。

明治15年。年々文明開化の華やかさを増す東京を行く1台の古ぼけた辻馬車があった。
それを駆けるは元会津同心の干潟干兵衛。孫娘のお雛を馭者台の横に乗せて走る姿が話題を呼び、日々さまざまな人物が去来していく。
ある日2人は車会党の恨みを買い、壮士らに取り囲まれてしまう。危機に晒されたお雛が「父!」と助けを叫ぶと、なんと無人の辻馬車が音もなく動きだした!そして現れたのは……?


 忍法帖以外の山田風太郎作品、正直言って面白かったです! 
 時代背景は維新後しばらく経った明治初期。主人公は元会津同心であり、西南の役での残敗兵・干潟干兵衛。端的に言うと、その彼の生き様を描いた作品。
 純然たる時代モノ作家である司馬遼太郎等とはまた違って、山田風太郎は基本エンタメ作家であるのではないかと個人的に思っているので、この作品も単なる歴史モノとは一風変わった味付けがされてます。

 干兵衛とその孫娘・雛が絶対絶命の危機に陥った時に颯爽と出現するのが、西南の役で戦死した息子・蔵太郎の幽霊。しかも彼は孫娘の雛が呼ばないと現れてくれないという設定がひとひねり。
 そして同じく幽霊である干兵衛の妻・お宵も絡んで、自由民権運動を推進する自由党の壮士と、対立する政府との争いに巻き込まれゆく……という幽霊が絡んだちょっとファンタジー的な展開と、行き別れた雛の母親と、お宵を非業の死へと追いやった犯人の行方も捜索するという、ちょっとしたミステリー仕立てとなっているところがさすがだなと。
 冒頭、雛が呼ぶ幽霊・蔵太郎登場シーンからして引き込まれ、上下巻一気に読んでしまったし。

 山田風太郎お得意の、史実と虚構の融合という構成もさすが。
 作中登場する実在した有名人物は数知れず。三遊亭円朝・伊藤博文・川上音二郎・貞奴・坪内逍遥・田山花袋・中江兆民……等々キリがないくらいですが、これらの人物を破綻無く作中に溶け込ませているところ、見事です。ただ、自分がこのあたりの時代背景に明るければもっと楽しめたと思うのですが……いかんせん、疎くてちょっと理解するのに辛かった。

 黒いまるで棺桶のような辻馬車を操り、帝都を疾駆する干兵衛。民権運動家達を窮地に追いやる意外な黒幕を突き止めるのも、何を隠そう彼。
 ラスト、己の人生の最後にひと花咲かせようと、自由党の壮士を援護すべく決死の覚悟で雨の中辻馬車を疾駆させる干兵衛の潔さにある種の男の美学を感じます。

 体制VS反体制という図式にミステリーとファンタジーを掛け合わせた異色な作品。忍法帖ほどのスリリングさはないけれど、充分楽しめました!


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Theme : 歴史・時代小説 * Genre : 本・雑誌 * Category : 山田風太郎
* Comment : (2) * Trackback : (0) |

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Re: こんばんは☆ * by 惺
v-83コメ様☆
いやいや~、ものすごく面白かったです。
忍法帖とはまた一味もふた味も違った、ある意味オトナの作品といった印象でした。
雛と干兵衛との絆がね、もうツボです!
ラストの2人の別れなんか巧すぎですよ。
ホントにご紹介ありがとうございました!!

「花宵~」はやっぱ男性としてはそうですか~、フフフ♪
作品の質も技術も大変良いと思うので充分堪能してください!
いつも応援ありがとうございます☆

コメント







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