FC2ブログ
06≪ 2021/07 ≫08
12345678910111213141516171819202122232425262728293031
個別記事の管理2011-01-08 (Sat)

ご訪問ありがとうございます☆

ラヴァーズ・キス (小学館文庫)ラヴァーズ・キス (小学館文庫)
(1999/08)
吉田 秋生

商品詳細を見る

 ものすごく期待してた吉田秋生作品!! 評判も大変良いとのことなので一気読み! 以下文庫コミック裏表紙よりあらすじ。

早朝の鎌倉、夜遊び帰りの里伽子が浜で出会ったのは1人のサーファー、海から上がってきたそいつは校内一の女ったらしと悪評高いロクデナシの藤井朋章だった。
はじめの出会いは最低最悪、だが、たがいの心の傷に触れた時、2人はかけがえのない恋人になったのだった。
初夏の光に包まれた海辺の県立高校に、2人の恋からさまざまな恋模様が生まれる…。


volⅠ 悪い噂
volⅡ 冷たい月
volⅢ Je te veux
volⅣ 好きやねん
volⅤ 彼女の嫌いな彼女
volⅥ TEMPEST 
 鎌倉を舞台にした、同性同士・異性同士のカップリングのそれぞれの恋と葛藤を描いた作品群……もちろん、期待通りの感動と面白さでした!
 
volⅠ・Ⅱは里伽子と朋章。
 お互い学校内では異性関係で悪評高い2人。が、早朝の鎌倉の海で言葉を交わしたことをきっかけに、知らず知らずのうちに惹かれあってゆく。
 特に朋章はタラシで有名。さまざまな噂が飛び交っているけれど、実は普通の少年。過去に母親から近親相姦未遂という経験を持ち、自殺未遂に至ったと言うトラウマを持っている。対する里伽子も小学生の頃に担任教師にイタズラをされたという辛い過去が。
 心の傷を負う2人の、最初はもどかしい、それでも互いに興味を抱きあい、ゆっくりと理解していく過程が作者独特のさらりとした描写で展開されていて、6篇の中でも秀逸なハナシだな、と。
 トラウマを克服しつつある里伽子と朋章の精神的成長と始まったばかりの恋が清々しい。

volⅢ・Ⅳは鷺沢と緒方。
 男子同士のほのかな恋愛模様。
 メインキャラは鷺沢。その彼が想いを寄せるのはなんと、同性の朋章。そして鷺沢に対して恋愛感情を抱いているのが、後輩の緒方……という、変則的な同性による三角関係。
 メガネキャラ鷺沢の純粋で素直な感情がなんとも切ないです。想いを寄せる朋章には里伽子という彼女がいる。それだけでも自分の恋が成就することはないと理解しているのに、さらに同性同士という事実が彼の報われない恋コゴロを決定づける。
 volⅢ冒頭の、心中したらしいカップルの亡霊を見て鷺沢が思う、
「おれはあんなふうにだれかを好きになりたいと思った。同じ思いでだれかを見つめ、同じ何かを共有したかった」
 という言葉がこのストーリーのテーマを如実に表現してるな~と。真に理解しあいたいと願う相手を求める鷺沢の心理描写がいいです。そして、逆に葛藤を抱きながらもストレートに鷺沢への恋を告げる緒方も憎めない。この2人がくっついちゃえばいいんじゃないの? と思うが、そう簡単にいかないのが恋愛の複雑なトコロよッ、としみじみ。

volⅤ・Ⅵは依里子と美樹子。
 コチラは女子同士の切ない恋愛模様。
 メインキャラは里伽子の妹・依里子。その依里子が憧憬にも近い恋ゴコロを抱いているのが、姉・里伽子の親友、美樹子。しかし、美樹子はずっと姉・里伽子に対して決して叶うことのない苦しい恋をしている。
 美樹子からそのことを告げられ失恋が決定的になった依里子。それぞれが皆、手の届かない相手のことを想い、悩む。そんな2人のプールサイドでの、相手を思い遣るシーンがとても感動的。
 美樹子の姉に寄せる想いを認め、尊重し、失恋で少し成長した依里子は、少しずつ姉に理解を示すようになる。
 姉に対する嫉妬と共感と……複雑な葛藤を乗り越えて姉に歩み寄る依里子の姿が爽やか。

 背景となっている鎌倉の海も効果的! あと江ノ島とか江の電の駅とかね~。夏に旅行に行った時のことを思い出してしまったし。
 悩める少年・少女達の心理を上手く切り取って描写する作者サンの手腕には、毎度のことながらホント唸ります!


にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
blogram投票ボタン
関連記事
Theme : コミック * Genre : 本・雑誌 * Category : 吉田秋生
* Comment : (4) * Trackback : (0) |

NoTitle * by ひいち
こんにちはー。

この本も大好きだったなぁ~。

こちらにくると、もうどんどんどんどん、読みたい本が増えちゃってぇ(≧∀≦)嬉しい悲鳴~♪
昨日はモーリス・ルブランを3冊ほど借りてきました♪

でも、最近読書がすすまなぁい(><)
息子が冬休みのせいだな・・・(苦笑)

NoTitle * by まいまい
この話,異性同士,同性同士みんなありになってますが,なぜか自然ですよね。おっしゃるように微妙な心理を切り取って表現するのが上手ですよね~。同じ舞台の「海街diary」も鎌倉の雰囲気が出ていて,行きたくなっちゃいます。

Re: ひいち様☆ * by 惺
こんばんは♪
> この本も大好きだったなぁ~。
ひいちサンは既に読んでいたのね!
自分は今さら読んだけど、もう感動!
吉田秋生って、どうしてこんなに切なくなるハナシが巧いんだろ~。

>昨日はモーリス・ルブランを3冊ほど借りてきました♪
ホント? 図書館にあったのね! 堪能してくださいね~♪ 

> 息子が冬休みのせいだな・・・(苦笑)
そうそう、全部子供のせい。
自分が家事をする気になれないのもぜ~んぶお子様のせいよん!!

Re: まいまい様☆ * by 惺
こんばんは☆
最初読んだとき、ええ~!! こういうのアリなのね?
と思いましたが……何度も読み返すと、やたら切なくなってしまって……。
「叶わぬ想い」の描写がとても巧いな~と。
まいまいサンがおっしゃる「海街diary」も読みたくなる!!
チェックします☆

コメント







管理者にだけ表示を許可する