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個別記事の管理2011-01-24 (Mon)

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ジーキル博士とハイド氏 (新潮文庫)ジーキル博士とハイド氏 (新潮文庫)
(1967/02)
スティーヴンソン

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 以前読んだ「世界幻想名作集」にも収録されていましたが、それはかなり端折られたモノだったことが判明。
 オリジナルはとても詳細で(当たり前ですが)感慨深かったです。悲惨でいたしかたない結末に納得しつつも何故か寂寥感が。以下文庫裏表紙よりあらすじ。

医学・法学の博士号を持つ高潔な紳士ジーキル氏の家に、いつのころからかハイドと名乗る醜悪な容貌の小男が出入りするようになった。
ハイドは殺人事件まで引起す邪悪な性格の持主だったが、実は彼は薬によって姿を変えたジーキル博士その人だった──。
人間の心にひそむ善と悪の闘いを二人の人物に象徴させ、゛二重人格゛の代名詞として今なお名高い怪奇小説の傑作。

 タイトルとおおまかな内容は漠然と知っていましたが、きちんと読んでみると、自分が思っていた部分と若干相違がありました。
 まず、ジーキルからハイドに変身する時って、薬品が用いられていたんですね~。知りませんでした。どちらかの意志で簡単に変身できるものだとばかり思っていたので。
 その薬品が容易に調達出来た頃までは善と悪、二人の入れ替えはスムーズに行われていたけれど、それが次第に困難になるにしたがってジーキル博士の精神の均衡は崩壊してゆく……それはすなわち、悪の権化であるハイドの力が強力になり、人格が彼に乗っ取られてゆくことを示唆している。

 ハナシの展開としてはジーキル博士の長年の親友である弁護士・アタスン視点で語られているところがとても巧いなと。何も知らない第三者の印象として語られるジーキル博士の不可解な行動、ハイドの不気味で謎めいた素性、著名人の殺人事件など。少しばかりミステリー仕立てとなっていて一気に小説世界に引きこまれ、飽きずに読み進めることが出来た。
 このハイドというキャラクターが負の魅力全開。まさに悪の権化といったカンジで、読んでいて本当に嫌悪感を抱かせる。それがまた巧い具合に仁徳者ジーギルとのコントラストとなっていて、人間ならきっと誰もが持っている裡に秘めた善と悪の二面性を非常に分かりやすく具現化している。

 善良なジーキルが次第にハイドに乗っ取られてゆく恐怖。何度悔い改めようと自戒しても悪への誘惑を抑制することが出来ない苦悩。それらジーキルの心情が訥々と語られた最終章「ジーキルの詳細な陳述書」が秀逸。
 前半部で語られたジーキルとハイドの不可解な行動の謎が一気に明かされてゆく展開が一気に読ませます。
 人格者であったジーキルの実は強烈な悪への憧れと欲求の吐露。その結果、自ら望んで生み出したハイドの暴走によって自己を乗っ取られるという恐怖と苦悩が読んでいてやるせない。
 唯一人格制御可能であった薬品が入手不可能と知るや、落胆しつつも必死にそれを求めるジーキルの姿はあたかも現代の麻薬中毒者のよう。

 ハイドに飲み込まれ悪徳の道へ進むか、それとも最後の理性を振り絞ってハイドを死へと導くか。それはジーキルの自殺に他ならないのだけれども。一体ジーキルとハイド、どちらの意志がより強固でどちらの人格が打ち勝つのか?
 結果は早々にあっけなくわかってしまうのだけど、沈痛なジーキルの独白ともいえる最終章を読むことによって、さらに感動が増すことは必至です。


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Theme : 海外小説・翻訳本 * Genre : 小説・文学 * Category : ジーキル博士とハイド氏
* Comment : (4) * Trackback : (1) |

薬品? * by 読書系女子
薬品が出てくるんでしたっけ?
昔読んで感動した記憶があるけど、詳細はすっかり忘れています^^;

紳士って生きづらいのでしょうか?
時代を超えて読み継がれる小説って、やっぱり深いようですね☆

Re:読書系女子様☆ * by 惺
こんばんは~♪
> 薬品が出てくるんでしたっけ?
そうそう。
ジーキル博士が自分で作ったクスリを飲んでハイドに変身!するんです。

> 紳士って生きづらいのでしょうか?
世間体とか体裁とかいろいろあるみたいですね~。
重度のストレス…と言ったカンジかな。大変e-263

> 時代を超えて読み継がれる小説って、やっぱり深いようですね☆
ホントですね~。深いし面白い☆
コメントありがとですi-176

ジーキル博士とハイド氏 * by 風竜胆
こんばんは
ハイド氏、もっと大悪党だという先入観があったのですが、読んでみると意外に小悪党で、ちょっとがっかりしました(笑)

Re: 風竜胆様☆ * by 惺
こんばんは~☆
> ハイド氏、もっと大悪党だという先入観があったのですが、読んでみると意外に小悪党で、ちょっとがっかりしました(笑)
良い子のジーキル君をいじめる困ったチャン! 
と言ったカンジですかね♪
昔の名作も読み返してみると、あらら? 思っていたのと違うわ~!
と新たな発見がありますね☆

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