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個別記事の管理2011-02-05 (Sat)

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返らぬ日―吉屋信子少女小説選〈2〉 (吉屋信子少女小説選 (2))返らぬ日―吉屋信子少女小説選〈2〉 (吉屋信子少女小説選 (2))
(2003/05)
吉屋 信子

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 中原淳一のジャケ画だったのでちょっと大きくしてみました。今ではほとんど絶滅しかかっている清純な乙女像でしょうか? 
 久しぶりの吉屋信子。たいていの初期作品は読んだのに、これだけは未読でした。図書館に在庫があったのですかさず借りてしまいました。以下BOOKデータベースよりあらすじ。

「美しいこのひとは私のこいびとよ!」―日本橋の乾物問屋の妾腹の娘・彌生と、上海生まれの早熟な少女・かつみ。やさしい桃色のためいきのような二人の友愛は「あぶのうまる」?
少女の日の哀愁とユーモアに満ちた幻の傑作「返らぬ日」など、女学生をめぐる小説とエッセイ全7篇を収録。女学生の哀歓を描き切った、『花物語』の姉妹編ともいうべき初期作品集。

返らぬ日
七彩物語
裏切り者
日曜病(サンデーシック)
五月と桐の花
讃涙頌
同性を愛する幸い …の珠玉の7篇収録。

 白眉は表題作となっている「返らぬ日」ですね~。ちょっと過激なあらすじのとおり、従来の吉屋作品より踏み込んだ内容。
 上海育ちのエキゾチックな少女・かつみと、和服が似合う妾腹の美少女・彌生との悲恋物語。
 お互いに一目ボレしたかつみと彌生の出逢いはカソリックの学校。とある夕べの寄宿舎の露台(バルコニーのことね)で2人は互いの想いを打ち明け合う……という、定番のシチュエーションです。なんとなく花物語の「日陰の花」を思わせます。

 想いが通じ合い、幸せ絶頂のかつみと彌生。
 そしてストーリーは進み、またも定番の夏休み。かつみは軽井沢へ、彌生は鎌倉へと避暑のためそれぞれの別荘で過ごすため離ればなれになってしまう。しかし一時も離れ難い彌生はとうとうかつみのいる軽井沢へとやってくる。
 そして初めて過ごす2人きりの夜……この部分の描写がかなりぼかされていますけど、かなり踏み込んで少女同士の交流を描いてますね~。他にもポルトガル人のマダム・オルガに施してもらったおそろいのほくろの刺青(しかも口もと!)とか、阿片吸飲の願望とか……妖しくなまめかしい(!)エピソードも用意されていて、吉屋信子の創りあげた雰囲気抜群の耽美な世界に酔わされます!

 が、後半は展開が急転直下。彌生に縁談がもちあがり、彼女はもちろん応ずるはずがない。意を決してかつみに上海への逃亡か心中を願うけれど、かつみには亡き実母から託された大切な願いがあった……。
 彌生と共に行くか、母の願いを全うするか。ジレンマに苦しむかつみの心情が流麗な文体で綴られる。彌生に向かって訥々と語る母の物語が読んでいて切ない。そして最後の決断を下したかつみの前に現れた彌生もまた、かつみ以上に苦しみ悩んで、彼女のために哀しい結末を選び取る。
 純粋な少女2人の互いを思い遣る、静謐でありながら激しい愛情に深く感動。吉屋信子の美文調がなんとも良い味です。

 その他は短篇揃い。七彩物語を始め、どれも気楽に、楽しく読める。最後の1篇「同性を愛する幸い」は吉屋信子の恋愛観が淡々と述べられていて貴重かも。
 二度と返らぬ青春の日……このような意味合いで付けられたタイトルも非常に巧いな~と思ってしまいました! そしてところどころに色を添える中原淳一の素敵なイラストもナイスで贅沢です。


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Theme : 今日の一冊 * Genre : 本・雑誌 * Category : 吉屋信子
* Comment : (2) * Trackback : (0) |

こんばんは * by まいまい
この本,表紙だけでなく,中にも中原淳一のイラストが入ってるんですか。
すごいなあそれ。手元に置きたいかも。

吉屋信子の本は淘汰されないのがほんとにすごい。
イナカの図書館にもちゃんと置いてあります。
(復刻版だろうけど,復刻されることがすごい。)

惺さんのレビューがまた素晴らしくて,
未読の本なのに,互いを思う故に苦悩する美少女達が目に浮かぶようです。

Re: まいまい様☆ * by 惺
おはようございます!
> この本,表紙だけでなく,中にも中原淳一のイラストが入ってるんですか。
> すごいなあそれ。手元に置きたいかも。
そうなんですよ~!! けっこう貴重かもです。
アマゾンで探してみようかな、と自分も虎視眈々。

> 吉屋信子の本は淘汰されないのがほんとにすごい。
> イナカの図書館にもちゃんと置いてあります。
> (復刻版だろうけど,復刻されることがすごい。)
ホントですね。
やっぱり面白いからかなあ?
あまり古臭さを感じない(さすがに文体はキビしいけど)。
亜流はたくさんあるけれど、やっぱ吉屋信子に勝るものなし!
と、つくづく思ってしまいました~☆
コメントありがとうございますi-176

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